【2022年】電子帳簿保存法とは?基礎知識・改正点・対応方法を解説 | jinjerBlog

【2022年】電子帳簿保存法とは?基礎知識・改正点・対応方法を解説

電子帳簿保存法

企業が労働者や取引にかかわる帳簿を保存することは以前から義務付けられてきました。

しかし2020年10月1日から電子帳簿保存法が改正され、保存要件が緩和されることになりました。

今回は、電子帳簿保存法についての基礎知識から今回の改正内容、電子化できる書類やできない書類、対応要件、申請の方法まで幅広く解説します。

【調査レポート】2022年「改正電子帳簿保存法」に向けた各社の現状とは?

一部猶予が与えられた改正電子帳簿保存法ですが、各社の対応状況はいかがなのでしょうか。
そこで電子帳簿保存法に対応したシステムを提供するjinjer株式会社では「改正電子帳簿保存法対応に向けた課題」に関する実態調査を実施いたしました。

調査レポートには、

・各企業の電帳法対応への危機感
・電帳法に対応できていない理由
・電帳法の対応を予定している時期
・電帳法対応するための予算の有無について

などなど電子帳簿保存法対応に関する各社の現状が示されています。

「各社の電帳法の対応状況が知りたい」「いつから電帳法に対応しようか悩んでいる」というご担当者様はぜひご覧ください。

電帳法調査レポート

1. 電子帳簿保存法の概要

電子帳簿保存法とはなにか

電子帳簿保存法とは、これまで紙で保存しなければならなかった契約書や領収書などの書類を電子データとして保存してもよいと定めた法律のことです。

1-1. 電子帳簿保存法とは

1998年に初めて電子帳簿保存法が施行され、その後2005年、2015年、2016年、2020年と改正が進められてきました。

① 2016年の改正

とくに2016年の改正では、スマートフォンで撮影した領収書であってもデータとして保存できるようになったことから、企業が一層電子データを利用するようになりました。

② 2020年の改正

さらに2020年10月に電子帳簿保存法が改正されたことにより、いよいよ企業が電子データによる書類の保存を進めていくと予想されています。

関連記事:電子帳簿保存法でスマホを活用する際のルールや注意点、方法をまとめて解説

1-2. 電子帳簿保存法で定めていること

電子帳簿保存法では、どのような書類を電子的に保存できるのかが定められています。

書類の保存方法は、主に電磁的記録とスキャナによる保存ですが、それぞれ対象となる書類が異なります。

① 電子的記録(データ保存)

電磁的記録とは、パソコンで作成したデータを保存するもので、仕訳帳や総勘定元帳などの帳簿、会社の決算書類、領収書や請求書といった税金関係の書類すべてが電子的な形で保存可能です。

② スキャナ保存

一方スキャナによる保存は、請求書、領収書、注文書など国税関係の書類にのみ適用されます。

帳簿や決算書類はスキャナで保存することはできないので注意が必要です。

関連記事:電子帳簿保存法で押さえるべき保存要件をまとめて解説

電子帳簿保存法 資料

2. 2020年10月の電子帳簿保存法の改正ポイント

改正点

では、具体的に2020年10月からどんな点が改正されたのでしょうか。

今回の改正の大きなポイントとなるのは、「タイムスタンプ」と「領収書」の2点です。

① タイムスタンプが一部不要に

これまで電子取引を行った場合には、電磁的記録の保存が義務付けられていました。

たとえば電子請求書をやり取りするときには、まず発行者がタイムスタンプを付して受領者に付与し、受領者はデータの受領後すみやかにタイムスタンプを付さなければなりませんでした。

さらにデータの改ざんを防止するため、事務処理規定を作成し運用することも必要でした。

しかし、改正によって、受領者側のタイムスタンプが不要となりました。

受領者側はデータを自由に改変することができないシステムやサービスを利用し、発行者側だけがタイムスタンプを付与します。

このため受領者側は、クラウドサービスなどを利用していれば電子請求書などをそのまま受け取ることができるようになったのです。

② 利用明細が領収書として一部使用可能に

従来の電子帳簿保存では、キャッシュレス決済で支払ったものでも領収書を発行する必要がありました。

しかし2020年10月の改正によって、利用明細を経費精算システムや会計システムにそのまま取り込んでしまえば、利用明細を領収書として使用できるようになりました。

関連記事:2020年電子帳簿保存法改正の内容やその後のメリットを紹介

関連記事:電子帳簿保存法の改正で変わるクレジットカードやキャッシュレス決済の重要性

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3. 電子保存できる書類・できない書類

重要点

電子帳簿保存に対応すれば、全ての書類を電子化できるわけでありません。

国税関係帳簿書類のデータ保存は「帳簿・決算書類・証憑類」の3種類に大きく分類することができます。

3-1. 電子保存が認められている書類

電子保存が認められている書類は以下の通りです。

電子保存ができる書類
帳簿 仕訳帳、売上・仕入帳、経費帳、現金出納帳、買掛帳、売掛帳、総勘定元帳、固定資産台帳など
決算書類 損益計算書、貸借対照表、棚卸表、他決算に関する書類
証憑類 領収書、請求書、見積書、契約書、注文書、レシート、契約の申込書、納品書、検収書など

