長期前受収益とは?前受収益との違いや仕訳方法を詳しく解説 - ジンジャー(jinjer)| クラウド型人事労務システム

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長期前受収益とは?前受収益との違いや仕訳方法を詳しく解説

掌の上にお金のお花

経理を行う際は、勘定科目やその処理の方法について正しく理解しておくことが大切です。今回は、長期前受収益について解説いたします。これは、システムの運用や保守、あるいは昨今多く見かけるサブスクリプションの契約などの際に用いることになる勘定科目です。

前受収益のほか、前受金や仮受金など似たような勘定科目と混同しないように、正しく理解するようにしましょう。

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勘定科目と仕訳

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1. 長期前受収益とは?

はてなが書かれた紙を持つ男性
長期前受収益を確認する際は、まず前受収益について正しく理解することがとても重要です。継続してサービスや商品を提供するような契約を結んだ際に、まだこれら役務を行っていない段階で未経過分の金額を計上するために用いられる勘定科目です。区分としては、未払費用や未収収益、前払費用といった経過勘定と同じように扱われます。

会計期間を4月1日から翌年の3月31日までとしているA社があると想定してみましょう。このA社が、X3年度にB社に対してとあるサービスを1年間提供する契約を結び、10月1日の時点で1年分の料金を受け取ったとします。

X3年度の3月31日、A社は決算整理仕訳を例年通り実施します。10月1日の時点で1年分の料金をB社から受け取りましたが、今期利益として計上できるのは今期にサービスを提供した10月1日〜3月31日までの6ヵ月分のみです。

10月1日の時点で1年分受け取っていますので、まだサービスを提供していない翌期6ヵ月分の利益は計上できません。よって、翌期に繰り越すために、前受収益として翌期6ヵ月分を計上するのです。

前受収益は、こちら側の手元に受け取ったお金があるために間違いやすいですが、貸借対照表では負債として分類されます。やがてこの負債を減らしていって、サービスを提供して収益へと変えていくイメージです。

この前受収益が、決算した日より1年を超える期間を経てから収益になる場合、長期前受収益を用いて仕訳が行われます。

長期前受収益かどうかを見極める際にポイントとなるのがワン・イヤー・ルール、すなわち流動資産・負債か固定資産・負債なのかについてです。
これまでのことをおさらいすると長期前受収益は、1.決算してから1年を経てから、2.支払期限が到来するものであるために固定負債となります。

関連記事:前受収益とは?仕訳方法や前受金との違いを解説

1-2. 資金繰りの面において長期前受収益があることは安定性をアピールできる?

長期前受収益は、1年を超えて支払う必要のある固定負債です。しかし、負債といっても、サービスを提供してやがて利益になる負債です。これについては、1年未満に支払ってしまう流動負債の前受収益と比較して、客観的に見た際に安定性に対する評価が異なる場合があります。

その会社の資金繰りが調子良く、その理由が長期前受収益による部分が大きいと判断されれば、1年以上のある程度の期間に渡って安定性があると判断されることが多いのです。

2. 長期前受収益の仕訳方法

説明する男性

続いて、長期前受収益の仕訳方法について見ていきましょう。今回は、取引先に対してシステムの保守サービスを提供するA社を想定してみます。A社は決算の期間を4月1日から翌年の3月31日までとしています。

X3年4月1日、A社はB社に対して3年間45万円で保守サービスを提供する契約を結び、その費用の全額が当座預金口座に振り込まれました。保守サービスの提供は契約を始めた当月から行うものとします。

まず、4月1日に提供するサービスに対する売上として45万円を受け取りましたので、それについて仕訳を以下のように行います。

借方 普通預金 450,000 / 貸方 売上 450,000

X3年度の3月31日、A社で決算整理仕訳を行います。4月1日に受け取った45万円のうち、期末までの1年分は今期の売上としますが、2〜3年目の分については前受収益あるいは長期前受収益としなければいけません。

売上から、翌X4年度の1年分の前受収益として15万円、さらにその翌年の分について長期前受収益に振り替えます。

借方 売上 300,000 / 貸方 長期前受収益 300,000
                                                               前受収益           150,000

決算整理仕訳が終わり、翌X4年4月1日を迎えました。前年度に前受収益としていた15万円を売上に振り替えます。

借方 前受収益 150,000 / 貸方 売上 150,000

やがてX4年度も3月31日を迎え、決算整理仕訳を行う時が来ました。長期前受収益から翌1年の分を前受収益に振り替えます。

借方 長期前受収益 150,000 / 貸方 前受収益 150,000

そしてX5年度4月1日、前受収益を売上に振り替えます。

借方 前受収益 150,000 / 貸方 売上 150,000

これにて、A社からB社に対する長期前受収益へと計上していた金額について、正しく仕訳することができました。
今回の例では契約及び保守サービスの提供が期首からであったために比較的シンプルな形でしたが、期中に年単位で契約を結ぶ場合はさらに複雑になりますので、経過勘定を正しく扱って仕訳することが必要です。

2-1. 期中に長期前受収益が発生した場合について

期中に長期前受収益が発生した場合の仕訳について見ていきましょう。条件を以下のように想定してみます。

*A社は4月1日から翌年3月31日までを決算期間としている
*A社はB社に対してX3年10月1日に3年間45万円で保守サービスを提供する契約を結んだ
*その金額は一括で普通預金口座に振り込まれた

まずは、X3年10月1日に売上について仕訳を行います。

借方 普通預金 450,000 / 貸方 売上 450,000

X4年3月31日、X3年度の決算整理仕訳を行いました。売上については10月1日から3月31日までの6ヵ月分を計上しますので、残りの2年と6ヵ月分はそれぞれ前受収益と長期前受収益に振り替えます。

借方 売上 375,000 / 貸方 長期前受収益 225,000
                 前受収益   150,000

X4年4月1日、期首なので前受収益を売上に振り替えます。

借方 前受収益 150,000 / 貸方 売上 150,000

X5年3月31日、翌年度のために長期前受収益から前受収益へ振り替えます。

借方 長期前受収益 150,000 / 貸方 前受収益 150,000

X5年4月1日、期首なので前受収益を売上に振り替えます。

借方 前受収益 150,000 / 貸方 売上 150,000

X6年3月31日、長期前受収益には残り6ヵ月分の7万5,000円が残っていますので、前受収益に振り替えます。

借方 長期前受収益 75,000 / 貸方 前受収益 75,000

X6年4月1日、期首なので前受収益を売上に振り替えます。

借方 前受収益 75,000 / 貸方 売上 75,000

3. 前受金とは異なった特徴を持つ前受収益及び長期前受収益

ポイントマーク積み木

長期前受収益および前受収益は、継続して役務を提供すると契約を結んで対価を受け取った場合に、期を跨いでしまうときに用いられる勘定科目です。とくに、役務の提供が1年を超えて行われる場合については、長期前受収益となります。

前受金とは名称は似ていますが、扱い方は大きく異なりますので、よく確認しましょう。

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MEGURO

MEGURO

HR NOTEのライター、総合求人サイトとシニア向け情報メディアの立ち上げを経て、現在はjinjer blogの運営に携わっています。 事業視点から、バックオフィスの重要性を啓蒙するコンテンツを作っています。 保有資格:ファイナンシャル・プランニング技能士(3級)

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