繰越税金資産とは?回収可能性や仕訳例をわかりやすく解説 - ジンジャー(jinjer)| クラウド型人事労務システム

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繰越税金資産とは?回収可能性や仕訳例をわかりやすく解説

画面に税アイコンがうつっている様子

繰延税金資産について知っていますか。経理として業務をおこなっている方であれば、最低限知っておかなくてはいけない知識の1つです。しかし、少し複雑な部分もあるので、わからない方も多いでしょう。

本記事では繰延税金資産について解説いたします。繰延税金資産の回収可能性や仕訳方法についても解説しているのでぜひご確認ください。

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などなど会計の理解を深める際に前提の基礎知識となる勘定科目や仕訳がよくわからない方もいらっしゃるでしょう。

そこで当サイトでは、勘定科目や仕訳に関する基本知識と各科目ごとの仕訳例を網羅的にまとめた資料を無料で配布しております。 会計の理解を深めたい方には必須の知識となりますので、ぜひご覧ください。

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1. 繰延税金資産とは?

レシートをみる女性繰延税金資産とは、税効果会計に関係している会計科目の1つです。将来減算一時差異において、将来の課税所得から減額される額を資産として計上したのが繰延税金資産です。正確に説明をするとこういった表現が正しいのですが、実質は法人税の先払い額と同等となります。

そのため、繰延税金資産は法人税の先払い額と覚えておいても問題ありません。そして繰延税金資産を解説するうえで理解しておいた方がいい専門用語がいくつかあります。それらについて確認していきましょう。

1-1. 税効果会計

税効果会計とは、企業会計の税金と実際の税金の差異を調整する目的でおこなう会計のことです。過去の取引の結果を確認して、未来の税金が減る場合には資産計上、増える場合には負債計上をおこないます。

企業会計とは企業内部や外部への報告を目的としている会計のことです。つまり、企業会計においては外部や内部にどれだけ税金を納めたのかを報告しています。しかし、実際に納税する額は報告した額と異なるかもしれません。その際に発生するのが税効果会計なのです。

ちなみに、法人税などの税務申告を目的とした会計のことを税務会計といいます。これについても理解しておいてください。

1-2. 永久差異と一時差異

企業会計と税務会計は似ていますが、異なる点があります。それは企業会計の収益と費用、税務会計の益金と損金の認識についてです。収益と益金、費用と損金はほぼ同じ意味なのですが、微妙に違う点もあります。そのずれが解消されないものを永久差異、認識時期がずれているだけで将来的にはずれが解消されるものを一時差異といいます。

税効果会計で会計処理をおこなうのは、一時差異についてです。認識時期がずれてしまい、損益計算書上の法人税額が当期純利益に対応しないという事態を防ぐために、税効果会計で会計処理をおこなっています。

ここで繰延税金資産について考えてみましょう。繰延税金資産とは、税効果会計の一時差異において、将来的に課税所得が減額されると予想される額のことを指します。つまり、税務会計上の計算において、利益が企業会計上の計算と比べて上がったことでずれが生じているのです。

1-2-1. 将来減算一時差異

将来減算一時差異とは、税効果会計をおこなった際に発生した一時差異のうち、将来的に課税所得が減額される見込みの差異を指します。

1-2-2. 将来加算一時差異

将来加算一時差異とは、税効果会計をおこなった際に発生した一時差異のうち、将来的に課税所得が増額される見込みの差異を指します。将来減算一時差異と混同しないように注意しましょう。

1-3. 繰延税金負債との違い

繰延税金負債とは、将来的に増額される課税所得金額を計上する勘定科目です。前述した将来加算一時差異が発生した際に使用します。また、差異の解消に1年以上かかる想定の場合は「長期繰延税金負債」となるため注意しましょう。

2. 繰延税金資産の回収可能性とは?

