MBB(思いのマネジメント)とは?注目の理由や成功のポイントを解説 - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

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MBB(思いのマネジメント)とは?注目の理由や成功のポイントを解説

同僚と話す

「MBBとは?」

「MBBを導入することでどのような影響が出る?」

「MBBの導入を成功させるには何が必要?」

本記事では、以上のような悩みを抱えている人に、MBBの特徴や導入のメリット・デメリット、成功のポイントを解説します。

MBBは、個人の意見や価値観を尊重する目標管理手法のことです。人材のグローバル化など従業員の多様性が求められる現代において、企業全体の成長を促進するためには欠かせません。

ただし、MBBの特徴を理解していなければ、形骸的になる可能性があります。これから自社にMBBを導入しようと考えている人は、ぜひ本記事を参考にしてください。

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1. MBB(思いのマネジメント)とは

3つのはてなマーク

MBO(思いのマネジメント)とは、設定した目標に対する達成度合いで、従業員の人事評価や報酬を決定する目標管理手法のことです

1990年代に提唱された従来の目標管理制度「MBO」への反省から生まれています。当時は業務プロセスの改善が主な目的だったため、従業員の価値観や思いが反映されない傾向がありました。

MBBは、従業員の価値観や意思を取り入れて目標設定を実施するのが特徴です。上司と部下の双方が納得して目標達成に向かって取り組めるようになるため、よりパフォーマンスの向上が期待されています。

2. MBBの主な特徴

虫眼鏡で違いを探す

MBBには、主に以下の2つの特徴があります。

  • 一人ひとりの思いや価値観を尊重する
  • 企業と従業員の価値観を共有できる

以下、それぞれ具体的に解説します。

2-1. 一人ひとりの思いや価値観を尊重する

MBBでは、従業員一人ひとりが持つ価値観や思いを組織全体で共有することが重要視されます。

結果、規則や数値目標にとらわれず、従業員一人ひとりの価値観に基づいて行動できるのが利点です。

従業員は自分の仕事や目標に納得できるため、より主体的かつ柔軟に業務に取り組めます。モチベーションの向上やパフォーマンスの最大化も期待できるでしょう。

2-2. 企業と従業員の価値観を共有できる

MBBは、上司と部下が創造的対話を通じてお互いの価値観や思いを共有し、それを基に目標を設定します。

経営者も含めた全ての従業員の価値観や考え方を理解し合えるため、個々の能力や特性を最大限に発揮できる目標設定が可能です。

結果的に、従業員の自主性が高まり、組織全体の成長促進につながるでしょう。

3. MBBが注目されている理由

個々の属性を分類分けして分析する

MBBが注目されている理由には、以下の3つが挙げられます。

  • 終身雇用制度・年功序列制度が崩壊している
  • 成果主義が浸透しつつある
  • 人材のグローバル化が求められている

以下、それぞれ詳しく説明します。

3-1. 終身雇用制度・年功序列制度が崩壊している

MBBが注目されている理由の一つとして、終身雇用制度・年功序列制度の崩壊が挙げられるでしょう。

近年、若年層を中心に転職をすることが一般的な考えになっており、生涯をとおして同一企業で働くケースは減少傾向にあります。

転職動向調査では、2023年の転職率は7.5%と高く、2016年と比較すると倍以上もの数に増加していることがわかりました。

引用:転職動向調査2024年版(2023年実績)|株式会社マイナビ

個々の従業員の価値観や目標をもとにマネジメントするMBBは、新しい時代に対応できる目的管理手法として注目を集めています。

3-2. 成果主義が浸透しつつある

MBBが注目されている理由には、成果主義が浸透していることも考えられます。成果主義とは、従業員の業績や成果に基づいて個別に評価や報酬を決定する制度のことです。

バブル崩壊後の1990年代から注目され、新型コロナウイルスの影響を受けた2020年以降、本格的に導入され始めています。

実際、Job総研が2023年に実施した調査では、80%以上の人が「会社に人事評価制度がある」と回答しました。

引用:2023年人事評価の実態調査|Job総研

人事評価制度とは、社員のスキル・能力や会社への貢献度などを評価し、等級や報酬などの待遇に反映させる仕組みを指します。

MBBは、個々の思いや価値観を尊重してマネジメントするため、成果主義に対応しやすい手法として注目されているのが現状です。

3-3. 人材のグローバル化が求められている

MBBは、人材のグローバル化が進んでいることからも注目を集めています。グローバルな人材を活用するためには、価値観の多様性を尊重するマネジメントが求められるためです。

