仕入債務回転期間とは?意味や計算方法を詳しく紹介 - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

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仕入債務回転期間とは?意味や計算方法を詳しく紹介

お金とカレンダー
企業の財務状況を知るひとつの指標になるのが仕入債務回転期間です。
よく似た数値に仕入債務回転率があり、どちらも仕入と支払いに関連する数値で、適正値を下回るとデメリットが増えます。

本記事では、仕入債務回転期間と仕入債務回転率について解説し、それぞれの計算方法もご紹介します。

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1. 仕入債務回転期間とは?

商品を確認する男性

仕入債務回転期間は、企業の財務状況を把握するうえで重要な情報のひとつです。どんな性質を持った指標なのか知っておきましょう。

1-1. 仕入をしてから支払うまでの期間

仕入債務回転期間は、商品やサービスの仕入をしてから、その代金を支払うまでの期間です。

企業間の取引では、仕入のたびに支払う都度払いはほとんどおこないません。1カ月ごとや半年ごとなど、期間を決めてまとめて支払うことがほとんどです。
そのときに発生する仕入から支払いまでの期間が仕入債務回転期間であり、仕入債務回転期間ができることに問題はありません。

帳簿上では、仕入債務回転期間は仕入をした側に発生するもので、決済が完了するまでは買掛金として計上されます。

1-2. 仕入債務回転期間は財務状況の指標になる

仕入債務回転期間の平均値は、財務省の調べによると1.37月とされています。
この数値は、全業種・全事業規模の平均値であるため、必ずしもすべての企業に当てはまるものではありません。
しかし、企業の財務状況を把握するひとつの指標になり得ます。

仕入債務回転期間が平均よりも長い場合は、支払いが遅いことを示します。企業間の取り決めで支払い期日が長く設定されている場合を除き、資金繰りが苦しくて支払いが滞っている可能性がある状態です。

反対に仕入債務回転期間が平均よりも短い場合は、支払いが素早く、資金に余裕があることが伺えます。

仕入債務回転期間だけで企業の財務状況を判断することはできませんが、売掛金の未回収リスクを下げるために有用な指標です。

1-3. 仕入債務回転期間の平均値は事業規模や業種で異なる

仕入債務回転期間の平均期間が1.37月とされているとお話をしました。
しかし、実際に企業の仕入債務回転期間を調べる際は、業種や事業規模ごとの平均値と比較したほうがより正確性が増します。

製造業と非製造業に分けて、資本金別の仕入債務回転期間をみていきましょう。

資本金1,000万円未満 資本金1,000万~1億円未満 資本金1億円~10億円未満 資本金10億円以上
製造業 0.76月 1.43月 1.78月 1.70月
非製造業 0.62月 1.22月 1.55月 1.37月

資本金1,000万円未満の企業は、製造業・非製造業どちらも1カ月以内に支払いを行っていることがわかります。
資本金1億円~10億円未満の企業は仕入債務回転期間が長く、50日前後が平均値です。

小規模事業者の場合は1カ月程度、中小企業の場合は50日以内の仕入債務回転期間であれば、財政状況は悪くないと考えられます。

2. 仕入債務回転期間の計算方法

電卓とお金

仕入債務回転期間は、仕入高または売上原価と、仕入債務がわかれば計算できます。月単位と日単位の仕入債務回転期間を知る方法を解説します。

2-1. 仕入高で計算する方法

1カ月あたりの仕入高がわかる場合は、以下の計算式で仕入債務回転期間を求められます。

日数単位で計算する場合 仕入債務 ÷ (仕入高 ÷ 365日)= 仕入債務回転期間
月単位で計算する場合 仕入債務 ÷ (仕入高 ÷ 12ヶ月)= 仕入債務回転期間

この計算式で使う仕入高は、決算書への記載が必須ではありません。
そのため、掲載していない企業も多いです。そのような場合は、売上原価から仕入債務回転期間を求められます。

