経費精算をアウトソーシングする理由とメリット、費用は?おすすめの代行会社の選び方とは
更新日: 2024.10.10
公開日: 2024.7.12
jinjer Blog 編集部
「経費精算の代行・アウトソーシングとは?実際にどんな業務をお任せできるの?」
「経費精算の代行・アウトソーシングのメリット、デメリットとは?」
「経費精算の代行・アウトソーシングを依頼する際の注意点は?」
経費精算の代行・アウトソーシングとは、社内の経費精算のフローを外部に委託し、代わりにおこなってもらうことを指します。
実際に代行やアウトソーシングを検討されている人に向けて、依頼できる業務内容や注意すべきこと、そのメリットやデメリットについて解説していきます。
社内の経費精算の業務負担を減らしたいという方は、ぜひ参考にしてください。
目次
「経理担当者になってまだ日が浅いため、基本知識をしっかりつけたい!」
「法改正に関する情報収集が大変で、しっかりと対応できているか不安・・・」
「仕訳や勘定科目など、基本的なこともついうっかり間違えてしまうことがある」などなど日々の経理業務に関して不安になることはありませんか?
特に経費精算は毎月頻繁に発生する経理業務ですが、細かいルールや規定があり、注意が必要です。また直近の電子帳簿保存法やインボイス制度など毎年のように行われる法改正に対して、情報を収集し適切に理解する必要があります。
そこで今回は、仕訳や勘定科目などの基礎知識から、経理担当者なら知っておきたい法律知識などを網羅的にまとめた資料をご用意しました。
経理に関する基本情報をいつでも確認できる教科書のような資料になっております。資料は無料でダウンロードができ、毎回ウェブで調べる時間や、本を買いに行くコストも省けますので、ぜひこちらから資料をダウンロードして有効にご活用ください。
1. 経費精算の代行・アウトソーシング代行とは
経費精算の代行・アウトソーシングとは、社内の経費精算のフローを外部に委託し、代わりにおこなってもらうことを指します。経費精算の代行・アウトソーシングのサービスですが、簡単な入力業務から専門的な知識の提供など業者によってさまざまなサービスがあります。
1-1. 経費精算をアウトソーシングする企業が多い理由
多くの企業では、税理の業務を複数の人数で分担に処理を行っていきますが、1名を専任として行う必要のある業務内容や、専門知識がないと処理できないものなどもあり、会社にとって必ずしも効率的な費用(人件費)対効果が望めるものではありません。そこで、「経費精算代行・アウトソーシングサービス」を提供する会社が増えてきています。
2. 経費精算で代行・アウトソーシングできる業務は?
経費精算の業務を代行に依頼できる業務は業者やサービスによって度合いが異なります。そのため一概には言えませんが、アウトソース化できる主な経費精算業務としては、以下のようなものが挙げられます。
- 立て替え経費の申請内容と領収書の一致確認・承認
- 申請不備があった場合の差し戻しや確認
- クレジットカードやICカードの利用明細取り込み
- 仕訳データの作成や会計ソフトへの入力
- 立て替え経費の振り込み
業者によっては、経費精算にかかるすべての業務をアウトソース化することが可能なこともあります。どこまでの作業を任せたいのかを明確にしておくことで、依頼する業者を選ぶときに迷わずに済むでしょう。リストアップした業務の中でも、基本的な業務となる3つの内容について詳しく補足します。
2-1. 申請内容と領収書の一致確認・承認
経費精算の一環として、申請内容と領収書の一致確認および承認は重要なステップです。経費精算で代行・アウトソーシングできる業務として、この確認作業は次のような具体的なステップを含みます。まず、経費申請書と領収書の内容に差異がないかを確認します。次に、記載事項に不備がないかをチェックし、さらに会社の規定に則った申請が行われているかを確認します。これらの確認が完了し、内容に問題がなければ、経理担当者が承認します。このプロセスをアウトソーシングすることで、企業内部で行う煩雑な確認作業を減らすことができます。専門業者は最新のツールやシステムを使って効率的に確認・承認作業を行い、ミスのリスクを最小限に抑えます。また、知識のある担当者が処理することで、不正の防止や法令遵守にも寄与するため、企業全体のコンプライアンス強化にもつながります。
2-2. 仕訳データの作成や会計ソフトへの入力
