ボランティア休暇とは?給料の有無や事例・デメリットを解説
更新日: 2026.1.30 公開日: 2024.12.4 jinjer Blog 編集部

ボランティア休暇とは、ボランティア活動に従業員が参加する際に利用できる休暇です。
本記事では、ボランティア休暇の概要や休暇中の給料の有無、導入のメリットやデメリットについて紹介しています。
導入の成功ポイントも解説しているため、ボランティア休暇の導入を予定・検討している担当者様はぜひご覧ください。
従業員からの「これって有給?欠勤扱い?」といった質問に、自信を持って回答できていますか。
無給休暇と欠勤の違いや特別休暇との関係など、曖昧になりがちな休暇のルールは、思わぬ労務トラブルの原因にもなりかねないため、正しく理解しておく必要があります。
◆この資料でわかること
- 無給休暇・有給休暇・欠勤の明確な違い
- 間違いやすい、無給休暇取得時の給与計算方法
- 慶弔休暇など、会社独自の「特別休暇」の適切な設定方法
- 会社都合で休業させる場合の休業手当に関する注意点
多様化する働き方に伴い、休暇制度の管理はますます複雑になっていますので、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご活用ください。
1. ボランティア休暇とは


まずはボランティア休暇の制度内容や給与の取り扱いなどを知っておきましょう。厚生労働省が実施している支援策もあるため、導入する際は活用することもできます。
1-1. ボランティア活動に利用できる休暇
ボランティア休暇とは、ボランティア活動に従業員が参加する際に利用できる特別休暇で、会社が提供する法定外福利厚生の一つです。
法による導入義務はないため、各会社の裁量により導入を決定します。
一般的に以下のようなボランティア活動が対象となりますが、企業ごとに異なるため注意が必要です。
- 社会貢献活動
- 自然・環境保護活動
- 災害復興支援活動
またボランティア休暇の期間や日数も以下のようにさまざまで、各企業が自由に設定します。
| 期間 | ・1回あたり1日~5日まで(短期)
・1回あたり1年~2年まで(長期) |
| 付与日数 | ・年間10日~50日まで
・最長1年~2年まで |
ボランティア休暇の期間設定では短期設定の会社が多く見受けられ、長期設定は企業規模の大きな会社に多い傾向です。なかには、短期と長期を組み合わせた期間設定を採用する企業もあります。
多くの場合、長期のボランティア休暇は休職した従業員が海外でボランティア活動をおこなう場合などに利用可能です。
ボランティア休暇の付与日数は、企業規模が大きくなるにつれ増加する傾向が見受けられます。
1-2. ボランティア休暇の給与の有無
ボランティア休暇中の給与の有無は、企業が自由に決めることができます。
無給でも問題ありませんが、その場合はボランティア休暇を取得すると給与が下がってしまうことになります。ボランティアへの積極的な参加を促したい場合は、有給にした方が効果的です。
また、短期のボランティア休暇と長期のボランティア休暇をそれぞれ導入する場合は、給与の有無も期間によって変えることも可能です。長期のボランティア休暇は有給とし、短期の場合は無給にするなど、企業の方向性や理念にあわせて検討しましょう。
1-3. ボランティア休暇に関する支援策
厚生労働省は、ボランティア休暇の導入を推進しており、支援策も用意されています。
| 働き方改革推進支援助成金 | ボランティア休暇を導入した中小企業が、外部専門家によるコンサルティングや労務管理用機器の導入などを実施し、成果を上げた場合は経費の一部を助成する制度 |
| 働き方・休み方改善コンサルト | 都道府県労働局に配置された働き方・休み方改善コンサルトがボランティア休暇導入に関する相談やアドバイスを無料でおこなう |
| 働き方改革推進支援センター | 47都道府県に設置された働き方改革推進支援センターが、労務管理の専門家による休暇制度の導入について相談やアドバイスを無料でおこなう |
働き方や労務管理の専門家によるアドバイスを無料で受けられるため、休暇制度の見直しや新規導入を検討している場合は、ぜひ利用を検討してみましょう。
参考:ボランティア休暇制度 導入事例集 2017|厚生労働省
2. ボランティア活動を証明する方法は?


