販売促進費とは?交際費・広告宣伝費との違いや仕訳例を紹介 - ジンジャー(jinjer)| クラウド型人事労務システム

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販売促進費とは?交際費・広告宣伝費との違いや仕訳例を紹介

笑顔の女性

販売促進費とは、自社商品やサービスの認知度を高めたり購入数を増やしたりするために、消費者や取引先に対して支払う経費のことです。
これだけを聞くと「交際費」や「広告宣伝費」と混同してしまう人もいるかもしれませんが、それぞれには明確な違いがあります。

この記事では、経理業務を担当する人が押さえておきたい販売促進費の基本について説明します。
仕訳例をケース別に紹介しているので、ぜひ実務にお役立てください。

会計の基本は「勘定科目」と「仕訳」
86個の勘定科目と仕訳例をまとめて解説

「経理担当になってまだ日が浅く、会計知識をしっかりつけたい!」
「会計の基礎知識である勘定科目や仕訳がそもそもわからない
「毎回ネットや本で調べていると時間がかかって困る」

などなど会計の理解を深める際に前提の基礎知識となる勘定科目や仕訳がよくわからない方もいらっしゃるでしょう。

そこで当サイトでは、勘定科目や仕訳に関する基本知識と各科目ごとの仕訳例を網羅的にまとめた資料を無料で配布しております。 会計の理解を深めたい方には必須の知識となりますので、ぜひ資料をダウンロードしてご覧ください。


1. 販売促進費とは?

手に浮かぶたくさんのはてなマーク

販売促進費とは、文字通り商品やサービスの販売を促進して売上を向上させるための経費です。
売上向上のために支払う経費にはさまざまなものがありますが、以下の条件に該当する費用は販売促進費として処理できます。

・損金(経費)に算入できる
・商品やサービスの売上を向上させる効果がある
・消費者や取引先に対して支払う代金である

上記の条件を満たす費用としては、以下のようなものが例として挙げられます。

・商品サンプルの制作・配布代金
・割引クーポンの制作・配布代金
・販売店に配布するカタログの制作・配布代金
・イベントやコンテストの出展にかかる代金
・キャンペーン代

ポイントは、消費者や取引先と直接関わる支出であるかどうかです。

例えば、商品サンプルや割引クーポンは顧客が直接手に取るもので、イベントも取引先や顧客が直接足を運ぶものです。
こういった、消費者と取引先との関わり合いが深い支出は、販売促進費として処理します。

2. 販売促進費と交際費・広告宣伝費の違い

内容の比較

販売促進費と似た勘定科目として、交際費や広告宣伝費というものがあります。
これらの経費には、それぞれどのような違いがあるのでしょうか。

正しく会計処理を行うためにも、しっかりと各勘定科目の違いを理解しておきましょう。

2-1. 交際費とは

交際費とは、取引先や仕入先と良好な関係性を構築するために必要な経費のことです。
主に得意先との接待や供応、贈答、慰安などにかかる代金のことを指します。[注1]

たとえば、以下のような費用が交際費として処理されます。

・取引先を接待するときの行事や飲食代
・取引先に渡す送迎代
・取引先に渡す香典、見舞い代
・取引先に贈る贈答品の代金

交際費は、特定の関係者に関する、広告宣伝目的でない支出です。

販売促進費との違いは、「対象が特定されているかどうか」「広告宣伝を目的としているかどうか」です。

例えば、事業の関係者に対して贈答するお中元であっても、自社のロゴが入っていれば宣伝とみなされ、販売促進費に分類されます。

[注1]No.5260 交際費等と広告宣伝費との区分|国税庁

2-2. 広告宣伝費とは

広告宣伝費も、販売促進費と同様に売上を向上させるための経費です。
両者には明確な違いの定義が定められているわけではありませんが、「消費者や取引先と直接的な関わりが薄い、不特定多数に向けた宣伝費」を広告宣伝費として処理することが一般的です。

具体的には、以下のような費用は広告宣伝費として処理されます。

・広告宣伝用のチラシやパンフレットの制作代
・広告宣伝用のポスター制作代
・Webサイトの制作代
・マス広告の制作・出稿代
・Web広告の制作・出稿代
・会社案内の制作代

販売促進費と広告宣伝費の線引きは、企業によって大きく異なるため一概には言えません。
しかし、「特定の相手に直接売り込むための支出が販売促進費」「広告を活用したり不特定多数にPRしたりするための支出が広告宣伝費」と覚えておくと、区別しやすくなるでしょう。

