電子契約と書面契約の違いとは?電子契約を締結する上でのメリットなども紹介 | jinjerBlog

電子契約と書面契約の違いとは?電子契約を締結する上でのメリットなども紹介

署名している青の服着た男性

テレワークの導入に伴って、多くの企業は電子契約を利用するようになってきました。これまで契約といえば書面契約が一般的でしたが、電子契約との違いはどこにあるのでしょうか。

当記事では、電子契約と書面契約の違いについて、さらにどのような法律について知っておくべきか解説します。

1.電子契約と書面契約の違い

グレーの世界のはてな

電子契約と書面契約には大きな違いがあります。では、電子契約と書面契約の違いを3つ見ていきましょう。

1-1.書面の形式

電子契約と書面契約の違いですぐに思い浮かぶのは、書面の形式でしょう。

書面契約では、紙媒体で契約書を作成します。

一方で電子契約の場合、契約書は文章作成ソフトで作ったものをPDF形式に変換するのが一般的です。

書面契約の場合も、通常は文章作成ソフトで作ったものを印刷していたはずなので、電子契約を導入するとしても、それほど大きな変化はないでしょう。

1-2.証拠力

契約書においては証拠能力が非常に重要となります。
確かにその契約書が当事者によって署名捺印されたことを証明できなければなりません。

当然、書面契約でも電子契約でも法的に有効ですが、証拠力を担保する方法が異なります。
書面契約の場合、押印によって契約者本人が契約に合意したことを示し、改ざん防止のために契印を使用します。

契印は契約書のページをまたいで押されるので、契約書を改ざんすればすぐに分かるのです。
一方、電子契約の場合、電子署名によって本人が署名したことを証明します。

電子署名は公開鍵暗号方式によって厳重に保護されており、契約者本人しか署名できないものです。
さらに改ざん防止のためには、ハッシュ値と呼ばれる文字列と時刻を付与したタイムスタンプが用いられます。

1-3.締結後の事務処理

電子契約と書面契約は、契約締結後の事務処理も異なります。
書面契約の場合には、締結した契約書の原本をしっかり保管しておかなければなりません。

契約書専用のファイルを作り、そのファイルを保管する場所も必要でした。
しかし、電子契約であればWeb上で署名した契約書が自動的に電子契約サービスに保管されます。

もちろん、契約書をダウンロードして自社で保管することも可能です。
契約書の保管スペースは必要なく、契約の金額にかかわらず収入印紙もいらないのも特徴の一つです。

2.電子契約を締結する上での4つのメリット

濃い緑の背景とビックリマークを押す手

電子契約を締結することには、書面契約とは異なる多くのメリットがあります。では、電子契約の4つのメリットを見ていきましょう。

2-1.印紙税がかからない

電子契約のメリットの一つは、印紙税がかからない点です。
書面の契約書の場合、契約の金額に対応した収入印紙を貼付しなければなりません。

数百円で済む契約もあれば、数万円単位の収入印紙が必要な場合もありました。
しかし、電子契約であれば、収入印紙を貼付する必要がありません。

電子契約書は印紙税法で定められる文書に該当しないと考えられているためです。
とくに高額の契約を結ぶ会社や数多くの契約を締結する企業の場合には、電子契約書にするメリットがあるといえます。

2-2.事務作業の簡略化

電子契約の別のメリットは、事務作業の簡略化が可能である点です。
書面契約の場合、多くの事務作業が発生していました。

書面の作成・印刷を行い、社内での決裁、取引先への郵送と返送、締結済みの契約書のファイリングと保管などです。
取引先を訪ねて契約書の締結を行わなければならない場合には、移動の時間や手間もかかっていました。

しかし電子契約であれば、こうした手間のほとんどを削減できます。
書面の作成は必要ですが、取引先に電子契約サービスを使って送信、取引先が署名してくれれば自動的に契約書が保管されます。

自社で契約書を管理したい場合でも、電子契約サービスから契約書をダウンロードしてハードディスクに保管しておけば、保管スペースも必要なくなるでしょう。

2-3.契約更新時期を見逃さない

契約書は一度作成して終わりではなく、更新作業があります。

電子契約であれば、契約書の更新時期を見逃さずに済むでしょう。

書面契約の場合、契約が終わる日付を見逃して、いつの間にか契約が切れてしまっていたということがあり得ます。
とくに、大量の契約書を作成・締結しなければならない場合にはそうです。

しかし、電子契約の場合、契約終了の1カ月前にアラートが出るように設定しておけば、契約更新の手続きを始められます。

2-4.業務のコストを削減できる

電子契約であれば、書面契約で発生していた多くのコストを削減できます。

書面契約の場合、さまざまなコストが発生していました。

契約書を印刷する際のインク代、取引先に契約書を送付するための封筒代や切手代、郵便代、取引先に行って契約を結ぶ場合には交通費、契約書を保管するためのファイル代、さらに、契約書を保管する従業員の人件費などがあったのです。

一つひとつの支出はわずかでも、大量の契約を結ぶとなれば大きなコストになります。
電子契約であれば、サービスの導入費用だけが必要で、他のコストは必要なくなるでしょう。

大幅なコスト削減が実現できる可能性があるのです。

3.電子契約を締結する際に注意すべき法律

天秤とたくさんの本

電子契約を締結する際には、複数の法律に抵触していないか判断しなければなりません。

法律についてまったく知らずに電子契約を締結してしまうと、契約が無効になってしまう恐れがあります。

では、電子契約を締結する際に注意すべき法律を3つ見ていきましょう。

3-1.電子帳簿保存法

電子契約を締結する際に欠かせないのが、電子帳簿保存法の理解です。
電子帳簿保存法では、どのような書類や帳簿が電子的に保管できるかについての規定が記されています。

当然のことながら、電子契約書も電子帳簿保存法によって保管が認められている書類の一つです。

契約書の他にも、売上・仕入帳や棚卸表、賃借対照表、領収書、請求書、納品書などの書類も電子的に保存することが認められています。

ただし、電子的に保管された文書がディスプレイや書面の形で出力できるようにしておくこと、必要に応じて検索できるようにしておくことが定められている点に注意が必要です。

3-2.電子署名法

電子契約書で重要な別の法律が電子署名法です。電子契約書に電子署名が行われていれば、契約が真正に成立したものとすることが定められています。

電子署名法によって、電子契約書が法的に有効であると認められています。

3-3.民法

さらに、電子契約書には民法も関係しています。
民法は、賃貸や売買に関する事柄を定めた法律であるため、企業同士の契約についても様々な規定があります。

とくに民法で重要となるのは、522条に記載されている、契約の成立には必ずしも書面が必要であるわけではない点です。

書面による契約書がなくても契約が成立することを定めたもので、電子契約書が有効であることを保証するものとなっています。

4.電子契約を採用する際は法的に根拠のあるものを

斜めにタブレットをもって署名する瞬間

電子契約と書面契約には多くの相違点があるので、どちらのメリットが大きいのかしっかり見極める必要があります。法的に根拠のある電子契約を採用すれば、経費の削減やスピーディーな契約の締結が実現できるでしょう。