頭にはてなマークを浮かべる女性繰延税金資産を計上するためには、回収可能性について検討しなくてはいけません。回収可能性がない繰延税金資産については、計上が認められていないので注意してください。

そもそも繰延税金資産の回収可能性とはどういった意味でしょうか。これは繰延税金資産が将来の支払税金を減額する効果があるかどうかのことです。繰延税金資産の将来減算一時差異には、それが解消されたときに課税所得を減額する効果があります。

しかし、将来減算一時差異が解消するときに将来の課税所得がなかったとしたら、税金が安くなることもありません。つまり、将来の課税所得が認められなければ、税金負担額は変わらないことになるので、繰延税金資産を計上することができないのです。回収可能性がないということです。

どうやって繰延税金資産の回収可能性について検討すればいいかを考えていきましょう。

2-2. 将来の利益を見込めるか考える

まずは会社が営んでいる事業において、将来の利益が十分に見込めるかどうかを検討してください。将来の利益が見込めなさそうであれば、繰延税金資産を計上することはできません。

2-3. タックスプランニングの有無

将来減算一時差異の解消年度等に、有価証券を売却したり利益を得られる固定資産を売却したりすれば、事業における利益の有無に関わらず課税所得を発生させることができます。こういった特別な計画のことをタックスプランニングといいます。

タックスプランニングがあれば、課税所得が発生する可能性はあると考えられるのですが、その実現可能性についても検討しなくてはいけません。実際に売却した際に、課税所得を出せるかどうかも考えましょう。

2-4. 将来加算一時差異を考える

将来減算一時差異と相殺できる将来加算一時差異が十分にあるかも考えてください。将来減算一時差異についてだけ考えるのではなく、将来加算一時差異についても目を向ける必要があります。

これらのポイントについて検討したうえで、将来的に課税所得が得られるかをよく考えてください。問題ないと判断したのであれば、繰延税金資産を計上しましょう。

2-5. 回収可能性がなくなった場合は取り崩しする

繰延税金資産は、回収可能性がなくなった場合に取り消されます。この繰越税金資産が取り消されることを「取り崩し」といいます。取り崩しが発生した場合、取り崩しによる資本の減少も同時に発生するため、会社の業績が大きく悪化する可能性があります。
そもそも、繰越税金資産として計上できるのかどうかは慎重に見極める必要があるでしょう。

3. 繰延税金資産の仕訳方法

税金の計算繰延税金資産の仕訳においては、繰延税金資産と法人税等調整額の会計科目を使用します。

繰延税金資産は、将来減算一時差異のうち、課税所得の減産の効果がある額のことです。賃借対照表の資産に該当するので覚えておいてください。それに対して法人税等調整額は、税引前当期純利益を加減して法人税などの金額を調整するために利用される会計科目です。

言葉で説明をしてもわかりづらいと思うので、具体的な例を用いて説明します。例えば、企業会計上、貸倒引当金に繰り入れた金額のうち、税法上は貸倒引当金繰入限度超過額に該当する100万円が損金に算入されなかったとしましょう。ここでの法定実効税率は30%とします。

繰延税金資産に該当するのは、将来減算一時差異にあたり、貸倒引当金繰入限度超過額に該当する100万円です。このまま100万円を計上してしまうと、将来減算一時差異の額をそのまま計上することになり、減算効果がない金額についても計上することになってしまいます。

この例における減算効果がある額というのは、法定実効税率をかけた額のことです。これを繰延税金資産として計上しましょう。繰延税金資産の相手科目は法人税等調整額となります。

100万円の30%ですから30万円が繰延税金資産となります。借方は繰延税金資産となり30万円、貸方は法人税等調整額隣となり30万円、このように記載をすれば仕訳完了となります。

そして繰延税金資産が解消されたときには、この仕訳の貸方と借方を入れ替えれば仕分け完了です。仕訳方法自体はそれほど難しくありません。

4. 繰延税金資産は業務の流れと照らし合わせながら理解しよう

point繰延税金資産の定義自体はさほど難しくありません。しかし、理解をしなければいけない専門用語がたくさんあるので、わからなくなってしまう方も多いのではないでしょうか。

用語の意味だけを覚えようとしても限界があるので、実際の業務の流れから意味を追っていくと覚えやすいです。会社にとってどういった影響があるのか、どういった役割を担っているのかなどを考えてみてください。

繰延税金資産に限らず会計は難しいポイントがたくさんあります。一気に理解を進めようとすると、いろんな言葉の意味が混同することになりかねません。慌てずにじっくり理解を深めていってください。一度納得ができるまで理解ができれば、意味が抜けて落ちてしまう心配はありません。

言葉上の意味だけではなく、業務における役割なども踏まえたうえで理解をしていきましょう。

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jinjerBlog 編集部

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