電子帳簿保存法で青色申告特別控除を受ける手順 - バックオフィスクラウドのジンジャー(jinjer)

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電子帳簿保存法で青色申告特別控除を受ける手順

これまでは、複式簿記で記帳し、かつ賃借対照表と損益通算書を添付すれば、65万円の青色申告特別控除を受けることが可能でした。

しかし、令和2年分の所得税確定申告からは65万円の青色申告特別控除の適用要件が変わりました。

65万円の青色申告特別控除は、節税面で大きなメリットになりますので、積極的に電子帳簿保存の適用を検討してみましょう。

今回は、64万円の青色申告特別控除と電子帳簿保存法の関連性や、申請方法について解説します。

2022年改正版|5分で読み解く!電子帳簿保存法まとめbook

【調査レポート】2022年「改正電子帳簿保存法」に向けた各社の現状とは?

一部猶予が与えられた改正電子帳簿保存法ですが、各社の対応状況はいかがなのでしょうか。
そこで電子帳簿保存法に対応したシステムを提供するjinjer株式会社では「改正電子帳簿保存法対応に向けた課題」に関する実態調査を実施いたしました。

調査レポートには、

・各企業の電帳法対応への危機感
・電帳法に対応できていない理由
・電帳法の対応を予定している時期
・電帳法対応するための予算の有無について

などなど電子帳簿保存法対応に関する各社の現状が示されています。

「各社の電帳法の対応状況が知りたい」「いつから電帳法に対応しようか悩んでいる」というご担当者様はぜひご覧ください。

電帳法調査レポート

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1. 電子帳簿保存法とは

従来の適用要件に加え、電子帳簿保存またはe-Taxによる申告(電子申告)をおこなえば、従来通り65万円の青色申告特別控除を受けることが可能です。

準備や手続きについてはe-Taxの方が簡便ですが、もともと会計処理や経理業務のペーパーレス化を検討しているのなら、これを機に電子帳簿保存法の適用を進めてみましょう。

1-1. 電子帳簿保存法

電子帳簿保存法とは、国税関係帳簿に係る書類を電子データ化して保存することを認める法律のことです。

同法が制定された1998年当時の内容では、コンピュータで作成した電子データの保存のみを適用対象としていました。

しかし、2005年にe-文書法が施行されたことにより、電子帳簿保存法も改正され、紙の書類をスキャナで読み込んで保存することが可能となりました。

さらに2015年の改正では、電子データ化できる領収書や請求書の金額上限が撤廃されたり、電子署名が不要になったりと、大幅な規制緩和がおこなわれました。

その後も電子帳簿保存法は何度か改正され、時代の流れに沿った法律として今もなお規制緩和やルールの改定がおこなわれています。

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2. 青色申告特別控除

2-1. 青色申告特別控除とは

青色申告特別控除とは、所得に係る取引を複式簿記により記帳し、かつそれに基づいて作成した賃借対照表および損益通算書を添付して確定申告した「青色申告者」に適用される控除のことです。

青色申告特別控除が適用されると、課税所得から65万円が控除されるため、税金の節約になります。

そのため、多くの事業者が節税効果を求めて青色申告をおこなってきました。

2-2. 税制改正による控除額の変更

平成30年に施行された税制改正にともない、令和2年分の所得税確定申告から、65万円の青色申告特別控除の適用要件が変更されました。[注1]

従来の適用要件のままでは、青色申告特別控除額が現行の65万円から55万円に減額されてしまいます。

そのぶん、基礎控除額が現行の38万円から48万円にアップしているため、全体的に見れば差し引きはゼロです。

しかし、手間と時間をかけて申告している青色申告者からすると、簡易的な記帳でOKの白色申告との差が小さくなることに納得がいかない方も多いでしょう。

[注1]国税庁「令和2年度 所得税の改正のあらまし」

2-3. 青色申告特別控除を受ける要件

青色申告特別控除を受けるための要件は以下の通りです。

・不動産所得又は事業所得を生ずべき事業を営んでいること。
・これらの所得に係る取引を正複式簿記により記帳していること。
・貸借対照表と損益決算書を確定申告書に添付し、控除の金額を記載して、期限内申告をすること。

上記の条件で申告をおこなえば、55万円の控除を受けることはできます。

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3. 電子帳簿保存で65万円の青色申告特別控除を受ける方法

従来の適用要件に加え、電子帳簿保存またはe-Taxによる申告(電子申告)をおこなえば、従来通り65万円の青色申告特別控除を受けることが可能です。

準備や手続きについてはe-Taxの方が簡便ですが、もともと会計処理や経理業務のペーパーレス化を検討しているのなら、これを機に電子帳簿保存法の適用を進めてみましょう。

