2024年(令和6年)の年末調整の変更点!定額減税の対応もわかりやすく解説 - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

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2024年(令和6年)の年末調整の変更点!定額減税の対応もわかりやすく解説

年末調整は税制改正の影響を受けやすく、ここ数年は毎年仕様の変更が発生しています。毎年おこなっているからといって、確認を怠り前年と同様の手続きを実施してしまうと、不備が発生して逆に負担が増えることにもつながります。混乱しやすい変更点について確認していきましょう。

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1. 2024年(令和6年)の年末調整の変更点とポイント

変更点を確認

2024年の年末調整における変更点は、以下のとおり大きく5点あります。

  1. 定額減税の対応
  2. 扶養控除申告書の提出が簡略化
  3. 国外居住親族への送金関係書類の提出書類範囲が追加
  4. 保険料控除申告書の記載事項が簡素化
  5. 住宅ローン控除適用に係る手続きについて

それぞれどのような対応が求められるのか、以下で解説していきます。

1-1. 定額減税の対応が求められる

今年は定額減税の対応も求められます。
現状では来年以降も継続的に求められる対応ではありません。しかし、ルールが複雑であるため、正確に対応するためにどうすれば良いのかお悩みの方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

それでは早速、年末調整における定額減税の対応方法を見ていきましょう。

1-1-1. そもそも定額減税とは

定額減税とは、物価上昇に対する国民の負担軽減を目指した、令和6年分所得税・住民税の定額による一時的な特別控除のことです。

対象となる人は、令和6年分所得税の納税者である居住者かつ、その合計所得金額が1,805万円以下に該当する者となります。給与収入のみの場合は、年収2,000万円以下の方が対象です。また、合計所得金額に関係なく、月次減税については実施の必要性があります。

所得税における定額減税額は、納税者本人と同一生計配偶者及び扶養親族一人あたりについて、それぞれ30,000円です。また、住民税における定額減税額(※所得割額が課税されている方が対象です。)は、納税者本人と控除対象配偶者及び扶養親族一人あたりについて、それぞれ10,000円を控除することになっています。

1-1-2. 年末調整における定額減税の対応とは

年末調整における定額減税の対応では、大きく下記3点が求められます。

  1. 書類回収の際に、定額減税の対応に必要な情報を記入してもらう
  2. 定額減税額を控除した所得税額を求める
  3. 源泉徴収票の摘要欄に年調減税額・控除外額を記載する

以下で、詳しく見ていきましょう。

①書類回収の際に、定額減税の対応に必要な情報を記入してもらう

年末調整の減税額を計算するには、令和6年12月31日時点で居住者である同一生計配偶者の有無と扶養親族人数を確認する必要があります。

基本的には、例年通り扶養控除等申告書に扶養親族数を記載してもらえば問題ありません。

ただし、扶養控除等申告書に記載していない同一生計者や扶養親族がいる場合は、別途、「給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 年末調整に係る定額減税のための申告書(同一生計配偶者に係る申告)」へ記載してもらう必要があります。

