リフレッシュ休暇とは?導入するメリットや事例を解説 - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

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リフレッシュ休暇とは?導入するメリットや事例を解説 - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

リフレッシュ休暇とは?導入するメリットや事例を解説

「リフレッシュ休暇とは?」

「リフレッシュ休暇を導入するとどうなる?」

上記のように悩んでいる人は多いのではないでしょうか。

リフレッシュ休暇とは、従業員の心身をリフレッシュし、新鮮な気持ちで仕事をしてもらうための特別な休暇制度です。働き方改革が進み、従業員の心身の健康維持が重要視される昨今、幅広い業界から注目を集めています。

本記事では、リフレッシュ休暇の特徴や、導入するメリット・デメリットについて詳しく解説します。実際の導入事例も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

1. リフレッシュ休暇とは

リフレッシュ休暇とは、従業員が心身ともにリフレッシュすることを目的とした特別な休暇制度のことです。法律で義務付けられている「法定休日」ではないため、導入の有無や内容は自由に決められます。

リフレッシュ休暇は、勤続年数が一定期間を超えた際に付与されることが多いことが特徴です。とくに、5年目や10年目などの節目に提供する企業が多く見受けられます。

2. リフレッシュ休暇と有給休暇との違い

リフレッシュ休暇と有給休暇の違いは以下のとおりです。

リフレッシュ休暇 有給休暇
法的な位置づけ 法定外休日 労働基準法で定められた法定休日
目的 心身の疲労回復 特定の目的はない
取得条件 企業ごとに異なる 入社後6ヵ月経過し、全労働日の8割以上出勤している従業員に対し、最低10日間付与
給与支払い 企業の判断に委ねられる 法律で給与支払いが義務づけられている

有給休暇は、労働基準法で定められた「法定休暇」であり、企業は従業員に対して付与が義務づけられている点が特徴です。一方、リフレッシュ休暇は「法定外休暇」であり、法律での義務はありません

また、有給休暇中は法律で給与支払いも義務づけられています。一方でリフレッシュ休暇の場合、期間中の給与支払いについては企業の判断に委ねられる点が特徴です。

3. リフレッシュ休暇を導入している企業の割合

厚生労働省の「令和5年就労条件総合調査」によると、リフレッシュ休暇を導入している企業の割合は12.9%であることがわかっています。ただ、以下の表のように企業規模によって大きく異なる点が特徴です。

企業規模 導入割合
1,000人以上 43.6%
300〜999人 29.5%
100〜299人 16.3%
30〜99人 9.3%

従業員数1,000人以上の大企業では、43.6%がリフレッシュ休暇を導入しています。業務の代替がしやすく、かつ優秀な人材を確保しやすいためです。

中規模企業(300〜999人)では29.5%、小規模企業(100〜299人)では16.3%でした。さらに小さい規模の企業(30〜99人)では9.3%と、企業規模が小さくなるほど導入率は低下する傾向にあります。

参考:令和5年就労条件総合調査|厚生労働省

4. リフレッシュ休暇を導入する5つのメリット

リフレッシュ休暇の導入によって企業が得られるメリットは、以下の5つです。

  1. 従業員のメンタルヘルスにつながる
  2. 従業員の離職対策になる
  3. 業務の属人化を防止できる
  4. 生産性が向上する
  5. 企業のイメージアップになる

それぞれ、具体的に解説します。

4-1. 従業員のメンタルヘルスにつながる

リフレッシュ休暇を導入するメリットの一つとして、従業員のメンタルヘルスの向上につながることが挙げられます。日常の業務から一時的に解放され、心身をリセットする時間を作れるためです。

