約束手形とは?仕組みや仕訳方法、小切手との違いについて解説 - ジンジャー(jinjer)| クラウド型人事労務システム

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約束手形とは?仕組みや仕訳方法、小切手との違いについて解説

手形

企業間の商取引では、今でも現金の代わりに手形が利用されています。手形のなかでも、代金決済に使われるのが「約束手形」です。

約束手形を利用すれば、今手元にお金がなくても、将来入るお金を代金の支払いに充てることができます。約束手形を用いた取引の仕組みや、裏書譲渡や手形割引など約束手形の便利な活用方法についても知っておきましょう。

この記事では、約束手形の仕組みや仕訳方法、小切手との違いを解説します。

会計の基本は「勘定科目」と「仕訳」
86個の勘定科目と仕訳例をまとめて解説

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1. 約束手形とは?概要と役割を解説

説明する女性

約束手形とは、「今は手元にお金がないけれど、将来確実にお金が入る予定がある」場合に利用する支払手段です。
約束手形を利用するには、取扱金融機関で当座預金口座を開設し、約束手形用紙を受け取る必要があります。

約束手形を振り出す人を「振出人」、約束手形を受け取る人を「受取人」と呼びます。
振出人が用紙に支払金額と支払期日を記入し、受取人に約束手形を振り出すことで、現金での代金決済の代わりにすることが可能です。なお振出人は約束手形を振り出す際に収入印紙を貼り付ける義務があります。

約束手形を振り出すとき、当座預金口座に代金分の預金がなくても問題ありません。
手形用紙に支払期日を記載すれば、最大120日まで(政府の要請では60日まで)支払いサイトを伸ばすことができます。

そのため、企業間の信用に基づく掛取引において、約束手形は大きな役割を果たしてきました。
しかし、代金決済手段としての約束手形にはリスクもあります。

指定した支払期日に当座預金口座の残高が不足し、代金を引き落とせない場合、約束手形が不渡りになったとみなされます。
もし半年間で2回以上手形の不渡りを出した場合、取扱金融機関との取引が停止され、融資や借り入れなどが利用できなくなるため注意が必要です。

参考:全国銀行協会|動物たちと学ぶ 手形・小切手のはなし

1-1. 約束手形と小切手・為替手形との違い

約束手形と同様に企業間の商取引に使われるのが小切手です。
しかし、約束手形と小切手には受取人が現金化できるタイミングなど、いくつか違いがあります。
また、手形には約束手形の他にも「為替手形」があります。

原則的に二者間で代金決済をおこなう約束手形に対し、三者間で代金決済をおこなうのが為替手形の特徴です。
ここでは、約束手形と小切手・為替手形との違いを解説します。

1-1-1. 約束手形と小切手の違い

約束手形も小切手も、「専用の用紙に氏名や支払金額を記載する」「現金の代わりに小切手・手形を振り出して代金を決済できる」といった共通点があります。
約束手形と小切手の違いは、受取人が小切手・手形を現金化できるタイミングです。それぞれの現金化タイミングは次のとおりです。

  • 約束手形:支払期日になってから現金化が可能
  • 小切手:受け取ってすぐに現金化が可能

小切手はすぐに現金化できるため、振出人は小切手を振り出す時点で当座預金口座に代金を振り込んでおく必要があります。

一方、約束手形は支払期日にならないと現金化できないため、手形を振り出す時点で当座預金口座に入金する必要はありません。

1-1-2. 約束手形と為替手形の違い

為替手形は、主に三者間の取引で利用される決済方法です。
約束手形と違い、為替手形は振出人が第三者の支払人(引受人)に対し、受取人への代金支払いを依頼します。

約束手形よりも手続きが煩雑なことや、三者間の合意を形成するのに時間がかかることから、為替手形は現在ではほとんど利用されていません。
約束手形と小切手・為替手形には、共通点もあるものの相違点もいくつかあります。

信用取引をおこなう前に、決済手段としての約束手形・小切手・為替手形の違いを確認しておきましょう。

このほかにも勘定科目は多くあります。中には、違いがわからず曖昧に覚えているものもあるのではないでしょうか。当サイトで無料配布している「勘定科目と仕訳のルールBOOK」では、会計業務で使用する勘定科目86種類の概要と仕訳例を解説しています。
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1-2. 約束手形は2026年を目処に廃止方針

明治時代より、約束手形は企業間の商取引に利用されてきました。
2021年の時点でも、1日あたり約14万枚、約4,852億円分の手形が全国の手形交換所で取引されています。

しかし、約束手形の事務負担の多さや手数料の負担などが問題視され、2026年を目処に約束手形を廃止するという政府方針が発表されました。

参考:全国銀行協会|全国手形交換高・不渡手形実数・取引停止処分数調査(2021年度中)