経理業務の中でも特に手間のかかる作業の一つが、仕訳データの作成や会計ソフトへの入力です。経費精算で代行・アウトソーシングできる業務の中には、承認した経費精算書の情報を参考に会計ソフトへ記帳する作業も含まれます。これをアウトソーシングすることで、企業はこの煩雑な作業から解放され、時間と労力を他の重要な業務に振り向けることができます。
専門のアウトソーシング業者は、最新の会計ソフトやツールを活用して効率的かつ正確にデータ入力を行うため、ミスのリスクも大幅に削減されます。さらに細々とした数字を入力する時間が大幅に削減されるため、リソースの無駄使いを抑えることができます。担当者はアウトソーシングした分だけ他の作業に集中でき、社内の人件費削減にもつながります。
また、業者によっては自社の会計ソフトと連携できるサービスも提供しているため、業務の一貫性が保たれ、さらに効率的な運営が可能となります。正確かつ効率的な経理処理を実現するためには、アウトソーシングの活用が非常に有効です。
2-3. 立て替え経費の振り込み
立て替え経費の振り込みは、多くの中小企業にとって手間のかかる業務の一つです。これをアウトソーシングすることで、担当者はこの煩雑な業務から解放され、他の重要な仕事に集中できるようになります。従業員が立て替えた経費を払い戻すために支払い処理を行う際、現金による返金では管理や手続きが煩雑になるため、振込による返金が一般的です。専門業者は、最新の振り込みシステムを利用して迅速かつ正確に立て替え経費を振り込むため、ミスや遅延のリスクを最小限に抑えることができます。さらに、立て替え経費の詳細な記録もきちんと管理されるため、経理部門の透明性も向上します。
3. 経費精算をアウトソーシングするメリット
経費精算のアウトソーシングとは、社内の経費精算のフローを外部に委託し、代わりにおこなってもらうことを指します。経費精算をアウトソース化すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。まずは、経費精算のアウトソーシングがおすすめの理由について4つ解説します。
3-1. 経理業務の削減
経費精算をアウトソーシングするもっとも大きなメリットが、経費精算にかかる経理業務を削減できる点です。経費精算を外部に委託すれば、領収書と申請内容のチェックや整合性のチェック、会計データの作成などの業務を代行してもらうことが可能です。
経理業務は繁忙期と閑散期のある業務ですが、企業によっては繁忙期である月末月初に経費精算が集中してしまうことも多いかもしれません。経費精算をアウトソース化すれば繁忙期にムダな経理業務が増えず、従業員がコア業務に集中できるようになるのです。
3-2. 経理業務のミスが防げる
企業の資金を管理する経理業務は、常に正確性が求められるためミスが許されない仕事です。経費精算も例に漏れず、領収書と申請書が一致しているか、経費に整合性があるのかについて確認しながら手続きを進める必要があります。
さらに、精算が完了したあとは正確な情報を帳簿に計上することが求められており、計上ミスや書き間違いがないように神経を尖らせて業務にあたる必要があります。しかし、どんなに気をつけていても人間が作業をする以上、経理業務のミスは防ぐことができません。繁忙期に経費精算が集中してしまう企業では、なおのことミスが増えやすくなるでしょう。
その点アウトソーシングなら、こういった業務を経理のプロに代行してもらえるため、ミスを防いで正確な経理業務を遂行することが可能です。経費精算のアウトソース化は経理担当者の負担軽減だけではなく、正しい経理処理によって企業としての信用性を確立する上でもメリットが豊富なのです。
3-3. 不正の防止が可能
経費精算とは切っても切り離せないリスクといえば、経費の不正使用や横領などが挙げられます。社内の人間のこととなると中立的な観点から判断できなくなり、細かい経費の不正使用や不自然な領収書に気が付けないケースも少なくはありません。
一方で、経費精算をアウトソース化して業務フローに第三者が入ることで、客観的かつ中立的な判断ができるようになります。不正な計上や横領のリスクをなくすことができるため、健全な企業運用に役立ってくれるでしょう。
3-4. 専門性が高く法改正があっても安心
経費精算のアウトソーシングをおこなっている業者は、当然のことながら経理について知り尽くしたプロが集まっている集団です。したがって、万が一、法改正などがあった場合も、最新の法律に対応した経費精算をおこなってもらうことが可能となります。
