電子署名を使用する際に重要な「真正性」について分かりやすく解説!
最近では、契約書の作成だけでなく署名も電子的に行うことが増えてきました。しかし、電子署名は目の前でサイン・押印してくれるものではないため、法的に効力があるのかどうか心配な方もいることでしょう。
当記事では、電子署名に欠かせない「真正性」について詳しく解説していきます。
電子契約には様々な法律が関連します。
電子契約は電子署名法以外にも様々な法律で運用ルールや法的根拠が定められており、電子署名を理解するにはそうした関連する法律についても把握しておく必要があります。
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1.電子署名法における「真正性」とは
電子サインが実際の署名と同等の効力を持つとされる根拠となるのが「電子署名法」です。電子署名及び認証業務に関する法律、通称電子署名法は2001年4月1日に施行され、電子署名のルールが定められています。
ここでは、電子署名法でもっとも重要なポイントとなる真正性について説明します。
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1-1.電子署名における「真正性」とは
そもそも真正性とは、特定の対象物が本物であるかどうか、もしくは本物であること証明できるかという点を意味しています。
したがって電子署名における真正性とは、確かに契約を結ぶ本人が署名したのかを証明できることを指します。
とくに、電子署名は自筆の署名とは異なり、簡単に複製できる場合もあるので、真正性が非常に重要となるのです。
2.電子署名の真正性を証明するための方法
真正性が、本人の署名かどうかを証明することであれば、真正性を証明するための方法が必要となります。
電子署名はインターネット上で行われ、目の前でサインしてもらえるわけではありません。しかも、取引先の都合の良い時間に署名ができるので、時間を合わせて確認することもできないでしょう。
では、電子署名の真正性を確認するためにはどうしたらよいのでしょうか。電子署名の真正性を証明するための方法として、3つご紹介します。
2-1.電子サイン
電子サインは、電子署名とは異なり、電子文書に署名するまでのプロセスを指します。
店舗や携帯ショップなどで、タブレット等の媒体にタッチペンや指でサインすることがあるでしょう。こうした電子的なサインは、契約者の同意を得たことを確認する方法として法的に有効なものです。
真正性を確保するために行われているのは、本人しか知らないパスワードを用いたり、電話を使って認証したりする方法です。
さらに、本人確認ができるメールアドレスを用いた認証、運転免許証などのIDを利用した認証などの方法も用いられています。
2-2.電子認証
真正性を証明するためによく用いられる別の方法が、電子認証です。電子認証とは、電子署名、暗号化通信、電子署名の証明という3つの技術を組み合わせた技術で、電子署名の真正性を証明するのに非常に有効とされます。
電子署名とは、電子文書が間違いなく本人によって作成されたことを証明する技術のことです。
まず電子文書の送信者は電子文書からハッシュ値と呼ばれる文字列を作成します。さらに送信者はハッシュ値を秘密鍵によって署名データを作成します。
受信者は署名データを受け取ったら秘密鍵に対応した公開鍵を使って署名データを複合化し、ハッシュ値を求めます。送信者のハッシュ値と受信者のハッシュ値が一致すれば、文章が確かに本人から送られていること、途中で改ざんされていないことが証明されるのです。
続いて暗号化通信は、暗号技術を利用して電子文書を暗号化する技術です。
電子文書のデータを規則に従って暗号化することで、第三者が見ても内容が分からないようにできます。一定の規則に従っているので、規則が分かれば元の文章を復元できるのが特徴です。
この復元するための規則を「鍵」と呼びます。現在では、送信者と受信者で別々の鍵を保有し、二者の間だけで完全に暗号化通信が行えるようになっています。
共通の鍵を使って復元するわけではないので、第三者に文章を盗み見されるリスクを最小限に抑えられるのです。
最後に電子認証局による認証が行われます。
