基本給とは?基本給の平均や決め方、決める際の注意点を解説
更新日: 2025.3.11
公開日: 2024.7.28
OHSUGI
「基本給の意味は範囲とは?」
「基本給と給与・月給・手取り・固定給の違いは?」
「基本給の決める際の注意点を知りたい!」
上記のように、基本給にはどのような意味があるのかご存知ない方は多いのではないでしょうか。
基本給とは、賞与や各種手当とは別に、企業(雇用主)から従業員に支払う給与の基本となる金額です。実際に支払われる給与には通勤手当や残業手当などが含まれるため、基本給とは金額がことなります。
そのため、基本給を気にしない従業員もいますが、給与のベースとなるものなので、給与規定に則り正しく決定しなければなりません。
本記事では、基本給の意味や給与・月給・固定給・手取りとの違い、基本給の決め方や注意点などを解説していきます。
目次 [非表示]
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1. 基本給とは|従業員に支払う給与の基本となる金額
基本給とは、従業員に支払う給与の基本となる金額のことです。企業は従業員と雇用契約を交わす際に、労働条件として基本給を提示します。これには、通勤手当や時間外労働手当などの各種手当は含まれません。
基本的に、基本給は業務内容や役職などで変わるため、従業員ごとに異なります。また、同じ業界でも企業によって基本給の決め方が異なるので、企業の給与規定に則り基本給を定めなければなりません。一般的な基本給の決め方については、のちほど詳しくご紹介します。
1-1. 基本給と給与・月給・固定給・手取りの違い
基本給と給与・月給・固定給・手取りの違いは、支給項目や控除項目の内容です。
それぞれの違いは、以下のようになります。
用語 | 支給項目や控除項目の内容 |
基本給 | 基本給のみ
各種手当などは一切含まない |
給与 | 基本給・各種手当・賞与・インセンティブなどを含んだ金額 |
月給 | 基本給と固定手当(役職手当・住宅手当など)を含んだ金額
1ヵ月単位で支払われる |
固定給 | 基本給と固定手当(役職手当・住宅手当など)を含んだ金額
時給制・日給制・月給制・年俸制など企業によって給与体系が異なる |
手取り | 給与から健康保険・厚生年金・雇用保険・所得税・住民税などを控除した金額 |
上表のとおり、基本給は各種手当などを一切含まない純粋な賃金のみです。一方、給与・月給・固定給は各種手当などが含まれます。
手取りは給与から保険料・税金を控除した金額であり、実際に従業員の口座に振り込まれる金額です。
1-2. 基本給を含む給与の内訳
基本給を含む給与の内訳は、支給(雇用主から支払われる金額)と控除(支給額から差し引かれる金額)の2つに分けられます。
一般的な給与の内訳は、以下のようになります。
給与 | 内訳 |
支給 | 基本給
各種手当(残業手当、役職手当、通勤手当など) 賞与 インセンティブ |
控除 | 社会保険料(健康保険、介護保険、厚生年金など)
所得税 住民税 各種積立金 |
上表はあくまでも一般的な給与の内訳であり、企業によって支給・控除される内訳は異なります。
なお、給与は金銭だけでなく、現物支給も可能です。以下の記事に現物給与に関する具体例などについてまとめているので、ぜひ参考にしてください。
内部リンク:現物給与とは?具体例や非課税対象をわかりやすく解説
2. 基本給の平均は?
