支払利息を仕訳するときの方法や注意点を徹底解説 - ジンジャー(jinjer)| クラウド型人事労務システム

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支払利息を仕訳するときの方法や注意点を徹底解説

お金と砂時計と矢印

企業会計上、金融機関の借入金にかかる利息のことを「支払利息」と呼びます。資金調達のため、融資やローン、手形の更改などをおこなう場合は、支払利息の計算方法や仕訳方法を知っておくことが大切です。

この記事では、支払利息の定義や仕訳するときのポイント、間違いやすい「借入金」との違いについて詳しく解説します。

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1. 支払利息とは?

はてなが書かれた紙を持つ男性

金融機関の融資や借り入れを利用して資金調達をおこなう場合、元金と返済期間に応じた利息の支払いが必要です。企業会計上、この利息のことを「支払利息」と呼びます。
ここでは、支払利息の定義や仕訳例、賃借対照表などの区分表示について解説します。

1-1. 支払利息は融資や借入金の利息のこと

支払利息とは、融資やローンなど、金融機関や他社からの借入金に対して支払う利息です。支払利息の金額は次の計算式で求められます。

・支払利息=借入金額×年利×借入期間÷12ヶ月

例えば、100万円の事業資金を年2.8%の金利で調達し、3年間の借入期間で返済する場合、支払利息は84,000円です。

・100万円×2.8%×36ヶ月÷12ヶ月=84,000円

実際には借入先の金融機関によって金利などの条件が異なるため、返済シミュレーションなどを利用し、正確な支払利息を把握しましょう。

1-2. 支払利息の仕訳方法

通常、支払利息を費用計上するのは借入金を返済するタイミングです。
借入金を銀行振込で返済する場合も、元本部分(借入金)と支払利息を区別して仕訳する必要があります。支払利息の仕訳をおこなう場合、借方には借入金と支払利息、貸方には現金や普通預金などの勘定科目を記帳します。
例えば、100万円の短期借入金が返済期限を迎え、利息10万円とともに現金で一括返済した場合、以下の通り仕訳処理をおこないます。

支払利息の仕訳方法

1-3. 支払利息の区分表示は「営業外費用」ではなく「支払利息」

勘定科目としての支払利息は、本業以外で生じた負債を表す「営業外費用」に属しています。
ただし、支払利息を貸借対照表や損益計算書に記載する場合、「営業外費用」の区分表示ではなく、そのまま「支払利息」として表示しなければなりません。
「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」では、以下の通りに記載されています。

“(営業外費用の表示方法)
第九十三条 営業外費用に属する費用は、支払利息、社債利息、社債発行費償却、創立費償却、開業費償却、貸倒引当金繰入額又は貸倒損失(第八十七条の規定により販売費として記載されるものを除く。)、有価証券売却損その他の項目の区分に従い、当該費用を示す名称を付した科目をもつて掲記しなければならない。”
[引用]財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則 | e-Gov法令検索

2. 支払利息に該当するもの

支払利息といっても、具体的にどのような費用が当てはまるのでしょうか。
ここでは、支払利息として計上可能な費用として4点紹介します。

・融資を受けるときの信用保証料
・税金の延納が認められたときの利子税
・手形を更改したときの利息
・ファクタリングを利用したときの手数料(※「売上債権売却損」が一般的)

2-1. 融資を受けるときの信用保証料

金融機関から融資を受けるとき、融資審査をスムーズに通過するため、信用保証協会を公的な保証人とする場合があります。信用保証を受けるときの信用保証料は、支払利息として計上することが可能です。

2-2. 税金の延納が認められたときの利子税

利子税とは、税金の延納が認められた場合に追加で支払う附帯税のことです。
無申告や税金滞納のペナルティとしての意味合いが強い延滞税や加算税と違い、利子税は租税公課として損金算入できます。利子税を損金算入する場合、「租税公課」の勘定科目のほか、「支払利息」の勘定科目を使うこともできます。

2-3. 手形を更改したときの利息

手形の更改とは、支払期限が迫った手形を新しい手形に振り替え、不渡りを避けることを意味します。手形の更改をおこなう場合、旧手形と新手形の満期日にもとづいて、所定の利息が発生します。手形を更改したときの利息も「支払利息」として計上できます。

2-4. ファクタリングを利用したときの手数料

ファクタリングは売掛債権を第三者に譲渡し、現金化することを意味します。ファクタリングの手数料は、通常「売上債権売却損」の勘定科目で処理しますが、「支払利息」として費用計上することも可能です。

3. 支払利息と借入金の違い

比較 はてな

支払利息と間違われやすい勘定科目として「借入金」が挙げられます。
借入金は支払利息と同様、賃借対照表などの負債の部に表示する勘定科目です。借入金は文字通り、金融機関などから借り入れた金額を表します。
借入金には、返済期間が1年以内の「短期借入金」と、1年を超える「長期借入金」の2種類があります。前述の通り、支払利息の金額は借入金の金額に応じて決まります。

支払利息=借入金額×年利×借入期間÷12ヶ月

支払利息と借入金のもう一つの違いは、消費税の課税対象かどうかです。支払利息は課税取引ではないため、消費税が課税されません。
借入金と支払利息は個別に計上する必要があるため、ローンを返済する際は元本部分(借入金)と支払利息を区別しましょう。

4. 支払利息を仕訳するときの注意点

注意

支払利息を仕訳するときの注意点は2つあります。
支払利息を前払いする場合は「費用の繰延」をおこない、前払費用や前払利息の勘定科目で計上する必要があります。
逆に支払利息を当期ではなく来期の費用として計上しなければならない場合、「費用の見越」をおこない、未払費用や未払利息として費用計上します。

4-1. 前払費用や前払利息として計上するケース

企業会計は、収益や損失が発生した時点で会計処理をおこなう「発生主義」を採用しています。そのため、来季以降の事業資金として借り入れをおこない、支払利息を前払いした場合は、決算の時点で支払利息を「前払費用」「前払利息」に振り替える必要があります。この会計処理を「費用の繰延」といいます。
ただし、支払利息の金額が小さい場合は、会計処理が煩雑になるのを避けるため、前払費用として計上しなくても問題ありません。

4-2. 未払費用や未払利息として計上するケース

逆に当期の決算をおこなったものの、借入金の利息の支払いが来季以降になる場合、「未払費用」「未払利息」として会計処理をおこないます。これを「費用の見越」と呼びます。
ただし、前払費用と同様に、支払利息の金額が小さく会計上の重要性が低い場合は、未払費用として計上する必要はありません。

5. 支払利息の正しい仕訳方法や注意点を確認しよう

案内

支払利息は、ローンや借入金を返済するときに支払う利息のことです。支払利息の金額は、借入金の金額に年利と借入期間を乗算することで求められます。
支払利息を賃借対照表などに記載する場合は、「営業外費用」ではなく「支払利息」として表示する必要があります。支払利息を仕訳するときに注意が必要なのが、支払利息を「前払費用」に振り替えるケースと、「未払費用」として計上するケースです。
支払利息を仕訳するときの方法や注意点を知り、正しく会計処理をおこないましょう。

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MEGURO

MEGURO

HR NOTEのライター、総合求人サイトとシニア向け情報メディアの立ち上げを経て、現在はjinjer blogの運営に携わっています。 事業視点から、バックオフィスの重要性を啓蒙するコンテンツを作っています。 保有資格:ファイナンシャル・プランニング技能士(3級)

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