低価法とは?メリット・デメリットや仕訳について解説 - バックオフィスクラウドのジンジャー(jinjer)

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低価法とは?メリット・デメリットや仕訳について解説

仕事をする女性棚卸資産の評価方法には原価法と低価法があります。低価法とは取得価格と期末時点の時価を比べ、低い方を評価額とするやり方です。商品評価損を計上できるなど税制上のメリットがあります。

本記事では、低価法とは何か、メリットとデメリット、仕訳方法を解説します。

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1. 低価法とは?

棚卸作業

低価法とは棚卸資産の評価方法の1つで、当期の売上原価を決定する際に用います。[注1][注2]

売上原価の計算方法は以下のとおりです。

売上原価=期首商品棚卸高+当期商品仕入高-期末商品棚卸高

棚卸資産とは、販売する目的で仕入れた商品や原材料のうち、まだ社内に残っている物です。決算時は帳簿上の在庫数量と、倉庫に実際にある在庫数量を比較し、差異がないか確認する実地棚卸を行ないます。

実地棚卸をした後は、その分に棚卸資産の評価方法により算定した評価額を掛けて、期末商品棚卸高を計算します。

[注1][手続名]棚卸資産の評価方法の届出|国税庁
[注2][手続名]棚卸資産の評価方法・短期売買商品等の一単位当たりの帳簿価額の算出方法・有価証券の一単位当たりの帳簿価額の算出方法の変更の承認の申請|国税庁

1-1. 棚卸資産の評価方法は事前の届出が必要

低価法を含む棚卸資産の評価方法は、棚卸高の計算の際に用いるものです。

なお、棚卸資産の評価方法は複数あり、事前にどの方法を用いるか「棚卸資産の評価方法の届出」を税務署に届け出る必要があります。期限は、法人設立時は、設立第1期の確定申告書の提出期限までです。

また、一度届け出た評価方法は一定期間利用する必要があり、年度毎に変更などはできません。通常、3年間は同一の方法を使わなければならず、変更する際は「棚卸資産の評価方法(中略)の変更の承認の申請」を提出します。なお、提出期限は変更しようとする事業年度を開始する日の前日までです。

2. 棚卸資産の2つの評価方法

二つのピース

棚卸資産の評価方法は、原価法と低価法に分けられます。このうち、代表的な原価法はさらに6つに分類が可能です。なお、低価法を理解するためには原価法の知識も必要なため、ここではそれぞれの方法を解説します。

2-1. 原価法

原価法は以下の6つの方法が代表的です。

① 個別法

それぞれの商品の実際の仕入時の価格を原価ととます。たとえば、同じ商品Aでも、取得原価が10万円と20万円のものは区別して記録します。

不動産や貴金属など、個別性が強い商品に適しています。

② 先入先出法

取得価格をそのまま記録し、先に仕入れた商品から払出す方法です。このため、期末に近い時期に仕入れた商品から順に棚卸資産になると考え、取得価格を評価額とするやり方です。

商品売買の自然な流れで棚卸資産を評価できる一方、物価変動があると実際の原価と差異が生じやすくなります。

③ 移動平均法

棚卸資産の平均取仕入単価を原価とします。計算式で表すと以下となります。

平均単価 =(仕入商品原価 + 在庫棚卸資産金額)÷(仕入商品数量 + 在庫棚卸資産数量)

移動平均法では商品を仕入れる度、現在の在庫の取得単価と合わせ、仕入れ商品を含む総数量で割って平均を求めます。

原価が明確な反面、帳簿付けには手間がかかります。

④ 総平均法

移動平均法と異なり、期末にまとめて原価を計算します。計算式は以下のとおりです。

期末棚卸額 = (期首棚卸額 + 期中に取得した棚卸資産の評価額) ÷ (期首棚卸数量 + 期中に取得した棚卸資産の数量) × 期末棚卸数量

計算がしやすい反面、期末まで商品原価はわかりません。

⑤ 売価還元法

見た目や性質ではなく、回転率などを元に類似したグループに商品を分け、それらの販売価格の合計に原価率をかける方法です。

小売業のように商品点数が多い業界で適した方法です。しかし、グルーピングの判断が難しい点がデメリットです。

⑥ 最終原価仕入法

期末に最も近い時期に仕入れ際の価格を、当期の取得価格として計算します。単純で分かりやすく、計算もしやすい反面、物価変動を受けやすいだけでなく、期末まで原価を特定できない点もデメリットです。