例えば外国人労働者を活用する場合、従来の一律的なマネジメント手法では対応しきれません。それぞれの文化や価値観を尊重しなければ、従業員の仕事への意欲も削がれるでしょう。

MBBなら、個々の従業員の思いや価値観から目標設定をするため、従業員の多様性を尊重しながら統合できます。人材のグローバル化を進める企業にとって、効果的なマネジメント方法といえるでしょう。

4. MBBの導入によって得られる3つのメリット

メリットのブロック

MBBの導入によって得られるメリットは、以下の3つです。

  1. 従業員のモチベーション向上につながる
  2. 組織の改革や変革を促進できる
  3. MBOと併用することで相乗効果が狙える

以下、それぞれ具体的に解説します。

4-1. 従業員のモチベーション向上につながる

MBBの導入によって期待できる最も大きなメリットは、従業員のモチベーション向上です。

MBBは、従業員一人ひとりの思いや価値観を尊重し、業務目標に反映させることを重視します。自らの意思で目標を設定するため、全員が納得感をもって仕事に取り組めるでしょう。

また、MBBを実施することで従業員一人ひとりが自主的に行動できるようになります。自己成長を実感しやすくなり、仕事に対する意欲向上が期待できるでしょう。

4-2. 組織の改革や変革を促進できる

MBBを実施する過程で、組織と従業員は互いの想いを共有します。定期的なフィードバックや対話がおこなわれることで組織の風通しがよくなり、新しいアイデアが生まれる可能性が高まるでしょう。

また、MBBを活用することでグローバル人材の受け入れも可能になります。企業に新しい価値観を取り入れることも、改革や変革につながるきっかけになるでしょう。

4-3. MBO(目標管理制度)と併用することで相乗効果が狙える

MBBとMBOはお互いの長所を補完し合う関係にあります。MBBとMBOを合わせて実施することで、相乗効果が可能です。

MBOは組織の目標達成を重視することが前提であるため、部下が目標を押し付けられていると感じるデメリットがあります。

MBBを併用すれば、MBO的な視点に従業員の個人的な価値観や考え方を加えられます。従業員の目標達成に対するモチベーションを高められ、より目標達成率の向上が期待できるでしょう。

