売上総利益の計算方法や営業利益との違いを徹底解説 - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

売上総利益の計算方法や営業利益との違いを徹底解説 - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

売上総利益の計算方法や営業利益との違いを徹底解説 - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

売上総利益の計算方法や営業利益との違いを徹底解説

利益率と虫眼鏡とお金

会社の経営状態や財務状況を知るためには、財務諸表をチェックする必要があります。

中でも損益計算書は会社の業績を表す重要な指標となる書類ですが、そこで最初に出てくるのが売上総利益です。

損益計算書は会社の経営成績を把握したり、自社の信頼性を示したりするのに欠かせない書類のひとつですので、正しく読み取るためにも、売上総利益の基礎知識について学んでおきましょう。

今回は売上総利益の概要や計算方法、営業利益との違いについて解説します。

会計の基本は「勘定科目」と「仕訳」
86個の勘定科目と仕訳例をまとめて解説

「経理担当になってまだ日が浅く、会計知識をしっかりつけたい!」
「会計の基礎知識である勘定科目や仕訳がそもそもわからない
「毎回ネットや本で調べていると時間がかかって困る」

などなど会計の理解を深める際に前提の基礎知識となる勘定科目や仕訳がよくわからない方もいらっしゃるでしょう。

そこで当サイトでは、勘定科目や仕訳に関する基本知識と各科目ごとの仕訳例を網羅的にまとめた資料を無料で配布しております。 会計の理解を深めたい方には必須の知識となりますので、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご活用ください。


1. 売上総利益とは?

繰越利益剰余金

売上総利益とは、売上から売上原価や製造原価を差し引いた利益のことです。

別名「粗利」「粗利益」とも呼ばれており、会社が1年間でどのくらいの利益を出したのかを表しています。

損益計算書に記載される5つの利益のうちのひとつでもあり、経営成績を把握するために欠かせない利益です。

売上総利益を出すと、主に以下の点がわかるようになります。

1-1. 付加価値がわかる

付加価値とは、財務分析で企業の資産性を測る際に用いられる指標のひとつです。

労働によって付加された価値を数値で表したもので、付加価値が高いほど売上原価にのせられる利益も多くなります。

売上総利益を見ると、売上原価にどれだけの付加価値を付けて消費者に提供できたかを把握することができます。

1-2. 競争力がわかる

競争力とは、他社と競い合う市場環境において、製品やサービスを十分に供給できる能力を示したものです。

競争力が高いほど、商品に高い付加価値を付与することが可能となります。

前述の通り、売上総利益からは付加価値がわかるため、自社の現在の競争力も推し量ることができます。

1-3. 経営戦略の正当性がわかる

同じ商品を提供する場合でも、販売のタイミングを逃すと大量の在庫が残ってしまい、安売りせざるを得なくなることがあります。

同じ商品の売上総利益が下降している場合、経営戦略の問題や課題があると考えられます。

2. 売上総利益の計算方法

計算する様子

売上総利益は、売上高から売上原価(製造原価)を差し引くことで計算できます。

そのため、売上総利益を求める際は、まず実際に売れた商品の仕入や製造に直接かかった「売上原価」を算出する必要があります。

売上原価は期首商品棚卸高、当期商品仕入高、期末商品棚卸高の3つから計算します。

具体的な計算式は以下の通りです。

売上原価=期首商品棚卸高+当期商品仕入高-期末商品棚卸高

たとえば期首の時点で、前期に1つ100円で仕入れた商品が10個あったとします。

期中に1つ100円で50個仕入れ、期末に在庫が30個残っていた場合、売上原価は以下のように求められます。

100円×10個+100円×50個-100円×30個=3,000円

この商品を1つ300円で販売した場合、期中に売れたのは30個なので、その年の売上高は300円×30個=9,000円となります。

上記で求めた売上高と売上原価をもとに売上総利益を求めると、9,000円-3,000円=6,000円となります。

3. 売上総利益と営業利益の違い

内容の比較

損益計算書に記載されている利益の項目には、売上総利益のほかに、営業利益、経常利益、税引前当期利益、当期純利益の4つがあります。

このうち、とくに売上総利益と混同しやすいのが営業利益です。

営業利益とは、売上総利益から売上原価以外の費用を差し引いたものです。

ここでいう「売上原価以外の費用」とは、販売費及び一般管理費のことです。

販売費には従業員(販売員)の給与や宣伝広告費、発送費、配達費、在庫の保管費などがあり、一般管理費には人件費(営業マンの給与など)やオフィスの家賃、水道光熱費などが含まれます。