▼申告書フォーマット

令和6年分基礎控除申告書兼配偶者控除等申告書兼年末調整に係る定額減税のための申告書兼所得金額調整控除申告書|国税庁

▼記入例

《記載例》令和6年分基礎控除申告書兼配偶者控除等申告書兼年末調整に係る定額減税のための申告書兼所得金額調整控除申告書|国税庁

②定額減税額を控除した所得税額を求める

令和6年においては、例年の年調所得税額からさらに年調減税額を引いて定額減税額控除後の所得税額を算出しなければなりません。

また、定額減税後の所得税額に102.1%を乗ずることで、年調年税額を求めることができます。

引用:給与等の源泉徴収事務に係る 令和6年分所得税の定額減税のしかた|国税庁

③源泉徴収票の摘要欄に年調減税額・控除外額を記載する

定額減税を実施した従業員の源泉徴収票に関しては、摘要欄へ「年調減税額」「控除外額」の記載が必要です。
例としては、下記のような書き方が挙げられます。

例)年調減税額60,000円、控除外額0円の場合
 (摘要) 源泉徴収時所得税減税控除済額60,000円 控除外額0円
 
例)年調減税額90,000円、控除外額40,000円の場合
 (摘要) 源泉徴収時所得税減税控除済額90,000円 控除外額40,000円

1-2. 扶養控除申告書の提出が簡略化される

令和7年1月1日以降に提出する給与所得者の扶養控除等申告書において、簡素化が実施されます。

前年に申告した記載すべき事項に関して変更点が無い場合、氏名・住所・マイナンバーを記載すれば、あとは「変更がない旨の記載のみ」で提出可能となります。

今年度の年末調整では適用されていませんが、来年度の年末調整のために翌年分の扶養控除申告書を記載してもらっている場合は、従業員へ漏れなく周知しましょう。

引用:令和 7 年分 給与所得者の扶養控除等申告書(簡易な申告書)|国税庁

1-3. 国外居住親族への送金関係書類の提出書類範囲が追加される

国外に居住する親族がいる場合で扶養控除を受けるには、その親族との親族関係書類および送金関係書類の提出が必要です。

送金関係書類に関して、令和6年より、電子決済手段(法定通貨の価値と連動等するステーブルコイン)の移転による支払いを証明する書類が追加されます。

これにより、送金関係書類として適切な書類は下記の3点となります。

① 金融機関が発行した書類又はその写しで、その金融機関が行う為替取引によりあなたから非居住者である親族に支払をしたことを明らかにする書類

② いわゆるクレジットカード発行会社が発行した書類又はその写しで、非居住者である親族がそのクレジットカード発行会社が交付したカードを利用して商品の購入や役務提供を受けたことに対する支払をしたことにより、その代金に相当する額の金銭をあなたから受領し、又は受領することとなることを明らかにする書類

③ 電子決済手段等取引業者(電子決済手段を発行する一定の銀行等又は資金移動業者を含みます。)の書類又はその写しで、その電子決済手段等取引業者が行う電子決済手段の移転によりあなたから非居住者である親族に支払をしたことを明らかにする書類

引用:令和5年1月以後に非居住者である親族について扶養控除等の適用を受ける方へ|国税庁

1-4. 保険料控除申告書の記載事項が簡素化される

令和6年10月1日以後に提出する給与所得者の保険料控除申告書について、下記3つの欄における「あなたとの続柄」を記載する欄が削除されました。

▼生命保険料控除における「保険金等の受取人」の欄

▼地震保険料控除における「保険等の対象となった家屋等に居住又は家財を利用している者等の氏名」の欄

▼社会保険料控除における「保険料を負担することになっている人」の欄

引用:令和 6 年分 給与所得者の保険料控除申告書|国税庁

1-5. 住宅ローン控除適用に係る手続きについても変更がある

令和4年度の税制改正より、住宅ローンの控除に係る手続きの方法が変更となっています。

変更前 証明書方式:金融機関等から交付された年末残高証明書を勤務先に提出する方法
変更後 調書方式:金融機関が税務署に年末残高証明書を出し、税務当局が納税者に住宅ローンの年末残高情報を提供する方法

なお、上記の改正は、居住年が令和5年1月1日以後である人が対象となり、令和6年1月1日以後におこなう年末調整から適用されます。
ただし、金融機関等に関して、システムの改修が必要な場合は、引き続き「証明書方式」の対応も認められる経過措置がもうけられています。

2. 2025年(令和7年)の年末調整での変更予定を先取りで確認

年末調整をする人

ここまで2024年の変更点を解説しましたが、ここでは2025年に変更が決まっている事項および、変更が予定されている事項について解説していきます。

2-1. 確定している事項について

令和7年の変更点として確定している事項は「住宅借入金等特別控除」にかかわる内容となっています。

2-1-1. 令和7年も住宅ローン控除が拡充される

住宅ローンを利用したマイホームの新築や購入、リフォームなどをした個人について、令和4年1月1日~令和7年12月31日までの間に住み始めた場合、一定の要件を満たしていれば住宅借入金等特別控除が受けられます。

引用:No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)|国税庁

なお、住宅借入金等特別控除控除を受けるための要件に関しては、国税庁の以下ページをご参照ください。
参考:No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)|国税庁

2-1-2. 居住年が令和6年または7年である場合における一般新築住宅の適用要件

居住年が令和6年または7年に該当する場合の一般新築住宅に関しては、床面積の大きさによって、住宅借入金等特別控除の適用要件が異なります。

具体的には床面積が50平方メートル以上の場合は、「令和5年12月31日までに建築確認を受けているものであること」「令和6年6月30日までに建築されたものであること」のいずれかを満たすことが要件となっています。

床面積が40平方メートル以上50平方メートル未満の特例居住用家屋に該当する家に関しては、「令和5年12月31日までに建築確認を受けているものであること」が要件となります。