電子認証局の発行した電子証明書を使えば、確かに秘密鍵を持った本人が署名したことが証明できるのです。こうした3つの技術を使って高いセキュリティが守られ、電子署名の真正性が証明されています。
2-3.タイムスタンプ
電子認証ほど高いセキュリティがあるわけではないものの、文書が改ざんされていないことを証明できる方法がタイムスタンプです。
タイムスタンプは、主に電子データの「いつ」と「何を」を証明してくれるものです。たとえば、ある電子文書にタイムスタンプが付与されている場合、その文書がいつから存在していたかを証明してくれます。また、日付と時刻が記録されるため、いつ文書が作成されたかが分かるのです。
さらに、タイムスタンプが付与されている場合、その時刻から文書が改変されていないことも証明されます。
タイムスタンプは時刻認証局によって発行され、電子署名に含めることで書類の真正性をさらに強固に証明できるでしょう。
・電子契約の活用に伴う電子署名の管理規程の制定
・印章管理規程とは別で電子署名専門の管理規定の制定
・電子署名の制定、改廃、署名や管理に関する事項の管理 など
※電子帳簿保存法における適正事務処理要件の規程作成用のテンプレートではありません。 ⇛無料で資料をダウンロードして読んでみる
3.電子署名を契約書に用いるメリット
電子署名の真正性は確保されていることが分かりましたが、契約書に電子署名を用いるメリットはあるのでしょうか。
では、電子署名を使って契約を締結するメリットを3つ見ていきましょう。
3-1.承認業務が効率化できる
電子署名を契約書に用いれば、承認業務が効率化できます。
紙の契約書の場合、自社内で確認作業を行うのはもちろん、取引先へ訪問したり郵送したりして多くの時間を費やさなければなりませんでした。
しかし、電子署名使えば、自社内でも取引先とのやり取りでもオンライン上で行え、移動や郵送の手間がかかりません。これまでよりも効率よく契約が締結できるので、その分の時間や労力を他の業務に回せるでしょう。
3-2.書類の保管の手間やスペースの節減
電子署名を使って契約を締結すれば、書類の保管のための労力やスペースを節約できます。
紙媒体の契約書の場合、数年から十数年分の資料をファイルに保管しなければなりませんでした。しかも、ファイルから必要な書類を探し出すのも非常に大変だったことでしょう。
しかし、電子署名を使って契約を締結すれば、契約書そのものや資料を電子的に保管することができます。
クラウド上、あるいはハードディスク内にすべての情報を納めるようにすれば、保管の手間やスペースを大幅に節減できるのです。
さらに、取引先の会社名などを付けて契約書を保管しておけば、検索性も向上し、すぐに必要な資料を探し出せます。
3-3.コンプライアンスの強化
紙の契約書では、改ざんや紛失といったリスクが常に存在します。電子署名を使った契約書の場合、電子認証やタイムスタンプを使えば改ざんすることはほぼ不可能です。
加えて、情報がクラウド上に保管できるので、紛失する心配もほとんどありません。コンプライアンスの強化にも、電子署名が役立つのです。
4.電子認証・タイムスタンプで真正性を証明しよう
電子署名は法的に有効か不安になる方もいますが、電子認証やタイムスタンプなどの技術を使えば真正性がきちんと証明されます。
電子契約書を扱っているクラウドサービスなどでは、問題なく契約の締結が行えるでしょう。業務の効率化やスピード化のためにも、ぜひ電子署名の導入を検討してみましょう。
タイムスタンプは電子データの完全性を担保するための仕組みですが、それだけで完全な保証になるわけではないため注意が必要です。
タイムスタンプの弱点を補完できる電子署名と併用することで、電子データの完全性がより確かなものとなります。一体なぜ電子署名と併用することで完全性をより確かなものにすることができるのでしょうか。
ジンジャーサインでは具体的にタイムスタンプとは何なのか、付与する方法や発行の流れを資料でまとめました。
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■このような方におすすめ
・タイムスタンプの効力について調べている方
・タイムスタンプを付与する方法・発行の流れを調べている方
・タイムスタンプの具体的な有効期限を知りたい方
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