電子帳簿保存法における電子契約書の取扱いに関する基礎知識 - バックオフィスクラウドのジンジャー(jinjer)

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電子帳簿保存法における電子契約書の取扱いに関する基礎知識

契約書は7年間保管する義務があります。企業によっては膨大な量の契約書を紙媒体のまま保管するよりも、電子化して保管した方が業務の効率化や保管スペースの確保の問題の解決につながります。

しかし、電子契約書の取扱いに関しては、電子帳簿保存法について知る必要があります。

電子帳簿保存法を守って作成された電子契約書は法的効力を保持しているため、データのままでも税務調査に使用可能です。

今回は、電子帳簿保存法における電子契約書の取扱いがどのようになっているのか、その基礎知識について解説します。

【調査レポート】2022年「改正電子帳簿保存法」に向けた各社の現状とは?

一部猶予が与えられた改正電子帳簿保存法ですが、各社の対応状況はいかがなのでしょうか。
そこで電子帳簿保存法に対応したシステムを提供するjinjer株式会社では「改正電子帳簿保存法対応に向けた課題」に関する実態調査を実施いたしました。

調査レポートには、

・各企業の電帳法対応への危機感
・電帳法に対応できていない理由
・電帳法の対応を予定している時期
・電帳法対応するための予算の有無について

などなど電子帳簿保存法対応に関する各社の現状が示されています。

「各社の電帳法の対応状況が知りたい」「いつから電帳法に対応しようか悩んでいる」というご担当者様はぜひご覧ください。

電帳法調査レポート

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1. 契約書を電子化する2つのメリット

契約書を電子化する主なメリットは以下の2つです。

*1. 収入印紙が不要
*2. ペーパーレス化の推進、書類の保管場所が不要

印紙税法により、紙の契約書には収入印紙を購入して貼らなくてはなりません。印紙の金額は契約書に記載されている金額によって変わります。

たとえば、100万円の契約書には1,000円の収入印紙が必要です。

契約書1枚ごとに収入印紙を貼らなくてはならず、企業にとって大きな負担です。その点、電子契約書には収入印紙が不要です。

ここ数年は環境保護や業務効率化の観点からペーパーレス化が推進されています。契約書を電子化することで、紙の使用量削減につながります。

また、電子契約書は保管場所が不要で、災害による消失の心配もありません。システムのセキュリティがしっかりしていれば盗難・情報漏洩リスクも抑えられます。

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2. 電子帳簿保存法における電子契約書の保管方法

契約書を電子化して保管するには、電子帳簿保存法で定められている要件を満たす必要があります。

ここからは電子帳簿保存法における電子契約書の保存・保管に関する要件について解説していきましょう。

2-1. 税務署に事前の承認申請が必要

※2021年の電子帳簿保存法の改正により、税務署長への事前承認制度が廃止されました。
2022年1月の施行以降は申請が不要になります。

契約書の電子化にはいくつかの要件があります。

そのなかで、とくに重要なのが税務署へ事前に承認申請をおこなうことです。

契約書の電子化には「紙媒体の契約書をスキャンして保存・保管する」「最初から電子化された契約書をデータのまま保管する」の2パターンがあります。

そのうち所轄税務署長に承認申請が必要なのは、紙の契約書をスキャンして保存するケースです。電子化保存を開始する3ヵ月前までに申請をおこなってください。

最初から電子化されている契約書の場合は、申請不要です。

2-2. 契約内容の見読性を確保する

契約書を電子保存した画像データの質が悪く、文字が読めないのは認められません。肉眼で確認可能で、必要に応じて書面に出力可能であることが求められます。

2-3. スキャンした契約書をPDFで保存する場合には入力機器の要件を満たす必要がある

紙の契約書をスキャナで読み取ってPDF形式で保存するケースでは、税務署長への申請以外に、入力機器に関する要件があります。

*機器の解像度が200dpi相当以上
*カラー画像で読み取れる色調

この2つの要件を満たせば、スキャナ以外にスマートフォンやデジタルカメラで画像データを取り込んでも認められます。

2-4. 納税地や事業所で契約書の内容が閲覧可能であること

電子契約書の保管義務期間は紙媒体の場合と同じ7年間で、納税地で保管する必要があります。

その期間、納税地や事業所内で契約書の内容がスムーズに閲覧できる状態であることが求められます。

実際にデータを保管しているデータセンターの所在地が納税地の管轄内である必要はありませんが、納税地または事業所在地にあるPCやプリンターなどからネットワーク経由でアクセス可能でなくてはなりません。