 2-2. 令和7年へ持ち越しとなった事項について

令和6年度税制改正大綱において、子育て世帯に関係する改正事項が記載されています。

扶養控除、ひとり親控除、生命保険料控除の見直しについては令和7年度の改正へ持ち越しとなっており、今後の改正に注目が必要です。

本項では、与党大綱前文に記載されている案について触れていきますので、これからの見通しにお役立てください。

2-2-1. 扶養控除が見直しされる可能性がある

令和6年12月以降より、児童手当における所得制限が撤廃され、支給期間が高校生の年代まで延長されています。

そのため、与党大綱前文では新たに児童手当の支給対象となる16歳~18歳の扶養控除に関して、15歳以下の取り扱いとバランスをとるために、控除額の縮小案が提示されました。

なお、高校生の年代は教育費がかさむ時期であるため、考慮が必要です。そのため、扶養親族を完全撤廃するのではなく、かつて廃止された特定扶養親族として「所得税25万円、住民税12万円」を復元する方向性で検討されています。

令和7年度の改正で決定されたのち、令和8年度所得税および令和9年度住民税から控除される予定で進められています。

参考:令和7年度税制改正要望事項(新設・拡充・延長)|厚生労働省

2-2-2. ひとり親控除の拡充が検討されている

ひとり親に関しては、経済的に非常に困難な状況に置かれており、自立が難しいケースが少なくありません。そこで、ひとり親の所得要件を500万円以下から、1,000万円以下に引き上げることが検討されており、控除額に関しても、所得税・住民税ともに3万円ずつ引き上げる方向性で見直し案が明示されております。

本改正に関しても、令和7年度の改正で決定されたのち、令和8年度所得税および令和9年度住民税から控除される予定で進められています。

2-2-3. 子育て世帯等の生命保険料控除が拡充も検討されている

生命保険料控除における新生命保険料に係る一般枠(遺族保障)について、23歳未満の扶養親族を有する場合、現行の4万円(所得税)の適用限度額に対して2万円の上乗せ措置を講ずることが見直し案として挙げられています。

なお、令和7年の改正で決定されたのちに変更されると予想されますが、具体の適用時期については言及がないため、注意が必要です。

参考:令和7年度税制改正要望事項(新設・拡充・延長)|厚生労働省

3. 年調業務の工数削減

復習をする人

毎年のように変更点がある年末調整ですが、税制改正の影響を受けて、紙で対応している場合は非常に負担が大きいでしょう。

ここでは、どのような点が年末調整のご負担となるかについて触れつつ、システムを使った工数削減の方法について解説します。

3-1. 年末調整の書類回収で負担が発生する

年末調整は、まず、書類を回収する段階で工数がかかります。また、回収した後の確認の段階では、誤字脱字や読めない文字を見つけて、該当の従業員に確認を入れることや記入の抜け漏れによる差し戻しが発生する場合もあるでしょう。

また、毎年のようにある様式変更により、従業員への説明も必要になります。

必要な説明ではありますが、他の業務もある中で書き方の問い合わせが来ることは、業務が中断され意外と負担になるものです。

3-2. 年末調整のシステム化で負担を解消できる

年末調整に関するご負担を解消するためには、システム化が有効です。

年末調整の書類をペーパーレス化すれば、やり取りがWeb上で完結するため、印刷や回収にかかる工数が格段に削減されます。

また、書類の入力は選択式で選べることが一般的であり、はい・いいえで回答していくと書類が完成するため、記入の抜け漏れも減らせます。

手書きの必要がないため、文字が読めないこともなくなるでしょう。

3-3.システム化する際はデータの連携性が高いものを選ぶ

年末調整をシステム化する際は、ただペーパーレス化できるものを選ぶのではなく、人事情報や給与計算とのデータ連携がスムーズなものを選ぶことがおすすめです。

人事情報や給与計算とのデータ連携性が優れていれば、扶養家族数が年末調整の書類や計算に自動反映されるほか、年末調整の過不足額がボタン一つで給与や賞与に反映されることも期待できます。

また、データ連携がスムーズなシステムは増えていますが、実は連携の際にひと手間発生するケースも少なくありません。各ベンダーの話を聞いて、よく比較検討するようにしましょう。

4. 年末調整の変更点に注意!余裕を持って準備しよう

2024年の年末調整における変更点としては、定額減税の対応に加えて記載項目の簡略化などがございました。

特に、定額減税の対応に関しては、扶養親族や同一生計配偶者の把握が重要となりますので、早めの対応が重要です。

2025年以降の変更点も見据えつつ、年末調整の書類回収や計算を正確かつ効率的に実施できるような管理方法を検討してもよいのかもしれません。

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OHSUGI

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クラウド型勤怠管理システムジンジャーの営業、人事向けに採用ノウハウを発信するWebメディアの運営を経て、jinjerBlog編集部に参加。営業時代にお客様から伺った勤怠管理のお悩みや身につけた労務知識をもとに、勤怠・人事管理や給与計算業務に役立つ情報を発信しています。

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