財務諸表の分析で何がわかる?目的や必要書類、分析のやり方を紹介 - ジンジャー(jinjer)| クラウド型人事労務システム

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財務諸表の分析で何がわかる?目的や必要書類、分析のやり方を紹介

分析

企業が作成する財務諸表をチェックすれば、財務状況や売上、経営状態などさまざまなことがわかります。
財務分析には、収益性分析や安全性分析、生産性分析、効率性分析といった種類があります。本記事では財務分析に必要な書類や具体的な実践方法についてご説明いたします。

会計の基本は「勘定科目」と「仕訳」
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1. 財務諸表とは?財務諸表分析をおこなう目的は?

困る

財務諸表は企業の経営状態を多角的に判断するための指標となる書類です。財務諸表には貸借対照表や損益計算書、キャッシュフロー計算書といった種類があります。
企業の成長のためには、財務諸表の数値を具体的に確認する財務諸表分析を定期的に実践することが重要です。財務諸表分析をすれば、企業の財務状態に問題ないか、効率よく収益を上げられているかなどさまざまなことを確認できます。財務諸表分析をきっかけに経営戦略やマーケティング戦略を検討するケースは少なくありません。問題点を改善し、新たな成長へとつなげていくのが財務諸表分析の大きな意義といえます。
また、財務諸表分析は、企業の成長戦略のためだけでなく、新規取引先に対する安定性や倒産リスクを判定する際などにも役立てることができます。

関連記事:財務諸表とは?役割や財務三表の読み方・分析方法を基礎からわかりやすく解説

2. 財務諸表分析をおこなう際の必要書類

書類の保存

財務諸表分析に欠かせない書類が、貸借対照表と損益計算書です。2つの財務諸表には異なる特徴があり、財務諸表分析を始める前にそれぞれの役割や違いについて押さえておくことが重要です。

ここでは、貸借対照表と損益計算書の概要について解説します。

2-1. 貸借対照表

貸借対照表は、一定時点における企業の経営状態を数値によって明らかにする書類です。右側が「資産の部」、左側が「負債の部」「純資産の部」となっており、左右の合計額が必ず一致することから、バランスシートとも呼ばれています。

資産の部には「流動資産」や「固定資産」、負債の部には「流動負債」や「固定負債」、純資産の部には「自己資本」が記載されており、それぞれ細かくチェックすることで、企業の資金の動きを知ることができます。

2-2. 損益計算書

損益計算書は、会計期間内の収益と費用の金額をそれぞれ記載した書類です。表の上から順に「売上総利益」「営業利益」「経常利益」「税引前当期純利益」「当期純利益」といった5つの利益が記載されています。

この5項目をそれぞれチェックすることで、どのような活動において利益や損益をどの程度出したのかを確認することができます。

3. 財務諸表分析の手法5つについて詳しいやり方をご紹介!

紹介

財務諸表分析の手法には、収益性分析、安全性分析、生産性分析、効率性分析、成長性分析という5種類があります。それぞれの分析で計算式を使って具体的な数値を出し、企業の現状を把握していきます。

3-1. 収益性分析

収益性分析では、企業がどれだけ利益を生み出せるのかを具体的に分析します。収益とは企業の売上などの稼ぎ、利益とは収益によってもたらされるものを指します。収益性が高いほど企業の利益も高まりやすくなります。
収益性分析では主に、売上高総利益率、総資本経常利益率、株式資本経常利益率、経営資本営業利益率といった指標について分析します。

指標 計算式 概要
売上高総利益率
(粗利率)
売上総利益÷売上高 売上に対する総利益の割合を表す指標。数値が高いほど商品やサービスの競争力が高い。
総資本経常利益率 経常利益÷総資本
×100%
企業のすべての資本を用いてどれだけ利益を上げたを表す指標。
株式資本経常利益率 経常利益÷自己資本
×100%
株主から集めた資金だけでどれだけ利益を上げたかを表す指標。
経営資本営業利益率 営業利益÷経営資本
×100%
本来の営業活動に使う資本から本業の利益をどれだけ稼いだかを示す指標。

3-2. 安全性分析

安全性分析とは、企業の長期的または短期的な支払い能力を示す指標です。企業の支払い能力を数値で確認することで、財政的に安全か、倒産リスクがないかなどを把握します。
安全性分析の中でも重要なのは、短期的財政安全性分析と長期的財政安全性分析です。短期的財政安全性分析には流動比率と当座比率が、長期的財政安全性分析には負債比率と固定比率があります。

