電子帳簿保存法の請求書は受領側の要件が重要!法的根拠を解説 | jinjerBlog

電子帳簿保存法の請求書は受領側の要件が重要!法的根拠を解説

請求書の保存義務は5~7年あり、紙媒体で保存するにはコストや業務効率化の面で大きな負担がかかるため、請求書を電子化する動きが加速しつつあります。

しかし、請求書の電子化には発行者、受領者で注意すべきルールや保管方法がそれぞれ存在するため、不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

今回は、電子帳簿保存法に沿って請求書を電子化するために押さえておく必要のある注意点や要件を解説します。

2022年改正版|5分で読み解く!電子帳簿保存法まとめbook

2022年に新たに電子帳簿保存法の施行が実施されます。

今回の改正によって、企業の経理業務における電子化のハードルが格段に下がりました。

一方で、「電子帳簿保存法に対応したいけど、要件が難しくて何からはじめればいいのかわからない・・・」と不安な方も少なくないでしょう。

そのような方のために、今回「5分で読み解く!電子帳簿保存法まとめbook」をご用意いたしました。

資料には、以下のようなことがまとめられています。

・2020年の改正内容とポイントについて
・2022年の最新の改正内容について
・電子帳簿保存法への対応と準備について

電子帳簿保存法を簡単に理解して対応ができるように、ぜひ「5分で読み解く!電子帳簿保存法まとめbook」をご参考にください。


1. 請求書の保管期間における法的規則

請求書の電子化の話に入る前に、請求書の保管に関する法的規則をおさらいしておきましょう。

1-1. 請求書の保管期間

請求書の保管期間は法人と個人事業主で異なります。

① 法人の場合は7年間の保管期間

請求書を含む証憑書類の保管期間は7年間です。以前は大法人と中小法人で7年や5年と別れていましたが、現在は会社の規模に関わらず7年間の保管が必要です。

② 個人事業主の場合は5年間の保管期間

個人事業主における請求書の保管期間は5年です。

2. 請求書の電子保存における可否

ここでは請求書の電子化における基礎知識を発行者・受領者ごとにご紹介いたします。

関連記事:電子帳簿保存法で請求書をPDF化する際の送付・保存の注意点

2-1. 請求書をPDFファイルで受け取る場合

① 受領した側は原則紙での保存が必要

PDFファイルの請求書に問題があるとしたら、ファイルを受け取った側です。原則として、紙に出力した状態での保管が求められているからです。

PDFファイルのまま保管したい場合は、電子商取引法に基づいて所轄税務署に承認の申請をおこなわないといけないのです。

② 請求書の電子保存にはタイムスタンプが必要

取引先から受け取ったPDFファイルの請求書をデータで保管する場合に、電子帳簿保存法の申請が必要と説明しましたが、データの改ざんを防ぐためのタイムスタンプも必要になります。

タイムスタンプは、電子データに固有のIDと日付データを付与して、特定の日付以降、データが一切変更されていないことを証明するものです。

タイムスタンプの付与は非常に厳格で、自社で勝手に付けられるものではありません。

専門の業者にタイムスタンプの付与を依頼することになりますので、一定の費用がかかります。

電子帳簿保存法のタイムスタンプってそもそも何?という方はこの機会に把握しておくのが肝要です。
別途最新の要件や改正内容について解説しているので興味があればご覧ください。