なお、棚卸資産の評価方法を事前に申告しなかったときは、最終原価仕入法に決定されるため注意しましょう。

2-2. 低価法

低価法では、原価法の評価方法を使って評価した価格と、期末時点の時価を比較し、低い方を評価額とします。

低価法は季節性商品のように、ピークを過ぎると一気に陳腐化する商品に適した評価方法です。

3. 低価法のメリット

メリット

低価法の大きなメリットは、原価が時価以下になった際、その分を商品評価損として損金算入できる点です。また、原価法よりも商品の市場価値の変動が分かりやすくなります。

① 商品評価損は損金算入でき節税につながる

商品の取得価格と期末時点での時価に差があるときは、その差額を費用として計上できます。そのため、法人税額の節税につながります。

たとえば、原価法の棚卸資産評価額は100万円であるものの、既に流行が過ぎ、期末時点の時価が70万円の場合。差額の30万円を当期の商品評価損(費用)に計上が可能です。

② 在庫価値を正しく把握できる

流行性の強い商品は原価法で管理していても、現在の価値と乖離しているケースがあります。

その点、低価法では、実際の価値に則した棚卸資産額の把握が可能です。

③ 棚卸資産の評価上不利になることがない

また、低価法の場合、原価法と時価を比較し低い方を評価額とできるため、原価法と同じ結果になっても、不利になることはありません。

会計上の作業は煩雑になるものの、税法上のメリットは大きくなります。

4. 低価法のデメリット

デメリット

低価法では原価法と時価を比べる必要があるため、まずは原価法で評価額を確認しなければいけません。また、翌期には洗替低価法により期末に時価に評価しなおし、改めて所得原価に直す必要もあります。

4-1. 処理が煩雑になる

低価法は原価法での評価額と時価を比べる必要があり、低価法を選択した時点で原価法による評価も必要となります。

そのため、会計上の処理は、原価法の1つのみを選択するよりも煩雑です。

4-2. 翌期に洗替低価法による評価替えが必要

低価法では、期末に棚卸資産を時価に評価し計上できるものの、翌期首にはもう一度、取得原価に評価しなおして計上しなければいけません。

このため、原価法を採用するよりも、期首の作業も煩雑になります。

5. 低価法の仕訳方法

仕事をする女性

低価法の仕訳では、商品価値の低下した在庫の棚卸評価損を確認し、その分を評価損として計上します。

まずは、以下の式に当てはめ、商品評価損を計算します。

商品評価損 =(1個当たりの商品原価 – 1個当たりの商品時価) × 実地棚卸数量

たとえば、A商品1個当たりの原価が500円、期末時点の時価が350円、実地棚卸数量が1,000個であった場合、商品評価損は20万円と計算できます。

上記を仕訳すると以下となります。

(借方) (貸方)
商品評価損 200,000円 繰越商品 200,000円

なお、期首には上記とは逆の仕訳を行い振り戻します。

(借方) (貸方)
繰越商品 200,000円 商品評価損 200,000円

6. 陳腐化しやすい商品は低価法で棚卸資産を評価しよう

棚卸の様子

低価法とは棚卸資産の評価方法の1つで、取得価格と期末時点の時価を比べ、低い方を評価額とします。商品評価損を計上できるため、節税効果の高い方法でもあります。

しかし、原価法と比べて処理が煩雑になり、期首には評価替えもしなければいけません。棚卸資産の評価方法は事業年度ごとに変えられるわけではないため、商品にあった評価方法を導入するとよいでしょう。

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古屋匠憲

古屋匠憲

バックオフィス業務効率化のコンサルティングを経て、 現在はjinjer Blogの運営に携わっています。 法務・経理・総務を中心に管理業務の知見をもとに、現場の目線にあったコンテンツをお届けします。よくある課題から、単純な疑問まで担当者のお悩みを解消できるよう運営します。

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