未払費用の扱い方は?未払金との違いや具体例についてわかりやすく解説 - ジンジャー(jinjer)| クラウド型人事労務システム

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未払費用の扱い方は?未払金との違いや具体例についてわかりやすく解説

未払い

未払費用は、継続してサービスを受けている分の、まだ支払いを終えていない費用を計上する際に使用します。未払金とは似ていますが違う意味を持つため、仕訳する際は区別して考えましょう。

本記事では未払費用の特徴と考え方、未払金との異なる点、未払費用の具体的な仕訳例をわかりやすく紹介します。

関連記事:未払費用の勘定科目を税務上の取り扱いの観点から徹底解説

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1. 未払費用とは?

疑問

未払費用とは、一定の契約に従って継続したサービスの提供を受ける際、すでに提供されているサービスに対してまだ対価の支払いを終えていないものを処理する勘定科目です。「役務に対する対価は時間の経過とともに当期の費用として発生しているものである」と考えます。当期の損益計算に計上し、貸借対照表の負債の部に計上しなければなりません。

未払費用は、かかる役務提供契約以外の契約によって発生する「未払金」とは違うものです。きちんと区別する必要があります。

1-1. 未払費用の具体例

未払費用の「一定の契約に従い継続して役務の提供を受けている」というのは実際にどのような状態かというと、具体的には後払いの保険料・賃借料などです。支払いは後になるものの、一旦サービスだけは受けている、とイメージするとわかりやすいでしょう。

保険料の例

5月に1年契約を結び、翌年4月末のサービス終了時に年額12万円をまとめて支払うという契約の場合、決算日が3月31日だとすると11ヶ月分の保険サービスをすでに利用しています。
そのため、11ヶ月分の保険料を未払費用として負債計上しなければなりません。

賃借料、家賃の例

賃借料の場合も同様です。借りている事務所の家賃の支払いが決算日の翌月にまたがっている場合は、家賃分を未払費用として計上します。
貸借対照表日までに支払っておらず、サービスの提供をすでに受けている状態であれば時間に応じた費用が発生している、とみなされるのです。

関連記事:未払費用の決算について未払給与や決算賞与など具体例で詳しく解説

1-2. 未払費用の種類

未払費用には「未払家賃」「未払手数料」「未払利息」などがあります。

保険サービス料、土地や物件の賃借費用、従業員へ支払う給与、借入利息、リース費用、毎月かかる通信費なども決算日をまたいで支払いが後回しになっている場合は、すべて未払費用で仕訳しなくてはいけません。

2. 未払費用と未払金の違い

比較している様子

最初に少しお話したように、未払費用と未払金は仕訳の段階で「未払い」の勘定科目です。しかし、未払費用と未払金には決定的な違いがあります。

未払費用…役務の提供がすべて終わっていない

未払金…役務の提供がすべて終わっている

言葉で見ると違いがわかりづらいですが、すでに役務の提供が終わっているのか、まだ終わっていないのかで考えると、実はとてもわかりやすい違いがあるのです。
では、具体例で詳しく違いを見ていきましょう。

未払費用

  1. 継続的な役務提供契約があり、役務提供に対する未払い分
  2. 役務提供が継続している

未払金

  1. 継続的ではない役務提供に対する未払い分
  2. 役務提供がすでに完了しており、債務が確定している

未払金に該当するものは、以下の通りです。

  • 固定資産(パソコンや機械など)の購入にかかった費用
  • 消耗品や事務用品の購入にかかった費用
  • 機械や設備のメンテナンス・修理にかかった費用
  • 掲載がすでに終了した広告宣伝費

上記の具体例はすべて役務の提供が終わっているため、未払費用ではなく未払金であることがわかります。役務の提供が継続的か否かを判断基準として、未払費用と未払金を使い分けましょう。

3. 未払費用の具体的な仕訳例

計算している様子

未払費用の計上は、期末である決算日と翌年の期首にまたがるため、少しややこしく感じます。しかし「サービスを受けている分だけ計上する」「翌期首に振り戻す」という2つのステップだけなので、一度おこなってしまえば特に難しいことはありません。未払費用の仕訳は、役務の提供を受けた時点から決算日までの期間で費用がいくら発生したかを計算します。そして、その合計を計上するだけです。

