黒字倒産が起こる理由は?回避するためのポイントも紹介
更新日: 2024.1.16
公開日: 2023.1.31
jinjer Blog 編集部
倒産というと、経営が赤字になってしまっている状態をイメージするかもしれません。しかし、黒字であっても倒産するケースがあります。
今回は、黒字倒産とはどのような状態なのか、黒字でも倒産してしまう黒字倒産が起こる理由、回避するためのポイントを紹介します。
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1. 黒字倒産とは?
黒字倒産とは、商品が売れて帳簿上は利益があるようにみえても、倒産してしまうことを指します。黒字倒産では、利益が出ているにも関わらず支払いに必要な資金が不足してしまっています。
1-1. 黒字と赤字の違い
黒字の逆にあたる言葉が赤字です。両者はそれぞれ次のような違いがあります。
- 黒字:利益が出ている状態(収入が支出よりも多い)
- 赤字:利益が出ていない状態(収入よりも支出が多い)
両者の違いをみると、黒字倒産するなら当然、赤字であれば倒産すると思ってしまうかもしれません。しかし、赤字であっても運営に必要な資金が不足していなければ、倒産することはありません。
2. 黒字倒産が起こる理由
黒字倒産が起こる理由は、企業が支払いに必要な資金を持っていないことにあります。たとえば、売掛金の入金を待っている間に支払いの期日が来てしまい、資金がないため倒産につながってしまうのです。
企業における取引では、掛け取引として商品やサービスに対価が支払われるようになるのは数ヶ月後です。そのため、帳簿上では売上が立っていて黒字なのにも関わらず、支払いできずに黒字倒産が起きてしまうのです。
黒字倒産を避けるためにも、商品やサービスの対価が入金されるタイミングと支払いのタイミングをしっかりと把握しておく必要があります。
2-1. 在庫管理が原因の場合もある
黒字倒産が起こってしまう理由として、不十分な在庫管理があります。在庫管理が不十分だと余計に仕入れてしまい、余剰在庫を抱えるケースがあります。
在庫は資産として見なされます。そして、在庫を仕入れるための出費は、在庫が売れてからはじめて計上されます。つまり、在庫を増やせば赤字ですが黒字にすることができます。
しかし、これはあくまで帳簿上の黒字で、実際に売上が生まれているわけではありません。つまり、黒字にするために不要な仕入を続けているということです。そのため、これを続けていくことで黒字倒産につながる可能性があります。
3. 黒字倒産を回避するためのポイント
黒字倒産を回避するためには、次の事柄を意識しましょう。
- 評価指標のチェック
- キャッシュフローをチェック
- 資金繰りを着実に行う
3-1. 評価指標のチェック
評価指標である決算書をチェックすることで企業の財政状況や経営状態が判断できます。
評価指標として用いられる決算書は以下の3つです。
- 貸借対照表
- キャッシュフロー計算書
- 損益計算書
【賃貸対照表】
賃貸対照表は企業にどれくらいの資産があり、どのように調達、運用しているかがわかる書類です。賃貸対処表からは、保有している資産、返済しなければならない負債、返済不要な資産から負債を引いて残った資産がわかります。
【キャッシュフロー計算書】
次のキャッシュフロー計算書です。この書類は現金の流れを記した表です。キャッシュフロー計算書からは、期初と期末の現金残高を比較することで現金の出入りが把握できます。
【損益計算書】
損益計算書は、収益、費用、利益が記載されていて、企業の決算時の利益が把握できます。損益計算書からは、企業がどれにどれくらい費用を使い利益を得たかが判断可能です。さらに黒字と赤字の境界線といえる損益分岐点もわかるため、黒字倒産の対策になるでしょう。
3-2. キャッシュフローをチェック
キャッシュフローに着目することで、お金がどのように流れているかがわかります。キャッシュフローとして次の3つが挙げられます。
- 営業キャッシュフロー
- 投資キャッシュフロー
- 財務キャッシュフロー
営業キャッシュフローはもっともスタンダードなキャッシュフローで、これがプラスの場合は本業が順調であるといえます。
次の投資キャッシュフローは固定資産や株などを取得、売却した際のキャッシュフローです。もちろんプラスであるにこしたはことはありませんが、事業促進のための設備投資によってマイナスになっているケースもあります。
3-3. 資金繰りを着実に行う
資金繰りを着実に行うことも黒字倒産を回避するためのポイントです。資金繰りを着実に行ううえでは、以下を意識しましょう。
- 資金繰りを管理する
- 在庫管理をする
- 無駄・不要な資産は持たない
- 締め日・入金日・支払い日に気を付ける
- 銀行からの借入を検討する
資金繰りを管理することで、その場しのぎではない将来を見越した経営につながり、黒字倒産を回避できます。
また、在庫管理も黒字倒産を回避するうえでは大切です。売れなかった在庫は資産として計上されるため、大量に仕入てしまっても、資産は増加しているため本来は赤字なのに黒字なってしまいます。このような状態を防ぐためにも在庫管理は大切です。
同様に無駄、不要な資産を持たないことも黒字倒産を防ぐうえには必要です。資産を増やすことはリスクと隣り合わせなため、リスクを把握して運用することが重要です。
また、締め日や入金日、支払い日の流れにも注意しましょう。入金と支払いは1ヶ月程度ずれることがあるため、どのタイミングでいくら必要かを事前に確認しておきましょう。この際に可能であれば支払いサイクルを長くするのがおすすめです。売上が入金されるまでに日数より、支払いの日数を長くすることで、資金繰りに余裕が生まれます。ただし簡単に支払い日数を延ばしてもうことが難しいので、未収金を早期回収しましょう。
経営資金が自社資金だけで賄えない場合は銀行からの借入の検討もおすすめします。ただし、銀行から借り入れた場合は、金利が発生し、毎月返済する必要が出てきてしまいます。そのため、銀行から借り入れた場合は、返済が難しくなったら返済の先延ばしを銀行に相談して黒字倒産を避けましょう。
4. 黒字倒産が起こる理由を理解して回避しよう
黒字倒産は利益が出ていても支払いに必要な資金が不足して、倒産してしまう状態です。黒字倒産が起きてしまう原因として、企業が支払いに必要な資金を持っていないことが挙げられます。また、在庫管理が不適切であるということも、黒字倒産の理由です。
黒字倒産を防ぐためには、評価指標やキャッシュフローのチェックに加えて、資金繰りを正しく行うことが大切です。
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