【2026年4月~】女性活躍推進法の改正とは?企業が対応すべきポイントをわかりやすく解説
更新日: 2026.3.10 公開日: 2026.3.9 jinjer Blog 編集部

「女性活躍推進法がまた改正されたけれど、結局自社は何をいつまでにやればいいの?」
「男女の賃金格差の公表って、具体的にどう計算すればいいのか不安……」
人事労務担当者でこのような悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか。法改正が重なる中で、対象企業の拡大や公表項目の追加など、実務の負担は増しています。しかし、対応を誤れば、企業のイメージダウンや優秀な人材の流出を招くおそれもあります。
この記事では、改正女性活躍推進法の全体像から、2026年時点での最新の義務化内容、具体的な行動計画の策定手順までを徹底解説します。この記事を読むことで、迷いなく実務を進められ、社内のダイバーシティ推進を一段階引き上げる準備を整えられるでしょう。
育児・介護休業に関する法改正が2025年4月と10月の2段階で施行されました。特に、育休取得率の公表義務拡大など、担当者が押さえておくべきポイントは多岐にわたります。
本資料では、最新の法改正にスムーズに対応するための実務ポイントを網羅的に解説します。
◆この資料でわかること
- 育児・介護休業法の基本と最新の法改正について
- 給付金・社会保険料の申請手続きと注意点
- 法律で義務付けられた従業員への個別周知・意向確認の進め方
- 子の看護休暇や時短勤務など、各種両立支援制度の概要
2025年10月施行の改正内容も詳しく解説しています。「このケース、どう対応すれば?」といった実務のお悩みをお持ちの方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご活用ください。
1. 女性活躍推進法とは?


女性活躍推進法とは、2016年4月に施行された、自分の意志で働くことを希望する女性の個性と能力が職業生活において十分に発揮できる社会の実現を目指す法律です。この法律は、もともと2025年度末(2026年3月31日)までの時限法として成立しましたが、改正によって有効期限が10年間延長され現在は2036年3月31日までとなっています。正式名称は「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」です。
この法律に基づき、国は、常時雇用する人数が101人以上の事業主に対して以下のことを義務付けています。
- 一般事業主行動計画の策定、社内周知、外部への公表、都道府県労働局への届出
- 女性の活躍に関する情報の公表
参考:女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画を策定しましょう!|厚生労働省
1の行動計画には、自社の女性活躍に関する課題について「(a)計画期間、(b)数値目標、(c)取組内容、(d)取組の実施時期」を盛り込むことが必要です。また、計画を立てるだけでなく、定期的に目標達成状況に対して取り組みの効果測定をおこない、その結果を次の計画に反映しPDCAサイクルを確立することとされています。
2について、公表が義務付けられている内容は、次のように企業規模に応じて分けられています。
| 常時雇用する労働者が301人以上の事業主 |
|
| 常時雇用する労働者が101人以上300人以下の事業主 | 「女性労働者に対する職業生活に関する機会の提供」もしくは「職業生活と家庭生活との両立」の合計16項目の中から1項目 |
なお、これらの項目は、それぞれ「全労働者」「正規雇用労働者」「非正規雇用労働者」の区分に分けて公表が必要です。
この公表内容について、2026年4月1日から必須項目が拡大されます。2026年4月施行の改正内容を次の章で詳しく解説します。
2. 女性活躍推進法の改正内容


