印紙代は折半すべき?適切な負担方法について解説 - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

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印紙代は折半すべき?適切な負担方法について解説

お金を分ける男女

契約書や領収書など、「課税文書」を作成する際に必要となる収入印紙。収入印紙を貼付するときは印紙代の支払いが必要になりますが、誰がこの印紙代を負担するべきなのか疑問に思ったことはありませんか。

実は印紙代の負担割合に関する考え方は、印紙税法と民法によって大きく異なります。

この記事では、印紙代の適切な負担割合について解説します。印紙代を節約する方法についても説明しているので、ぜひ法務業務に役立ててみてください。

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契約書によっては、印紙税を納めなければなりません。この印紙税の金額は、契約書に記載された取引額によって変動します。
そのため、間違えて多く貼ってしまった、という経験があるのではないでしょうか。
また、購入場所も限られているため、買いに行くのが面倒と感じる人も多いでしょう。

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1. 印紙税法による負担割合

法律

まずは、課税文書に印紙代(印紙税)を課すことについて定めた「印紙税法」に規定されている負担割合をみてみましょう。

印紙税法 第3条には、以下のような記載があります。

第3条(納税義務者)
1 別表第一の課税物件の欄に掲げる文書のうち、第五条の規定により印紙税を課さないものとされる文書以外の文書(以下「課税文書」という。)の作成者は、その作成した課税文書につき、印紙税を納める義務がある。
2 一の課税文書を二以上の者が共同して作成した場合には、当該二以上の者は、その作成した課税文書につき、連帯して印紙税を納める義務がある。

引用:印紙税法 | e-Gov法令検索

印紙税法では、課税文書を作成する際は、原則文書を作成したほうが印紙代を負担すべきと定めています。ただし、課税文書を共同で作成した場合は、当事者が連帯して印紙代を負担する義務があると記載されています。

ここで問題となるのは、何をもって「共同作成」となるかということです。

文書が「作成」されるのは、文書の目的を行使する時点であると印紙税法基本通達44条に規定されています。[注1]たとえば、不動産売買契約書を締結する場合、双方の意思が合致していることを示すのが文書作成の目的となるため、双方が記名捺印した時点で「文書が作成された」ということになります。この場合、当事者全員が共同で文書を作成することになるため、連帯して印紙代を負担する必要があるのです。

対して、領収書は相手に交付することが目的で作成される課税文書なので、交付する側、つまり発行者が印紙代を負担することになります。

このように、印紙税法による印紙代の負担割合は少し複雑な考え方が必要です。

2. 民法による負担割合

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次に、民法によって定められた印紙代の負担割合についてみてみましょう。

民法 第558条および第559条には、以下のような記載があります。

第558条 (売買契約に関する費用)
売買契約に関する費用は、当事者双方が等しい割合で負担する。

第559条 (有償契約への準用)
この節の規定は、売買以外の有償契約について準用する。ただし、その有償契約の性質がこれを許さないときは、この限りでない。

引用:民法 | e-Gov法令検索

民法上では、契約書を締結する際に必要となる費用は、当事者全員が等しい割合で負担する必要があると規定しています。

このように、印紙税法と民法では印紙代の負担割合に対する考え方が少し違います。契約書の場合は双方が折半して印紙代を負担することが原則となりますが、そのほかの文書を作成する際は注意が必要です。

3. ケース別|印紙代の負担割合

会計業務をする人

ここまで説明してきた法解釈をもとに、以下ではケース別の印紙代の負担割合について解説します。負担割合の判断に迷ったら、ここで紹介する内容を参考にしてみてください。

3-1. 文書を2通作成するとき

契約書などの文書の原本を2通作成して、当事者が1通ずつ保管する場合は、それぞれが1通分ずつ印紙代を負担すれば問題ありません。そのため、印紙代の負担額は折半ということになります。

3-2. 文書を1通のみ作成するとき

それでは、文書を1通しか作成しない場合はどうなるのでしょうか。たとえば、契約書を1通のみ作成し、一方が原本、一方がコピーを保管する場合です。

この場合も、印紙税法および民法の解釈に従って契約当事者双方が印紙代を折半して支払うべきです。しかし、実際は原本を所有するほうが印紙代を支払うことが多い傾向にあります。