https://www.shutterstock.com/ja/image-photo/sustain-earth-concept-hands-holding-global-2407544145
ボランティア休暇を有給にする場合や、成果に応じた報酬や評価を発生させる場合は「本当にボランティア活動をしたのか」という部分が重要になります。
ボランティア活動の成果を証明するには、ボランティア活動証明書の提出が有効です。
ボランティア活動証明書は、ボランティア活動の主催団体が発行しているもので、以下の内容が記載されます。
- 証明書発行番号
- 提出先
- 発行年月日
- 発行者情報及び法人印
- 参加事業・活動内容
- 参加者の情報
- 従事した期間・参加回数・実質時間
ボランティア活動の主催団体の法人印や日付、活動内容が記されているため、どのような活動をいつおこなったか証明することができます。従業員のボランティア活動の実態や成果を確認したい場合は、提出をルールとしておくとよいでしょう。
3. ボランティア休暇の一例


3-1. 有給休暇制度として導入
一つめは、ボランティア休暇を有給休暇制度として取得する形態です。会社からではなく、従業員が自らの意思でボランティア活動に参加することを促します。
この場合は有給の特別休暇として取り扱われるため、社内で定めている給与計算方法に則った給与が発生します。ボランティア活動で休んでも収入があるため、取得しやすいでしょう。
3-2. 特別休暇制度として導入
特別休暇とは、企業が独自に定める法定外休暇です。慶弔休暇やリフレッシュ休暇などがあり、ボランティア休暇もこれに含めることができます。
有給か無給かも自由に定めることができますが、原則として任意取得・任意参加です。ボランティア活動を推奨していても、特別休暇としてのボランティア休暇を強制的に取得させたり、企業で実施するボランティア活動に強制参加させたりすることはできません。
3-3. 勤務時間を短縮する形で導入
ボランティア活動に参加するために、早退や遅刻を認める制度として導入することも可能です。早朝のボランティア活動に参加してから出社する、夜のボランティア活動に参加するために早退するなど、仕事をしながらボランティアへの参加が可能になります。
この場合も、給与をどのように取り扱うかは企業が自由に設定できます。
4. ボランティア休暇導入企業の割合・状況


厚生労働省の2022年度の調査による、ボランティア休暇導入企業の割合・状況は以下のとおりです。
| ボランティア休暇を導入している企業の割合 | 6.5% |
| ボランティア休暇の導入を検討・予定している企業の割合 | 16.6% |
ボランティア休暇を導入している企業はまだまだ少なく、導入予定がある企業と併せても2割ほどです。なお、ボランティア休暇を導入している企業の約85%が、休暇中の給料を有給としています。
ボランティア休暇を導入していない理由は「ボランティア活動への参加希望者がいない」というものが60.9%で半数以上です。次いで「既存の休暇制度で対応できる」という回答も目立ちました。
ボランティア休暇の認知度も41%と半数以下であるため、制度そのものが知られていないケースも少なくありません。
こうした状況のなかで、ボランティア休暇を導入することは企業のアピールにつながります。企業の方針として社会貢献に力を入れている場合は、ぜひ導入して自社の特徴にしましょう。
5. ボランティア休暇の3つのメリット


ボランティア休暇導入のメリットは、以下の3つです。
- 企業イメージの向上が期待できる
- 企業の社会貢献度が向上する
- 従業員の人材育成に役立つ
各メリットの詳細について見ていきましょう。
5-1. 企業イメージの向上が期待できる
ボランティア休暇導入のメリットの一つは、企業イメージの向上が期待できることです。
自然保護や社会貢献をはじめとするボランティア活動をおこなう従業員の支援により、社会的責任を果たす企業として認知されます。
また社外からだけでなく、従業員からの企業イメージの向上も期待できるでしょう。
結果、採用活動で有利になることや、従業員の愛社精神を育む結果につながる可能性が高いです。
5-2. 企業の社会貢献度が向上する
企業の社会貢献度が向上することも、ボランティア休暇導入のメリットとして挙げられます。
企業の支援により従業員がボランティア活動することが、企業としての社会貢献につながるためです。
またボランティア休暇の導入企業は、従業員からだけでなく顧客・消費者・応募者からも社会貢献活動に力を入れる企業として認識されやすいでしょう。結果として、応募者数増加や売上アップにつながることが期待できます。
5-3. 従業員の人材育成に役立つ
従業員の人材育成に役立つ点も、ボランティア休暇導入のメリットです。ボランティア活動を通じてさまざまな経験をすることが、従業員の人的成長につながります。
具体的には、ボランティア活動への参加により、従業員の以下のようなスキルが向上する可能性が高いです。
- コミュニケーション能力
- 実務能力
- リーダーシップ
従業員が海外のボランティア活動に参加した場合は、語学力アップも期待できるでしょう。
6. ボランティア休暇の4つのデメリット