2-2. 売上原価で計算する方法

仕入債務回転期間を売上原価から計算する場合も、仕入高で計算する際と同じ計算式を用います。

日数単位で計算する場合 仕入債務 ÷ (売上原価÷ 365日)= 仕入債務回転期間
月単位で計算する場合 仕入債務 ÷ (売上原価 ÷ 12ヶ月)= 仕入債務回転期間

仕入高と売上原価は一致するものではありません。
しかし、売上原価を使ってもとめた仕入債務回転期間でも、財務状況をある程度把握できます。

3. 仕入債務回転率とは?

はてなマークをうかべる女性

仕入債務回転期間とよく似た指標に、仕入債務回転率があります。仕入債務回転率も企業の財務状況を知るうえで欠かせない数値です。仕入債務回転率の意味と目安を知っておきましょう。

3-1. 支払いの効率を把握する指標

仕入債務回転率も仕入債務回転期間と同様に、仕入をしてから支払いを完了するまでの期間を示す数値です。
仕入債務回転率はパーセンテージで表れ、いかにスピーディーで効率的に支払いをしているかがわかります。

仕入債務回転期間では、仕入から支払いまでの間隔を日単位や月単位で求めることができました。数値が低い=支払いまでが早いということになり、プラスの要素が大きいです。

しかし、仕入債務回転率は仕入から支払いまでが早いほど数値が高くなります。
この点が仕入債務回転期間と仕入債務回転率では大きく違うため、指標にする際は注意しましょう。

3-2. 仕入債務回転率の目安は1,200%以上

仕入債務回転率は1,200%以上が望ましいとされています。
取引先企業の仕入債務回転率を計算した際に、1,200%以上の数値であれば売掛金の未回収や、支払い遅延のリスクは少ないと考えて問題ありません。

しかし、仕入債務回転率が1,200%を下回っていたとしても、必ずしも財務状況が悪い企業であるとは言い切れません。
仕入債務回転期間と同様に、仕入債務回転率にも業種や事業規模による差があるからです。

また、仕入先との特殊な条件やイレギュラーな事態に対応するために、一時的に仕入債務回転率が低くなっていることもあります。
短期間の仕入債務回転率だけでなく、長期の仕入債務回転率と、財務状況を示すほかの指標と合わせて判断することが重要です。

4. 仕入債務回転率の計算方法

荷物の金額計算をする女性

仕入債務回転率は以下の計算式で求められます。

(売上原価 ÷ 仕入債務) × 100 = 仕入債務回転率(%)

この計算式を使って、以下の条件を設定して計算してみましょう。

売上原価:2,000万円
仕入債務:160万円

(2,000万円 ÷ 160万円) × 100 = 1,250%

このように計算でき、この企業の仕入債務回転率は1,250%であることがわかります。
仕入債務が大きい場合は以下のように変化します。

売上原価:2,000万円
仕入債務:250万円

(2,000万円 ÷ 250万円) × 100 = 800%

仕入債務回転率が800%になり、目安の1,200%を大きく下回っていることがわかりました。
このように仕入債務回転率は率で表されるため、仕入債務回転期間と併せて見ることで企業の支払い状況をより明確に判断できます。

5. 仕入債務回転期間は企業の支払い状況をみる指標になる

電球のイラストを持つ男性

仕入債務回転期間は、仕入れた商品やサービスの代金を支払うまでの期間を示す数値です。短いほど素早く支払いが完了しており、財務状況が安定していることがわかります。

仕入債務回転率は支払い効率を示す数値です。
仕入債務回転期間と併用して調査すれば、対象企業の支払い状況をより詳しく知ることができます。

仕入債務回転期間と仕入債務回転率はどちらも簡単な計算で求めることが可能です。
未払いや支払い遅延のリスクを減らすために、ぜひ活用しましょう

会計の基本は「勘定科目」と「仕訳」
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jinjer Blog 編集部

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