3-1. 電子保存が認められていない書類

電子保存が認められていない書類は以下の通りです。

電子保存が認められていない書類

・手書きで作成した仕訳帳や総勘定元帳などの主要簿
・取引先から受け取った請求書
・手書きで作成した請求書の写しなど

関連記事:電子帳簿保存法の緩和で領収書が保存可能に!その方法や注意点を解説

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4. スキャナ保存できる書類・できない書類

できるかできないか

電子保存同様に、スキャナ保存にも認められていない書類が存在します。

スキャナ保存が認められていない書類は電子データと書面保存だけが可能です。

4-1. スキャナ保存が認められている書類

スキャナ保存が認められている書類は以下の通りです。

・契約書
・領収書
・請求書
・レシート
・見積書
・納品書
などの取引先に関係した証憑類

4-2. スキャナ保存が認められていない書類

スキャナ保存が認められていない書類は以下の通りです。

・仕訳票をはじめとした帳簿
・貸借対照表
・損益計算書
などの決算関係書類

関連記事:電子帳簿保存法で注文書・発注書を電子化する方法を解説

関連記事:電子帳簿保存法で請求書を電子化する際に注意すべき2つのこと

関連記事:電子帳簿保存法における電子契約書の取扱いに関する基礎知識

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5. 電子帳簿保存法に対応するための保存要件

要件

電子帳簿保存法は「データの正確性」を重要視している制度です。

データが本物であるということを確認できる「真実性の確保」と書類を誰でも確認することができる「可視性の確保」の要件はしっかりと満たす必要があります。

5-1. 電子帳簿保存における帳簿の対応要件

電子帳簿保存法における帳簿の対応要件は以下の通りです。

・記録事項の訂正、削除の事実を確認できる
・通常の業務処理機関が経過した後の入力履歴を確認できる
・電子化した帳簿の記録事項とその帳簿に関連するほかの帳簿の記録事項の関連性を確認できる
・システム概要書、仕様書、操作説明書、事務処理マニュアルを備えつける
・保存場所に電子計算機、ディスプレイ、プリンター、プログラムとマニュアルが備え付けられていて、明瞭な状態で即座に出力できる
・取引年月日、勘定科目、取引金額、帳簿や書類の種類に応じた記録項目で検索できる
 →取引年月日、取引金額、取引先に限定(2022年から施行される内容はこちらになります)
・日付や金額の範囲指定で検索ができる
・2つ以上の任意の項目を条件に検索できる

5-2. 電子帳簿保存における書類の対応要件

電子帳簿保存法における書類の対応要件は以下の通りです。

・システム概要書、仕様書、操作説明書、事務処理マニュアルを備えつける
・保存場所に電子計算機、ディスプレイ、プリンター、プログラムとマニュアルが備え付けられていて、明瞭な状態で即座に出力できる
・取引年月日、勘定科目、取引金額、帳簿や書類の種類に応じた記録項目で検索できる
・日付や金額の範囲指定で検索ができる
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6. 電子帳簿保存法に対応するための手続き

