「退職所得の受給に関する申告書」の書き方を項目ごとに解説 - ジンジャー(jinjer)| クラウド型人事労務システム

「退職所得の受給に関する申告書」の書き方を項目ごとに解説 - ジンジャー(jinjer)| クラウド型人事労務システム

「退職所得の受給に関する申告書」の書き方を項目ごとに解説 - ジンジャー(jinjer)| クラウド型人事労務システム

「退職所得の受給に関する申告書」の書き方を項目ごとに解説

退職金退職金を受け取る従業員には、「退職所得の受給に関する申告書」を作成し提出するように案内しましょう。提出は税法上義務付けられており、未提出のときは、退職金の控除が適用されず、全額に20.42%の所得税が課税されます。

本記事では、退職所得申告書とは何か、書き方と注意点を解説します。

会計の基本は勘定科目と仕訳!
86個の勘定科目と仕訳例をまとめて解説!

「経理担当になってまだ日が浅く、会計知識をしっかりつけたい!」
「会計の基礎知識である勘定科目や仕訳がそもそもわからない」
「毎回ネットや本で調べていると時間がかかって困る」

などなど会計の理解を深める際に前提の基礎知識となる勘定科目や仕訳がよくわからない方もいらっしゃるでしょう。

そこで当サイトでは、勘定科目や仕訳に関する基本知識と各科目ごとの仕訳例を網羅的にまとめた資料を無料で配布しております。 会計の理解を深めたい方には必須の知識となりますので、ぜひご覧ください。

勘定科目と仕訳

資料ダウンロード

1. 「退職所得の受給に関する申告書」とは?

書類に記入する様子
「退職所得の受給に関する申告書」(以下、退職所得申告書)とは、退職給付(退職金)から所得税を天引き(源泉徴収)するために必要な書類です。退職給付も所得税の対象となりますが、同申請書の提出により退職所得控除を受けられます。

なお、退職所得申告書は所得税法第203条と所得税法施行規則第77条により提出が定められています。

2. 「退職所得の受給に関する申告書」の書き方を項目ごとに解説

書類確認

退職所得申告書は、退職先の情報と退職金を受け取る従業員の情報(氏名・住所・個人番号など。)の記載欄以外に、A~Eの5項目に分かれています。それぞれ、記載する内容を解説します。

参照:[手続名]退職所得の受給に関する申告(退職所得申告)|国税庁

2-1. A欄

退職金を受給する全ての従業員が記入する部分です。それぞれの項番ごとの記載事項は以下のとおりです。

①には退職日を書きましょう。

②は、退職理由を書きます。定年退職などであれば「一般」に丸をつけましょう。もし、在職中に生じた障害が原因で退職したときは「障害」に丸をつけます。
なお、退職する年の1月1日時点で生活保護を受けているときは、「有」に、受けていないときは「無」にそれぞれ丸をつけます。

③は、勤続期間と年数を書きます。「自 年 月 日」には入社日を、「至 年 月 日」には退職日をそれぞれ書きましょう。なお、勤続年数は年単位で、1年未満の端数(20年と3カ月など。)は切り上げで書きましょう。(21年など。)

特定役員退職手当等の対象期間の有無に丸をつけ、有れば、上記と同じように書きます。さらに、特定役員等勤続期間と一般退職手当等の期間の重複の有無に丸をつけ、あれば期間を書きましょう。

2-2. B欄

退職金を受ける年に他社等からも退職金を受けたことがあるときに書きます。

④退職金の支払いを受けた他社での勤続期間と年数を書きましょう。なお、「退職所得の源泉徴収票」などを受け取っている場合は、同票を確認し、転記しましょう。

⑤③と④の勤続期間と年数を重複しないように書きます。

2-3. C欄

前年以前4年以内、または、退職金を受ける年に確定拠出型年金の老齢給付としての一時金を受けたことがあるときは14年以内に、退職金を受けたことがあるときに書きます。

⑥上記の退職手当を受ける計算の元となった勤続期間を書きましょう。

⑦③または、⑤の期間の内、⑥と重複している勤続期間と年数を書きます。このうち、特定役員等勤続期間と重複する期間の有・無に丸をつけ、ある場合は、その期間も書きます。なお、⑦の勤続年数は切り捨てて書きましょう。

2-4. D欄

⑧⑨⑩⑪には、A欄とB欄に書いた勤続年数のうち、以前受け取った退職手当と通算している期間を書きます。なお、通算期間は全部だけでなく、一部でも書きましょう。
なお、D欄の勤続年数も1年未満の端数は切り捨てです。

2-5. E欄

B欄、またはC欄に退職金があるときに書きます。
収入金額や源泉徴収税額、特別徴収税額などの記入も必要なため、「退職所得の源泉徴収票」を確認するとよいでしょう。また、支払者の所在地と名称は、それぞれ、B欄やC欄で退職金を支払った者の名称と住所を書きます。

