会計帳簿とは?種類や会計帳簿をつける際の手順・ルールも解説 - ジンジャー(jinjer)| クラウド型人事労務システム

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会計帳簿とは?種類や会計帳簿をつける際の手順・ルールも解説

説明

会社の運営に会計帳簿は必要不可欠なものですが、記入項目が多く敬遠されがちです。
しかし、会社の経理の基本であり、経営戦略を立てるのにも役立つものでもあります。

そこで、今回は会計帳簿の必要性や種類、会計帳簿の書き方やルールについて解説します。

関連記事:会計とは?業務の流れや経理・財務・簿記との違いを解説

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「経理担当になってまだ日が浅く、会計知識をしっかりつけたい!」
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などなど会計の理解を深める際に前提の基礎知識となる勘定科目や仕訳がよくわからない方もいらっしゃるでしょう。

そこで当サイトでは、勘定科目や仕訳に関する基本知識と各科目ごとの仕訳例を網羅的にまとめた資料を無料で配布しております。 会計の理解を深めたい方には必須の知識となりますので、ぜひご覧ください。

勘定科目と仕訳

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1. 会計帳簿とは?

会計作業をする人

会計帳簿とは、会社法で作成が義務付けられている書類で、企業の資産の日々の動きを記載したものです。

会計帳簿は企業が正しく経営をおこなう上でなくてはならない書類のため、記入方法や手順を正しく理解しておきましょう。

1-1. 会計帳簿と決算書(財務諸表)の違い

会計帳簿とは企業の日々の資産やお金のやり取りを記録する書類です。一方決算書(財務諸表)は企業が期末に決算報告をする際に、企業の経営状況を把握するために作成する書類です。

最終的に決算書を正しく作成するために、会計帳簿で日々のやり取りを記録しておきましょう。

2. 会計帳簿が必要な理由は3つある

3

会計帳簿をつける必要がある理由は主に次の3点です。

2-1. 経営状況を把握することで正しい経営判断ができる

経営者は自社の経営状況を把握する必要がありますが、正確に記帳された会計帳簿があれば問題ありません。
正確な会計の数字がわかれば、経営目標も立てやすくなります。

2-2. 青色申告で税制上のメリットが受けられる

企業の所得申告には白色申告と青色申告がありますが、青色申告の方が税制上のメリットが大きくなります。
ただし、青色申告するには、日々の取引を記録した一定の帳簿が必須であり、会計帳簿をつけることで青色申告しやすくなります。

2-3. 金融機関から融資を受ける際の提出書類作成のために必要

銀行や信用金庫などの金融機関から融資を受ける際は正しい財務諸表の提出を求められます。
会計帳簿を正確につけていないと、書類の作成は困難となるでしょう。

3. 会計帳簿の保存期間

書類の保存

会計帳簿には保存が義務付けられている期間があります。

法人税法では、帳簿書類の保存義務期間は7年と決められています。
しかし会社法では決算書類や総勘定元帳、会計帳簿等の各種補助簿の保存義務期間は10年となっています。

会計帳簿の保存期間は10年と考えて問題ありません。

4. 会計帳簿閲覧請求権とは

数値の確認

会社法第433条では株主に会計帳簿の閲覧等の請求を認めています。

100分の3以上の株式を保有する株主は請求すると会計帳簿、及びそれに付随する書類(伝票、受取証、契約書、信書)を閲覧することが出来ます。

株主には、取締役の違法行為差止め請求権や損害賠償請求権が与えられており、責任追及の訴えの提起等監督是正権の行使の検討のため請求するといった理由で会計帳簿の開示を求めることがあります。