手続き

※2021年の電子帳簿保存法改正により、税務署長への事前承認制度が廃止されました。
よって2022年の施行より申請が不要となります。

企業として、電子帳簿保存法を適用する場合、いくつかの手続きを踏まなければなりません。

では、電子帳簿保存法の手続きの流れを見ていきましょう。

6-1. 電子帳簿保存法の申請期限と書類

まずは電子帳簿保存法の手続きにおいて重要な3つの申請書を提出しなければなりません。

3つすべてを必ず提出するというわけではなく、会社がどのような書類を電子保存したいかによって提出する申請書が異なります。

① 「国税関係帳簿の電磁的記録による保存等の承認申請書」

これは会社のパソコンで作成した仕訳帳や総勘定元帳などを電子データで保存することを認めてもらうための申請書です。

帳簿であればすべて電子データで保存することが可能ですが、範囲を決めて承認を申請することも可能です。

② 「国税関係書類の電磁的記録等による保存の承認申請」

1つ目の申請書が、帳簿の電子保存に関係する申請だったのに対し、こちらは国税関係の書類を電子保存するための申請です。

決算に関する書類、注文書、契約書、請求書、領収書などを電子データで保存することを認めてもらう申請となります。

ただし、この申請で認められるのは、自社が発行した書類であり、取引先が発行した書類は対象とならないことに注意しましょう。

③ 「国税関係書類の電磁的記録によるスキャナ保存の承認申請」

これは取引先が発行した請求書や納品書、領収書などの国税関係の書類をスキャンしたデータで保存する許可を求める申請です。

スキャナだけでなく、デジカメやスマートフォンで撮影したデータでの保存も可能となります。

ただしこの方法が認められるためには、解像度や色調に条件があるので注意しましょう。

これらの申請書に添付書類を付けて、電子データによる書類の保存を始めたい日から3ヶ月前までに提出しなければなりません。

関連記事:電子帳簿保存法における「スキャナ保存」の仕組みを解説

関連記事:電子帳簿保存法での申請期限や方法をわかりやすく解説

6-2. 添付書類を作成する

次に、申請書に添付する書類を作成しなければなりません。

データを電子保存するためにはクラウドサービスの導入などが必要となります。

そのため使用するシステムの概要や操作説明書、システムが法律的に必要な要件を満たしているかを証明する書類を提出しなければならないのです。

関連記事:電子帳簿保存法で請求書のPDF送付は可能?メリット・デメリット

6-3. 申請手続きをおこなう

書類を揃えたなら、実際の申請手続きに入ります。

申請をおこなう方法は3つあり、自分の会社に合ったものを選べるでしょう。

まずは申請書を印刷して記入し、社員の誰かが税務署に提出する方法があります。

さらにe-taxを用いて申請することも可能です。

もし電子帳簿保存法の手続きにまで手が回らないというのであれば、税理士などに業務を委託するのもよいでしょう。

関連記事:電子帳簿保存法の申請方法・手順について分かりやすく解説

6-4. 電子帳簿保存法に対応したシステムの導入

電子帳簿保存法に対応するためには経費精算システムや会計システムが必要不可欠です。

システム導入の際には書類の電子化だけではなく、他の要件にも合うようなシステムを選定していく必要がございます。

そのため、なるべく早めにシステム導入については調べておきましょう。

6-5. 電子帳簿保存法で必須のタイムスタンプの導入

電子化にはタイムスタンプが必要不可欠です。

タイムスタンプが押された書類は原本と同様に扱うことができるため、タイムスタンプがあって初めて原本を保管する必要がなくなるためです。

タイムスタンプのシステムも経費精算システム同様、早めに調べておくと、スムーズに導入することができるでしょう。

関連記事:電子帳簿保存法で必須のタイムスタンプ費用や導入方法を解説

関連記事:電子帳簿保存法のタイムスタンプとは?その仕組みや活用ポイント

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7. e-文書法と電子帳簿保存法の違い

違い

e-文書法と電子帳簿保存法の大きな違いの1つとして、電子化に当たり承認が必要かどうかがあります。

電子帳簿保存法に則って国税関係しょるいを電子化する場合は、税務署長の申請して承認を受ける必要がありますが、e-文書法の場合は承認が必要ありません。

関連記事:電子帳簿保存法とe-文書法って何が違うの?スキャナ保存できる書類は?疑問を解決

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8. 電子帳簿保存法対応後の注意点

注意点

電子帳簿保存法に対応した後も、注意しなければならない点がいくつかあります。

ここでは、電子帳簿保存法に対応した後のポイントを解説いたします。

8-1. 領収書へのタイムスタンプ付与は概ね「3日以内」

領収書を電子化する際は概ね「3日以内」におこなう必要があります。

※2021年の電子帳簿保存法改正により、2022年の施行より最長約2か月と概ね7営業日以内になります。

しかし、領収書の受領者以外の人物による相互けん制(紙と画像の領収書を比べて改ざんがないことを確認した場合)をおこなえば、3日以内ではなく最大1カ月+1週間以内にタイムスタンプを付与すれば問題はありません。
また、この場合は自署も不要です。

