改正女性活躍推進法とは?2026年4月施行の義務化内容と企業の対応を解説
更新日: 2026.5.12 公開日: 2026.3.9 (大手外資企業HRCoE/社会保険労務士)

2026年4月より、改正女性活躍推進法が施行されました。情報公表の義務対象企業の拡大や新たな必須公表項目の追加など、これまでとは異なる対応が求められるため、自社の対応に漏れがないかを早めに確認することが大切です。
具体的には、常時雇用する労働者が101人以上のすべての企業に対し「男女間賃金差異」と「女性管理職比率」の公表が義務付けられたほか、えるぼし認定基準の見直し、新認定区分「えるぼしプラス」の創設など、多岐にわたる改正が実施されました。
本記事では、改正の背景から6つの主要ポイント、実務対応の具体的な手順まで、実務に役立つ情報をわかりやすく解説します。
2022年4月から、従業員が101人以上の企業には、女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画の策定と情報公表が義務付けられています。さらに、2026年4月からは改正女性活躍推進法が施行され、101人以上の企業に対して「男女間賃金差異」や「女性管理職比率」の情報公表も新たに義務化されました。未対応の場合、企業の信頼性や採用力に影響を及ぼすおそれがあります。
そこで当サイトでは、社会保険労務士監修のもと、厚生労働省のモデル様式を参考に「一般事業主行動計画」の無料サンプル(Word形式)を作成しました。
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1. 女性活躍推進法とは?概要と改正の背景


女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(以下、「女性活躍推進法」)とは、2016年4月に施行された、自らの意思で働くことを希望する女性の個性と能力が職業生活において十分に発揮できる社会の実現を目指す法律です。
この法律に基づき、常時雇用する労働者数が101人以上の事業主に対しては2点が義務付けられています。
- 一般事業主行動計画の策定、社内周知、外部への公表、都道府県労働局への届出
- 女性の活躍に関する情報の公表
ここでは、制度の概要と改正の背景を整理します。
1-1. 女性活躍推進法の概要
女性活躍推進法とは、2016年4月に施行された「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」の通称です。自らの意思で働きたいと望む女性が、その個性と能力を職場で十分に発揮できる社会を実現することを目的とし、企業に対して職場環境の整備を求めています。
女性活躍推進法の基本理念としては、3点が掲げられています。
- 女性に対する採用・昇進の機会を積極的に提供すること
- 女性が仕事と家庭生活を両立できるよう職場環境を整備すること
- 女性本人の意思を尊重すること
施行当初は2026年3月31日までの時限立法でしたが、最新の改正によって有効期限が2036年3月31日まで10年間延長されました。
この法律に基づき、事業主に対して次の2つのことを義務付けています。
- 事業主行動計画の策定、社内周知、外部への公表、都道府県労働局への届出
- 女性の活躍に関する情報の公表
対象企業の範囲は、常時雇用する労働者の数によって異なります。従業員101人以上の企業は一般事業主行動計画の策定と情報公表が義務となり、100人以下の企業では努力義務です。
なお、ここでいう「常時雇用する労働者」とは、正社員やパートといった雇用形態に関係なく、「期間の定めなく雇用されている者、または過去1年以上引き続き雇用されている者、もしくは雇入れ時から1年以上引き続き雇用されると見込まれる者」を指します。
1-2. 女性活躍推進法が改正された背景
日本における女性の就業率は年々上昇傾向にあり、結婚・出産期に一時離職する割合(いわゆるM字カーブ)も徐々に緩和されつつあります。しかし、その一方で出産後に非正規雇用に移行する女性が多く、正社員として働き続ける割合が30代以降で大幅に低下したままになる「L字カーブ」が顕著です。
この現象は、出産・育児などライフイベントの際に仕事か家庭かの二者択一を迫られる状況を反映しており、日本の女性のキャリア形成の難しさを物語っています。