しかし、株主が調査目的で請求をおこなっている場合など正当な請求理由と認められない場合には、企業にはこの請求を拒否する権利があります。

参考:会社法|e-Gov法令検索

5. 会計帳簿は主要簿と補助簿の2種類に分類される

計算する人

会計帳簿には、記載する内容によって主要簿と補助簿に類別されます。
主要簿には3種類あり、さらにそれを補助する役割を持つさまざまな補助簿があります。

会計帳簿には、記載する内容によって主要簿と補助簿に類別されます。
主要簿には3種類あり、さらにそれを補助する役割を持つさまざまな補助簿があります。

6. 主要簿には会社法で作成が義務付けられているものがある

電卓で計算

主要簿は会社の取引全体を記録・計算する帳簿であり、複式簿記では必ず作成しなければなりません。

「日記帳」「仕訳帳」「総勘定元帳」の3種類がありますが、そのうち仕訳帳と総勘定元帳は会社法でも作成が義務付けられています。

関連記事:会計基準とは?改正に伴う変更や会計基準一覧を種類別にわかりやすく解説

6-1. 日記帳

日記帳は取引日の発生順に取引を記載するもので、仕訳帳に記録する前のメモ書きの役割を果たしています。
他の2つの記録ミスを防ぐためにも記録することをおすすめします。

6-2. 仕訳帳

仕訳帳は、取引内容を発生順に記載した上で借方・貸方にわけて適当な勘定科目へ仕分けする帳簿です。
借方には資産の増加や費用を、貸方には負債や純資産の増加と収益を記載し、この2つは金額が必ず一致しなければなりません。

6-3. 総勘定元帳

総勘定元帳は仕訳帳をもとに収益・費用・資産・負債・純資産といった5つの勘定科目に分類したものです。
決算書となる貸借対照表や損益計算書を作成するベースとなるため、主要簿の中でも特に重要です。

7. 補助簿には補助記入帳と補助元帳と呼ばれるものがある

お金の管理

補助簿は主要簿の補助の役割があり、7つの補助記入帳と4つの補助元帳があります。
それぞれの名称と内容は以下のとおりです。

7-1.補助記入帳

補助記入帳の種類は以下のとおりです。

現金出納帳

お金の入出金を記録し、帳簿の残高と現金残高が一致しているかどうかを確認する帳簿のことです。

当座預金出納帳

当座預金の増減を詳細に記録する帳簿です。

小口現金出納帳

旅費交通費、通信費、雑費など日常的な現金の出入りを記録する帳簿です。

仕入帳

いつ・誰から・何を・いくらでの仕入れたのか仕入の明細を記録する帳簿です。

売上帳

:いつ・誰に・何を・いくらで売り上げたのか売上の明細を記録する帳簿です。

支払手形記入帳

支払手形の増減を記録する帳簿です。

受取手形記入帳

受取手形の増減を記録する帳簿です。

7-2. 補助元帳

補助元帳は以下のとおりです。

商品有高帳

商品ごとの受払・現在の在庫数や在庫原価を記録する台帳です。

仕入先元帳(買掛金元帳)

仕入先ごとに取引の内容・金額を分類して記録する台帳です。

得意先元帳(売掛金元帳)

得意先ごとに取引の内容・金額を分類して記録する台帳です。

固定資産台帳

固定資産ごとに取得・減価償却・売却・除却などを記録する台帳です。

8. 会計帳簿の書き方とルール

ルール

会計帳簿はルールに従って記帳しなくてはなりません。
また、手順を間違えると余計な手間が増えたりミスの原因となる可能性もあるため、注意が必要です。

会計帳簿をつける際の重要ルールは3つあります。
会計帳簿をつける際は必ず以下のルールに従いましょう。

  1. 数字はアラビア数字を使用
  2. 略字は決められた表記で記載
  3. 訂正は2本線を引き、線の右側に訂正印を押印

帳簿には必須の数字ですが、「二」や「五」といった漢数字ではなく、「2」や「5」といったアラビア数字で記載します。

また、略字を使用するときは決められた略語は統一して使います。
(例)円を「¥」、単価を「@」など

会計帳簿で記入ミスなど訂正が必要となった場合は、訂正箇所に平行な2本線を引き、線の上下左右どこかの余白に正しい内容を記載し、線の右側に訂正印を押します。
修正ペンなどは使用できません。