ボランティア休暇導入の主なデメリットは、以下の4つです。
- コストがかかる
- 運用や管理の手間がかかる
- 生産性が低下する可能性がある
- 従業員へ周知しなければならない
ボランティア休暇中の給料を有給とする場合は、無給の場合よりもコストの負担や手間が多くなるでしょう。
実際にボランティア休暇を従業員に利用してもらうためには、導入前後において従業員への周知活動が必要です。
導入後も定期的に社内報や社内メールを利用した取得促進活動を実施し、利用者数の増加を目指しましょう。
ただしボランティア休暇を利用する従業員が増え過ぎると、生産性が低下するおそれがあります。
生産性を低下させないためには、事業規模に合わせた期間・付与日数の設定が重要です。
7. ボランティア休暇導入の成功ポイント


ボランティア休暇制度を導入する場合は、制度の目的やルールを明確に決めることが重要です。形骸化しないように、従業員にしっかりと周知して活用してもらうようにしましょう。
7-1. 制度の内容や目的を十分に周知する
ボランティア休暇に関連する規定は十分に検討し、内容を周知しましょう。給与の有無や対象になる活動、取得方法などがわかっていないと、取得に踏み切れない従業員が増えてしまいます。
また、制度の目的を明確にすることで、ボランティア休暇を取得しやすくなります。有給休暇との混同や面倒な制度だと勘違いされないように、導入する目的と内容を明示しましょう。
7-2. 取得ルールを明確に定める
ボランティア休暇を取得し、有効活用してもらうためにはルールを設定することが大切です。
- 申請方法
- 取得可能日数
- 参加目的
- 結果・成果の報告方法
これらの内容を決めて、取得に迷ったり適切な活動ができなかったりすることがないように、環境を整えましょう。
特に有給にする場合は、ボランティア活動の結果や成果を証明する方法を決めて、適切でない利用を予防することが大切です。
7-3. 従業員側にも目的意識を持たせる
ボランティアへの参加は、社会貢献だけでなく従業員の成長にもつながります。目的意識をもって参加すると、より成長を促進できるでしょう。
- 仕事に関連する活動に参加してスキルアップする
- 多くの人とコミュニケーションを取って人脈形成をする
- 貴重な経験を通して自己成長する
あくまでも一例ですが、こうした目的をもって参加することで、ただ作業をするだけでなく有意義な時間を過ごせるはずです。
ボランティア休暇の申請に参加目的や参加理由などを記載するようにし、目的意識を高めましょう。
8. ボランティア休暇を活用して自社のアピールポイントにしよう


ボランティア休暇とは、ボランティア活動に従業員が参加する際に利用できる特別休暇です。
各会社が自由に導入の有無や内容について決められる休暇であるため、休暇中の給料の有無についても会社ごとに異なります。
導入により、企業イメージや社会貢献度の向上が期待できるため、顧客や従業員の満足度アップにつながるでしょう。
近年の導入企業の割合は、6.5%とまだまだ少ないです。しかし導入を検討・予定している企業の割合が16.6%であることから、今後導入企業が増える傾向にあります。
本記事の導入の成功ポイントや事例の紹介なども参考にしながら、ぜひ自社に合うボランティア休暇を設計し導入してください。



従業員からの「これって有給?欠勤扱い?」といった質問に、自信を持って回答できていますか。
無給休暇と欠勤の違いや特別休暇との関係など、曖昧になりがちな休暇のルールは、思わぬ労務トラブルの原因にもなりかねないため、正しく理解しておく必要があります。
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- 無給休暇・有給休暇・欠勤の明確な違い
- 間違いやすい、無給休暇取得時の給与計算方法
- 慶弔休暇など、会社独自の「特別休暇」の適切な設定方法
- 会社都合で休業させる場合の休業手当に関する注意点
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