また、管理職に占める女性の割合も依然として低く、国際的に見ても日本は大きく遅れをとっている状況です。例えば、主要先進国では女性管理職比率が40%前後に達する国もあるのに対し、日本は課長相当職以上の女性管理職比率が約13.1%に留まっています。
世界経済フォーラムの「ジェンダーギャップ指数」では、日本は148か国中118位(2025年)という厳しい評価です。人口減少による労働力不足が深刻化する中で、このようなジェンダー格差を是正し、さまざまな人材が活躍できる環境整備は急務となっています。
こうした背景から、2016年の法施行後も段階的に制度強化が図られてきました。
- 2019年の法改正(2020年・2022年施行)
大企業(301人以上)に対する情報公表の強化や、優良企業の認証制度「プラチナえるぼし」が創設されました。また、2022年4月1日からは、義務対象が中小企業(101人以上)にも拡大され、一般事業主行動計画の策定・届出と情報公表が義務付けられました。 - 2022年の省令・告示改正(2022年施行)
女性活躍に関する情報公表項目に「男女の賃金の差異」が追加され、301人以上の企業に公表が義務付けられました。
それでも男女の賃金格差や管理職登用の遅れは解消しきれていません。その結果、2026年4月以降、さらなる改正法によって法律の存続期間が10年延長されるとともに、新たな義務項目の追加や対象企業の拡大が実施されることになりました。
関連記事:L字カーブとは?M字カーブとは違う?原因と解消に向けた取り組みを解説
2. 【2026年4月施行】改正女性活躍推進法の6つのポイント


2026年4月1日から女性活躍推進法の新たな義務内容が施行されます。主な改正ポイントは6つです。それぞれ企業への影響が大きい項目なので、順番に確認していきましょう。
2-1. 法律の有効期限が10年延長
改正のポイント1つ目は、女性活躍推進法の有効期限延長です。女性活躍推進法は当初2016年施行から10年間の時限立法とされていましたが、今回の改正でさらに10年間の延長が決まり、2036年3月31日まで存続します。
2-2. 情報公表の必須項目と対象企業の拡大
改正ポイント2つ目は、女性活躍に関する情報公表義務の強化です。公表すべき必須項目が拡大するとともに、義務の対象企業が広がります。
※赤字が変更箇所
| 企業規模 | 改正前 | 改正後 |
| 301人以上 |
|
|
| 101〜300人 |
|
|
| 100人以下 | 情報公表は努力義務 | 情報公表は努力義務(変更なし) |
これまで男女間賃金差異や女性管理職比率の公表義務がなかった企業は、改正法の施行後に最初に終了する事業年度の実績を、その次の事業年度の開始後おおむね3ヵ月以内に初回の公表をする必要があります。例えば、令和8年4月末に事業年度が終了する企業は、おおむね令和8年7月末までに公表しなければなりません。
公表する場所は自社のホームページでも問題ありませんが、厚生労働省の「女性の活躍推進企業データベース」の活用が推奨されています。
男女間賃金差異と女性管理職比率の2項目は算出ルールや対象範囲を厚生労働省が指定しています。算出方法や管理職の定義、公表時の注意点などは4章で詳しく説明します。
2-3. 「女性の健康上の特性」への配慮の明確化
改正ポイント3つ目は、「女性の健康上の特性への配慮」の明確化です。
女性の活躍を推進するにあたり、女性特有のライフステージの変化による健康課題(月経や妊娠、出産など)を考慮した取組がおこなわれることが望ましいとされました。取組の例としてこのようなものが挙げられています。
- 職場におけるヘルスリテラシーの向上:研修やワークショップの開催、動画配信などによる、健康課題・婦人科検診の重要性に関する啓発
- 女性の健康上の特性に配慮した休暇制度や柔軟な働き方の実現:生理休暇といった女性の健康上の特性に配慮した休暇制度の整備、取得しやすい環境や制度名称の工夫
- デリケートな健康課題も相談しやすい組織づくり:産業医や外部の相談先、オンラインによるカウンセリングなどの整備
- その他の取組:婦人科検診の受診料の補助やマタニティハラスメント対策、体調不良時に利用できる休憩スペースの設置
厚生労働省の運営するサイトでは企業の取組事例も紹介されているので、参考にするとよいでしょう。
参考:職場における女性の健康支援の取組のポイント|働く女性の心とからだの応援サイト
2-4. えるぼし認定基準(1段階目)の見直し