指標 計算式 概要
流動比率 流動資産÷流動負債
×100%
企業の短期支払い能力を測る指標。数値が高いほど、短期支払い能力が高い。
当座比率 当座資産÷流動負債
×100%
現金や受取手形など換金性の高い資産をどれだけ持ち、短期的な支払い能力がどれだけあるかを示す指標。
負債比率 他人資本÷自己資本×100% 自己資本でどの程度の負債を支払えるかの指標。比率が低いほど安全性が高い。
固定比率 固定資産÷自己資本×100% 固定資産をどれだけ自己資本でまかなえるかを示す指標。100%を下回れば固定資産がすべて自己資本で賄えているため安全性が高まる。

3-3. 生産性分析

生産性分析とは、企業が経営資源を投入することで得た付加価値や労働生産性を示す指標です。なお、付加価値とは、原材料費や消耗品費といった外部購入費用を除いた売上高のことをいいます。

指標 計算式 概要
付加価値額 経常利益+人件費+金融費用+賃借料+租税公課 一定期間内に企業が生み出した付加価値の合計額。
労働生産性 付加価値額÷従業員数 従業員1人当たりの付加価値を表した指標。数値が高いほど人材活用が効率的にできている。
労働分配率 売上総利益÷人件費×100% 会社の付加価値に占める人件費の割合を表した指標。数値が高いほど労働分配の効率性も高い。ただし、労働分配率が高すぎる場合には人件費を削りすぎている可能性も考えらる。

3-4. 効率性分析

効率性分析とは、貸借対照表に記載された資産がどれだけ売上に結びついているのかという効率をチェックする手法です。効率性分析では売上債権回転率や総資本回転率を求めます。

指標 計算式 概要
売上債権回転率 売上高÷平均売上債権 売掛金や受取手形などの債券が現金化されるまでの期間を示す指標。この数値が高いほど回収時間が短く、効率的に資金繰りをしているということになる。
総資産回転率 総資産÷売上高 売上を得るために資本を何度回転させたかを測る指標。回転率が大きいほど、資本を抑えて効率よく売上を得ているということがわかる。

3-5. 成長性分析

成長性分析は、一定期間内において企業がどれだけ成長したかを測るための指標です。売り上げが伸びていても収益が落ち込んでいる場合もあるため、売上や利益、資本との関係性に着目して分析するのがポイントとなります。成長性分析の主な指標は、売上高成長率、経常利益成長率、総資本成長率などです。

指標 計算式 概要
売上高成長率 (当期売上高-前期売上高)
÷前期売上高×100
売上高が前期と比べてどの程度伸びたかを測る指標。
経常利益成長率 (当期経常利益-前期経常利益)
÷前期経常利益×100
経常利益が前期と比べてどの程度成長したを測る指標。経常利益を売上総利益や営業利益と置き換えて、それぞれ利益の成長度合いを測ることも可能。
総資本成長率 (当期総資本-前期総資本)
÷前期総資本×100
総資本が前期と比べてどの程度成長したを測る指標。

なお、総資本成長率は、負債と純資産の合計で計算するため、負債が増えたことで指標がプラスとなる場合もあります。そのため、内訳についてもチェックすることが重要です。

4. 財務諸表の具体的な分析例とは

分析する様子

企業の財務諸表は公開されており、投資家や株主、税務当局などが自由にチェックできるようになっています。また、大手企業の財務諸表を比較し、収益性や効率性を分析することも可能です。

収益性分析のうち、売上高総利益を求める場合で考えると、売上高総利益率は、売上総利益÷売上高の式で求められます。例えば損益計算書にある売上総利益が600万円、売上高が4,000万円という場合であれば15%という数字が導き出されます。

売上高総利益率の全職種における平均値は約17~18%といわれます。ただし業界によって数値や儲かるといわれるボーダーラインは異なります。同業他社の売上高総利益率や、自社の1年毎のデータを使っての売上高総利益率を計算すれば分析に役立ちます。

その他の分析項目についても、目安となる平均値がそれぞれ提示されています。ただし平均値の数値はあくまで指標ということになり、その数値は業態や企業の状況によって大きく変わります。

5. 財務諸表分析をおこない、企業の強みや問題点を洗い出してみよう

電球

財務諸表には損益計算書や貸借対照表、キャッシュフロー計算書といった種類があります。これらの書類を活用すれば、企業の収益性や安全性、生産性、効率性をチェックする財務諸表分析をおこなえます。

財務諸表分析では、どのような数値が出ればいいという具体的な基準はありません。企業の過去の財務諸表との比較をしたり、同業他社の財務諸表を分析したりすることで、企業の現状を具体的に把握できます。

財務諸表は企業の現在の状態を把握するための貴重な資料です。財務諸表を作成したあとには、ぜひ詳しい財務諸表分析をおこない、企業の強みや問題点を洗い出してみましょう。

会計の基本は「勘定科目」と「仕訳」
86個の勘定科目と仕訳例をまとめて解説

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jinjer Blog 編集部

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