厚生労働省が令和5年6月に実施した調査結果によると、男女合わせた平均賃金は約31万8千円でした。男女別の平均賃金で確認すると、男性の場合は約35万円、女性の場合は約26万2千円であると公表されています。
なお、令和4年と比べると、男女合わせた平均賃金は2.1%増加している結果です。このことから、賃金は少しずつ増加していることがわかります。
ただし、これはあくまでも平均であり、業界や業種、業務内容などによって賃金が異なるのは当たり前のことです。あまりにも平均とかけ離れた賃金では人材確保が難しいかもしれませんが、基本給を無理に高くしてしまうと人件費の割合が多くなり経営に影響することもあるので、基本給を決める際は平均賃金だけでなく自社の利益率もしっかり考慮しましょう。
3. 基本給の決め方
一般的な基本給の決め方は以下3つの方法です。
- 成果給方式|従業員の能力や目標達成率などによって定める方法
- 属人給方式|従業員の勤続年数や学歴などによって定める方法
- 総合給方式|成果給と属人給の両方を取り入れて定める方法
ここでは、これらの決め方について解説していきます。
3-1. 成果給方式|従業員の能力や目標達成率などによって定める方法
成果給方式とは、従業員の能力・スキル・目標達成率などに基づいて基本給を定める方法です。
つまり、業務の経験が浅くても、従業員の成果次第で基本給をアップできるので、保険業界や不動産業界で採用されやすい方式です。
ただし、企業が望む能力やスキルがない場合や、目標を達成しなければ基本給は上げられないので、従業員によっては不満を持つこともあります。給与の不満による従業員の離職を防ぐためには、業務や従業員に適した目標設定が大切です。
3-2. 属人給方式|従業員の勤続年数や学歴などによって定める方法
属人給方式とは、従業員の勤続年数や学歴・年齢などに応じて基本給を定める方法です。企業の業績や業務の成果によって基本給が変わるということはなく、年齢が上がるにつれて基本給がアップします。
ただし、業績や成果が関係ないことから、勤続年数が短い新入社員や中途採用などは基本給が低いので、従業員の業務意欲が上がりにくいという課題があります。
また、属人給方式だと高齢の従業員が多くなる傾向があり、業務に支障が出る可能性も考えられることから、属人給方式の見直しも増えています。
3-3. 総合給方式|成果給と属人給の両方を取り入れて定める方法
総合給方式とは、成果給と属人給の両方を取り入れて基本給を定める方法です。従業員の能力・スキル・成果・勤続年数・学歴・年齢などの要件を踏まえて、基本給のアップを検討できます。
なお現在の日本では、総合給方式を用いて基本給を定めるのが一般的です。
4. 基本給を決める際の注意点
基本給を決める際の注意点は以下の3つです。
- 最低賃金を下回らないようにする
- 業界や業種の賃金水準をチェックする
- 各種手当や福利厚生を考慮する
ここでは、これらの注意点について解説します。
4-1. 最低賃金を下回らないようにする
最低賃金とは、最低賃金法により定められている労働者の賃金を保証する制度のことです。基本給は最低賃金の対象となる賃金であるため、各種手当を含めて最低賃金以下にならないように基本給を設定しましょう。
なお最低賃金は、地域によって金額が異なります。地域別の最低賃金は、以下の厚生労働省ホームページよりご確認ください。
4-2. 業界や業種の賃金水準をチェックする
基本給を決める際は、業界や業種の賃金水準をチェックしましょう。業界や業種の賃金水準を満たしていなければ、人材が流出したり、新たな人材の獲得が困難になったりする可能性があります。
人材の流出を防ぎ、優秀な人材を確保するためにも、業界や業種の水準を満たした賃金となるように基本給を定めましょう。もし業界や業種の賃金水準が不明な場合は、厚生労働省が毎年実施している賃金構造基本統計調査を参考にしてみてください。
4-3. 各種手当や福利厚生を考慮する
各種手当や福利厚生を考慮することも、基本給を決めるポイントです。各種手当や福利厚生を充実させることは従業員にとってメリットとなりますが、企業の負担額が大きくなります。
とくに各種手当は基本給と同じように毎月給与に含まれるため、手取り額のバランスを見ながら調整しましょう。また福利厚生には法律で定められたものと、企業が独自に設定できるもので分かれています。
以下の記事に福利厚生費に関する内容についてまとめているため、ぜひ参考にしてください。
関連記事:福利厚生費とは?福利厚生の種類や計上する際の要件も解説
5. 基本給が低い場合の影響