2-2. 請求書をPDFファイルで相手に送付する場合

① PDFファイルでの送付は可能

エクセルやワードでPDFファイルの請求書を作成して、取引先に交付するのは問題ありません。

作成したPDFファイルでの保管も認められているので、ペーパーレスにできます。

② PDFの請求書に印鑑はなくても良い

紙の請求書とは異なり、PDFの請求書に印鑑を押印するのは、難易度が高い作業と言えます。

事前に印影の画像ファイルを作成しておけばいいですが、綺麗に仕上げるのは容易ではありません。

しかし、日本の法律では、請求書に印鑑を押印しないといけない、というルールはありません。

印鑑が押印されていれば、偽造しにくくなるメリットがありますが、絶対になければいけないものではないということです。

取引先によっては、印鑑がないといけないという思い込みを持っている場合もありますが、丁寧に説明しておけば、問題ないことがほとんどです。

③ 電子帳簿保存法第10条

電子帳簿保存法の中で請求書は「取引関連書類」に分類されますが、一度も紙に出力せずにPDFなどの電子データで送付した場合は「電子取引の電子データ」とみなします。

この場合は電子帳簿保存の申請は不要です。

④ 事務処理規定

電子取引をした場合の電子帳簿保存法の要件として、事務処理規定を策定しておく必要があります。

不正防止のための事務処理規定を定め、適切に運用し、いつでも事務処理規定を参照できる状態にしておきましょう。

⑤ 相手企業への連携

請求書を電子データで送ってよいからといって、送付先の企業に断りなく送付することのないようにしましょう。

企業によっては紙で請求書を管理しなければならない場合もあり、結局印刷する工数が発生してしまう可能性があるからです。

3. 電子帳簿保存法で電子化した請求書の保管方法

今まで紙の請求書で管理していた企業にとって、請求書を電子化することで保存の要件がどのように変わるのかは気になるところでしょう。

ここでは、電子化した請求書の保存について解説いたします。

請求書は証憑書類に当たるため、原則7年間は保存しなければなりません。

また、一言で電子化といっても保存方法は一つではありません。

※そもそも電子帳簿保存法について詳しく知らない方は、このタイミングで基礎知識や改正点、対応方法について抑えておきましょう。

3-1. 電子データをプリントアウトして紙の状態で保存する場合

基本的に、請求書をPDFなどの電子データで送付しても、受領側では紙のデータで保存する必要があります。

つまり、発行者側の工数は減りますが、受領者側の文書保存の業務は削減されないのが現状です。

3-2. 電子データで送付された書類を電子データのまま保存する場合

請求書を電子データで保存したい場合は

・電子帳簿保存法
・e-文書法

の要件に沿った管理方法が必要になります。

4. 請求書を電子データで保管するための要件

4-1. 電子データの保存要件(真実性・可視性の確保)

電子化した請求書を受領して電子データで保存するためには電子データの保存要件が必要です。

① 訂正・削除履歴の確保(帳簿)

帳簿に係る電子計算機処理に、次の要件を満たす電子計算機処理システムを使用すること。
(1)帳簿に係る電磁的記録に係る記録事項について訂正または削除をおこなった場合には、これらの事実及び内容を確認することができること
(2)帳簿に係る記録事項の入力をその業務の処理に係る通常の期間を経過した後に行った場合には、その事実を確認することができること

② 相互関連性の確保(帳簿)

帳簿に係る電磁的記録の記録事項とその帳簿に関連する他の帳簿の記録事項との間において、相互にその関連性を確認できるようにしておくこと。

③ 関係書類等の備付け

帳簿に係る電磁的記録の保存等に併せて、システム関係書類等(システム概要書・仕様書・操作説明書・処理マニュアル等)の備付けをおこなうこと

また、電子帳簿保存法上の電子データの保存要件として、「可視性の確保」が求められています。要件は以下の2点です。

④ 見読可能性の確保

帳簿に係る電磁的記録の保存等をする場所に、その電磁的記録の電子計算機処理の用に供することができる電子計算機、プログラム、ディスプレイ及びプリンタ並びにこれらの操作説明書を備え付け、その電磁的記録をディスプレイの画面及び書面に、整然とした形式及び明瞭な状態で速やかに出力できるようにしておくこと。

⑤ 検索機能の確保

帳簿に係る電磁的記録について、次の要件を満たす検索機能を確保しておくこと。

(1)取引年月日、勘定科目、取引金額その他その帳簿の種類に応じた主要な記録項目を検索条件として設定できること
(2)日付または金額に係る記録項目については、その範囲を指定して条件を設定することができること
(3)2つ以上の任意の記録項目を組み合わせて条件を設定することができること