とくに税法は改正が多く、最新情報を追いかけるだけでも大変なものです。知らずに古い認識のまま経理処理をしてしまうと、税務調査の際に指摘されてしまう危険性があります。より安心して経理業務を進めたい企業においては、経費精算のアウトソーシングは非常に有効な手段になりうるでしょう。
4. 経費精算をアウトソーシングするデメリット
一方で経費精算をアウトソーシングすることで発生するデメリットとはどんなものがあるのでしょうか。会社としてのリスクを発生させないためにも正しく理解しておきましょう。
4-1. 社内の経理担当の人材育成が進まない
経費精算をアウトソーシングすることで、社内の経理担当者の成長機会が減少します。専門的なスキルや知識の習得は業務経験を通じて行われることが多いですが、外部業者に依存することでその機会が失われます。結果として、将来的には経理の専門知識を持つ社員が不足し、内部リソースの乏しさが課題となる恐れがあります。特に急なトラブル対応や委託先の見直しが必要となった際には、社内にスキルを持つ社員がいないことで困難が生じることがあります。このため、アウトソーシングを利用する際には、並行して社内の人材育成にも注力するバランスが求められます。
4-2. 社内に経費精算のノウハウが蓄積されない
経費精算をアウトソース化すると、外部のプロが経費精算手続きを全て代行してくれることになります。そうなれば当然、社内の経理スタッフが経費精算業務をすることはなくなり、ノウハウが蓄積されなくなってしまうでしょう。
もしも何かの拍子でアウトソーシングの利用をやめてしまった場合、経理スタッフがうまく対応できず、大きな混乱が生じてしまうリスクがあります。こういった状況に陥ることを防ぐためにも、アウトソーシング業者に情報の共有をしてもらうなどの対策をとっておくことが重要です。
4-3. 体制を整える時間とコストがかかる
経費精算をアウトソーシングするデメリットとして、体制を整える時間とコストがかかる点に注意が必要です。アウトソーシング業者との契約手続きやシステムの導入・設定、内部の業務フローの見直しに加え、社内ルールや過去のデータの共有も必要です。資料やデータを事前に整理し、スムーズな引き継ぎを図ることが求められます。さらに、委託先との連絡窓口や連携体制の構築にも時間と人的コストがかかります。これらの初期段階での負担は中小企業に特に大きく、アウトソーシング開始後も適切な管理とコミュニケーションを維持するためのリソースが必要です。
4-4. 最終ステップの確認は社内で対応すべきケースが多い
経費精算をアウトソーシングした場合でも、最終確認や承認作業は社内で行う必要があるケースが多いです。これは、最終的な責任が依然として企業にあり、本当に支払いが必要なのか、正しい申請が確実にされているかを自社で確認するプロセスが求められるためです。そのため、全ての経費精算業務を完全に外部に依存することは現実的には難しく、ある程度の内部対応が必要となります。特に、差し戻しや経費申請に関する内容の確認など、外部委託業者では対応が難しい作業は、引き続き社内の経理担当者が担当する必要がある点を理解しておきましょう。この点を考慮し、アウトソーシングの範囲を適切に設定することが重要です。
5. 経費精算をアウトソーシングする業者の選び方
現在、経費精算ができる業者は数多く存在しており、どの業者を選べばいいか迷ってしまう企業も多いでしょう。そこで、ここからは経費精算のアウトソーシングを依頼する業者の選び方を解説していきます。
5-1. センター型か訪問型かで費用が異なる
まず確認してほしいのが、依頼先の業者がセンター型か訪問型かどうかというポイント。それぞれの違いは、以下の通りです。
- センター型
BPOセンターに居る専門知識を持ったスタッフが経費精算処理をおこなう。低コストで利用可能で、大量処理が可能。 - 訪問型
専門知識があるスタッフが企業の事務所へ訪問し、経費精算処理をおこなう。日単位で利用可能で、経理事務の採用コスト・教育コストダウンが可能。
業者によっては、両者を使い分けできるところもあります。
大量に経費精算をする必要がある場合は「センター型」、経費精算の頻度が少なく費用を抑えたいという場合は数日だけ「訪問型」を利用するなど、自社に合った方法を選ぶようにしましょう。
5-2. 希望する業務範囲をカバーしているかどうか
