時価会計とは?簿価会計との違いや時価会計が導入された背景を紹介 - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

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時価会計とは?簿価会計との違いや時価会計が導入された背景を紹介

簿価 時価

時価会計とは、企業がもつ資産や負債、株式などを決算時の市場価格で評価し反映させる会計手法です。企業が時価会計を導入すれば、取得している金融商品の正確な価値を把握できるようになります。
ここでは時価会計がもつ意味やいつから導入されたのか、導入の背景、簿価会計との違いについて解説いたします。また、時価会計を導入するメリットやデメリット、具体的な算定方法についても見ていきましょう。

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1. 時価会計には企業の金融資産の価値を把握するという目的がある!

納得 理解

時価会計とは、英語ではCurrent value accountingと呼ばれる手法です。取得原価主義(acquisition cost basis)で計上した資産のうち、金融商品の一部を時価で再評価するのが時価会計の目的です。
金融商品とは、時価や評価額が変動し、その時期に応じて売却できる商品のことで、代表的なものには上場株式があります。時価や評価額は、市場での公正な評価額である必要があります。
時価会計を導入する場合でも、すべての資産を時価に直すことはありません。例えば売買目的有価証券はのちに売買するつもりで保有しているため、決算時には時価評価をします。有価証券類の多くも、長期的に考えて売買する可能性があるときには時価評価をおこないます。
時価会計では、これらの金融商品がもつ含み損益を毎期にわたって評価し、損益を財務諸表に反映します。これによって、企業の損益予想がしやすくなり、資産価値がわかりやすくなります。
一方で、満期保有目的債券は売買を目的としていないため、原則として時価評価されません。ほかに、子会社や関連会社の株式も時価評価しないのが一般的です。

2. 時価会計と簿価会計の違い

比較 はてな

企業の会計方法には時価会計のほかに簿価会計というものもあります。簿価とは、金融資産を取得したときの原価のことで、資産や負債、資本の評価額は都度帳簿に記帳されます。
時価会計が導入される前には、取得時の価値で資産を計上する簿価会計がおこなわれるのが一般的でした。簿価会計はいわば取得原価主義であり、100%確実ではない損益を財務諸表に反映させることはありません。
これに対し時価会計では、金融商品の含み益や含み損を計上することになります。
簿価会計では取得時の簿価で金融資産を評価します。つまり、帳簿には毎期ごとに変動しない数字が記入されることになります。金融商品を時価で評価するときと簿価で記帳するときでは、数値が大きく異なることがあります。

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3. 時価会計が導入された背景

もともと、国内の企業は取得時の価値を会計に反映する簿価会計を実施するのが一般的でした。
しかし海外の企業では既に、国際会計基準審議会(IASB)や米国財務会計基準審議会(FASB)など、時価評価を導入するのが主流となっています。日本国内でも、2019年に企業会計基準委員会(ASBJ)が指針を公表したのをきっかけに、資産価値が変動する金融商品を所有し時価会計で処理する企業がどんどん増加しています。
資産価値の変動による含み損益は経営状況を大きく左右します。金融商品の時価を財務諸表に反映しなければ、企業の経営状況を把握しにくくなることがあるのです。
時価評価は、企業評価やM&Aの場面に適した評価方法です。日々の市場動向に合わせて変動する株式の価値を適切に判断できる時価会計を導入すれば、企業評価がスムーズになります。
ただし多くの企業では、時価会計と簿価会計を状況に応じて使い分けています。金融商品の時価評価を確認する必要がある時には時価会計を、そうでないときには簿価会計を使うなど柔軟な対応が必要となります。

4. 時価会計のメリットとデメリット

ここからは、時価会計のメリットとデメリットをそれぞれ考えていきます。
時価会計のメリットはそのまま簿価会計のデメリット、逆に時価会計のデメリットは簿価会計のメリットということになります。双方を比較し、よりよい会計手法を選択しましょう。

4-1. 変動する資産価値を把握できるのが時価会計のメリット

時価会計の大きなメリットは、企業が抱える資産の現在の価値を正しく把握できるという点です。
金融商品は市場の影響を受けやすく、時期によって価値が大きく変動します。簿価評価をする場合には購入時点の価値が適用されますが、このままでは金融商品の本来の価値を把握することができません。
含み損が会計に反映されなかった場合、財務力が弱まっていることに気付けないなどのリスクが生じます。特に、億単位など価値の大きい金融商品や不動産などは、含み損によって大きな債務超過が起きるケースもあるため、時価評価で正確に価値を把握しておくのが安心です。
金融商品を時価評価するのには、投資の成果を知るという意味合いもあります。価値がどのように変動したのかを把握できるのが、時価会計の最も大きなメリットです。

4-2. 市況によるブレが起きやすいのが時価会計のデメリット

時価とはその資産を仮に売却したり購入したりするときに受け取ったり支払ったりする想定の価値ということになります。時価を把握するために実際の売却や購入をおこなうことはなく、時価はあくまで評価額でしかないのです。
企業が保有する資産には、上場株式など時価がわかりやすいものがたくさんあります。その一方で、不動産など時価が変動しやすい資産は、都度不動産鑑定士に依頼して調べてもらわなければ、正確な時価を把握することができません。
時価が大きく変動するような資産を時価会計で処理するのは現実的ではないのです。また、時価がそれほど変わらない資産であれば、簿価で処理してもそれほど変わらないという考え方もあります。
また、資産を評価する場合には、市況によってブレが生まれる可能性についても考えておきたいものです。
例えば株式を資産として保有しているときには、株式市場の相場の変動によって財務評価にブレが生じます。決算のタイミングでたまたま相場の状況がよかったときには、企業の財務状況が良好になります。その一方で資産の価値が暴落しているときには企業の財務にも悪影響があるでしょう。
時価会計を導入すると、企業の業績とは関係なく財務評価にブレが起きてしまう大きなリスクがあるのです。

5. 時価会計の算定方法

電卓

時価会計では、時価の評価にあたって十分なデータを取り入れる必要があります。時価の算定にはインプットと呼ばれる基準をレベルごとに活用します。
レベル1では、活発な市場における同一の資産または負債の相場価格をインプットします。
レベル2では、レベル1以外で直接または間接的に観察できるインプットを使用します。
資産または負債について観察が難しいときには、関連性のある観察可能なインプットを活用します。
時価会計の算定の際には、レベル1を最優先し、時価がもっとも詳しく把握できる結果を選ぶことが大切です。

6. 専門家の手も借りて時価を算定しよう

青い背景と虫眼鏡

時価会計とは、自社が包有する金融商品などに市場価値を適宜反映させることをいいます。
従来の簿価会計の決算書では、自社の企業価値を正確に把握できないことがあります。特に、M&Aを視野に入れているときには、自社の資産を時価に評価替えするために時価評価を導入することになるので注意が必要です。
中には時価の算定に手間がかかる金融商品もあるので、専門家の手を借りるなど工夫してスマートに時価評価を進めましょう。

会計の基本は「勘定科目」と「仕訳」
86個の勘定科目と仕訳例をまとめて解説

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jinjer Blog 編集部

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