8-2. 領収書の原本の取り扱い方

電子化したからといって、すぐに領収書の原本を廃棄していいわけではありません。

領収書原本の取り扱い方は以下の通りです。

① 領収書の原本は「定期検査後」に廃棄できる

領収書の原本は定期検査後に廃棄することができます。定期検査は「1年に1回以上」おこなうことが義務付けられています。

そのため、定期検査まではしっかりと保管するようにしましょう。

② 定期検査後の領収書は廃棄「しなければいけない」

※2021年の電子帳簿保存法改正により、適正事務処理要件(相互けん制、定期検査等)が廃止されました。
よって2022年の施行より不要となります。

定期検査後の領収書の原本は廃棄しなければなりません。タイムスタンプが押された時点で原本は電子化された領収書になりますので、紙の領収書は原本ではなくなります。

定期検査後は速やかに紙の領収書を廃棄しましょう。

③ 税務調査への対応はしっかりとおこなう

電子帳簿保存法に対応した後でも税務調査への対応は変わりません。

電子データで国税関係書類を管理する場合でも、税務調査の準備は、従来通りしっかりとやっておく必要があります。

入念な準備を怠ってしまうと、税務調査にかかる日数が長くなったりするからです。事前に税理士等と打ち合わせをおこない、税務リスクの洗い出しもしておいた方がいいでしょう。

関連記事:電子帳簿保存法の定期検査は「誰」が「何」をするの?まとめて解説

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関連記事:電子帳簿保存法の税務調査対応3つのポイントを分かりやすく解説

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9. 電子帳簿保存法に違反してしまった場合の罰則は?

違反した際の対応

9-1. 青色申告の承認を取り消される

青色申告は、最大65万円の特別控除をはじめとしたさまざまな税金に関する特例が適用されることが特徴です。

この青色申告の承認が取り消されてしまうと、これらの特例が受けられないだけでなく、欠損金の繰越しもできなくなります。

同時に、青色申告の承認が解除されたという事実が、会社としての信用を著しく損なってしまうことにも注意が必要です。

9-2. 追徴課税や推計課税を課される

青色申告の承認が取り消されると白色申告者となってしまいますが、白色申告では、青色申告に適用されていた特例がないだけでなく、「推計課税」が課されます。

「推計課税」とは、税務署が推計して所得税や法人税の額を決定し課税をおこなうことです。

推計であるため、いわば税務署の言い値で税額が決められてしまうことになり、会社としては痛い出費となるでしょう。

また、書類のデータ化や保存をきちんと行っていないということは、それ以外の国税関係帳簿書類も定められた方法で保管していないとみなされる可能性があります。

そこから、各税法の違反が疑われたり、違反しているとみなされたりすれば、さらに厳しい追及を受け、追徴課税を納めなければならない結果になる恐れもあります。

9-3. 会社法により過料が科せられる場合もある

会社が電子帳簿保存法以外にも遵守すべき法律として、会社法があります。

会社法第976条には帳簿や書類の記録・保存についての規定があり、ここに規定されている保存義務に違反したり、虚偽の記帳を行ったりした場合は、100万円以下の過料が科せられます。

そのため、帳簿や書類の保存に関しては、電子帳簿保存法だけでなく、会社法についてもきちんと確認しておきましょう。

関連記事:電子帳簿保存法って違反したら罰則はあるの?リスクと要件を解説

関連記事:65万円の青色申告特別控除を受けるには電子帳簿保存法が必須な理由

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10. 経費精算システムを活用して業務を楽にしよう

業務効率化

電子帳簿保存法の緩和によって、今までよりもさらに書類の電子化のハードルが下がりました。

今後は電子化がより実務に活用できるようになるでしょう。

システム導入や電子帳簿保存法への対応は時間がかかりますので、早めに調べておくことをおすすめします。

関連記事:電子帳簿保存法で経費精算は楽になる?その方法や注意点を解説

関連記事:電子帳簿保存法のメリットを簡単に理解したい!基礎知識やデメリットもわかりやすく解説

関連記事:電子帳簿保存法のここが知りたい!領収書に署名が必要な理由2つ

2020年、2022年の電子帳簿保存法改正を
わかりやすく総まとめ!

1998年に制定された電子帳簿保存法ですが、2020年10月や2021年の改正によって企業が電子帳簿保存法に対応するハードルが格段に下がりました。

しかし、電子帳簿保存法に対応すれば業務が効率化されると言っても、要件や法律そのものの内容、対応の手順など理解しなければならないことは多いです。

「どうにか電子帳簿保存法を簡単に理解したいけど、自分で調べてもいまいちポイントがわからない・・・」とお悩みの方は「5分で読み解く!電子帳簿保存法まとめbook」をぜひご覧ください。

資料では

・電子帳簿保存法の内容に関するわかりやすい解説
・2020年10月改正と2022年の最新内容のポイント
・今後電子帳簿保存法に対応していくための準備や要件

など、電子帳簿保存法に関する内容を総まとめで解説しています。

「電子帳簿保存法への対応を少しずつ考えたいが、何から始めたらいいかわからない」という経理担当者様は「5分で読み解く!電子帳簿保存法まとめbook」をぜひご覧ください。。

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