【経理・情シス603名が回答】 「インボイス制度・電子帳簿保存法への対応」の実態調査で、 約60%の企業が課題を抱えながら運用 約40%の企業が経費精算システムの導入または刷新を検討
公開日: 2024.2.20 MUKAI
クラウド型人事労務システム「ジンジャー」を提供しているjinjer株式会社(本社:東京都新宿区 代表取締役社長:桑内 孝志 以下、jinjer)は、企業の経理、情シス担当者の計603名を対象に、「インボイス制度・電子帳簿保存法への対応」の実態調査を実施しました。
調査サマリー
【調査概要】
・調査概要:「インボイス制度・電子帳簿保存法への対応」の実態調査
・調査方法:インターネット調査
・調査期間:2024年1月29日~2024年1月30日
・調査対象:経理担当者・情報システム部門 603名
≪本調査の利用について≫
1 引用いただく際は、情報の出典元として「jinjer株式会社」の名前を明記してください。
2 ウェブサイトで使用する場合は、出典元として、下記リンクを設置してください。
URL:https://jinjer.co.jp/
調査の背景
現在、企業の経理担当者は、2022年の税制改正で見直されたインボイス制度※1と電子帳簿保存法※2への対応が求められています。特に、2024年1月1日から電子取引のデータは完全に電子保存が義務化され、紙の保存ができなくなります。
この変更により、経理業務の一部が効率化される一方で、すべての事業者、特に中小企業や個人事業主にとって大きな負担となり、電子保存のためのシステム導入やデータ管理、インボイス制度では適格請求書の管理と消費税申告の精度向上のための体制整備が必要になります。これらの制度対応の実態を把握するために実態調査を実施しました。
※1 参照
インボイス制度の概要|国税庁
※2 参照
電子帳簿保存法の概要|国税庁
回答者属性
調査内容の詳細
約50%の企業が経費精算システムを「導入済み」と回答。
「経費精算システムの導入状況を教えてください」という質問に対し、「システム導入あり」が50.7%、「システム導入なし」が26.2%、「システムの導入状況を把握していない」という回答が23.1%となりました。
約60%の企業が電子帳簿保存法・インボイス制度の理解/運用に課題を感じているという結果に。
「電子帳簿保存法やインボイス制度の対応に伴い、該当するものを選択してください」という質問に対し、「インボイス制度の理解/運用が難しい」「電子帳簿保存法の理解/運用が難しい」という回答が、計58.6%となり、制度の理解や運用に課題を感じている企業が多く見られました。また、他にも「経理担当者の業務が大幅に増えた」が17.2%、「従業員の運用がうまく定着しない」が11.4%と、制度の運用に関して課題を感じている企業が目立ちました。
約60%の企業が経費精算システムを4年以上前から導入していると回答。
「経費精算システムをいつ導入しましたか?」という質問に対し、「4年以上前」が60.1%、「2~3年以内」が29.1%、「1年以内」が10.8%と大半の企業がインボイス制度施行前から経費精算システムを導入していることが伺えます。
約70%の企業が経費精算システム導入に合わせて、会計やワークフロー、請求書関連のシステムの導入をおこなっている
「経費精算システムと一緒に導入した他のシステムはございますか?」という質問に対し、「なし」(経費精算システムのみ導入)は34.3%にとどまりました。その他に関しては、「会計関連のシステム」が20.6%、「ワークフローシステム」が17.6%、「請求書の発行システム」「請求書の受領システム」は計26.4%と70%近くの企業が経費精算システム導入に合わせて、他システムも導入しているということが明らかになりました。
約80%の企業が経費精算システムの導入により、電子帳簿保存法やインボイス制度への対応が効率化できたと回答。
「経費精算システムの導入によって、電子帳簿保存法やインボイス制度への対応は効率化されたか」という質問に対し、「やや効率化された」が57.5%、「非常に効率化された」が25.2%と、計80%近くの企業が効率化を実感しているという結果になりました。
システムを導入したものの、上手く効率化できなかった企業の約80%が「システム導入により業務工数が増えた」「従業員に上手く定着しない」と回答。
Q7で「あまり効率化できていない」「全く効率化できていない」と回答した方に向け、その理由について質問したところ、以下のような結果となりました。
最も多かった回答としては「システム導入によりむしろ業務工数が増えた」(41.5%)、続いて「従業員にうまく定着しない」(35.8%)とシステムの運用に課題を感じる企業が多く見られました。
その他の回答では、「システムではなく、法改正などの制度理解が難しい」(24.5%)という、そもそもの制度理解に課題があり、システムも使いこなせないという回答も見られました。
約40%の企業が経費精算システムの導入や刷新を検討しているという結果に。
「今後、経費精算システムの導入や刷新を検討しているか?」という質問に対し、「把握してない」が35%、「検討していない」が26.2%となり、「検討する可能性がある」(28.5%)
、「検討している」(10.3%)と約40%の企業が経費精算システムの導入や刷新を検討しているという結果になりました。
経費精算システムを導入・刷新する際に最も重要する項目は「従業員が使いやすいシステムかどうか」、続いて「導入工数がかからず、すぐに運用できるか」という結果に。
「経費精算システムの導入や刷新を検討する上で、重要視する点」について質問したところ、最も多かった回答は「従業員が使いやすいUI/UXが良い/よりシンプルにシステムにしたい」(67.9%)、続いて「導入工数がかからず、すぐに運用できるものにしたい」(44.4%)となりました。これらの結果から、経費精算システムを導入するうえで、「従業員に上手く定着するか」という観点を重要視している企業が多いことが伺えます。
また、約25%の企業が「使うシステムはなるべく増やしたくない」と回答しており、経費精算システムの導入により、かえって工数が増えてしまうことを懸念する声も見られました。
jinjer CPO (最高プロダクト責任者)松葉からのコメント
経理や情報システムの分野は企業運営の中核を担っており、日々の業務の正確性が企業の信頼性に直結します。電子帳簿保存法やインボイス制度の導入は、これらの領域に大きな変革をもたらすため、企業は迅速な適応が求められています。特に2024年からの新たな規制の施行は、経理業務のデジタル化と効率化を進める一方で、負担の増加も懸念されています。
このような背景のもと、法改正に迅速に対応し、業務を効率化するための経費精算システムなどの導入が進む見通しです。私たちジンジャーも、人事データを一元管理できる「CoreHRデータベース」の理念に基づき、経費精算システムを含めた人事労務分野でのシステムを提供しています。一元化されたデータベースを軸に、人事データのシームレスな連携を実現し、お客さまがストレスなく業務に取り組める環境を目指して日々努力していきます。