2025年6月11日に公布された「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律等の一部を改正する法律」によって、女性活躍推進法の一部が以下のように改正されました。
2.女性活躍の推進【女性活躍推進法】
① 男女間賃金差異及び女性管理職比率の情報公表を、常時雇用する労働者の数が101人以上の一般事業主及び特定事業主に義務付ける。
② 女性活躍推進法の有効期限(令和8年3月31日まで)を令和18年3月31日まで、10年間延長する。
③ 女性の職業生活における活躍の推進に当たっては、女性の健康上の特性に配慮して行われるべき旨を、基本原則において明確化する。
④ 政府が策定する女性活躍の推進に関する基本方針の記載事項の一つに、ハラスメント対策を位置付ける。
⑤ 女性活躍の推進に関する取組が特に優良な事業主に対する特例認定制度(プラチナえるぼし)の認定要件に、求職者等に対するセクシュアルハラスメント防止に係る措置の内容を公表していることを追加する。
⑥ 特定事業主行動計画に係る手続の効率化を図る。引用:労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律等の一部を改正する法律の概要(令和7年法律第63号、令和7年6月11日公布)|厚生労働省
これらのうち、主な項目について内容を見ていきましょう。
2-1. 公表義務の必須項目と対象企業の拡大(2026年4月施行)
まず、常時雇用する労働者が101人以上の事業主は、新たに女性管理職比率が情報公表義務の必須項目となります。次に、これまで301人以上の事業主が対象だった男女間賃金差異について、101人以上の事業主に対象が拡大します。
これによって、公表が義務付けられている内容は次のように変わります。
| 常時雇用する労働者が301人以上の事業主 |
|
| 常時雇用する労働者が101人以上300人以下の事業主 |
|
なお、女性管理職比率の算出における「管理職」とは、その事業所などで通常「課長」と呼ばれている者や、職務内容および責任の程度が「課長級」である者を指します。男女間賃金差異については、以下のイメージに基づいた公表をおこないましょう。
また、これまで男女間賃金差異や女性管理職比率の公表義務がなかった企業は、改正法の施行後に最初に終了する事業年度の実績を、その次の事業年度の開始後おおむね3ヵ月以内に初回の公表をする必要があります。例えば、令和8年4月末に事業年度が終了する企業は、おおむね令和8年7月末までに公表しなければなりません。
公表する場所は自社のホームページでも問題ありませんが、厚生労働省の「女性の活躍推進企業データベース」の活用が推奨されています。
2-2. 女性の健康上の特性への配慮を条文に明記
令和7年労働施策総合推進法の改正で、女性活躍推進法の基本原則に「女性の健康上の特性への配慮」が明文化されました。
(基本原則)
第二条 女性の職業生活における活躍の推進は、(中略)併せて、女性の健康上の特性に留意して、その個性と能力が十分に発揮できるようにすることを旨として、行われなければならない。
つまり、女性の活躍を推進するにあたって、女性特有のライフステージの変化による健康課題(月経や妊娠、出産など)を企業が考慮する必要があります。具体的には、主に以下の3点に取り組みましょう。
- 職場におけるヘルスリテラシーの向上:研修やワークショップの開催、動画配信などによる、健康課題・婦人科検診の重要性に関する啓発
- 女性の健康上の特性に配慮した休暇制度や柔軟な働き方の実現:生理休暇といった女性の健康上の特性に配慮した休暇制度の整備、取得しやすい環境や制度名称の工夫
- デリケートな健康課題も相談しやすい組織づくり:産業医や外部の相談先、オンラインによるカウンセリングなどの整備
ほかにも、婦人科検診の受診料の補助やマタニティハラスメント対策、体調不良時に利用できる休憩スペースの設置などが挙げられます。厚生労働省の運営するサイトでは企業の取組事例も紹介されているので、参考にするとよいでしょう。
参考:職場における女性の健康支援の取組のポイント|働く女性の心とからだの応援サイト
2-3. プラチナえるぼし認定要件にセクハラ防止措置公表を追加
そもそもえるぼし認定とは、女性活躍推進法に基づいて一般事業主行動計画の届け出をおこなった企業の中で、女性活躍の推進に関する取り組みが特に優れている企業を厚生労働大臣が認定する制度です。そのうち、さらに高い基準を満たした場合にのみプラチナえるぼし認定が受けられ、2025年12月末時点で認定を受けた企業は103社と年々増加しています。
参考:女性活躍推進法への取組状況(一般事業主行動計画策定届出・「えるぼし」「プラチナえるぼし」認定状況)|厚生労働省
このプラチナえるぼし認定の要件に、新たに「求職者等に対するセクシュアルハラスメント防止措置内容の公表」が追加されました。公布日から1年半以内に施行される予定です。
これにより、求職者(応募者やインターン生など)に対するセクシュアルハラスメント防止策を、企業はウェブサイトや採用ページなどで明確に公表する必要があります。なお、すでにプラチナえるぼし認定を取得している企業も認定を維持するためには同様の公表が求められますが、一定の猶予期間が設けられる予定です。
2-4. えるぼしプラス認定の創設(2026年4月施行)
2026年4月から、えるぼしプラス認定とプラチナえるぼしプラス認定が新しくスタートします。この制度は、既存の制度である「えるぼし認定」と「プラチナえるぼし認定」に、新たに女性の健康支援に関する基準を追加したものです。元の基準をクリアしたうえで、次の要件をすべて満たすと認定を受けることができます。
【女性の健康支援に関する認定基準】
① 制度整備:女性の健康に配慮した休暇・柔軟な働き方制度を設ける。
② 方針周知:配慮方針と①の制度内容を明示し、従業員へ周知する。
③ 理解促進:研修等で女性の健康特性への理解を深める取組を実施する。
④ 相談体制:担当者を選任し、女性の健康上の特性を相談できる体制を整えて周知する。
参考:えるぼしプラス・プラチナえるぼしプラス|厚生労働省
3. 一般事業主行動計画を策定する流れ