2-5. 電子契約書の保存にはタイムスタンプが必要

電子契約書には電子化された契約書が指定時刻に存在していることを証明するため、タイムスタンプの付与が不可欠です。

タイムスタンプは第三者機関によって正確な時間を証明するものです。

とくに紙の契約書をスキャンして保存した場合は、タイムスタンプの付与は必須です。

導入を検討しているものの、そもそも電子帳簿保存法のタイムスタンプって何?という方は最新の要件や改正内容を解説した記事も併せてご覧頂くと理解が深まるでしょう。

スキャナ保存以外の契約書で、タイムスタンプの付与ができない場合は、電子契約書を適切に訂正・削除するために社内規定の整備が必要です。

2-6. 過去の電子契約書も検索可能であること

過去の電子契約書についても、検索してスムーズに閲覧できるようにしなくてはなりません。契約書の日時、契約内容、金額などで検索可能なシステムが必要です。

検索に関する要件は以下のとおりです。

*「取引年月日「取引金額」「取引相手」「税務調査対象年度」など、契約書の主な内容を条件として検索可能
*2つ以上の項目を組み合わせて検索可能
*日付と金額は範囲指定で検索可能

※令和5年度の税制改正大綱にて、売上高5,000万円以下の事業者に対しては、求めに応じて提示・提出ができることを条件に「検索機能の確保が不要」となることが発表されました。

[参考]令和5年度税制改正大綱|自民党

2-7. 電子契約システム利用関係者の全員がわかるマニュアルを用意する

電子契約書のシステムを利用する人全員が理解できるマニュアルを用意し、必要なときにすぐ見られるように備えておく必要があります。

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3. 電子帳簿保存法2020年改正に関するポイント

電子帳簿保存法は過去数回改正されており、直近では2021年にも改正がございました。

キャッシュレス決済に関しては、2020年の電子帳簿保存法改正の際に大きく変化がありました。

ポイントは、以下のとおりです。

*キャッシュレス決済は領収書が不要
*デジタルデータの利用明細は領収書の代わりとして認められる

たとえば、改正前は、経費のレシートをスマートフォンなどで撮影し、データとして保存する必要がありました。

改正後は、クレジットカードや電子マネーなどキャッシュレスで支払った場合は利用明細データを保存すれば、レシートなどの撮影と保存が不要になります。

これは利用明細のデータが会社の経費精算システムとリンクしていることが前提ですが、ユーザー自身が改変できないデータは、タイムスタンプの付与も不要になりました。

契約書とは直接関係のない内容ですが、将来的には契約書についての要件もより緩和される可能性が考えられます。

電子契約書の取扱いに関する要件に関する改正がないか、最新情報の確認をおすすめします。

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4. 電子契約書を取り扱うには電子帳簿保存法についてしっかり知っておくことが重要

電子契約書は紙の契約書には欠かせない収入印紙が不要であり、ペーパーレス化推進や保管スペースが不要などのメリットがあります。

しかし、電子契約書を、法的効果があり、税務調査に使用可能な状態で保存・保管するには、電子帳簿保存法にある要件を満たすよう社内整備が必要です。

とくに、紙の契約書をスキャンして電子化する場合は、電子化開始3ヵ月前までに所轄の税務署長に承認申請をおこなう必要があるため注意しましょう。

※2021年の電子帳簿保存法の改正により、税務署長への事前承認制度が廃止されました。
2022年1月の施行以降は申請が不要になるのでご確認お願いします。

電子契約書の見読性・正当性の確保など、電子帳簿保存法の改正ごとに要件が変わるケースも多いです。最新情報を確認することをおすすめします。

2020年、2022年の電子帳簿保存法改正を
わかりやすく総まとめ!

1998年に制定された電子帳簿保存法ですが、2020年10月や2021年の改正によって企業が電子帳簿保存法に対応するハードルが格段に下がりました。

しかし、電子帳簿保存法に対応すれば業務が効率化されると言っても、要件や法律そのものの内容、対応の手順など理解しなければならないことは多いです。

「どうにか電子帳簿保存法を簡単に理解したいけど、自分で調べてもいまいちポイントがわからない・・・」とお悩みの方は「5分で読み解く!電子帳簿保存法まとめbook」をぜひご覧ください。

資料では

・電子帳簿保存法の内容に関するわかりやすい解説
・2020年10月の改正と2021年の施行内容のポイント
・今後電子帳簿保存法に対応していくための準備や要件

など、電子帳簿保存法に関する内容を総まとめで解説しています。

「電子帳簿保存法への対応を少しずつ考えたいが、何から始めたらいいかわからない」という経理担当者様は「5分で読み解く!電子帳簿保存法まとめbook」をぜひご覧ください。。

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FURUYA

FURUYA

バックオフィス業務効率化のコンサルティングを経て、 現在はjinjer Blogの運営に携わっています。 法務・経理・総務を中心に管理業務の知見をもとに、現場の目線にあったコンテンツをお届けします。よくある課題から、単純な疑問まで担当者のお悩みを解消できるよう運営します。

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