収入印紙が必要な場合・不要な場合の判断基準を詳しく解説
更新日: 2022.12.27
公開日: 2022.12.14
jinjer Blog 編集部
重要な取引で交わす契約書、高額な商品を販売した際に発行する領収書などには収入印紙の貼付が必要となります。一方、状況によっては収入印紙が不要となることもあるので、詳しい条件を確認しておきましょう。
この記事では、収入印紙が必要な場合と不要な場合について紹介します。
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目次
1. 収入印紙とは印紙税などを支払うときに使う証票のこと
収入印紙は、印紙税や登録免許税、手数料などを国に支払うときに使う証票の一種です。必要となる金額と同額の収入印紙を購入し、対象の書類に貼り付けることで、税金や手数料を納付することができます。
企業が書類を作成し収入印紙を貼付する場面は少なくありません。印紙税法によって定められた課税文書と呼ばれる書類を発行するときには、書類に収入印紙を貼る必要があるのです。
企業が取り扱う課税文書の代表例には領収書や契約書があります。しかし、領収書や契約書の額面によっては非課税の扱いになり、収入印紙の貼付が不要となる例もあります。
関連記事:収入印紙とは?いつ必要?|金額・文書別に貼り方までわかりやすく解説
2. 収入印紙の貼付が必要な場合
印紙税法で定められた課税文書には、基本的に収入印紙を貼り付けなければなりません。まずは、収入印紙の貼付が必要な場合について確認していきましょう。
2-1. 額面が5万円を超える領収書
商品の販売やサービスの提供の際に発行する「金銭または有価証券の受領事実を証明する領収書」の額面が5万円を超えるときには、収入印紙を貼ることが義務付けられています。
この条件には原則として消費税が含まれません。領収書に5万円を超える金額を記載したときでも、税抜価格が5万円を下回っていれば収入印紙の貼付は不要となります。
貼付する収入印紙の金額は、領収書に記載した金額に応じて変わります。100万円以下の取引であれば収入印紙の額面は200円となります。それ以上の金額を領収書に記載するときには、国税庁のウェブサイトなどをチェックし、必要な金額の収入印紙を貼付しましょう。
2-2. 契約書を作成するとき
契約書を作成する際にも印紙税がかかります。収入印紙の貼付が必要となる契約書には、以下のようなものがあります。
・不動産売買契約書
・土地賃貸借契約書
・信託行為に関する契約書
・請負に関する契約書
・金銭消費貸借契約書
・債務譲渡や債務引受の契約書
これらの契約書に記載する金額が1万円を超え100万円以下のときには、200円の印紙税がかかります。印紙税の金額は契約金額に応じて変わります。契約書にそれ以上の金額を記載する際には、あらかじめ必要な収入印紙の額を確認しておきましょう。
2-3. 約束手形や為替手形を発行するとき
約束手形とは、売上や仕入れの決済の際、発行人が受取人に対して支払いを約束するために用いる手形のことです。また、為替手形は第三者への委託を行った上で受取人に料金を支払ってもらうという性質をもちます。
これらの手形を発行する際には印紙税がかかるため、手形の額面に応じて適切な金額の収入印紙を貼付しましょう。
2-4. その他、課税文書を発行するとき
収入印紙の貼付が必要となる課税文書は領収書や契約書のほかにも数多くあります。
例えば保険証券、預金証書や貯金証書、株券、定款などは印紙税法における「金銭または有価証券の受取書」に該当するため、印紙税が課税されます。
3. 収入印紙の貼付が不要の場合
契約書や領収書には必ず収入印紙を貼らなければならないというわけではありません。中には、収入印紙の貼付が不要となる文書もあるものです。
ここからは、収入印紙がいらない場合についてチェックしていきましょう。
3-1. 受取金額が5万円未満の領収書を発行するとき
印紙税法では、金銭または有価証券の受取書について、その金額が5万円未満のものを非課税としています。営利を目的として商品やサービスを提供した場合、その金額が5万円未満なら収入印紙は不要となります。
なお、非営利の公益法人や個人が金銭を受け取ったときには営業活動とみなされないため、領収書発行の際に収入印紙を貼る必要がありません。
3-2. クレジットカードの支払いに領収書を発行したとき
商品の販売やサービスの提供で5万円以上の代金を受け取ったときには原則として領収書に収入印紙を貼付します。ただし、クレジットカードで支払ったことがわかるときには、たとえ代金が5万円以上であっても収入印紙の貼付は不要です。
クレジットカード支払いは信用取引であり、その場での現金のやり取りは発生しません。この場合には領収書が課税文書に該当しないため、収入印紙を貼る必要がなくなります。
3-3. 契約金額が1万円未満の契約書を発行するとき
印紙税法の1号文書や2号文書、15号文書に該当する契約書は課税文書の一種です。しかし、その記載金額が1万円未満のときには非課税となります。
また、委託契約書や秘密保持契約書は印紙税法の課税文書に該当しないため、記載する額面に関わらず収入印紙の貼付が不要です。
3-4. 請求書を発行するとき
請求書は印紙税法の課税文書に該当しません。そのため、高額な請求書を発行するときにも、収入印紙を貼る必要はないのです。
ただし、請求書兼領収書という形で1つの文書を発行する際には、収入印紙の貼付が必要となります。
3-5. 領収書や契約書を電子発行するとき
印紙税は紙の書類を発行する際にかかる税金です。領収書や契約書を電子発行する際には紙の書類が作られないため、収入印紙の貼付や印紙税の納税が不要となります。
4. 収入印紙を入手する方法は?販売店舗はどこにある?
課税文書に貼る収入印紙は郵便局で購入できます。ある程度大きな郵便局であれば、全ての額面の収入印紙を販売しています。ただし、収入印紙は24時間365日購入できるというわけではなく、郵便局窓口の営業時間内のみの販売となっています。
また、法務局の販売所でも全ての種類の収入印紙を取り扱っているのが一般的です。
ほかに、コンビニエンスストアや町の書店、たばこ店など、指定の印紙売りさばき所でも収入印紙を購入できることがあります。ただし、印紙売りさばき所では200円の収入印紙など、よく使われる額面のもののみを扱っていることがほとんどです。
印紙売りさばき所となっている店舗には専用のステッカーや看板などが出ているので、近隣に売りさばき所がないか確認してみましょう。
また、金券ショップやネットオークションで収入印紙を購入する方法も考えられます。一般の店舗よりも多少安く収入印紙を購入できるのが金券ショップやネットオークションの魅力です。ただし、必要な金額の収入印紙が購入できるとは限らないので注意しましょう。
5. 収入印紙が必要な場合と不要な場合をしっかり判断しよう
領収書や契約書を発行する際には、収入印紙を貼付する必要があるかどうかを確認しましょう。規定の金額を超える領収書や契約書に収入印紙を貼らずに発行した場合、印紙不貼付過怠税というペナルティを受けることになってしまいます。
ただし、電子発行した領収書や契約書であれば、額面に関わらず収入印紙の貼付は不要となります。書類作成時の手間を省きコストを抑えるためにも、社内システムの電子化を検討してみましょう。
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