3-1. 電子帳簿保存法に対応するための要件

電子帳簿保存法に対応するためには以下の要件をクリアする必要があります。

① 「国税関係帳簿の電磁的記録による保存等の承認申請書」の申請

※2021年の電子帳簿保存法改正により、税務署長への事前承認制度が廃止されました。
よって2022年の施行より申請が不要となります。

これは会社のパソコンで作成した仕訳帳や総勘定元帳などを電子データで保存することを認めてもらうための申請書です。

帳簿であればすべて電子データで保存することが可能ですが、範囲を決めて承認を申請することも可能です。

② 「国税関係書類の電磁的記録等による保存の承認申請」

1つ目の申請書が、帳簿の電子保存に関係する申請だったのに対し、こちらは国税関係の書類を電子保存するための申請です。

決算に関する書類、注文書、契約書、請求書、領収書などを電子データで保存することを認めてもらう申請となります。

ただし、この申請で認められるのは、自社が発行した書類であり、取引先が発行した書類は対象とならないことに注意しましょう。

③ 「国税関係書類の電磁的記録によるスキャナ保存の承認申請」

これは取引先が発行した請求書や納品書、領収書などの国税関係の書類をスキャンしたデータで保存する許可を求める申請です。

スキャナだけでなく、デジカメやスマートフォンで撮影したデータでの保存も可能となります。

ただしこの方法が認められるためには、解像度や色調に条件があるので注意しましょう。

これらの申請書に添付書類を付けて、電子データによる書類の保存を始めたい日から3ヶ月前までに提出しなければなりません。

3-2. 添付書類を作成する

申請書に加えて、添付書類を作成することも重要です。

電子帳簿保存法の適用を受けるために必要な書類は、大きく分けて2つあります。

まずは社内のルールや、事務処理のフローを記載した書類です。

ルールや事務処理の方法は国税庁が提示する条件にかなっていなければなりません。

さらに経費精算システムやクラウドサービスの概要や説明書、契約書です。

3-3. 申請は電子帳簿保存法開始日の3か月前まで

最低でも書類を電子保存する日から数えて3ヵ月前までに申請をおこなわなければなりません。

もちろん3ヵ月前から準備したのでは間に合わないので、電子帳簿保存法の申請をおこなうのであれば半年前から1年前までには準備を始める必要があるでしょう。

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4. e-Taxを使用して65万の青色申告特別控除を受ける方法

e-Taxを使用して青色申告特別控除を受けるためには以下の手続きが必要です。

・所得税の確定申告書
・貸借対照表
・損益計算書

上記の書類の提出を、確定申告の提出期限までにe-Taxを使用しておこなうこと

税務署や会場などで申告をすると申請書類が手書きとなるため、「自宅から申請」するようにしましょう。

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5. 電子帳簿保存法に対応して65万の青色申告特別控除を受けよう

令和2年度からは、e-Taxまたは電子帳簿保存を行わないと、65万円の青色申告特別控除を受けられなくなってしまいます。

電子帳簿保存は企業にとって、業務効率アップやコスト削減など、経営上のメリットにもつながりますので、この機械に会計処理のペーパーレス化を推進してみましょう。

申請は帳簿の備え付けの3ヵ月前におこなう必要がありますので、早めに申請手続きに着手することをおすすめします。

関連記事:【2022年】電子帳簿保存法の緩和で変わる領収書の管理と注意点

2020年、2022年の電子帳簿保存法改正を
わかりやすく総まとめ!

1998年に制定された電子帳簿保存法ですが、2020年10月の改正や2022年の施行によって企業が電子帳簿保存法に対応するハードルが格段に下がりました。

しかし、電子帳簿保存法に対応すれば業務が効率化されると言っても、要件や法律そのものの内容、対応の手順など理解しなければならないことは多いです。

「どうにか電子帳簿保存法を簡単に理解したいけど、自分で調べてもいまいちポイントがわからない・・・」とお悩みの方は「5分で読み解く!電子帳簿保存法まとめbook」をぜひご覧ください。

資料では

・電子帳簿保存法の内容に関するわかりやすい解説
・2020年10月の改正と2022年の施行内容のポイント
・今後電子帳簿保存法に対応していくための準備や要件

など、電子帳簿保存法に関する内容を総まとめで解説しています。

「電子帳簿保存法への対応を少しずつ考えたいが、何から始めたらいいかわからない」という経理担当者様は「5分で読み解く!電子帳簿保存法まとめbook」をぜひご覧ください。

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FURUYA

FURUYA

バックオフィス業務効率化のコンサルティングを経て、 現在はjinjer Blogの運営に携わっています。 法務・経理・総務を中心に管理業務の知見をもとに、現場の目線にあったコンテンツをお届けします。よくある課題から、単純な疑問まで担当者のお悩みを解消できるよう運営します。

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