とくに、長時間労働が常態化している職場では、リフレッシュ休暇の導入により従業員の心身の健康維持に大きく寄与するでしょう。

4-2. 従業員の離職対策になる

リフレッシュ休暇は、従業員の離職対策にも効果的といえます。

リフレッシュ休暇を実施することで、従業員は「自分たちが大切にされている」と感じられるためです。従業員満足度が向上することで、会社への帰属意識が強まるでしょう。

また、リフレッシュ休暇を導入することで、長時間労働によるストレスも解消できます。心身ともに回復することで、病気による休職・離職を防げるでしょう。

4-3. 業務の属人化を防止できる

リフレッシュ休暇を導入することで、業務の属人化も防げます。属人化とは、特定の業務が特定の従業員に依存しすぎる状態のことです。

リフレッシュ休暇を活用すると、担当従業員が休んでいる間はほかの従業員が業務を引き継ぐことになります。情報共有が促進され、組織内での透明性を高められるでしょう。

また、引き継ぎの際には業務内容をほかの従業員に理解してもらうために、マニュアルや手順書の作成も必要です。だれでも同じ品質で作業を遂行できる体制が整うことで、属人化の解消につなげられるでしょう。

4-4. 生産性が向上する

リフレッシュ休暇を導入することで、従業員の生産性向上も期待できます。心身の疲労をしっかりと回復できれば仕事への意欲が高まり、業務に対する集中力が増すためです。

また、休暇取得のために業務の引き継ぎを実施することで、業務フローの見直しや効率化を図るよい機会になります。業務の無駄を削減し、効率的に仕事を進められれば、生産性が向上するでしょう。

さらに、休暇中の新しい経験や活動を通じて、新たなアイデアやイノベーションが生まれる可能性もあります。企業の競争力強化も期待できるでしょう。

4-5. 企業のイメージアップになる

リフレッシュ休暇を導入することで、企業のイメージアップにつながる可能性もあります。従業員の心身の健康を重視し、働きやすい職場環境を提供していることを示せるためです。

とくに、現代の求職者は給与だけでなく、福利厚生やワークライフバランスにも注目する傾向があります。

株式会社ワンキャリアの調査によると、学生が企業選びで最も重視するのは「働きやすさ」です。リフレッシュ休暇を取り入れることで働きやすさをアピールできれば、優秀な人材を引きつける要素となり得るでしょう。

また、リフレッシュ休暇は企業の社会的責任としての評価も得られる可能性が高いです。消費者や投資家から信頼を得やすくなり、ビジネスチャンスの拡大も期待できるでしょう。

参考:【2025年卒 選考直前調査】企業を選ぶ上での最大の決め手は「企業説明会」|PR TIMES

5. リフレッシュ休暇を導入する2つのデメリット

リフレッシュ休暇を導入することで企業に起こり得るデメリットは、以下の2点です。

  1. 従業員が一時的にいなくなる
  2. 引き継ぎ業務に時間が奪われる

以下、それぞれ詳細に解説します。

5-1. 従業員が一時的にいなくなる

リフレッシュ休暇を導入する際のデメリットとして、従業員が一時的に職場を離れることが挙げられます。とくに、重要な役割を担う従業員が休暇を取得すると、業務の流れが滞るリスクがあるでしょう。

また、リフレッシュ休暇中の従業員の仕事をほかの人が担当することで、一時的に人手不足になることも考えられます。小規模な企業や特定のスキルを持つ従業員が少ない職場では、残された従業員に過度な負担がかかりかねません。

業務への影響を最小限に抑えるためにも、事前に引き継ぎ体制・フォロー体制を整えるなど工夫を施す必要があるでしょう。

5-2. 引き継ぎ業務に時間が奪われる

リフレッシュ休暇を導入する際の課題の一つとして、引き継ぎ業務に時間が奪われることも挙げられます。不足なく引き継ぎを実施するためには、わかりやすいマニュアルの準備や十分な説明の時間が必要なためです。