営業利益はこれらの費用を売上総利益から差し引いて求めるので、当然売上総利益よりも金額は少なくなります。

4. 売上総利益の活用方法

繰越利益

売上総利益がわかったら、以下のような方法で活用し、経営の課題や問題点を洗い出してみましょう。

4-1. 営業利益と比較する

前述のとおり、営業利益は売上総利益よりも金額が少なくなりますが、売上総利益と営業利益の乖離が大きい場合、販売費及び一般管理費が掛かりすぎている可能性があります。

販売費や一般管理費は商品の販売に欠かせない支出ではありますが、総額が大きくなりすぎると営業利益が上がらず、儲けを出しにくくなります。

販売費は人件費や広告宣伝費、オフィスにかかる固定費などを見直すことで節約できますが、必要な経費を大きくコストカットすると、従業員のモチベーションや販売戦略などに支障を来す原因にもなります。

売上総利益に占める営業利益の割合やバランスを考慮しながら、販売費及び一般管理費の無駄を省く手立てを講じることが大切です。

4-2. 同業他社と比較する

売上総利益が記載されている財務諸表は、企業が公開している決算書類や有価証券報告書、決算短信などで確認することができます。

同業他社の売上総利益と、自社の売上総利益を比較すれば、自社の経営状況を客観的に判断する材料になります。

5. 売上総利益を増やす方法

立替 売上

売上総利益が自社の目標や同業他社に比べて低い場合は、以下の方法で売上総利益を増やす必要があります。

5-1. 売上原価を下げる

売上総利益は売上高から売上原価を差し引いて計算するので、売上原価を下げれば必然的に売上総利益もアップします。

売上原価を下げる方法には、以下のようなものがあります。

・仕入単価・外注単価を下げる
・より仕入単価の低い仕入れ先を探す
・外注分を内製化する
・技術力の向上を目指す

たとえば、一度の仕入量を増やして単価を下げる、仕入業者と価格について交渉する、卸業者を介さず直接生産者から仕入れるなど、従来の仕入方法を見直すことでコストカットを実現できます。

自社に余力がある場合は、内製化の環境を整え、これまでアウトソーシングしていた分を一貫して自社で行うという方法もあります。

5-2. 売上高を伸ばす

売上原価の低下には限度がありますので、並行して売上高を伸ばす取り組みも行う必要があります。

売上高を伸ばす方法は業種によって異なりますが、主な手段としては商品の単価を上げる、新規顧客やリピーターを増やす、販売する商品数を増やすなどの方法が挙げられます。

最も手っ取り早い方法は商品の単価を上げることですが、値上げに抵抗を感じた顧客が離れてしまうリスクがあります。

商品の単価を上げるには、顧客が納得する理由が必要ですので、市場の動きをチェックして値上げの時期を見極めたり、新たな付加価値を付けたりする工夫を取り入れましょう。

6. 売上総利益を計算して経営成績をしっかり把握しよう

黒板 ポイント 電球

売上総利益を算出すると、販売している商品の付加価値や自社の競争力、経営戦略の正当性などを把握できるようになります。

経営成績をしっかり理解しておくことは今後の販売戦略に欠かせない要素ですので、売上総利益をきちんと確認しておきましょう。

売上総利益は売上高から売上原価を差し引くことで求められますが、売上原価を知るためには期首商品棚卸高や当期商品仕入高、期末商品棚卸高の3つを知っておく必要があります。

また、売上総利益を求めると、営業利益も計算できるようになります。

売上総利益と営業利益を比較すれば、販売費や一般管理費の無駄を洗い出すことができるので、合わせて確認しておくことをおすすめします。

会計の基本は「勘定科目」と「仕訳」
86個の勘定科目と仕訳例をまとめて解説

「経理担当になってまだ日が浅く、会計知識をしっかりつけたい!」
「会計の基礎知識である勘定科目や仕訳がそもそもわからない
「毎回ネットや本で調べていると時間がかかって困る」

などなど会計の理解を深める際に前提の基礎知識となる勘定科目や仕訳がよくわからない方もいらっしゃるでしょう。

そこで当サイトでは、勘定科目や仕訳に関する基本知識と各科目ごとの仕訳例を網羅的にまとめた資料を無料で配布しております。 会計の理解を深めたい方には必須の知識となりますので、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご活用ください。


MEGURO

MEGURO

HR NOTEのライター、総合求人サイトとシニア向け情報メディアの立ち上げを経て、現在はjinjer blogの運営に携わっています。 事業視点から、バックオフィスの重要性を啓蒙するコンテンツを作っています。 保有資格:ファイナンシャル・プランニング技能士(3級)

経費管理のピックアップ

新着記事