株式の持ち合いとは?メリット・デメリットを詳しく解説 - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

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株式の持ち合いとは?メリット・デメリットを詳しく解説

株のグラフ

日本企業特有の習慣として、「株式の持ち合い」が挙げられます。日本企業の歴史を考慮すると、株式の持ち合いには一定の意味がありますが、現在ではデメリットがクローズアップされることも珍しくありません。

本記事では、株式の持ち合いの概要やメリット・デメリットについて詳しく取り上げます。

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1. 株式の持ち合いとは?

株価を見ている男性

株式の持ち合いとは、2つ以上の株式会社が発行済みの自社株をお互い所有している状態を指します。

A社とB社が株式の持ち合いをしている場合、A社はB社の株式を、B社はA社の株式を保有している状態です。株式の持ち合いは契約によって決められているものではなく、相手企業の同意なしに売却することも可能です。

株式の持ち合いは、第二次世界大戦後の不安定な経済状況の中で企業が安定した経営を行うために発展した手法でした。現在では、株式の持ち合いを解消する動きが進んでいます。

1-1. 株式の持ち合いの目的

株式の持ち合いの目的は大きく分けて3つあります。

  • 経営の安定
  • 会社間の関係の維持
  • 敵対的買収への対抗

株式を友好関係にある企業に保有していてもらえば、会社の運営をスムーズに進められます。

たとえば、A社と友好関係にあるB社がA社の株式を多く保有していれば、A社の意向を反映した意思決定に資するため、株の持ち合いにはメリットがあるのです。

株式の持ち合いは、会社間の関係の維持、結束の強化にも用いられます。株式の持ち合いで系列のグループ企業の結束を強化することにより、安定した経営と取り引きの強化が見込めます。

さらに、株式の持ち合いにより、敵対的買収に対抗できます。敵対的買収は、相手企業の同意なしにその企業の株式を大量に保有して意思決定権を持つことです。

友好関係にある企業と株式の持ち合いを実施していれば、敵対的買収による株式の流出を防げます。

1-2. 現在は持ち合い株の解消が進む

株式の持ち合いは戦後長きにわたって行われてきた慣習ですが、現在は持ち合い株の解消が進みつつあります。

1990年代初めに起こったバブルの崩壊により、持ち合い株の含み損が膨らみ、企業が損失を被りました。さらに、多くの企業が資金を必要としたため、持ち合い株の売却益が必要になったことも背景にあります。

株式の持ち合いに対し、海外からの投資家から批判が集まったことも持ち合い株の解消に拍車をかけました。株式の持ち合いにより、効率的な取り引きが抑制され、会社の成長を妨げているという批判です。

こうした理由から、株式の持ち合いは解消される傾向にあります。

2. 株式の持ち合いと業務提携の違い

はてなマークをもつ女性

株の持ち合いと同じように理解されている言葉に「業務提携」があります。業務提携とは、複数の企業が協力して課題を解決したり新商品を開発したりすることです。

株式の持ち合いがなくても業務提携は成立します。たとえば、A社が新商品を開発するため、B社から専門的な知識を持つ社員をレンタルしたとしましょう。この場合、A社とB社は業務提携していますが、株式の持ち合いは発生していません。

一方、株式の持ち合いを行って、より強固な協力関係を築き、業務提携を行っていく企業もあります。

3. 株式の持ち合いのメリット

メリットの積み木

株式の持ち合いにはいくつかのメリットがあります。

複数の企業が株式を保有しあっていると、安定した企業運営が可能になるのです。では、株式の持ち合いのメリットを見ていきましょう。

3-1. 敵対的買収に対する防衛策になる

株式の持ち合いの大きなメリットのひとつは、敵対的買収に対する防衛策になる点です。
敵対的買収とは、対象となる企業の取締役会の同意なしに株式の買収を進める買収方法で、過半数以上の株式を保有することで会社の議決権を奪おうとする手法です。

敵対的買収は、現在の経営陣にとって歓迎できるものではありません。別の会社に議決権を握られてしまえば、これまでの経営方針に関わらずその会社の意のままに経営方針を決められてしまうからです。そのため、自由に取り引きできる自社株を少なくし安定した経営を続けたいところです。

そんなときに株式の持ち合いが役立ちます。A社が30%の自社株を持ち、友好関係にあるB社がA社の株式を25%保有しているとしましょう。B社はA社の経営方針に反することはないので、A社の味方になる株主が実質55%いることになります。これで安定した企業運営が可能になるのです。

3-2. 安定かつ長期的な結束を強められる

株式の持ち合いにより、企業同士の結束を強められるのもメリットのひとつです。

株式の持ち合いは、2社間もしくは3社間で行われることが多く、経営の効率化や取引関係の強化につながります。

複数の企業が株式を持ち合うことで、リスクも共有することになるので結束が強まり、業務提携などもスムーズに行えるでしょう。

3-3. 会社の経営を安定させられる

株式の持ち合いは、安定した経営にも役立ちます。株式の持ち合いを実施している企業同士では、相手の経営に干渉しないことが暗黙の了解になっています。

つまり、株主総会でも常に経営者側に立って行動してくれるということです。A社とB社が株式を持ち合っている場合、A社の経営方針にB社が異を唱えることは基本的にありません。

そのため、自社株と持ち合い株で過半数を占めている場合には安定した企業経営が行えるのです。

4. 株式の持ち合いのデメリット

悲しい顔の女性

株式の持ち合いにはメリットも多いですが、デメリットもあります。

現在では持ち合い株のデメリットが大きくクローズアップされるようになり、解消が進んでいるのです。

それでは、株式の持ち合いのデメリットを見ていきましょう。

4-1. 持分の少ない株主の意向が反映されない

株式の持ち合いが行われると、持分の少ない株主の意向が反映されにくくなります。株主総会が開催されても、持ち合い株を持つ2社の意向だけが反映され、株主総会が形骸化してしまう恐れがあるのです。

経営の安定だけを目指す企業が株式を多く保有していると、リスクを取ってより大きな利益を出したい株主の意見は通らず、収益の機会を逸してしまうかもしれません。

4-2. 株主の監視機能が失われる

株式会社においては、株主が経営陣を監視し、適切な経営が行われるようにしなければなりません。

しかし、株式の持ち合いが行われると、監視機能が失われ経営陣が株主ではなく自分たちに都合のよい施策を行うようになる恐れがあります。

株主による監視が行き届かなくなるのも株式の持ち合いのデメリットです。

4-3. 資本効率が低下する

株式の持ち合いが行われると、資本効率が低下するデメリットがあります。

株式の持ち合いでは、事業に用いるべき資金を友好関係にある企業の株式に投資しなければなりません。資本を効率よく使うことができず、投資家が離れていってしまう恐れがあります。

資本効率が低下した結果、株式の価値が落ちてしまうこともあるので注意が必要です。

5. 株式の持ち合いのメリット・デメリットをしっかり理解しよう

理解するまでの工程

株式の持ち合いは戦後の日本企業を支えたひとつのシステムです。現在では、メリット・デメリットの両方を理解したうえで株式の持ち合いを行うか決定しなければなりません。

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jinjer Blog 編集部

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