5. MBBの導入による2つのデメリット

メリットとデメリット

MBBを導入するデメリットは、以下の2つです。

  1. ビジョンが明確でないと方向性を見失いやすい
  2. 従業員の意見に統一性がないと機能しない

以下、それぞれ具体的に解説します。

5-1. ビジョンが明確でないと方向性を見失いやすい

MBBは、ビジョンが明確でない場合や、チームメンバーの意見が統一されない場合に効果が発揮されにくい課題があります。

ビジョンが明確でないと、組織全体の方向性が不明瞭になり、従業員がどのように行動すべきか迷うためです。組織の一体感が損なわれ、目標達成が困難になるでしょう。

5-2. 従業員の意見に統一性がないと機能しない

従業員の意見や価値観に統一性がない場合、組織全体の方向性が定まりません。組織としての足並みが揃わなくなり、MBBの導入による目標達成が困難になるでしょう。

また、後から統一しようとすると莫大な時間と労力が必要になり、組織全体のパフォーマンスが低下するリスクもあります。

目標設定や行動計画の一貫性を保つためにも、事前に企業のビジョンを明確にして組織全体で共有することが重要です。

6. MBB導入を成功させる4つのポイント

チェックしている人

MBBの導入を成功させたいなら、以下の4点が大切です。

  • 明確な目的意識をもつ
  • 「シャドウ・ワーク」を認める
  • ワークライフインテグレーションを意識する
  • PDCAサイクルを効果的に活用する

以下、それぞれ詳細に解説します。

6-1. 明確な目的意識をもつ

MBBを導入するなら、企業と従業員の双方で目的意識を明確にもつようにしましょう。

企業と従業員のそれぞれが何を実現したいのかを明確にすることで、主体的に目標を設定できるためです。MBBの形骸化を防ぎ、効果的にモチベーション向上に寄与できるでしょう。

ただ、ある程度柔軟性を確保しておくことも大切です。行動計画で縛りつけるのではなく、従業員が自主的に行動できるようにしておきましょう。

6-2. 「シャドウ・ワーク」を認める

MBBの導入を成功させたいなら、報酬を受けずにおこなわれる仕事「シャドウ・ワーク」を認めることも大切です。

従業員に自主的な活動を認めることで内発的な動機づけが高まり、MBBの目的である「思い」を引き出すことにつながります

やりがいや働きがいにつながることはもちろん、新しいアイデアが生まれるきっかけにもなるでしょう。

6-3. ワークライフインテグレーションを意識する

MBBで従業員が自分の価値観や目標を仕事に反映させるためには、ワークライフインテグレーションの考え方が重要です。

ワークライフインテグレーションとは、仕事とプライベートの両方を統合して充実させる考え方のことをいいます。

プライベートでの経験や学びを仕事に活かせるため、新たなアイデアや解決策を生み出す可能性が高まるでしょう。

また、仕事とプライベートの両方で充実感を感じられるため、従業員のモチベーションも高まって組織の生産性向上も期待できます。

6-4. PDCAサイクルを効果的に活用する

MBBの導入を成功させるためには、PDCAサイクルを効果的に活用しましょう。PDCAサイクルとは、Plan(計画)・Do(実行)・Check(検証)・Action(改善)の4ステップのことです。

具体的な目標設定をおこなってから実行に移すことで、従業員の自主性を効果的に促進します。また、定期的に進捗状況を検証して必要な改善策を講じることで、目標達成までの精度の向上が可能です。

さらに、PDCAサイクルによって定期的に進捗状況を共有することで、企業内のコミュニケーションも活性化します。問題点の早期発見・解決ができるうえ、新しいアイデアが生まれるきっかけにもなるでしょう。

7. MBBの理解を深めて従業員の目標管理をしよう

握手をするビズネスマン

今回は、MBBの特徴や導入によって発生するメリット・デメリット、導入の成功に必要なポイントを解説しました。

MBBを効果的に活用することで、従業員のモチベーション向上や企業の改革・変革が期待できます。

ただ、企業と従業員のビジョンが明確でなければ、主体的に目標を設定できません。明確な目的意識をもって実施しましょう。

MBBへの理解を深めて従業員の目標管理を効果的におこない、企業の成長につなげてみてください。

【従業員の評価、適切におこなえていますか?】

人事評価制度は、健全な組織体制を作り上げるうえで必要不可欠なものです。
制度を適切に運用することで、従業員のモチベーションや生産性が向上するため、最終的には企業全体の成長にもつながります。

しかし、「しっかりとした人事評価制度を作りたいが、やり方が分からない…」という方もいらっしゃるでしょう。そのような企業のご担当者にご覧いただきたいのが、「人事評価の手引き」です。

本資料では、制度の種類や導入手順、注意点まで詳しくご紹介しています。
組織マネジメントに課題感をお持ちの方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご確認ください。

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OHSUGI

OHSUGI

クラウド型勤怠管理システムジンジャーの営業、人事向けに採用ノウハウを発信するWebメディアの運営を経て、jinjerBlog編集部に参加。営業時代にお客様から伺った勤怠管理のお悩みや身につけた労務知識をもとに、勤怠・人事管理や給与計算業務に役立つ情報を発信しています。

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