2. 約束手形のメリット・デメリット

メリット・デメリットの看板

約束手形にはメリット、デメリットがあります。2026年には約束手形廃止が予定されていますが、導入にあたってはメリットとデメリットを把握しておきましょう。

2-1. 約束手形のメリット

約束手形を振り出すことで支払いを先延ばし可能です。例えば現金をすぐに用意できない状況であっても、約束手形を振り出せば資金を調達するまでの猶予期間を設けられます。手元に現金がないのであれば、金融機関からの借り入れも可能です。しかし、金融機関からの借り入れは利息が発生してしまうため、利息分も含めての返済が必要です。一方、約束手形であれば利息は発生しません。

2-2. 約束手形のデメリット

約束手形のデメリットとして当座預金の残高不足時に不渡りになるという点です。不渡りの情報が金融機関で共有されます。さらに不渡りが2回発生してしまうと金融機関との取引が停止してしまいます。そのため、口座取引ができなくなるため融資を受けられない、取引先の信用が停止するなどの理由で倒産するリスクが高まるでしょう。

3. 約束手形の仕組み

黄色い背景と積み木

約束手形は2026年より廃止が検討されているものの、現在でも企業間の代金決済に利用されています。
約束手形は単なる支払手段ではありません。

例えば、受け取った約束手形に裏書きすることで、第三者への代金決済に利用することができます。
また、手形割引を利用すれば、支払期日前に約束手形を現金化することも可能です。

約束手形を利用した取引の流れや、約束手形の裏書譲渡・手形割引について解説します。

3-1. 約束手形の取引の流れ

約束手形を利用し、相手方に代金決済をおこなうときの流れは以下の通りです。

  • 取扱金融機関で当座預金口座を開設し、約束手形用紙の交付を受ける
  • 形用紙に支払金額や支払期日を記載し、約束手形を受取人に交付する
  • 約束手形の支払期日までに当座預金口座に代金を振り込む
  • 支払期日になると、受取人が取扱金融機関に取立の依頼をおこなう
  • 金融機関が約束手形を手形交換所に持ち込む
  • 金融機関が振出人の当座預金口座から代金を引き落とし、受取人に振り込む

3-2. 約束手形の裏書譲渡・手形割引

約束手形の受取人は、受け取った手形に裏書きすることで、別の代金決済の支払いに充てることができ、これを「裏書譲渡」と呼びます。

裏書譲渡された約束手形を受け取ったら、手形を支払期日に金融機関に持ち込むことで、代金の支払いを受けることができます。
また、約束手形は「手形割引」を利用することで、支払期日前の現金化が可能です。

このように約束手形は、受取人が資金繰りやキャッシュフローの改善のために利用することが可能です。

4. 約束手形の仕訳(受取時、振出時)

ポイント

約束手形の仕訳処理をおこなう場合、勘定科目には「受取手形」「支払手形」を利用します。
ここでは、約束手形を受け取った時、約束手形を振り出した時それぞれの仕訳方法について具体例を挙げながら解説します。

4-1. 約束手形を受け取った時の仕訳

約束手形を受け取った場合、仕訳処理では「受取手形」の勘定科目を利用します。
例えば、売掛金の支払いとして、100万円の約束手形を受け取った場合を考えてみましょう。

下記の例の通り、貸方には売掛金を記入し、借方には受け取った手形を「受取手形」として記入します。
借方の金額と貸方の金額が一致しているか確認しましょう。

借方 貸方
受取手形 1,000,000円  売掛金 1,000,000円

4-2. 約束手形を振り出した時の仕訳

同様にして、約束手形を振り出した場合は「支払手形」の勘定科目を利用します。
買掛金の支払いとして、100万円の約束手形を振り出した場合の仕訳は以下の通りです。

借方には買掛金を記入し、貸方には振り出した手形を「支払手形」として記入します。

借方 貸方
買掛金 1,000,000円  支払手形 1,000,000円

5. 約束手形の概要や仕組みを確認して企業間の代金決済に利用しよう

経済産業省の方針により、約束手形は2026年を目処に廃止予定となっています。しかし、現在でも約束手形は小切手と並んで、企業間の代金決済手段として重要な役割を担っています。

受け取った約束手形は、裏書譲渡によって別の代金決済に利用したり、手形割引によって現金化することも可能です。約束手形の仕訳をおこなう場合は、受け取り時は「受取手形」、振り出し時は「支払手形」の勘定科目を利用しましょう。
手形取引を利用する場合は、約束手形の仕組みや仕訳方法をあらかじめ確認しておくことが大切です。

会計の基本は「勘定科目」と「仕訳」
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jinjer Blog 編集部

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