実際の仕訳例をいくつか見ていきましょう。

3-1. 保険料の支払いを未払費用として計上する場合

最初に具体例としてお伝えした保険料の場合で考えてみます。

  • 5月1日より保険サービスを受けている(役務の提供がスタートしている)
  • 役務提供の終了日は翌年度4月31日である
  • 毎年3月31日を決算日としている
  • 役務提供の終了日である翌年度4月30日に1年分(12万円)の支払いをおこなう

この4つを整理し、ポイントをまとめてみます。

  1. 役務提供の期間である5月1日から決算日の翌年3月31日まで、11ヶ月分の費用が発生している
  2. 1年分(12万円)を12か月分で割り、11ヶ月分の役務の債務が発生しているとみなして未払費用を11万円分計上する
  3. 借方には保険料、貸方には未払費用を計上する
借方 貸方
保険料 110,000円 未払費用 110,000円

この仕訳で、決算日時点に役務提供を受けた保険料が11ヶ月分未払いである、負債であるという会計処理ができました。
続いて、翌年度に入ったときは重複計上しないように期首の段階で未払費用を保険料として振り戻す必要があります。

借方 貸方
未払費用 110,000円 保険料 110,000円

最初の仕訳と逆にすることで、振り戻しは完了です。
最後に、4月30日に役務提供が終了し支払いをおこないます。そのタイミングで前年の5月1日~4月30日までの1年分を「保険料」として計上してください。

借方 貸方
保険料 120,000円 普通預金 120,000円

保険会社と実際にやり取りが発生するのは、4月30日が初めてです。この処理をおこなった段階で貸方に振り戻していた11万円が相殺され、実質1ヶ月分が費用計上されたことになります。
では、以下ではさらにいくつかの仕訳例を見ていきます。

3‐2. 家賃の支払いを未払費用として計上する場合

決算をまたいで発生する翌月払いの家賃が15万円あるケース
① 決算時、翌月払いとしている家賃15万円分を未払費用として計上する

借方 貸方
地代家賃 150,000円 未払費用 150,000円

② 決算後、翌期首に振り戻す

借方 貸方
未払費用 150,000円 地代家賃 150,000円

③ 家賃の支払い日に15万円を支払う

借方 貸方
地代家賃 150,000円 普通預金 150,000円

以上です。未払費用として計上し、決算後に期首へ振り戻し、支払日に仕訳をするという3ステップなので、一度覚えてしまえば特に難しいことはありません。

3-3. 支払利息を未払費用として計上する場合

5万円の利息の締め日に一旦未払金として計上するケース
① 決算にあたって、支払利息の5万円を未払費用として計上する

借方 貸方
支払利息 50,000円 未払費用 50,000円

② 未払利息とした5万円を未払費用として期首に振り戻す

借方 貸方
未払費用 50,000円 未払費用 50,000円

※支払利息の額が締め日に確定した場合、未払いでも支払額が決まっているという解釈になり、未払費用として仕訳をおこないます。
③ 支払利息額の確定日に一旦未払金として計上する

借方 貸方
支払利息 100,000円 未払金 100,000円

④ 利息を実際に支払った日に仕訳をおこなう

借方 貸方
未払金 100,000円 普通預金 100,000円

以上が支払利息の仕訳です。

4. 未払費用と未払金の違いを押さえて正しく仕訳しよう

ポイント 請求書

未払費用は、決算時に支払期日がまだ訪れていない費用(保険料や家賃などの場合が多い)の未払いを、正確な損益計算するために「未払い分」として計上する際、一時的に流動負債として貸借対照表に記載する勘定科目のことです。当期中の費用計上を正確におこなうために、使用する必要があります。

未払費用はまだ役務継続中で確定していない費用、未払金はすでに確定した(役務が完了した)費用で区別し、混同しないように注意してください。

未払費用の仕訳がおこなわれていないと、事業年度がまたぐ際に発生する保険料や家賃などにずれが生じ、正確な損益把握がおこなえません。年度がまたぐ仕訳は複雑に感じがちですが、未払費用の場合はそれほど難しい仕訳はなく、覚えてしまえば簡単です。

正しい仕訳をおこない、正確な損益把握を心がけましょう。

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jinjer Blog 編集部

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