4-2. スキャナデータの保存要件(真実性・可視性の確保)

紙の文書をスキャナでデータ化した際の保存要件として、「真実性の確保」が求められています。要件は以下の7点です。

 ① 入力期間の制限

受領後概ね7営業日を目安に入力をおこなうこと。業務の処理に係る通常期間を経過した後に速やかに入力する場合は、最長2カ月+7営業日以内に入力をおこなうこと

② 一定水準以上の解像度及びカラー画像での読み取り

解像度が200dpi以上で、24ビットカラー以上でのカラー画像での読み取りであること

③ タイムスタンプの付与

受領者が署名の上、概ね3営業日以内にタイムスタンプを付して読み取ること

④ 読み取り情報の保存

読み取った際の解像度やファイルサイズの情報を保存すること

⑤ バージョン管理

訂正または削除をおこなった場合には、その事実と内容を確認できるシステムを使用すること

⑥ 入力者情報等の確認

スキャン処理をおこなう担当者とその監修者に関する情報を確認できるようにしておくこと

⑦ 適正事務処理要件

受領から入力までの事務処理において規定を定め、処理ごとに別の担当者を置き、概ね5年のうちに全ての事業所において定期的に検査をおこなって、不備がある場合には原因究明及び改善をおこなう体制を整えること

また、紙の文書をスキャナでデータ化した際の保存要件として、「可視性の確保」が求められています。要件は以下の4点です。

⑧ 帳簿との相互関連性の確保

スキャナデータと帳簿の記録事項の間の関連性を確認できるようにしておくこと

⑨ 見読可能装置の備付け

法令の要件を満たすディスプレイ・プリンタを備え付け、鮮明に、速やかに出力できるようにしておくこと

⑩ システム関連書類の備付け

システム関係書類(システム概要書・仕様書・操作説明書・事務処理マニュアル等)の備付けをおこなうこと

⑪ 検索機能の確保

取引日、取引金額などの項目から保存データを検索できる機能が備わっていること

5. 請求書の電子化には電子帳簿保存法の要件を満たすことが必須

請求書は国税関係書類として5~7年間保存する義務がありますが、長期間大量の書類を保管するのはコストや業務効率の面から考えても負担が大きいものです。

電子帳簿保存法によって、要件を満たせば請求書を電子化できるようになりました。

電子化を始める3ヵ月前までに税務署へ承認申請手続きをすること、真実性・可視性といった要件を満たすことが必要です。

請求書の電子化を導入する企業にとっては、業務効率化や紙の使用量削減などのメリットがある一方で、要件を満たすために社内規定の整備やシステム導入・維持のコストが必要です。

今回ご紹介した内容を参考に、電子化システム導入前にしっかり準備をおこないましょう。

2020年、2022年の電子帳簿保存法改正を
わかりやすく総まとめ!

1998年に制定された電子帳簿保存法ですが、2020年10月や2021年の改正によって企業が電子帳簿保存法に対応するハードルが格段に下がりました。

しかし、電子帳簿保存法に対応すれば業務が効率化されると言っても、要件や法律そのものの内容、対応の手順など理解しなければならないことは多いです。

「どうにか電子帳簿保存法を簡単に理解したいけど、自分で調べてもいまいちポイントがわからない・・・」とお悩みの方は「5分で読み解く!電子帳簿保存法まとめbook」をぜひご覧ください。

資料では

・電子帳簿保存法の内容に関するわかりやすい解説
・2020年10月の改正と2022年の施行内容のポイント
・今後電子帳簿保存法に対応していくための準備や要件

など、電子帳簿保存法に関する内容を総まとめで解説しています。

「電子帳簿保存法への対応を少しずつ考えたいが、何から始めたらいいかわからない」という経理担当者様は「5分で読み解く!電子帳簿保存法まとめbook」をぜひご覧ください。。

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