原本を所有するほうが印紙代を負担する際は、特約を規定してきちんと負担割合を明記しておきましょう。特約を設定しておくことで、当事者同士が納得できる印紙代の負担割合を決められます。

4. 印紙代を適切に負担するための注意点

注意

最後に、印紙代を適切に負担するための注意点を2つ紹介します。場合によっては過怠税が科されてしまうおそれもあるため、ここで紹介するポイントをしっかりと踏まえたうえで課税文書を作成しましょう。

4-1. コピーの契約書でも印紙代が必要なケースがある

契約書などの課税文書を作成するときに、原本を1通のみ作成し、コピーを保管することで印紙代を節約するケースが多々あります。

たしかに、契約書などを単純にコピーしただけの文書は課税文書に含まれないため、収入印紙は不要です。ただし、コピーの契約書であっても印紙代の納付が必要なケースがあります。

印紙税がかかる課税文書は、「契約の成立を証明するために作成され、当事者の一方または双方の署名捺印がある文書」です。コピーの契約書でも、それが契約の成立を証明する目的で印刷されたものであれば課税文書となるのです。

具体的に、以下の条件に当てはまる契約書は課税文書に該当します。[注2]

・本文に「原本と相違ない」と言った意味の文言が記載されている
・本文に「契約成立の証として本書2通を作成し、甲乙各自が1通を保管する」という文言が記載されている
・割印が押されている
・コピーに契約当事者双方または一方の署名捺印がされている

反対に、「本書を1通作成し、甲が保管する」といった文言が記載されている契約書の場合、コピーの契約書には印紙代が不要です。また、作成した原本を単にコピーしただけのもので、コピーした契約書に署名捺印がされていない場合も、課税対象になりません。

コピーした契約書が課税文書に該当するかどうかの判断は難しいので、十分に注意してください。

4-2. 電子交付は印紙代が不要

課税文書に含まれる文書であっても、電子データによって契約を取り交わす場合または電子交付する場合は、印紙代が不要となります。

国税庁が公表している「請負契約に係る注文請書を電磁的記録に変換して電子メールで送信した場合の印紙税の課税関係について」[注3]によると、以下のように解釈されていることがわかります。

・電子データやFAXによる取り交わしは「文書の作成」に該当しないため非課税
・ただし、電子契約後に現物を持参するなどした場合は印紙代がかかる

つまり、たとえ課税文書であっても、電子ファイルで契約を締結する場合は、文書作成に該当しないため印紙代は不要となり、現物を交付した場合のみ課税対象になるということです。

なお、領収書といったほかの課税文書に関しても同様で、現物を交付しなければ印紙代はかかりません。収入印紙を貼付する文書の作成頻度が高い企業は、電子契約や電子交付を活用すると、印紙代を大幅に削減できるでしょう。

5. 印紙代の適切な負担方法を押さえておこう

ポイント

課税文書に貼付が必要な収入印紙を購入する際に必要となる印紙代。印紙代の負担割合は、印紙税法と民法で異なるため注意が必要です。

ただし、当事者間で同意があれば、特約を設定することで印紙代の負担割合を自由に決定する事が可能です。どちらか一方が印紙代を負担するときは、トラブルを防ぐためにも、契約書などに特約を明記しておきましょう。

印紙代を節約したい場合は、電子契約システムの導入がおすすめです。書類の保管負担の軽減や業務の効率化にもつながるため、ぜひ検討してみてください。

[注1]印紙税法基本通達44条 (作成等の意義)|国税庁

[注2]No.7120 契約書の写し、副本、謄本等|国税庁

[注3]請負契約に係る注文請書を電磁的記録に変換して電子メールで送信した場合の印紙税の課税関係について|国税庁

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契約書によっては、印紙税を納めなければなりません。この印紙税の金額は、契約書に記載された取引額によって変動します。
そのため、間違えて多く貼ってしまった、という経験があるのではないでしょうか。
また、購入場所も限られているため、買いに行くのが面倒と感じる人も多いでしょう。

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MEGURO

MEGURO

HR NOTEのライター、総合求人サイトとシニア向け情報メディアの立ち上げを経て、現在はjinjer blogの運営に携わっています。 事業視点から、バックオフィスの重要性を啓蒙するコンテンツを作っています。 保有資格:ファイナンシャル・プランニング技能士(3級)

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