また、引き継ぎを受ける側も、新たな業務を短期間で習得する必要があります。双方にとって大きな負担になりかねません。

円滑に業務の引き継ぎを実施するためにも、事前に業務プロセスをマニュアル化し、日常的に情報共有をおこなうことが大切です。

6. リフレッシュ休暇を導入する際の3つの注意点

リフレッシュ休暇を企業に導入する際は、以下の3点に注意しましょう。

  1. 取得の条件を明確に規定する
  2. 従業員に周知する
  3. 取得しやすい社内環境を作る

それぞれ、具体的に解説します。

6-1. 取得の条件を明確に規定する

リフレッシュ休暇を導入する際は、取得の条件を明確に規定することが重要です。

取得条件を明確にすることで、従業員は自分がいつリフレッシュ休暇を取得できるのかを理解できます。積極的な休暇取得を促進できるでしょう。

また、リフレッシュ休暇の導入目的や意図も明確にすることが大切です。

  • 心身のリフレッシュによる生産性向上のため
  • 長期的なキャリア形成支援のため

などと目的を明確にし、どのように従業員や組織全体に利益をもたらすかを説明できれば、より理解と支持を得られるでしょう。

6-2. 従業員に周知する

リフレッシュ休暇制度を導入する際、従業員に周知しましょう。周知が不十分だと、制度が形骸化するおそれがあります。

具体的な内容として、以下の点を明示することが大切です。

  • 取得条件
  • 日数
  • 給与面での取り扱い

制度の詳細について、全員がアクセスできる社内ポータルサイトなどで公開することで、休暇取得を促せるでしょう。

また、説明会やQ&Aセッションを開催することもおすすめです。不明点が解消できるため、より積極的な休暇取得につなげられます。

6-3. 取得しやすい社内環境を作る

リフレッシュ休暇を導入する際は、従業員が取得しやすい社内環境を作ることにも注意しましょう。制度が導入されても取得しにくい環境では、効果的な運用につながりません。

具体的には以下に取り組むことが重要です。

  • 管理職が率先して取得する
  • 引き継ぎ体制を整備する
  • 支援金や報奨金制度を導入する

上司が積極的に休暇を取る姿勢を見せることで、従業員は罪悪感なく休暇を申請できる雰囲気が生まれます。

また、引き継ぎ体制の整備も重要です。日常的に業務の標準化やマニュアル化を進めておくことで、だれもが安心して休暇を取れる環境が整います。

支援金や報奨金制度があると、経済的な不安なく存分に休暇を楽しんでもらえるでしょう。

7. リフレッシュ休暇の導入事例

リフレッシュ休暇の導入事例について、以下の2つを紹介します。

  • 大手サービス会社|14〜28⽇の範囲で任意に取得できる休暇を付与
  • 大手製造会社|最大1ヵ月の長期休暇を付与

それぞれ、具体的に解説します。

7-1. 大手サービス会社|14〜28⽇の範囲で任意に取得できる休暇を付与

とある大手サービス会社は、勤続年数が3年以上の従業員に向けて、3年ごとに最大28日間の長期休暇を取得する権利を与えています。

取得可能な期間は14日から28日の範囲で、従業員は自由に日数を選べる点が特徴です。まとまった期間を利用して、海外旅行をする人も少なくありません。

また、休暇を推進するために、一律30万円の手当も支給しています。従業員は、経済的な負担を軽減しつつ、自らの目的に応じた充実した休暇を過ごせている点が魅力です。

7-2. 大手製造会社|最大1ヵ月の長期休暇を付与

とある大手製造会社は、勤続10年以上の従業員を対象に、5年ごとに2週間〜1ヵ月間の休暇を取得できる制度を導入しています。

日本国内だけでなく海外部署でも導入されており、2023年度には、日本国内で630名、海外で827名が利用しました。

またこの企業は、誕生日に休暇が取れる「誕生日休暇」を導入している点も魅力です。ライフワークバランスを重視した福利厚生制度が充実した企業の事例といえるでしょう。

8. リフレッシュ休暇を導入し従業員が働きやすい環境を整えよう

リフレッシュ休暇は、従業員の心身の健康を促進し、企業の生産性やイメージアップに寄与する重要な制度です。適切に運用することで、従業員の離職防止や属人化の解消につなげられます。

導入を成功させるためには、取得の条件を明確にして従業員に周知し、取得しやすい社内環境を作ることが大切です。従業員の負担も考慮し、引き継ぎがしやすい環境も整えましょう。

OHSUGI

OHSUGI

クラウド型勤怠管理システムジンジャーの営業、人事向けに採用ノウハウを発信するWebメディアの運営を経て、jinjerBlog編集部に参加。営業時代にお客様から伺った勤怠管理のお悩みや身につけた労務知識をもとに、勤怠・人事管理や給与計算業務に役立つ情報を発信しています。

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