改正ポイント4つ目は、厚生労働大臣による認定制度である「えるぼし認定」(女性活躍推進優良企業認定)の基準見直しです。
えるぼし認定は、一般事業主行動計画を届け出た企業のうち、女性活躍推進の取組状況が優良な企業を評価・認定する制度です。現行では達成度に応じて1段階目から3段階目までの認定があります。
2026年4月から、えるぼし認定1段階目の認定要件に新たな選択肢が追加されます。従来、1段階目認定を取得するには次の条件を全て満たす必要がありました。
- 5つの評価項目(採用、継続就業、労働時間等、管理職比率、多様なキャリアコース)のうち1~2項目について基準を達成し、その実績データを毎年公表していること
- 基準未達成の他項目について、取組内容(行動計画に沿った施策)を毎年公表していること
- 基準未達成項目の実績が2年以上連続で改善していること
改正後は、この3つ目の要件(未達成項目の連続改善)についての評価方法に「3事業年度ごとの平均値を比較して連続改善を確認する」という選択肢が新設されます。具体的には、直近3年平均値・その前の3年平均値・さらにその前の3年平均値をA・B・Cとし、「A > B > C」と3期間連続で向上していれば改善とみなす方式です。
このように評価基準が柔軟化されることで、短期的に基準値に届かなくても着実に改善を積み重ねている企業が認定を受けやすくなります。
2-5. プラチナえるぼし認定要件にセクハラ防止措置公表を追加
改正ポイント5つ目は、最高位の認定である「プラチナえるぼし認定」の要件強化です。プラチナえるぼしは、えるぼし認定企業の中でも特に高度な基準を満たした場合にのみ付与される認定です。
参考:女性活躍推進法への取組状況(一般事業主行動計画策定届出・「えるぼし」「プラチナえるぼし」認定状況)|厚生労働省
法改正で、このプラチナえるぼし認定基準に「求職者等に対するセクシュアルハラスメント防止措置の内容公表」が追加されました。
これは、企業がインターン生や新卒応募者など求職者に対しておこなっているセクハラ防止策を、自社サイトや採用ページなどで明示的な公開を求めるものです。2026年10月1日以降、すでにプラチナえるぼし認定を取得している企業も対応が必要となります。
2-6. えるぼしプラス認定の創設
改正ポイント6つ目は、「えるぼしプラス認定」の新設です。2026年4月より、現行のえるぼし・プラチナえるぼし認定に加えて、新たに「えるぼしプラス」および「プラチナえるぼしプラス」という区分がスタートします。これは、既存の認定基準に「女性の健康支援に関する取組基準」を追加した新設区分です。
具体的には、まず従来のえるぼし(またはプラチナえるぼし)基準をクリアした企業が、さらに4つすべての要件を満たすと「プラス」の認定を受けられます。
【女性の健康支援に関する認定基準】
① 制度整備:女性の健康に配慮した休暇・柔軟な働き方制度を設ける。
② 方針周知:配慮方針と①の制度内容を明示し、従業員へ周知する。
③ 理解促進:研修等で女性の健康特性への理解を深める取組を実施する。
④ 相談体制:担当者を選任し、女性の健康上の特性を相談できる体制を整えて周知する。
3. 一般事業主行動計画とは?策定から実行までの4ステップ


一般事業主行動計画を策定する流れを改めておさらいしましょう。おおまかな流れを4ステップに分けて説明します。
- ⾃社の⼥性の活躍に関する状況把握、課題分析
- 一般事業主⾏動計画の策定、社内周知、公表
- 一般事業主⾏動計画を策定した旨の届出
- 取組の実施、効果の測定
義務化対象ではないが、自社の現状把握や助成金の申請などのために初めて一般事業主行動計画を策定するという企業も、ぜひ参考にしてください。
参考:女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画を策定しましょう!|厚生労働省
3-1. 【STEP1】自社の女性活躍に関する状況分析
行動計画の策定にあたり、まずは自社の現状を客観的な数値で把握し、課題を抽出します。
直近の事業年度における4つの基礎項目(必ず把握すべき項目)を算出し、自社の強みと弱みを明らかにしましょう。
- 採用した労働者に占める女性労働者の割合(雇用管理区分ごと)
- 男女の平均継続勤務年数の差異(雇用管理区分ごと)
- 労働者の各月ごとの平均残業時間数等の労働時間の状況
- 管理職に占める女性労働者の割合
