繰延べとは?費用や収益の繰延べ処理をやさしく解説 - バックオフィスクラウドのジンジャー(jinjer)

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繰延べとは?費用や収益の繰延べ処理をやさしく解説

会計処理についての会議

会計処理では、当年度に支払った費用や得た収益に次年度分が含まれていることがあります。この費用や収益を決算時に処理する方法が繰延べです。

本記事では、費用や収益の繰延べ処理の仕方をやさしく解説します。担当者の方はこの記事を参考にして繰延べの処理方法を理解し、正しく処理しましょう。

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そこで当サイトでは、勘定科目や仕訳に関する基本知識と各科目ごとの仕訳例を網羅的にまとめた資料を無料で配布しております。 会計の理解を深めたい方には必須の知識となりますので、ぜひご覧ください。

勘定科目と仕訳

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1. 繰延べとは?

はてなマークを浮かべる女性

繰延べとは、当年度に支払った費用や得た収益が次年度以降分を含んでいる場合に、決算時に実際の年度分として処理を行うことを指しています。この仕訳を間違ってしまうと、正しく決算処理ができませんから、正しい方法を覚えておかなければなりません。

たとえば、当年の9月1日に1年分の家賃960,000円を支払ったとします。この際、当年9月1日から12月31日までの家賃は240,000円(80,000円×3カ月分)で、残りの720,000円は次年度分の家賃です。支払い時には960,000円を費用計上しますが、当年度分の家賃だけを費用として修正する処理を行わなければなりません。これが費用の繰延べです。費用の繰延べで繰延べた費用は前払費用と呼びます。

ご説明した繰延べは費用の繰延べですが、収益に関しても同じように当年中に次年度分を受け取ることがあるはずです。この場合も、決算時に繰延べを行い、当年度分の収益を修正しなければなりません。収益の繰延べを行う際は、繰延べた収益を前受収益として計上します。

会計用語では一般的な言葉ですが、普段使わない言葉だからこそ誤解してしまうケースもあります。費用の繰延べ処理と収益の繰延べ処理をそれぞれ紹介します。正しく処理できるように把握しておきましょう。

2. 費用の繰延べ処理

電卓で計算

保険料を1年分まとめて支払った際に、事業年度をまたいで次年度分の保険料を支払ったとします。支払い時にいったんは費用計上を行いますが、期末に費用の繰延べを行い、次年度の期首に再振替仕訳を行わなければなりません。

この際の仕訳を支払い時・決算時・次年度の期首に分けて確認してみましょう。

2-1. 支払い時

当年の7月1日に7月1日から翌年6月30日までの保険料24,000円を現金で支払った場合、支払い時は次年度分を含めて費用計上しなければなりません。

借方 貸方
支払保険料 24,000 現金 24,000

同様の保険料を普通預金からの口座振替にて支払った場合の仕訳は以下のとおりです。

借方 貸方
支払保険料 24,000 普通預金 24,000

2-2. 決算時

ただし、支払い時の仕訳のままでは次年度分まで当年度に支払ったことになってしまいます。そのため、決算時には、次年度分(翌年1月1日から6月30日)の保険料を前払費用として支払保険料から控除し、次年度に繰延べしなければなりません。

保険料は1年分で24,000円ですから、1カ月分は2,000円です。未経過分は12,000円となりますから、支払保険料から12,000円を前払費用で控除します。仕訳は以下のとおりです。

借方 貸方
前払費用 12,000 支払保険料 12,000

このように仕訳をすることで、未経過分を当年度の費用計上から控除できます。ほかの費用を繰延べする場合でも勘定科目は、前払費用を使いましょう。

2-3. 次年度の期首

次年度に入ったら、前払費用として控除した未経過分の保険料を再度支払保険料として、再振替仕訳して費用計上する必要があります。

借方 貸方
支払保険料 12,000 前払費用 12,000

3. 収益の繰延べ処理

電卓で計算

次に収益の繰延べについて解説します。当年に受け取った収益に次年度分以降の収益が含まれている場合は、収益の繰延べを行って、当年度の収益からいったん控除し、次年度の期首に再振替仕訳を行わなければなりません。この際の仕訳を受取時・決算時・次年度の期首に分けて見てみましょう。

3-1. 受取時

テナントを一年契約で貸し、当年の7月1日に7月1日から翌年6月30日分の家賃1,200,000円を7月1日に現金で受け取った場合、受取時に売上高として計上します。仕訳は以下のとおりです。