基本給を低く設定することにより、従業員に対し以下のような影響が懸念されます。
- 賞与への影響
- 残業代など各種手当への影響
- 退職金への影響
- 社会保険料への影響
影響の中には、従業員に不利益になってしまうこともあるので、基本給を設定する際にはこれらの影響をしっかり検討する必要があります。
ここでは、基本給が低い場合の影響について解説します。
5-1. 賞与への影響
賞与に関しては、法的な支給義務はありません。そのため、計算方法は企業によって異なりますが、「基本給×○ヵ月分」というのが一般的です。
つまり、月収がいくら高くても、賞与が低いということが起こるのです。
例えば、月収が30万円でも基本給が18万円であれば、賞与が2ヵ月分の場合は36万円となります。基本給が25万円であれば、50万円となるので月収との大きな違いが出ることから従業員のモチベーションもアップするでしょう。
このように、基本給が低いと賞与も低くなってしまうので、従業員のモチベーションへの影響はもちろん、求人を募集しても人が集まらない可能性もあります。
5-2. 残業代など各種手当への影響
残業代は、基本給と比例します。残業代を算出するには、所定の割増率で計算しますが、計算基礎となるのが基本給と固定給を含めた外給になります。
つまり、基本給が高いと残業代も高くなり、低いと残業代も低くなる可能性があるのです。
業務内容にもよりますが、体力的な負担が大きい場合、残業代が低いというのは従業員の不満を招く要因になります。
また、手当というのは基本的に基本給の影響は受けませんが、企業が独自に設定する法定外手当の場合は基本給が関係してくることもあるで、基本給を決める際には考慮する必要があります。
5-3. 退職金への影響
退職金の計算方法は、基本給から積み立てたり、基本給に支給率をかけたりするなど企業によって異なります。しかし、現在の主流となっているのは、基本給をもとにした算出方法です。
そのため、基本給が低いと退職金も低くなる可能性があります。
退職する理由は人それぞれですが、病気や怪我などで退職する場合は、次の仕事が決まっていなかったり決まりづらかったりするので、退職金が従業員の命綱となることもあるでしょう。
退職金が少ないと、退職後の生活に支障がでることもあるため、基本給を考慮するか社会準備制度を利用するなど、従業員が困らないように検討することが求められます。
5-4. 社会保険料への影響
社会保険料は、「標準報酬月額」を基準に算出します。
標準報酬月額は、4月から6月の平均月収を「標準報酬月額等級区分」に当てはめて決めます。標準報酬月額には基本給も含まれるので、基本給が高ければ社会保険料も高くなりますし、低ければ社会保険料も下がります。
社会保険料は、従業員と企業で折半して支払うため、保険料が高いとその分企業の負担も大きくなるという影響が考えられるのです。
だからといって、安易に基本給を低くしてしまうと、賞与や残業代、退職金が低くなり従業員のモチベーションやエンゲージが下がる可能性もあるので注意しましょう。
6. 基本給について理解し適切な賃金を設定しよう
基本給とは、企業(雇用主)が従業員に対して支払う給与の基本となる金額のことです。
基本給の決め方は、「成果給方式」「属人給方式」「総合給方式」の3つに分けられますが、現在は「総合給方式」を採用するのが一般的で、従業員の年齢や経歴などを考慮して基本給を定めています。
しかし、基本給の決め方は企業によって異なるため、就業規則で定めている給与規定に則って決めなければなりません。また、基本給を決める際は最低賃金以上に設定し、業界や業種の賃金水準を考慮することも大切です。
賃金を低く設定してしまうと、従業員に対する不利益が発生し、離職やトラブルのリスクが高くなります。従業員のエンゲージメントが低いと業績の悪化にもつながるので、国内の平均賃金なども考慮したうえで、適切な基本給・賃金を定めましょう。
給与計算を手計算しているとミスが発生しやすいほか、従業員の人数が増えてくると対応しきれないという課題が発生します。 システムによって給与計算の内製化には、以下のメリットがあります。
・勤怠情報から給与を自動計算
・標準報酬月額の算定や月変にも対応しており、計算ミスを減らせる
・Web給与明細の発行で封入や郵送の工数を削減し、確実に明細を従業員へ渡せる
システムを利用した給与計算についてさらに詳しく知りたい方は、こちらからクラウド型給与計算システム「ジンジャー給与」の紹介ページをご覧ください。



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