フランチャイズ契約書の作成方法や記載すべきポイントを紹介
更新日: 2023.11.21
公開日: 2022.11.10
jinjer Blog 編集部
フランチャイズ契約は、本部が加盟店に商標やサービス、商品の利用許可を与えるものです。契約を結ぶ際にはフランチャイズ契約書を発行し、双方の同意を得る必要があります。
フランチャイズ契約書はどのように作成すべきなのか、何を記載すべきなのかを解説します。今後フランチャイズ展開を目指す企業はぜひ参考にしてください。
契約には会社の規定や法に基づいておこなわれます。
専門的な知識が求められるため、不明点があればすぐに法務担当者に連絡する人も多いでしょう。
そのため、法務担当者の中には、従業員からの質問が多く、負担に感じている方もいます。
そこで今回、ビジネスの場面で使用される契約書の種類や基本項目、契約締結の流れについて解説した資料を用意しました。
従業員の勉強用資料として社内展開すれば、契約に関する基本的な質問を受けることが少なくなるでしょう。
「同じことを何度も説明するのは億劫だ」
「従業員からの質問に時間をとられて業務が進まない」
という方はぜひご活用ください。
1. フランチャイズ契約書とは?
フランチャイズ契約書は、フランチャイズ契約を行う際に必要な書類です。
本部の情報や本部に支払うロイヤリティ、契約期間などが記載されています。
加盟店は本部に対して加盟金、ロイヤリティなどを支払って一定期間本部の商標やノウハウを利用できます。
契約期間終了後は独自に経営を続けることも可能ですが、フランチャイズ契約書に記載されているルールを守る必要があります。
1-1. 契約書には印紙税が発生する
フランチャイズ契約書を作成する際に注意しなければならないのが印紙税です。
印紙税は、書類で契約を交わすことで利益が発生する際に書類そのものに対してかかる税金です。
フランチャイズ契約書は継続的取引の契約書に該当するため、国が定める税金を支払わなければなりません。
フランチャイズ契約書にかかる印紙税は4,000円で、収入印紙を貼り付けて納税します。
1-3. 印紙税は電子書類であれば非課税
印紙税は紙の契約書に対して課せられる税金です。
そのため、フランチャイズ契約書を電子書類として管理する場合には印紙税は発生しません。
今後大規模なフランチャイズ展開を検討している場合、節税対策のためにも書類の電子化をおすすめします。
電子書類を管理するサービスは多数あるため、フランチャイズ契約書にふさわしいサービスを選ぶことが大切です。
2. フランチャイズ契約書の作成方法
フランチャイズ契約書の作成方法を解説します。
法で定められたテンプレートなどはありませんが、多くのテンプレートがインターネット上で公開されているため作成の手間を省くためにもテンプレートを利用しましょう。
弁護士や行政書士に相談すれば、法律に則りミスのないフランチャイズ契約書を作成できます。
その他注意点も確認しておきましょう。
2-1. ひな形、テンプレートを使用する
フランチャイズ契約書には明確に規定されたひな形、テンプレートはありません。
ですが、弁護士事務所や行政書士事務所がフランチャイズ契約書のテンプレートを公開しています。
これらを利用すると、フランチャイズ契約書作成における手間やミスを大幅にカットできます。
フランチャイズ契約書のテンプレートは無料で公開されているものもあるので、ぜひ参考にしてください。
2-2. 弁護士、行政書士に相談する
フランチャイズ契約書のひな形、テンプレートは無料でも入手できますが、条件の細かい決まりなどはフランチャイズの本部の経営方針や業種によって変動します。
相違点に対応するためには専門的な知識が必要なため、弁護士や行政書士への相談をおすすめします。
違約金やテリトリー権など複雑な取り決めも、弁護士や行政書士と相談しながら決めることで契約後のトラブルを未然に防げます。
2-3.売上、経費の算出方法を明確にする
フランチャイズ契約書を作成する際は、加盟店の売上や経費の予測を行う必要があります。
この予測が正しくなければ思うように利益を出せず、フランチャイズ展開に失敗する可能性もあります。
また、契約書に記載している内容と実態が違っていると、加盟店側からの苦情につながるケースもあります。
2-4. 紙の書類か電子の書類か決定する
先述のとおり、紙のフランチャイズ契約書には印紙税が発生します。
一通につき4,000円を支払う必要があるため、複数の加盟店と契約する場合は出費が多くなってしまいます。
そのため、今後も加盟店を増やす予定があれば電子書類の導入も検討してください。
電子書類であれば対面せず契約ができ、郵送などのコストや時間もカットできます。
3. フランチャイズ契約書に記載すべき6つのポイント
