諸口とは?正しい使い方や注意点を詳しく紹介 - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

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諸口とは?正しい使い方や注意点を詳しく紹介

勘定科目の計算

経理の仕事をおこなっていると、諸口という項目を目にする機会があります。

諸口は、業種によっては使わない項目ですが、どのような意味があるのか気になっている方もいるでしょう。基本的に、勘定科目の欄に記載されている諸口ですが、勘定科目ではありません。諸口は使い方によって意味が変わってくるので、使用する場合にはしっかりと意味を理解しておきましょう。

本記事では、諸口の正しい使い方や注意点について紹介しているので、経理担当者の方はぜひ参考にしてください。

会計の基本は「勘定科目」と「仕訳」
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1. 諸口とは?

使うお金を分ける

諸口とは、総勘定元帳に記載する場合がある表現の1つです。

科目の欄に諸口と記載することになるので、勘定科目の1つに思えるかもしれませんがそうではありません。諸口は勘定科目ではなく、仕訳の相手が複数あることを伝えるための簿記科目です。

例えば、借方の科目が現金の総勘定元帳を作成するとします。その場合は、貸方には現金をどのように使ったのかを記載しなくてはいけません。借方の現金が10万円だった場合は、一度に10万円を使うのではなく、数万円ずつ分けて使用することが考えられます。

「諸口」を使う場合は、現金の相手科目が複数存在することになります。複数の相手を全て一行で記載することはできないので、諸口と表現して相手科目が複数あることを示します。諸口と記載されていたら、複数の勘定科目がまとめられていると考えるようにしてください。

諸口は勘定科目がまとめられていることを示す表現であり、諸口という勘定科目は存在しません。間違いやすいポイントなので注意してください。

1-1. 特殊仕訳帳制における諸口欄

特殊仕訳帳制において特別欄を作った場合、特別欄以外の欄のことを諸口といいます。

特殊仕訳帳とは仕訳帳の役割を有している補助記入帳のことであり、複合仕訳調制においては特殊仕訳帳を仕訳帳として活用することになります。

ここでの諸口には「その他」という意味があり、特殊仕訳帳においては必要不可欠な欄です。諸口と記載されていると難しく感じるかもしれませんが、実際の意味としては「その他」となるのでそれほど複雑なことはありません。

ただし、使われ方によって意味が変わってくる点については注意してください。特殊仕訳帳制においては、仕訳の相手が複数あることを伝えているわけではないので、総勘定元帳の諸口と意味を混同しないように気をつけてください。

1-2. 複合仕訳における諸口

複合仕訳を仕訳帳に書く場合は、上の行に諸口と書くケースがあります。

これは、諸口と書くことで下の仕訳が複合仕訳であることを伝えるための表現なのですが、現在ではあまり使われていません。

使われなくなっている理由は、諸口を記載をしなかったとしてもよく確認をすれば複合仕訳であることは確認ができるからです。諸口と記載をしても問題はありませんが、現在では記載しないのが一般的だと理解しておいてください。

ただし、会社によっては諸口と記載をするように統一しているかもしれないので、会社のルールに合わせるようにしましょう。

2. 諸口の使い方

計算している様子

諸口はいろんな場面で使用されますが、場面ごとに使う意味が異なるため、正しい使い方を理解しておくことが大切です。

ここでは場面ごとの使い方について解説するので、ぜひ参考にしてください。

2-1. 仕訳帳

仕訳帳では、基本的に諸口が使われることはありません。しかし、帳簿の使用上、複合仕訳ができないケースが発生する場合があります。その際には勘定科目の空欄を埋める目的で諸口を使用する場合があります。

つまり、諸口自体が何か意味を持っているというわけではなく、複合仕訳として記載をするために使用している形です。

一般的な複合仕訳は以下のように記載されます。

日付 借方 貸方 摘要
2022年11月20日 普通預金194,000 売掛金200,000 10月分カード売上
支払手数料6,000 10月分カード手数料

このケースであれば、複合仕訳でも諸口を使用する必要はありません。しかし、複合仕訳ができない場合は、以下のように単一仕訳で帳簿づけをおこなう必要があります。

その際には一行ずつ借方、貸方の金額を対応させなくてはいけないので、諸口を使わなくてはいけません。

日付 借方 貸方 摘要
2022年11月20日 諸口200,000 売掛金200,000 10月分カード売上
普通預金194,000 諸口194,000 10月分カード振込
支払い手数料6,000 諸口6,000 10月分カード手数料

この表を見れば、借方と貸方の金額が対応していることがわかります。あくまでも、諸口は金額を対応させるために挿入しているだけであり、意味を持っているわけではありません。

ちなみに諸口を使わずに複合仕訳をおこなう場合は、1つの取引でも複数の行を使って記載する必要があります。このように記載をすれば、勘定科目に空欄が生まれることもないので、諸口を使う必要はありません。

ただし、会社によってどのように諸口を取り扱うかは異なるため、会社ごとのルールを確認をしておきましょう。

2-2. 総勘定元帳

仕訳帳に複合仕訳で取引を記入した後に、総勘定元帳へ転記をする際に諸口が使われます。諸口を使用する以上、相手科目が不明になってしまうのですが、取引自体を一行でまとめることが可能です。

クラウド会計ソフトなどを利用すると、複合仕訳の取引は自動的に諸口と記載されるので、意識して諸口を使用する必要はありません。諸口を使うのが面倒と感じている方は、クラウド会計ソフトなどを利用することをおすすめします。

総勘定元帳における諸口は、複数の取引をまとめているという意味です。

取引ごとに記載をしていると総勘定元帳が膨大になってしまい、後から見づらくなってしまいます。総勘定元帳は個別の取引について確認できることも大切ですが、お金の流れがわかることも大切なので、それをわかりやすくするために諸口と記載をします。

3. 諸口を使うときの注意点

注意

総勘定元帳における諸口とは、複数の取引をまとめているという表現です。本来ならば複数の取引をそれぞれ記載する必要があるところを諸口として記載していることになるので、個別の取引については確認できなくてはいけません。

しかし、諸口を多用していると、具体的にどういった取引が行われているのか追うのが難しくなってしまうことがあります。これは会社の管理方法などに問題があるケースも多いので、諸口を使っていることが直接的な原因とは限りません。

とはいえ、諸口を使った帳簿を作成していることで、取引の詳細についてわからなくなってしまい、税務調査で指摘されるといったケースもあります。

そうならないように、諸口を使う際には、まとめた取引内容について確認できるようになっているかをチェックしてください。また、担当者だけではなく、従業員の誰が見ても把握できるようにしておきましょう。

4. 諸口は意味を正しく理解したうえで使用しよう

請求書計算をする女性

諸口は、仕訳帳と総勘定元帳で意味が変わってくるため、意味を正しく理解して使うようにしてください。また、諸口には他にも異なる意味の使い方があります。そのため、諸口を使う場合には、意味を理解して正しく使えているかを必ず確認しましょう。

諸口を使えるようになると、より見やすい帳簿が作成できます。経理業務をスムーズに進めるためにも、諸口は適切に取り扱いましょう。

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jinjer Blog 編集部

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