10万円以上の消耗品費を経費計上する方法を徹底解説 - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

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10万円以上の消耗品費を経費計上する方法を徹底解説

経費計上作業

オフィスの経理では、購入価額が少額の消耗品は消耗品費として計上できます。
ただし、取得価額が10万円を超える物品は、消耗品費ではなく固定資産として計上する必要があります。

本記事では、10万円以上の消耗品を経費処理する際のポイントについて解説します。

会計の基本は「勘定科目」と「仕訳」
86個の勘定科目と仕訳例をまとめて解説

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1. 取得価額10万円以上の備品は固定資産に該当する

貯蔵 資産

経理上の消耗品費とは、使い続けるうちになくなってしまうものや価値が減っていくものの取引を行った際に扱う勘定科目です。
経費計上できる物品には一定の条件が設けられています。

国税庁では、耗品費の条件を以下のように説明しています。[注1]

・帳簿、文房具、用紙、包装紙、ガソリンなどの消耗品購入費
・使用可能期間が1年未満か取得価額が10万円未満の什器備品の購入費

取得価額が10万円未満であるかどうかは、税込経理方式又は税抜経理方式に応じ、その適用している方式により算定した金額によります。

この条件を満たしていない品目については、消耗品費として経費計上することができません。
文具類や用紙類などの品目であれば、使ううちになくなってしまう消耗品に該当し、さらに購入価格も低額となることが多いので問題なく処理できます。

しかし企業の業務においては、取得費用が数万円という金額になる品目を購入するケースもあるものです。

例えば、オフィスで使用するパソコンの購入価格には大きな幅があります。
8万円で購入できるパソコンであれば、10万円未満という消耗品費計上の条件に該当するため、経理上は消耗品費として扱うことが可能です。

ただし、このパソコンがキーボードやマウス類、ケーブルなどとセットになっており、その取得費用が10万円以上になってしまうケースもあると思います。
この場合には、取得価額が10万円を超えているため消耗品費として計上することができません。

また、8万円のパソコンを一度に2台購入し16万円を支払ったときにも、消耗品費に振り分けることができなくなります。
この場合には、パソコン1台の価格ではなくトータルの取得費用で考える必要があるためです。

組み合わせて使う物品の経理上の取得価額はセットで判断します。

例えば、パソコンの場合であれば、モニターやメモリなど本来組み合わせて使うもののセット購入価格が取得価額ということになります。
また応接セットであれば、テーブル1台や椅子1脚ではなく、テーブルと椅子のセットで考えることになります。

経理処理のためにそれぞれの物品をバラバラに購入しても取得価額を分けることはできないので気をつけたいものです。

取得費用が10万円以上の物品や使用可能期間が1年以上の物品は、固定資産として経費計上することになります。
ただし、取得費用が10万円以上であっても1年以内に摩耗したり使えなくなったりすると考えられるものについては消耗品費に振り分けることができます。

この場合の使用可能期間は、物品の具体的な耐用年数ではなく、その会社での使用状況や補充状況を軸として考えます。
とはいえ、物品の消耗性を見積もるのが難しいこともあるものです。

そのため、経理上は使用可能期間を考慮せず、取得価格が10万円未満になるかどうかという基準のみで計上方法を判断するのが一般的です。

[注1]消耗品費|国税庁

関連記事:消耗品費とは?具体例を挙げてわかりやすく解説
関連記事:消耗品費はいくらまで経費計上できる?上限や雑費との違いを解説

2. 10万円以上の備品を経費計上するときの方法

ポイントマークと黒板

購入額が10万円以上のものや1年以上使用可能なものは、全額をその年の経費とせず、固定資産として処理します。
ただし、固定資産も消耗品と同じように時間が経つごとに劣化し、価値が減少してしまいます。

そのため、固定資産を計上する際には、価値の減少分を見込んで減価償却を行います。

オフィスで使用する固定資産にはそれぞれ耐用年数があります。
耐用年数とはその品物の実質的な使用可能期間のことです。

しかし、それぞれの物品を実際に何年使用できるかを詳しく把握するのは難しいものです。
そのため税法では、それぞれの物品に対して目安となる耐用年数を設定しています。

国税庁では、オフィスの器具や備品の耐用年数を細かく定めています。[注2]
固定資産を経費計上する際には、この耐用年数表を参照し、減価償却の処理を行いましょう。

[注2]耐用年数(器具・備品)(その1)|国税庁

3. 10〜20万円未満の資産の経理処理をする3つの方法

3つ

取得費用が10万円以上20万円未満の固定資産の扱い方には3つの選択肢があります。

・通常通りの減価償却で処理する
・一括償却資産の特例で処理する
・中小企業者の少額減価償却資産の特例で処理する

それぞれの方法について具体的に見ていきましょう。

3-1. 通常通りの減価償却で処理する

物品ごとに通常の減価償却で処理を行うケースは少なくありません。
税法による耐用年数の設定をチェックし、物品ごとに経費として計上していきましょう。

3-2. 一括償却資産の特例で処理する

取得額が10万円以上20万円未満の固定資産は、一括償却資産として扱えます。
条件に該当していれば、法定耐用年数を加味せず3年間で均等償却をすることが可能となります。

例えば、18万円のパソコン一式を購入したときには、3年間にわたって6万円ずつを計上し償却できます。
この方法で償却を行えば、該当する物品を償却資産税の対象外とすることができるため、節税効果が見込めます。

3-3. 中小企業者の少額減価償却資産の特例で処理する

中小企業においては、取得額が30万円未満の減価償却資産を全額その年度の損金に算入できる特例を利用できます。[注3]
ただしこの特例を利用できるのは、資本金1億円以下の中小企業に限られます。

常時使用する従業員の数が500人を超える法人や連結法人、前3事業年度の平均所得が年15億円を超える法人は対象外となります。
また、その法人が青色申告をしていることも条件となります。

特例の合計限度額は300万円までに設定されています。

この特例はもともと令和4年3月までの間に取得した減価償却資産に適用されていました。
しかし、令和4年度の税制改正で、適用となる取得期間がさらに2年間延長されています。

[注3]No.5408 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例|国税庁

4. 10万円以上の備品を計上するときの注意点

注意 拡声器

経理処理を行う際には、物品をどの勘定科目で処理すべきか、固定資産を何年にわたって減価償却すべきかを適切に判断しましょう。

例えば、事務用の椅子の場合、金属製のものとそうでないものでは耐用年数の設定が異なります。
耐用年数表でそれぞれの物品の耐用年数を確認し、適切な年数で減価償却しましょう。

償却途中の資産を処分するときには固定資産除却損として計上する処理が必要です。
この処理を忘れてしまうと、処分した固定資産に対して償却資産税がかかり続けてしまうことになるので注意が必要です。

5. 10万円を超える消耗品費を計上する方法を押さえよう

重要箇所

オフィスで購入する少額の物品については、消耗品費として計上することができます。
ただし、10万円以上の物品を購入したときには消耗品費ではなく固定資産として扱い、減価償却を行う必要があります。

減価償却は一般的な方法のほか、一括償却資産の特例や中小企業者の少額減価償却資産の特例で処理することも可能です。
条件に該当しているかをチェックし、適切な方法で減価償却を行いましょう。

会計の基本は「勘定科目」と「仕訳」
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MEGURO

MEGURO

HR NOTEのライター、総合求人サイトとシニア向け情報メディアの立ち上げを経て、現在はjinjer blogの運営に携わっています。 事業視点から、バックオフィスの重要性を啓蒙するコンテンツを作っています。 保有資格:ファイナンシャル・プランニング技能士(3級)

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