インボイス制度の導入で申請するべきものや注意点について
更新日: 2024.1.17
公開日: 2022.2.1
jinjer Blog 編集部
2023年10月からインボイス制度が導入されます。導入後は、消費税の仕入税額控除を受けるためには、仕入れ先から適格請求書等を発行してもわなければいけません。どのような事業者でも適格請求書等を発行できるわけではなく、適切な手順で申請を行う必要があります。
本記事では、インボイス制度の導入にともない、申請するべきものや注意点について解説します。
目次
86個の勘定科目と仕訳例をまとめて解説!
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「会計の基礎知識である勘定科目や仕訳がそもそもわからない」
「毎回ネットや本で調べていると時間がかかって困る」
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1.インボイス制度の導入で申請する必要があるもの
インボイス制度とは、課税事業者が仕入税額控除を受けるために、仕入れ先から適格請求書等が必要になる制度です。今の段階で課税事業者なのであれば、インボイス登録申請を行うことで、適格請求書等の発行が認められるようになります。
まず、登録するにあたって「適格請求書発行事業者の登録申請書」の用意が必要です。登録の申請は、紙媒体の書類だけでなくe-Taxを利用してインターネットから行うこともできます。申請を行ったあと、審査にかけられて登録が認められれば、税務署より登録通知書が交付されます。
そのほか、国税庁では適格請求書の発行が認められている事業者をホームページで公表されますので、こちらでも確認が可能です。
登録するにあたって、覚えておきたいのが申請の期限です。インボイス制度の登録申請は、2021年10月1日から行えます。実際に制度が導入がされるのは2023年10月1日からインボイスに対応するためには、2023年3月31日までに登録の申請を行うのが必須条件です。
※2022年12月の税制大綱にて、2023年9月30日までの申請分は、困難な理由がなくとも2023年10月1日を登録日として受付することが発表されました。かわりに、10月2日以降を希望する場合は、開始希望日を記入する必要があります。また、2023年10月1日時点で登録番号の通知が届いていない場合は、すぐに適格請求書を発行することはできません。登録番号の通知が届いた後、さかのぼって適用させる必要があるため、注意しましょう。
[参考]申請手続|国税庁
1-1.インボイス制度の申請のほか用意しておきたいこと
インボイス制度の申請をしたからといって、それで導入は終わりではありません。適格請求書等を発行して、かつ適切な形で書類を保存しておける環境を整える必要があります。
適格請求書等の発行は、申請時と同様で紙媒体だけでなく電子データでも行えます。紙媒体で作成するのであれば、これまで使用していた形式ではなく、必要な情報を追加が必要です。電子データで作成するのであれば、対応しているシステムを導入するなど改修を行わなければいけません。
今、施行されている区分記載請求書等保存方式では、請求書等は紙媒体で保存しておくのが原則と定められています。昨今では電子データで取引の内容を受け取る機会が多いため、紙媒体で発行されるケースが少なくなっています。ただし、やむを得ない理由がある場合に限り、帳簿のみの保存が認められています。
適格請求書等の保存においては、紙媒体あるいは電子データで行うことが可能です。電子データで行うほうがファイルの管理が簡単になりますので、インボイス制度の申請に合わせてこちらも導入を検討してみるとよいでしょう。
2.インボイス制度の導入での注意点
インボイス制度が導入されることで、多くの事業者が影響を受けることになります。これまで課税事業者だった場合、仕入れ先から適格請求書等を発行してもらわなければいけません。課税事業者側からしてみれば、仕入税額控除を今後受けるためには、適格請求書等の発行が可能な取引先に仕事をお願いする必要があります。
今の段階で免税事業者である場合、適格請求書等の発行ができなければ、今後仕事が減少してしまう恐れがあります。では、必要な手続きを行えば解決できるのかといえば、そう簡単な問題でもありません。適格請求書等の発行に対応するには、課税事業者になることが必須であるためです。
本来、年間の売上高が1,000万円に満たない場合、消費税の納税義務が免除される免税事業者となります。課税事業者になれば、これまで通り仕事を続けていけるかもしれません。一方で、税負担が大きくなる恐れがあります。
課税事業者になると、受け取った消費税と支払った消費税の差額を納める必要があります。税負担が増えると、今後事業を続けるのが困難になってしまうかもしれません。今の段階で免税事業者なのであれば、インボイス制度の導入は慎重に検討しましょう。
2-1.インボイス制度の申請を行う際は期限にも注意
インボイス制度の申請を行うのであれば、登録に関する期限にも注意しましょう。インボイス制度が導入される2023年10月1日から早速対応するためには、同年の3月31日までに適格請求書発行事業者の申請を行う必要があります。
なお、期限内に免税事業者が申請を行うのであれば、本来であればまず課税事業者となる手続きが必要ですが、そちらが不要です。
3.2023年10月から開始されるインボイス制度3つの対応策
インボイス制度が導入されれば、税負担だけでなく事務負担にも影響が出てきます。必要な対策は早い段階で講じるべきでしょう。インボイス制度の導入に向けて、必要な対応策をご紹介します。
3-1.インボイス制度に対応した請求書を用意する
インボイス制度の登録申請と合わせて、適格請求書等を発行できるように用意しましょう。これまで作成してきた請求書とは異なり、記載しなければならない項目が追加されます。あらかじめ、フォーマットを更新することがおすすめです。
適格請求書等に必要な情報は、以下の6つの項目です。
- 適格請求書を発行する事業者の名前あるいは名称、登録番号
- 取引年月日
- 取引内容
- 税率ごとに区分してから合計した対価の額、適用税率
- 税率ごとに区分した消費税の額など
- 書類を受け取る事業者側の名前あるいは名称
とくに、登録番号や適用税率の記載などは、これまでと異なってくるポイントです。
3-2.経理業務におけるワークフローを再確認する
インボイス制度の導入によって、税負担ばかりでなく経理負担も大きくなる恐れがあります。適格請求書等の発行を行う事業者は、合わせて以下4つが義務付けられます。
- 適格請求書の交付
- 適格返還請求書の交付
- 修正した適格請求書の交付
- 写しの管理
3-3.インボイス制度に合わせてシステムを導入する
インボイス制度の導入によって増える経理負担を踏まえて、この機会にシステムの導入や改修を検討してみてもよいでしょう。インボイス制度の導入にともない、多くの経理システムも対応が急がれています。この機会に使用しているシステムを改修したり、改めて利用するものを選んでみるなど検討してみてもよいでしょう。
4.インボイス制度の導入に向けてよく考えておくことが大事
インボイス制度は、ただ制度に対応するために必要なものを用意したり、手続きをおこなったりすればそれでよいわけではありません。たとえば免税事業者なのであれば、自分が課税事業者になってもよいのかよく検討しましょう。
すでに課税事業者なのであれば、導入に向けて必要なシステムや請求書のフォーマット、増える経理負担などを踏まえてよく準備しておく必要があります。
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