アウトソーシングが可能な業務の範囲は企業によって異なり、間違った業者選びをしてしまうと希望する業務範囲をカバーできない危険性があります。業務範囲については、念入りな確認が必要です。たとえば海外営業所がある場合は、外国語にも対応した業者を選ぶとスムーズでしょう。
また、独自の精算システムや紙ベースにも対応している業者であれば、社内システムを大きく変える手間がなくなります。このように基本的な経費精算業務以外にも、さまざまな業務に対応している業者があります。各業者の特徴をよく比較し、より使い勝手のいい業者を選ぶことが大切です。
5-3. 会計ソフトと連携できるかどうか
近年、企業における帳簿付けや決算書類の作成に、会計ソフトは欠かせない存在になってきています。もしも現在会計ソフトを導入している、もしくは導入予定がある場合は、アウトソーシングした経費精算データと会計ソフトの連携が可能かどうかをよく確認しておきましょう。
万が一、依頼する業者が会計ソフトと連携不可能だとすると、結局会計ソフトに入力する手間が増えてしまい、経費精算業務の手間が増えてしまうことになります。依頼をスタートしてから確認するのでは遅いため、業者を選ぶ段階でしっかりと確認しておくことをおすすめします。
5-4. クラウド型経費精算システムに対応しているかどうか
クラウド型経費精算システムとは、インターネットを介してスマホやパソコンからアクセスできる経費精算サービスのことを指します。クラウド型経費精算システムを使えば、従業員がいつでもどこでも経費を入力できるようになります。また、申請から振り込みまでが自動化されて、スピーディーな経費精算が可能です。
アウトソーシング業者の中には、クラウド型経費精算システムに対応していて、より効率的なサービスの提供をしてくれるところもあります。日常的な経費精算はクラウド型経費精算システムでまかない、システムだけではカバーしきれない経理業務は人の手でおこなってもらうようにすると、高い効率化と業務負担軽減効果が得られるでしょう。
6. 経費精算をアウトソーシングするときの注意点
最後に、経費精算をアウトソーシングするときの注意点について解説していきます。注意点をしっかりと確認のうえ、アウトソーシングを活用すべきかどうかについて判断しましょう。
6-1. 情報漏えいのリスクがある
企業の資金を取り扱う経理業務は、一つひとつのフローに重要な情報の取り扱いが含まれています。アウトソーシングをする際は、経営に関する情報や社員の個人情報など、機密情報を知られてしまうリスクがあることをしっかりと留意しておきましょう。アウトソーシングを依頼する業者選びは慎重におこない、加えて企業は機密情報をしっかりと管理することも求められます。
6-2. 対応にタイムラグがある可能性がある
経費精算のアウトソーシング業者は多くの場合、複数の企業の業務を掛け持ちしています。したがって何か問題があったとき、迅速な対応が期待できない危険性があるのです。社外に業務を委託する以上、対応にタイムラグが生じてしまうことは避けられません。万が一のときでも安心して利用できるよう、サポート体制が整った業者に依頼するようにしましょう。
7. 面倒な経費精算をアウトソーシングして人件費の削減と業務効率化を!
経費精算をアウトソーシングすると、経理業務の削減や経理業務のミス対策が可能となります。経理の専門知識を持ったプロが対応してくれるため、より正確で安全な経理処理ができる点が大きなメリットです。
ただし、経理業務を削減したいからといってやみくもに業者を選ぶと、業務範囲のミスマッチや情報漏えいなどのリスクが高まってしまいます。業者を選ぶときは正しい選び方や注意点を考慮のうえ、信頼できるところに依頼するようにしましょう。
「経理担当者になってまだ日が浅いため、基本知識をしっかりつけたい!」
「法改正に関する情報収集が大変で、しっかりと対応できているか不安・・・」
「仕訳や勘定科目など、基本的なこともついうっかり間違えてしまうことがある」などなど日々の経理業務に関して不安になることはありませんか?
特に経費精算は毎月頻繁に発生する経理業務ですが、細かいルールや規定があり、注意が必要です。また直近の電子帳簿保存法やインボイス制度など毎年のように行われる法改正に対して、情報を収集し適切に理解する必要があります。
そこで今回は、仕訳や勘定科目などの基礎知識から、経理担当者なら知っておきたい法律知識などを網羅的にまとめた資料をご用意しました。
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