3. 「退職所得の受給に関する申告書」の提出方法

書類を提出

退職所得申告書は退職金を受け取る前に提出が必要です。提出方法を解説します。

3-1. 提出先

退職手当の支払いを行なう企業や団体に提出します。退職金を受け取る従業員がいる場合、会社に提出するように案内しましょう。また、その従業員が共済組合などからも退職金を受ける場合は、それぞれの団体にも提出するよう案内します。

なお、会社から管轄の税務署に同申請書を提出する必要はなく、自社で原本を保管します。保管年数は7年です。

3-2. 提出期限

退職金の支払いを受ける時までが期限であるものの、一般的には退職前に会社に提出します。同書類の受け取り後、源泉徴収税額の計算を行なうため、回収時期は早めに設定してもよいでしょう。

3-3. 添付書類

他所から退職金の支払いを受けていない場合は、特に必要ありません。
ただし、その年中に他所から退職手当の支給を受けているときは、その分の「退職所得の源泉徴収票」を1部添付する必要があります。

4. 「退職所得の受給に関する申告書」の注意点

びっくりマーク

退職所得申告書の提出により、退職所得控除を受けられます。なお、提出しないときは、20.42%の所得税が発生します。また、海外に居住する従業員は同申請書の提出は不要ですが、税制上有利な課税方法の選択が可能です。

4-1. 提出しないときは20.42%の所得税がかかる

退職所得申告書を提出しない場合、退職給付の全額に復興特別所得税を含む20.42%の所得税がかかり、源泉徴収されます。

なお、申告書を提出すると、以下の退職所得控除を受けられるため、課税退職所得を低く押さえることが可能です。

【退職所得の控除額】

勤続年数が20年を超える:800万円+70万円×(勤続年数-20年)
勤続年数が20年未満:40万円×勤続年数(左記が80万円に満たないときは80万円)

【退職所得の計算方法】

退職所得=(退職手当等の収入金額-退職所得控除額)×1/2

4-2. 提出を忘れたときは確定申告をする

退職所得申告書の提出を忘れた際は、従業員自身で確定申告を行なうことで、過払い分の所得税の還付を受けられます。

源泉徴収税額と、退職所得控除後の所得税を比べて、後者の方が低い場合が還付対象です。多くの場合、退職所得控除を受けた方が有利なため、手続き漏れのないように注意しましょう。

4-3. 非居住者に退職金を支払うとき

退職所得申告書は、退職金を受ける国内居住者のみに義務づけられています。そのため、海外に在住する従業員に退職金を支払う場合、同届出の提出義務はありません。

また、国内支店と海外支店に勤務歴がある従業員に退職金を支払うときは、国内の勤務期間分にのみ、所得税として20.42%の源泉徴収が行なわれます。

しかし、これでは税制上非居住者が不利になるケースもあるため、国内居住者と同様の税額計算の適用も可能です。このように、非居住者の選択により所得税額を計算できる制度を「退職所得の選択課税」といいます。

同制度は、非居住者の勤務期間や居住した国や地域により、有利となる選択が異なるため、それぞれ確認が必要です。また、所得控除が適用できなくなるなどの注意点もあります。

もし、海外居住歴のある従業員に退職金を支払う際は、退職所得の選択課税制度についても案内するとよいでしょう。

5. 退職所得申告書は退職金の所得税の計算上必要な書類

書類を眺める老夫婦

退職金にも所得税はかかりますが、退職所得申告書の提出により、退職所得控除が適用されます。提出は所得税法義務づけられているため、従業員には提出漏れのないように案内しましょう。

なお、万が一提出しない従業員がいれば、20.42%の源泉徴収が必要です。確定申告をすれば、退職所得控除が適用された場合の所得税額との差分が還付されるため、こちらの手続きも漏れの内容に行ないましょう。

 

会計の基本は勘定科目と仕訳!
86個の勘定科目と仕訳例をまとめて解説!

「経理担当になってまだ日が浅く、会計知識をしっかりつけたい!」
「会計の基礎知識である勘定科目や仕訳がそもそもわからない」
「毎回ネットや本で調べていると時間がかかって困る」

などなど会計の理解を深める際に前提の基礎知識となる勘定科目や仕訳がよくわからない方もいらっしゃるでしょう。

そこで当サイトでは、勘定科目や仕訳に関する基本知識と各科目ごとの仕訳例を網羅的にまとめた資料を無料で配布しております。 会計の理解を深めたい方には必須の知識となりますので、ぜひご覧ください。

勘定科目と仕訳

資料ダウンロード

jinjer Blog 編集部

jinjer Blog 編集部

jinjer Blogはバックオフィス担当者様を支援するため、勤怠管理・給与計算・人事労務管理・経費管理・契約業務・帳票管理などの基本的な業務の進め方から、最新のトレンド情報まで、バックオフィス業務に役立つ情報をお届けします。

経費管理のピックアップ

新着記事