フランチャイズ契約書に何を記載すべきかわからない方のために、6つのポイントを解説します。
フランチャイズ契約書にはさまざまな項目を明記しなければなりませんが、下記の6点は特に意識してください。
3-1. フランチャイズ本部に関する情報
まずはフランチャイズ本部に関する情報です。
この項目は第一部に記載しなければならず、ほかの項目は第二部に記載します。
本部の情報には社名、資本金、設立年月日などの基本情報のほか、フランチャイズ事業をいつ始めたのか、加盟店の数は現状でどれくらいあるのかも記載しなければなりません。
企業の経営方針、経営理念も記載し、企業の経営が一目でわかる内容にしてください。
訴訟件数を記載しているフランチャイズ契約書もあります。
過去5年間のデータ、賃借対照表、損益計算書、売上推移など、経営状況がわかる情報も必要です。
加盟店側が安心して契約できるよう、企業情報は詳細に記載してください。
3-2. ロイヤリティや加盟金などの費用
フランチャイズ加盟店は本部に対してさまざまな費用を支払います。
加盟の際に発生する加盟金、売上から差し引かれるロイヤリティなどの金額も明記してください。
金銭は最もトラブルに発展しやすいジャンルです。
万が一トラブルが発生した際も契約書があれば解決しやすくなります。
一方、曖昧な表記だったり表記漏れがあったりするとトラブルが複雑になるので注意してください。
違約金や罰金など、通常とおり契約が進まなかった場合の費用も記載しましょう。
契約書に具体例や実例を記載する方法もあります。
3-3. テリトリー権に関する情報
テリトリー権とは近隣に出店できるかを確認するための情報です。
一定範囲内の出店を禁じることで、その店舗の利益を出しやすくなります。
コンビニなどはテリトリー権が認められないケースが多いですが、飲食店やサービス業などの場合はテリトリー権を適用できます。
将来近隣に類似の店舗が出店する可能性があるかどうか、フランチャイズ契約書に明確に記載しておきましょう。
3-4. 経営方針、指導に関する情報
加盟店に対する研修や講習はあるのか、定期的に指導が入るのかなどを記載します。
フランチャイズに加盟すると加盟店は本部のノウハウや知名度を得られますが、研修や講習、指導がなければ充分に知識を吸収できません。
本部のブランドイメージを保つためにも定期的な指導は必要です。
3-5. 契約期間、更新に関する情報
契約期間はいつまでなのか、更新の可能性があるのかを記載します。
契約期間終了後は独自の展開を認めるフランチャイズ契約もあります。
一方、経営がうまくいかない場合には加盟店から契約を解除できる契約書もあります。
信用低下や経営放棄など、本部から契約を打ち切る条件も記載してください。
3-6. その他加盟店の義務
その他、加盟店の義務を記載します。
本部のイメージを維持するための店内の内装や接客、販売のルールなどを明確にします。
フランチャイズ契約書で、店内の施工を担当する業者の指定も可能です。
フランチャイズ契約の場合、基本的には既にある雛形をそのまま使用することが多いでしょう。ですが中には、特殊な条件を盛り込んだ契約書を作成することもあるかもしれません。このとき、相手の要望をうかつに飲んでしまうと、後々のトラブルに発展することもあります。特に、訴訟問題に発展した場合には他の店舗やブランドイメージにも大きな影響が出るでしょう。
会社やブランド、ほか店舗を守るためにも、契約の内容を容易に変えることはできません。しかし、従業員の意識が低ければ口約束で契約内容の変更を約束してしまうかもしれません。不要な契約トラブルを抱えることがないよう、従業員に契約の知識を深めてもらうことも大切です。
当サイトで無料配布している「【従業員周知用】ビジネスにおける契約マニュアル」では、契約が有効となる条件や、契約内容をよく確認する重要性について解説しています。
「従業員が契約の内容を理解しないで契約書をもってくる」「何回も同じことを聞かれてうんざり」という方におすすめの資料ですので、興味のある方はこちらからダウンロードしてご覧ください。
4. 適切なフランチャイズ契約書を作成しよう
フランチャイズ契約書の作成方法、記載事項を解説しました。
フランチャイズ契約書にはテンプレートがあり、利用と比較的簡単に作成できます。
一方で複雑な取り決め、独自のルールがある場合は弁護士や行政書士への相談もおすすめです。
本部と加盟店でトラブルが発生しないよう、記載事項にはとくに気を付けて作成を進めましょう。
飲食のフランチャイズをお探しの方は、飲食のフランチャイズメディア フーズルートをご確認ください。
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