借方 貸方
現金 1,200,000 家賃売上高 1,200,000

同様の家賃を普通預金への振込で受け取った場合は、以下のとおりに仕訳します。

借方 貸方
普通預金 1,200,000 家賃売上高 1,200,000

3-2. 決算時

受取時には受け取った全額を売上高として計上していますが、この1,200,000円には翌年1月1日から6月30日分の家賃が含まれています。そのため、未経過分は前受収益として収益の繰延べを行い、当年度の売上から控除しなければなりません。

1年分の家賃が1,200,000円ということは、1カ月分が100,000円となりますので、翌年1月1日から6月30日分の家賃は600,000円です。

借方 貸方
家賃売上高 600,000 前受収益 600,000

3-3. 次年度の期首

次年度に入ったら、前年度の決算時に前受収益として計上した600,000円を売上高として再振替仕訳して計上します。

借方 貸方
前受収益 600,000 家賃売上高 600,000

4. 繰延べの反対は「見越し」

グラフを見る男性

繰延べは当年に支払った費用や受け取った収益のうち、次年度分以降のものを決算時に当年度の正しい費用・収益に修正することでした。繰延べの反対に、次年度分の費用や収益を当年度分として処理することを見越しといいます。繰延べという言葉は日常的にあまり使いませんが、見越しは「先を見越して実行する」などというように日常的にも使われている言葉です。費用の見越しと収益の見越しをする際の仕訳についても合わせて理解しておきましょう。

5. 費用の見越し

グラフを虫眼鏡でのぞく

本来は当年度の費用とするべきものを、後払い契約などで次年度に支払う場合は費用の見越しで当年度分として計上できます。契約時・決算時・次年度の期首・支払い時の仕訳をそれぞれ見てみましょう。

5-1. 契約時

当年の7月1日に7月1日から翌年6月30日まで1,200,000円でテナントを借りる後払い契約をしたとします。契約の時点では金銭の移動はありませんから、仕訳は行いません。

5-2. 決算時

まだ、テナント契約に対する支払いは行っていませんが、次年度に後払いする家賃の中には当年7月1日から12月31日までの6カ月分の家賃が含まれています。年間契約で1,200,000円のため、1カ月分は100,000円となり、当年度分は600,000円です。見越しの勘定科目は、未払費用となります。

借方 貸方
地代家賃 600,000 未払費用 600,000

5-3. 次年度の期首

次年度の期首には、未払費用として計上した600,000円を再振替仕訳で振り戻しします。

借方 貸方
未払費用 600,000 地代家賃 600,000

5-4. 支払い時

あとは、実際に家賃を支払った際に以下のように費用計上するだけです。

借方 貸方
地代家賃 1,200,000 現金 1,200,000

6. 収益の見越し

お金とチェックマークの天秤

次年度に受け取る予定の収益に、当年度分の収益が含まれている場合、当年度の収益として計上して次年度への見越しを行います。契約時・決算時・次年度の期首・受取時の仕訳をそれぞれ見てみましょう。

6-1. 契約時

当年の7月1日に7月1日から翌年6月30日まで2,400,000円でテナントを貸す後払い契約をしたとします。契約の時点では金銭の移動はありませんから、仕訳は行いません。

6-2. 決算時

まだ、テナント契約に対する収益は得ていませんが、次年度に後払いされる家賃の中には当年9月1日から12月31日までの3カ月分の家賃が含まれています。年間契約で2,400,000円のため、1カ月分は200,000円となり、当年度分は600,000円です。この600,000円を未収収益として計上します。

借方 貸方
未収収益 600,000 家賃売上高 600,000

6-3. 次年度の期首

次年度の期首には、未収収益として計上した600,000円を再振替仕訳して、払い戻し処理を行います。

借方 貸方
家賃売上高 600,000 未収収益 600,000

6-4. 受取時

あとは実際に家賃の支払いを受けた際に、以下のように計上するだけです。

借方 貸方
現金 2,400,000 家賃売上高 2,400,000

7. 繰延べ処理を行って正しく費用・収益を計上しよう

笑顔で仕事をする従業員

今回、解説したように、次年度以降分の費用を支払った際や収益を得た際は、決算時に繰延べ処理を行わなければなりません。

忘れがちな作業ですが、正しく計上できるようしっかり覚えておきましょう。どの費用・収益に次年度以降分が含まれているのか把握しておくことも大切です。

また、同時に見越しについても理解し、正しく仕訳できるようにしましょう。

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古屋匠憲

古屋匠憲

バックオフィス業務効率化のコンサルティングを経て、 現在はjinjer Blogの運営に携わっています。 法務・経理・総務を中心に管理業務の知見をもとに、現場の目線にあったコンテンツをお届けします。よくある課題から、単純な疑問まで担当者のお悩みを解消できるよう運営します。

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