3. 販売促進費の仕訳例

仕訳と計算

販売促進費は「借方科目」に該当するため、支払いが発生したときは借方に費用として計上します。
単純な支出だけであれば難しい処理は不要ですが、場合によっては少し複雑な仕訳が必要になることもあります。

ここでは、具体的な仕訳方法について3つの例をみていきましょう。

3-1. 販売促進費を普通預金から振り込んだ場合

例)展示会で配布するカタログの制作費50万円を普通預金から振り込んだ

販売促進費を普通預金から振り込んだ場合


このように、支出の勘定科目が1種類だけである場合は、単純な仕訳となるため混乱することはありません。
しかし次項で紹介するように、支出のなかにほかの代金が含まれている場合は、それぞれを別々に仕訳する必要があります。

3-2. 複数の勘定項目を仕訳する場合

例)10万円分のチラシで展示会の宣伝をして、20万円の出展費で展示会に出店し、そのあと会食で現金3万円を支払った複数の勘定項目を仕訳

不特定多数の人に展示会の宣伝をするチラシ代は「広告宣伝費」、チラシを受け取った特定の相手を招く展示会の代金は「販売促進費」に該当します。
また、取引先との会食は宣伝目的ではないため、「接待費」として処理します。

仕訳の際は、それぞれの勘定科目を借方に記入し、貸方には支払い方法ごとの合計金額を記入しましょう。

3-3. 配布予定のカタログが余った場合

例)カタログを制作したが、10万円分余ってしまった

配布予定のカタログが余った場合


配布用のカタログを作成したが、決算期時点で余っているものがある場合は、「貯蔵品」として計上する必要があります。

4. 販売促進費を計上するときのポイント

ポイント

販売促進費を経費として計上するときは、2つのポイントに気をつけなければいけません。
最後に、押さえておきたいポイントについて説明します。

4-1. 課税・非課税を区別する

日本では、事業者が対価を得て資産の譲渡や外国貨物の取引などを行うときに消費税が課されます。
これを「課税取引」といい、販売促進費は取引の内容によって課税になるものと非課税になるものに分類されます。

課税対象になる代金と非課税になる代金については、以下のとおりです。

課税
・見本品や試供品の購入代金
・展示会や抽選会の代金
・情報提供料
・販売奨励金
・スタンプ券の購入代金
・スタンプ券に応じた商品の引き渡し

非課税
・自社で作成した見本品や試供品
・スタンプ券の無償交付
・スタンプ券の枚数に応じた決済
・輸出免税取引

このように、販売促進費には消費税がかかるものとかからないものが混在しています。
しっかりと区別しておきましょう。

4-2. 販売促進費と広告宣伝費の線引きを明確にしておく

販売促進費と広告宣伝費は、「特定の相手を対象にしているか」「不特定多数を対象にしているか」というポイントで区別することが多いと説明しました。
しかし、実際の仕訳判断に関しては事業主によって大きく異なるため、しっかりとルール決めをしておく必要があります。

ルールが明確でない場合、業務を担当する人によって仕訳方法が変わってしまい、正確な経費管理が難しくなります。
また、税務署から聞かれたときに、仕訳の根拠を説明できないと指摘を受けてしまうかもしれません。

大切なのは、混乱が生じないように明確な線引きを用意しておくことです。「〇〇の代金は販売促進費」など、マニュアルを用意しておくと共通認識を持てるようになります。

5. 販売促進費の会計処理を正しく行おう

女性グッド

販売促進費とは、自社の商品やサービスの売上を向上させるために、消費者や取引先に支払う経費のことです。
接待費や広告宣伝費と混同しやすいですが、それぞれの定義を明確にし、根拠を持って仕訳を行うことが肝心です。

販売促進費の定義は企業によって異なる場合があり、とくに広告宣伝費と区別しにくいという特徴があるため注意しなければいけません。
社内でしっかりとルールを作り、社内や税務署が混乱しないように処理していきましょう。

会計の基本は「勘定科目」と「仕訳」
86個の勘定科目と仕訳例をまとめて解説

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MEGURO

MEGURO

HR NOTEのライター、総合求人サイトとシニア向け情報メディアの立ち上げを経て、現在はjinjer blogの運営に携わっています。 事業視点から、バックオフィスの重要性を啓蒙するコンテンツを作っています。 保有資格:ファイナンシャル・プランニング技能士(3級)

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