なお、会計ソフトを使用している場合は、経理担当者が上司の承認をもらったのちデータ修正するのが一般的となっています。

9. 会計帳簿の作成手順は4ステップ

4

会計帳簿を作成する手順は以下のとおりです。
会計帳簿は日々整理することで内容が正確となり、後回しにして決算間近に慌てることもありません。

9-1. 経費に関するレシートや領収書を整理して出納帳へ記載

日々の経費に関するレシートや領収書を、まず現金で支払ったものと口座から支払ったものに分類します。

現金で支払ったものは現金出納帳に、口座からの支払い分は預金出納帳に記入します。
仕入れによる買掛金がある場合は、買掛帳に記載します。

9-2. 売上明細を整理して売掛帳に記載

売上明細を整理する際は、レシートや領収書、PDFやメールなどのデータ明細も忘れずに保管して整理してから、売掛帳に記入します。

電子帳簿保存法改正により電子取引データの保存が義務化となったため、PDFやメールなどの明細は印刷せずに適切な保管をおこな話なければなりません。注意しましょう。

9-3. 月1回の締め日に経費・売上の整理と記載をおこなう

毎月1回締め日を設定し、経費と売上の整理と記載をおこないます。
帳簿に記載が済んだレシートや領収書は、種類別に仕分けファイルを作成してまとめて保管しておきましょう。

処理漏れや記載ミスの発生率を抑えるためにも、処理は当月中に済ませておくことをおすすめします。

9-4. 決算に必要な会計帳簿を用意する

毎月3.の処理をしっかりおこなっておけば、年1回の決算に必要な会計帳簿(主要簿・補助簿)もスムーズに用意できます。

2.で整理しておいたレシートや領収書なども必要に応じてすぐに出せるように準備をします。
会計ソフトを使用している場合は、必要な書類を印刷します。

10 . 会計帳簿をつけないリスクとデメリット

会計のリスク

会計帳簿は税務調査で提出を求められることがあります。その際、帳簿が作成されていないと慌てて帳簿をつけなければなりません。

そして、帳簿に記帳漏れやミスがあった場合はペナルティとして納税額の35〜40%が重加算税として課される可能性があります。もし、貴重漏れやミスが「虚偽の隠蔽」とみなされた場合、会社法で定められた会計帳簿の作成義務を怠った罰則として、100万円以下の罰金が課せられます。

法令違反は企業イメージの低下に繋がるため会計帳簿は正確に作成しましょう。

また、法令違反になってしまうだけでなく、会計帳簿をつけないと企業の経営状況をただしく判断できなくなってしまいます。正確な数字を把握し、経営の組表を正しく設定するためにも会計帳簿は必要です。

参考:会社法第976条|e-Gov法令検索

11. 会計帳簿は青色申告や金融機関とのスムーズなやり取りのためには必須

会話

今回は会計帳簿をつける際のルールや手順について解説しました。

会計帳簿は会社の日々の取引を正しく記載する必要があり、レシートや領収書などの整理も必要となるため手間もかかります。しかし、青色申告をするためや、金融機関に融資を申し込む際に必要な書類をスムーズに作成できるなどの大きなメリットがあるため、会計帳簿への記載は正しくおこないましょう。

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「会計の基礎知識である勘定科目や仕訳がそもそもわからない」
「毎回ネットや本で調べていると時間がかかって困る」

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MEGURO

MEGURO

HR NOTEのライター、総合求人サイトとシニア向け情報メディアの立ち上げを経て、現在はjinjer blogの運営に携わっています。 事業視点から、バックオフィスの重要性を啓蒙するコンテンツを作っています。 保有資格:ファイナンシャル・プランニング技能士(3級)

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