研究開発費とは?該当する経費や仕訳方法を詳しく紹介 - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

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研究開発費とは?該当する経費や仕訳方法を詳しく紹介

研究データそとる人たち

自社で新たなシステムを作るときや計画的な調査や研究をするとき、新製品の開発を行うときなどにはまとまった費用が必要となります。
こういった研究開発にかかる費用は、研究開発費として会計処理することができます。

本記事では、研究開発費の基本的な考え方について詳しくご紹介いたします。

会計の基本は「勘定科目」と「仕訳」
86個の勘定科目と仕訳例をまとめて解説

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「会計の基礎知識である勘定科目や仕訳がそもそもわからない
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1. 研究開発費とは?

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金融庁が発表している「研究開発費等に係る会計基準」では、研究開発について以下のように定義しています。[注1]

研究とは、新しい知識の発見を目的とした計画的な調査及び探究をいう。
開発とは、新しい製品・サービス・生産方法についての計画若しくは設計又は既存の製品等を著しく改良するための計画若しくは設計として、研究の成果その他の知識を具体化することをいう。

研究開発とは、企業が新たな技術やサービスを開発することです。
製品やサービスを1から開発するケースだけでなく、既存の製品やサービスのブラッシュアップを図ることや、より良くするための調査を行うことなども研究開発の範囲に含まれます。

企業の研究開発は必ずしも利益に結びつくとは限りません。
費用をかけて研究開発を行った結果、思ったような結果が出なかったというケースもあります。

この場合、研究開発にかかった費用は企業にとっての損失となってしまいます。
研究開発の内容によっては、企業が莫大な損失を被る可能性も考えられます。

こういった不利益を避けるため、研究開発の費用を計上できるルールが整備されました。

会社四季報に研究開発費ランキングのデータが掲載されるなど、各企業がどれだけの研究開発費を計上しているかには大きな注目が集まっています。
研究開発費は、その企業が将来のための研究や開発に関する活動にどれだけ熱心かを示す指標にほかなりません。

研究開発費の額が高い企業ほど、研究開発コストに大きな経営資源を割いているということになるのです。

各企業の研究開発の状況を正確に把握するという観点から、研究開発費の会計処理方法は細かく統一されています。
特に重要なのは、研究開発費の計上タイミングを発生時に統一するという点です。

これは、研究開発費を計上するタイミングが企業ごとに異なっていては、詳しい費用の動きを比較することができないためです。
研究開発費を計上する際には、ルールにのっとって適切に処理することが何より重要です。

[注1]研究開発費等に係る会計基準|金融庁

2. 研究開発費に該当するもの・しないもの

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日本公認会計士協会による「研究開発費及びソフトウェアの会計処理に関する実務指針」には、会計処理できる研究開発の範囲が明示されています。
文書において定義される研究開発の範囲は以下のとおりです。[注2]

・従来にはない製品、サービスに関する発想を導き出すための調査や探究
・新しい知識の調査や探究の結果を受け、製品化または業務化を行うための活動
・従来の製品と比べて顕著な相違を作り出す製造方法を具体化
・従来と異なる原材料の使用方法や部品の製造方法を具体化
・既存の製品、部品について、従来と異なる使用方法を具体化
・工具、治具、金型等について、従来と異なる使用方法を具体化
・新製品の試作品の設計や製作の実験
・商業を生産化するために行うパイロットプラントの設計、建設等の計画
・取得した特許をベースとして、販売可能な製品を製造する技術的活動

研究開発費とは新たに製品やサービスを作り出すことだけではありません。
既存の製品やサービスをもとに、これまでとは違う運用方法を発見することも研究開発に含まれます。

また同文書内では、研究・開発に含まれるか否かの判断及び含まれない典型例についてもまとめています。

研究・開発の範囲については、活動の内容が実質的に研究・開発活動であるか否かにより判断すべきと考えられる。その範囲は、従来製造又は提供していた業務にはない、全く新たなものを生み出すための調査・探究活動や現在製造している製品又は提供している業務についての著しい改良を含んでいる。したがって、現在製造している製品や業務を前提とした場合に、著しいと判断できない改良・改善などを行う活動は、ここでいう研究・開発には該当しない。
引用:研究開発費及びソフトウェアの会計処理に関する実務指針|日本公認会計士協会

同文書内では研究開発に含まれない項目の具体例を以下のように挙げています。

・製品を量産化するための試作
・品質管理活動や完成品の製品検査に関する活動
・仕損品の手直し、再加工など
・製品の品質改良、製造工程における改善活動
・既存製品の不具合などの修正に係る設計変更及び仕様変更
・客先の要望等による設計変更や仕様変更
・通常の製造工程の維持活動
・機械設備の移転や製造ラインの変更
・特許権や実用新案権の出願などの費用
・外国などからの技術導入により製品を製造することに関する活動

たとえ研究開発を目的としていても、試作品を作るときや一定の仕様変更を行うとき、特許権や実用新案を出願するときの費用などは研究開発費に計上することができないのです。
研究開発にかかった費用を会計処理する際には、研究開発費の勘定科目を使用できるか否かを確認しておきましょう。

[注2]研究開発費及びソフトウェアの会計処理に関する実務指針|日本公認会計士協会

3. 研究開発費を経費計上する方法・注意点

注意点

研究開発費の計上には細かいルールが設けられています。
基本的には発生した時点で計上しますが、委託を行った場合には計上方法が変わるので気をつけましょう。

ここからは、研究開発費を経費計上する具体的な方法と気をつけたいポイントについて説明します。

3-1. 研究開発費は発生した段階で計上する

研究開発費の経理処理は発生した時点で行うのが原則です。
それ以外のタイミングで研究開発費を会計処理することはできないので気をつけたいものです。

例えば、研究開発費を普通預金の振込で支払ったときには借方を研究開発費、貸方を普通預金として処理します。
製品やサービスの原価と関連性のない研究開発費は、一般管理費として処理することになります。

研究開発費を一般管理費として処理するときには、研究開発費等に係る会計基準にのっとって総額と注記を作成する必要があります。
研究開発費の総額を記載したあと、人件費や消耗品費、減価償却費などの詳しい内訳を記載しましょう。

3-2. 研究開発を外注したときには処理方法が異なる

製造業やソフトウェア開発業などでは、自社で着手するのが難しい研究や調査を外部委託することがあります。
このとき発生する委託開発研究費の処理は、研究開発費の処理方法とは異なります。

外部委託したケースでは、成果を受け取って自社で検収したタイミングで処理を行います。
委託先に前もって支払った費用は前渡金として資産計上し、進捗状況に合わせて処理していく必要があるのです。

関連記事:研究開発費を資産計上するときのポイントを徹底解説

4. 研究開発費に該当する範囲をきちんと押さえておこう

ポイントマーク積み木

研究開発費とは企業が新たな製品やサービスを開発するとき、製品やサービスを一定の条件で改良するときなどの支出を計上する勘定科目です。
研究開発費の計上方法には細かいルールが設けられているので、適切に処理したいものです。

正しく処理しなかった場合、本来受けられたはずの控除が受けられなくなってしまうおそれもあります。
研究開発費の処理にあたって不明な点があるときには、税理士に相談するなどの対処を行いましょう。

会計の基本は「勘定科目」と「仕訳」
86個の勘定科目と仕訳例をまとめて解説

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MEGURO

MEGURO

HR NOTEのライター、総合求人サイトとシニア向け情報メディアの立ち上げを経て、現在はjinjer blogの運営に携わっています。 事業視点から、バックオフィスの重要性を啓蒙するコンテンツを作っています。 保有資格:ファイナンシャル・プランニング技能士(3級)

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