基礎項目の分析で課題が見つかった場合は、さらに「男女別の採用倍率」や「男女間賃金差異」などの選択項目を用いて、原因を深く掘り下げます。
3-2. 【STEP2】行動計画の策定、社内周知、公表
現状が見えたら、次は⾏動計画を策定します。
計画には「(a)計画期間、(b)数値目標、(c)取組内容、(d)取組の実施時期」の4要素を必ず盛り込んでください。
計画期間は2〜5年間で設定し、数値目標には例えば「3年後までに女性管理職を15%以上にする」といった、具体的で測定可能なものを掲げます。策定した内容は、全労働者にメールや掲示板で周知するとともに、厚生労働省の「女性の活躍推進企業データベース」などを用いて社外へも公表しましょう。
【一般事業主⾏動計画の策定例(常時雇用する労働者数が301人以上の事業主の場合)】
3-3. 【STEP3】行動計画の届出
計画が完成したら、管轄の都道府県労働局へ届け出ます。
届出は、電子申請(e-Gov)、郵送、持参のいずれかでおこないます。次世代育成支援対策推進法に基づく計画とまとめて策定した場合は、一体型の様式で一度に届け出ることも可能です。
3-4. 【STEP4】取組の実施と効果の測定
計画に基づいた取組を実行し、定期的に進捗を点検します。
数値目標の達成状況を確認し、もし達成が難しい場合は「なぜうまくいかなかったのか」を分析して次の計画に反映させましょう。このPlan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)までのPDCAサイクルを継続することが、実効性のある女性活躍推進につながります。
4. 改正された情報公表とえるぼし認定への実務対応と注意点


改正法によって新たな情報公表項目への対応や認定制度の変更点が生じるため、具体的な実務面にも目を配る必要があります。男女間賃金差異や女性管理職比率の算出方法、えるぼし認定への対応ポイントを順に見ていきましょう。
4-1. 男女間賃金差異の算出方法
男女間賃金差異(Gender Pay Gap)の算出は、公表義務への対応で実務負担が大きい項目のひとつです。基本的な算出フローを解説します。
▼平均賃金の算出
正規雇用労働者、非正規雇用労働者、および全労働者について、それぞれ男性労働者の平均賃金と女性労働者の平均賃金を算出します。賃金には基本給に加え諸手当・賞与なども含め、1年間に支給された総額を用いるのが一般的です。
▼賃金差異(割合)の計算
算出した平均賃金を用い、「女性の平均賃金 ÷ 男性の平均賃金 × 100(%)」の式で割合を算出します。これを小数点第2位を四捨五入して、小数点第1位まで表示します。
例えば、男性平均が500万円・女性平均が400万円であれば、400 ÷ 500 × 100 = 80.0%と公表します。この数値が低いほど男女間の賃金格差が大きいことを示します。
▼雇用区分ごとの公表
賃金差異は正規雇用労働者、非正規雇用労働者、全労働者の3区分それぞれの賃金差異を算出し、公表します。
4-2. 女性管理職比率の算出方法と「管理職」の定義
女性管理職比率(管理職に占める女性の割合)は比較的シンプルな指標ですが、まず前提として「管理職」とはだれを指すのかを正確に押さえておく必要があります。厚生労働省の定義では、女性活躍推進法における「管理職」とは「課長級および課長級以上の役職者(ただし役員を除く)」を指します。
具体的には以下のような基準です。
- 課長級: 「課長」と呼ばれる者であって部下組織を持つ者、または呼称に関係なく職務内容と責任範囲が課長相当である者(※最下位の職階は除く)。一般的に「課長代理」「課長補佐」は課長級に含めないとされています。
- 課長級より上位: 部長職や本部長職など、課長級以上で役員ではない管理的地位の者全員。
女性管理職比率は、この管理職に該当する者のうち女性の占める割合を示すものです。計算式は「管理職の女性労働者数 ÷ 管理職の総労働者数 × 100(%)」で、こちらも小数点第1位までのパーセント表示が一般的です。算出にあたり男女それぞれの管理職人数を把握する必要があります。
4-3. えるぼし認定への対応
改正内容で触れたように、女性活躍推進に関する認定制度(えるぼし、プラチナえるぼし)もアップデートされます。制度変更に伴い、認定取得・維持に向けた対応が必要です。主なポイントを整理します。
▼えるぼし1段階目認定の評価方法変更
