7割の人事が「システムの複数利用」で課題あり。効率的なシステム利用に「同一ベンダー、同一データベース」が最適な理由は?人事系システムの利用状況に関する実態調査
更新日: 2024.5.8
公開日: 2023.9.5
jinjer Blog編集部
調査の背景
企業で人事系システムを効率的に利用するには
ここ数年は、新型コロナウイルス感染症の流行による、企業内でリモートワークやフレックスタイム制度の採用、副業が増加などで、働き方が多様化している。
上記の流れに伴い、人事領域においても業務効率や生産性の向上を目的とした「入退社処理のペーパーレス化」や「勤怠管理のシステム化」など、DX推進が実現できる人事系システム導入の動きが加速している。
一方で、多種多様な人事系システムを導入したことにより、新たな問題も生まれているという声も挙がっている。
そこで今回の調査では、人事系システムの導入状況や、複数利用で感じた課題、求めているニーズなどを明らかにする。
今後の人事系システムの導入・活用を用いた、より効率的な運営実現の一助となれば幸いである。
調査サマリー
1. 約7割の企業が人事系システムを複数利用
人事系システムを利用する企業では「2〜3個の使用」が23.6%と最も多く、次いで21%の回答者が「4〜5個の使用」を選択している。4社に1社は、 6個以上の人事系システムを導入しており、複数システムの利用している企業が多いことが明らかとなった。
2. 複数利用の課題感として多いのは、 「コストの増加」 「セキュリティへの不安」 「システム間におけるデータ連携」
人事系システムを2個以上複数利用している企業が抱える課題として、「コストの増加(50.7%)」、「セキュリティへの不安(40.1%)」が最も多く、次いで「他のシステムとのデータ連携に時間・手間がかかる(39.1%)」が挙げられた。
人事系システムの複数利用は、システムを安全且つ効率的な使いこなしに対する弊害が生じやすいことが伺える。
3. 複数の人事系システムを利用している約7割が「同一ベンダー、 同一データベースにしたほうが良いと思う」と回答
理由は「データ活用がしやすいから(48.1%)」「他システムとのデータ連携の時間・手間が削減できるから(44.4%)」が最多となり、データ活用・データ連携の効率化にメリットを感じる人事担当者が多いことがわかる。
調査の概要
調査内容:人事系システムの利用状況に関するアンケート
調査方法:インターネット調査
調査期間:2023年7月14日〜同年7月16日
調査対象:人事業務に携わる担当者 571名
調査の詳細結果
Q1. 職場で使用されている人事系システムの種類
職場で現在使われている人事系システムの種類は、トップ3が「勤怠管理システム(46%)」、「給与計算システム(42%)」、「人事管理システム(36%)」という結果となった。
Q2. 現在使用されている人事系システムの種別
人事系システムの種別は、SaaS/クラウド型のシステム導入が最も多く(45.4%)、次いでパッケージ型(31.5%)、オリジナル開発(26.3%)という順で使用されていることがわかる。
Q3. 現在使用されている人事系システムの総数
「2〜3個の利用」が23.6%と最も多く、次いで「4〜5個の利用」との回答が21%にのぼった。
6個以上のシステムを利用しているという回答も25%にのぼり、多くの企業で人事系システムを複数利用していることがわかる。
一方で、本調査では5社に1社が「利用数を把握していない(20.8%)」という状況にあることも明らかとなった。
Q4. 2個以上人事系システムを使用している場合に課題感はあるか
Q3で人事系システムを2個以上複数利用していると回答した方において、8割弱が「課題がかなりある/ややある」と回答した。
システムを複数利用することに起因した課題を持っている企業が多くを占める結果となった。
Q5. 2個以上人事系システムを使用している場合の具体的な課題感
最も回答が多かったのが「コストの増加(50.7%)」、次いで「セキュリティへの不安(40.1%)」となった。
また39.1%が「他のシステムとのデータ連携に時間・手間がかかる」と回答したことから、いち企業で複数のシステムを安全且つ効率的に使いこなすことに対する弊害が生じていることが明らかとなった。
Q6. 人事系システムは同一ベンダー、同一データベースにしたほうがよいと思うか
「人事系システムを利用する上で、同一ベンダー、同一データベースにしたほうが良いと思いますか?」という質問をしたところ、約7割の企業が「非常にそう思う」「ややそう思う」と回答している。
Q7. 人事系システムを同一ベンダー、同一データベースにしたほうがよい理由
Q6の『非常にそう思う』『ややそう思う』と回答した企業を対象にその理由を質問したところ、最も多かった回答が「データ活用がしやすいから(48.1%)」、次いで「他システムとのデータ連携の時間・手間が削減できるから(44.4%)」であった。
人的資本の情報開示が求められる中で、人材データの活用を通じて社内の人事制度改革をおこなう企業が増えている。このような背景から、同一ベンダー、同一データベースによる効率化を図った上で、人事系システムをより活用していきたいと考えている人事担当者が多く存在すると考えられる。
本調査の提言
人事系システムは、データ活用・連携ができる同一ベンダー・データベースが最適
人事系システムを2個以上複数利用する場合、システムを複数利用することに起因した課題が生じる傾向にあるため、導入検討時には “生じうる課題感に対して対応可能なプロダクトであるか” という視点を選定軸にいれることが、より効率的なシステム運用に繋がるだろう。
その上で、人事系システムを同一ベンダー・データベースにするメリットとして捉えられている点(データ連携の工数削減、コスト削減、IDパスワードの管理入力削減、セキュリティ強化)は、2個以上人事系システムを使用している場合に感じる課題を、包括することが期待できる。
加えて、同一ベンダー・データベースにしたほうがよい理由として最多の回答を得た「人材データの活用」は、人的資本の情報開示が進む中で今後企業にとって益々需要が高まることが想定される。
人事系システムの導入を検討しているなら、上記の観点も考慮してシステムを選定するとよいだろう。
既に複数人事系システムを導入済みで、回答結果と同じような課題感をもつ場合は、同一ベンダー、同一データベースのサービスへの乗り換えを検討することも、効率化に向けた有効な選択肢の一つとなるだろう。
jinjer CPO(最高プロダクト責任者)からのコメント
企業にとってコアの業務である「人事業務」、そして、絶対に誤りが許されない「人事データ」の蓄積と管理、日々変化する「従業員データ」の正確な情報処理 -これらが人事システムの運用において極めて重要となります。
さらに、多忙な人事担当者がいかにスムーズにシステムを運用できるかは、従業員情報の変更が生じた際の各種人事システム間の連携における簡潔さが極めて重要となります。そして、近年より注目されている個人情報の取扱いについては、慎重さが求められます。複数のシステムを利用する企業は、こうした課題に対するリスクが増大していくことを認識しています。
我々ジンジャーは、これらのリスクを最小限に抑えつつ、1つのサービスで全ての人事システムを完全にカバーし、人事情報の一元化を実現しています。
今後も、人事担当者の業務効率化と人事データの最大限の活用の両方を可能にするサービスを提供することを目指し、開発を継続してまいります。
≪本調査の利用について≫
1 引用いただく際は、情報の出典元として「jinjer株式会社」の名前を明記してください。
2 ウェブサイトで使用する場合は、出典元として、下記リンクを設置してください。
URL:https://jinjer.co.jp/
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