一般事業主行動計画を策定する流れを改めておさらいしましょう。おおまかな流れを4ステップに分けて説明します。
義務化対象ではないが、自社の現状把握や助成金の申請などのために初めて一般事業主行動計画を策定するという企業も、ぜひ参考にしてみてください。
ステップ1. ⾃社の⼥性の活躍に関する状況把握、課題分析
ステップ2. 一般事業主⾏動計画の策定、社内周知、公表
ステップ3. 一般事業主⾏動計画を策定した旨の届出
ステップ4. 取組の実施、効果の測定
参考:女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画を策定しましょう!|厚生労働省
3-1. 【STEP 1】自社の女性活躍に関する状況分析
行動計画の策定にあたり、まずは自社の現状を客観的な数値で把握し、課題を抽出します。直近の事業年度について、4つの基礎項目(必ず把握すべき項目)を算出し、自社の強みと弱みを明らかにしましょう。
- 採用した労働者に占める女性労働者の割合(雇用管理区分ごと)
- 男女の平均継続勤務年数の差異(雇用管理区分ごと)
- 労働者の各月ごとの平均残業時間数等の労働時間の状況
- 管理職に占める女性労働者の割合
基礎項目の分析で課題が見つかった場合は、さらに「男女別の採用倍率」や「男女の賃金差異」などの選択項目を用いて、原因を深く掘り下げます。
3-2. 【STEP 2】行動計画の策定、社内周知、公表
現状が見えたら、次は⾏動計画を策定します。計画には「(a)計画期間、(b)数値目標、(c)取組内容、(d)取組の実施時期」の4要素を必ず盛り込んでください。
計画期間は2〜5年間で設定し、数値目標には例えば「3年後までに女性管理職を15%以上にする」といった、具体的で測定可能なものを掲げます。策定した内容は、全労働者にメールや掲示板で周知するとともに、厚生労働省の「女性の活躍推進企業データベース」などを用いて社外へも公表します。
【一般事業主⾏動計画の策定例(常時雇用する労働者数が301人以上の事業主の場合)】
3-3. 【STEP 3】行動計画の届出
計画が完成したら、管轄の都道府県労働局へ届け出ます。
届出は、電子申請(e-Gov)、郵送、持参のいずれかでおこないます。次世代育成支援対策推進法(次世代法)に基づく計画とまとめて策定した場合は、一体型の様式で一度に届け出ることも可能です。
3-4. 【STEP 4】取組の実施と効果の測定
届け出はゴールではなく、スタートです。計画に基づいた取組を実行し、定期的に進捗を点検します。
数値目標の達成状況を確認し、もし達成が難しい場合は「なぜうまくいかなかったのか」を分析して次の計画に反映させます。このPlan(計画)からAction(改善)までのPDCAサイクルを継続することが、実効性のある女性活躍推進につながります。
4. 法改正に正しく対応して企業の成長につなげよう


改正女性活躍推進法への対応は、一見すると事務作業の増加に感じられるかもしれません。しかし、自社の課題を数値で把握し、改善していくプロセスは、結果としてすべての従業員が働きやすい職場環境づくりに直結します。
まずは自社の現在の数値を算出することから始めてみましょう。適切な対応をおこなうことが、次世代に選ばれる企業への第一歩となります。



育児・介護休業に関する法改正が2025年4月と10月の2段階で施行されました。特に、育休取得率の公表義務拡大など、担当者が押さえておくべきポイントは多岐にわたります。
本資料では、最新の法改正にスムーズに対応するための実務ポイントを網羅的に解説します。
◆この資料でわかること
- 育児・介護休業法の基本と最新の法改正について
- 給付金・社会保険料の申請手続きと注意点
- 法律で義務付けられた従業員への個別周知・意向確認の進め方
- 子の看護休暇や時短勤務など、各種両立支援制度の概要
2025年10月施行の改正内容も詳しく解説しています。「このケース、どう対応すれば?」といった実務のお悩みをお持ちの方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご活用ください。
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