これまでの年次比較のみでなく、3年平均での改善評価が追加されたことにより、自社のデータ管理期間の拡張を検討する必要があります。少なくとも直近5事業年度分の単年度データを継続的に保管し、改善の過程を示せるようにしましょう。
▼プラチナえるぼし要件強化
プラチナえるぼしを保有している企業や取得を目指す企業は、採用応募者などへのセクハラ防止策を明文化して公開することが求められます。考えられるのは次のような対策です。
- 募集要項ページにハラスメント防止方針を掲載する
- 説明会や面接での留意事項を社外向け資料に記載する
2026年10月1日から、男女雇用機会均等法の改正に伴い、求職者などに対するセクシュアルハラスメントの防止措置が義務化されるため、あわせて検討するとよいでしょう。
参考:令和8年10月1日からハラスメント対策が強化されます!|厚生労働省
▼「えるぼしプラス」への取組
新設のえるぼしプラス認定では、女性の健康支援に踏み込んだ要件が課されます。取得を検討する企業は、まず現状の社内制度をチェックしましょう。制度自体未整備であれば新たな特別休暇の創設などを検討します。
また健康教育や相談体制についても、社内リソースだけで難しければ外部セミナーやEAP(Employee Assistance Program・従業員支援プログラム)相談窓口の活用なども視野に入れましょう。
情報公開は単に数値を公表するだけでなく、その背景にある要因分析や今後の改善策まで踏み込んで公表しましょう。特に男女間賃金差異や女性管理職比率の公開は、定着・登用・処遇の実態が可視化される指標であり、女性活躍指標として社内外から注目されます。他社と比較してギャップが大きい項目は、追加情報や今後の具体的な改善策(女性リーダー候補の育成計画など)もあわせた公表を検討しましょう。
また、新設の認定制度(えるぼしプラスなど)への対応では、自社の既存施策とのギャップを洗い出し、必要な制度導入やルール整備を計画的に進めることが肝要です。
法令順守の取組を、自社のダイバーシティ推進や働きやすい職場づくりの機会と捉え活用してください。
5. 改正女性活躍推進法に関するよくある質問


最後に、改正内容に関して人事担当者が迷いがちなことをQ&A形式でまとめます。
5-1. 公表しなかった場合の罰則はある?
現状、女性活躍推進法には情報を公表しないこと自体に直接の罰則規定はありません。ただし、厚生労働省から是正指導や勧告を受ける可能性があります。
特に悪質なケースでは、企業名公表などの行政措置を取られ、企業イメージを損ない、人材確保に悪影響が出るリスクもあります。さらに、報告徴収に応じない、または虚偽報告をした場合は、20万円以下の過料の対象です。
参考:女性活躍推進法に基づく「男女の賃金の差異」の公表等における 解釈事項について|厚生労働省
5-2. 次世代育成支援対策推進法の行動計画と一体で策定できる?
可能です。女性活躍推進法の一般事業主行動計画と、次世代育成支援対策推進法の一般事業主行動計画を一体的に策定できます。
厚生労働省が様式例を提示しており、両法の必要項目を盛り込んだ統合計画書を作成すれば、届出も1回で済ませることが可能です。
参考:様式第2号_一般事業主行動計画策定・変更届(女活法・次世代法一体型)|厚生労働省
5-3. 情報公表の選択項目はどう選べばいい?
自社の課題に直結する項目を選びましょう。選択項目は全部で14種類あり、企業ごとに状況もさまざまです。闇雲に数値の見栄えが良いものを選ぶよりも、STEP1の状況分析で浮かび上がった自社の弱点を補強・改善する指標を公表しましょう。その方が行動計画の目標とも連動させやすく、社内へのメッセージ性も高まります。
6. 改正女性活躍推進法への対応を企業の成長につなげよう


改正女性活躍推進法への対応は、一見すると事務作業の増加に感じられるかもしれません。しかし、冒頭で述べたように日本企業における女性活躍推進の余地は大きく、対応を疎かにすると優秀な人材の流出や企業イメージの低下にもつながる可能性もあります。
まずは自社の現在の数値を算出することから始めてみましょう。経営層のコミットメントを得て、ダイバーシティ推進を加速させる絶好の機会と捉えることが大切です。適切な対応をおこなうことが、次世代に選ばれる企業への第一歩となるでしょう。
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