デジタル署名とは?電子署名との違いや必要なケース・不要なケースを解説
文書のデジタル化が急速に進む昨今ですが、なりすましや改ざんといったリスクから文書データを守ろうとデジタル署名の技術を活用するケースが増えています。
今回は、デジタル署名の概要について解説するほか、よく似た技術として認識されているデジタル署名と電子署名との違いについて紹介します。
またあわせて、デジタル署名が必要なケースと不要なケースについても解説していきます。
電子署名の安全性やセキュリティの仕組みを理解したい方や公開鍵に関する用語の意味を知りたい方向けに、電子署名に使用される公開鍵暗号や公開鍵基盤についてまとめた資料です。
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目次
1.デジタル署名とは?
デジタル署名とは、電子署名の一種で「公開鍵暗号技術」を応用したものを指します。
送信するデータにデジタル署名を付与することで、送信されたデータの本人性を担保し、改ざんが行われていないことの証明が可能となります。
本人性と非改ざん性を担保できるような法的な効力を得る書類を作成するためには、デジタル署名が導入されている電子契約サービスを利用し、デジタル署名の付与を行う必要があります。
関連記事:電子署名とデジタル署名の違いは?仕組みや導入メリットについて解説
1-1.デジタル署名は電子署名の信頼性をより保証できるようにしたもの
デジタル署名が電子署名の一つであることは上述の通りですが、両者の大きな違いとして「本人性と非改ざん性の技術の強さ」と「使用している暗号技術」の2つが挙げられます。
デジタル署名は、電子署名と同様、電子文書の本人性や非改ざん性を証明するものではありますが、この本人性と非改ざん性の証明を、公開鍵暗号基盤(PKI)によってより強固なものとしています。
デジタル署名においては、公開鍵の信頼性を、認証局(CA)によって発行される「電子証明書」によって担保しており、公開鍵に電子証明書を付与することによって、さらに信頼性を保証する形となります。
1-2.デジタル署名の種類
公開鍵暗号方式とハッシュ関数の組み合わせた技術であるデジタル署名には、さまざまなアルゴリズムが用意されています。
数あるアルゴリズムの中でも、「Sha-256WithRSAEncryption」は強固なセキュリティが実現できるアルゴリズムとして、日本国内で最も多く採用されています。
1-3.デジタル署名の仕組みを簡単に確認
通常、デジタル署名は、署名を行う送信者側と署名の検証を行う受信者側との間で、次のような流れでデータの本人性と非改ざん性の証明を行っています。
・送信者側
・受信者側
関連記事:難しいデジタル署名の仕組みを徹底解説!導入方法やメリットについても紹介
2.電子署名の特徴
ここでは、デジタル署名と同じような意味で使われることの多い、電子署名についてもその特徴を確認しておきましょう。
2-1.電子署名の持つ意味と役割
電子署名とは、電子通信を行う上での署名を指し「署名押印」と同様の意味を持ちます。
あくまでもデジタル文書において署名を行った両者の合意がなされたことを記録して、証拠として残す仕組みを指しており、採用されている技術方式も公開鍵暗号方式のみには限りません。
基本的に、別の人物へのなりすましや、文書の内容の改ざんがなされていないことを証明する技術となります。
これらの担保ができる署名であれば、電子署名とみなされます。
2-2.電子署名の法的効力
電子署名の法的効力については、2001年施行の「電子署名法」によって、法的に有効とされています。
そのため、電子署名が付与された電子文書においても、本人性と非改ざん性の証明さえできれば、法的な効力があるとされています。
3.デジタル署名が必要なケースと不要なケース
デジタル署名が必要なケースと不要なケースには、以下が挙げられます。
3-1.デジタル署名が必要なケース
デジタル署名は、公開鍵暗号方式を利用することにより、文書のセキュリティを強固なものとすることを可能とする技術です。
そのため、通常は、契約書のような文書の非改ざん性を証明したい重要な書類に利用するのがよいでしょう。
一般的に、機密性が高いと思われる文書には、デジタル署名を付与し、文書の信頼性を高めるような工夫を行うようにしましょう。
3-2.デジタル署名が不要なケース
機密性の高くない文書であれば、デジタル署名を付与する必要はありません。
デジタル署名を付与しない場合には、手書きの署名や電子印鑑を押印し本人証明を行うようにすればよいでしょう。
4.デジタル署名のメリットとデメリットを確認
デジタル署名のメリットとデメリットには、次のものが挙げられます。
4-1.デジタル署名のメリット
デジタル署名は、電子署名の中でもより強固なセキュリティがなされた暗号化技術となっています。
通常の電子署名と比較しても、なりすましや改ざんの防止が可能というメリットがあります。
4-2.デジタル署名のデメリット
デジタル署名を利用するためには、認証機関への登録を行う必要があるため、すぐに導入できるものではないという点に注意が必要です。
また、技術的にも難しい点や、専門用語が多く使われている点からも、デジタル署名を利用する際に取引先から理解を得られにくい可能性があることを念頭に入れておかなければなりません。
5.デジタル署名利用で注意するポイント
デジタル署名を利用する際に注意しておきたいポイントには、次の2点が挙げられます。
5-1. 鍵の生成・管理を安全な方法で行う必要がある
デジタル署名で利用する鍵の生成や管理は、安全な方法で、かつ、確実に行っておく必要があります。
例えば、鍵を管理しているパソコンにロックをかけず、誰もが使える状況であったりすると、第三者のなりすましの被害に合う可能性もありますので、注意しなければなりません。
5-2. デジタル証明書の定期的な更新が必要となる
デジタル証明書には、あらかじめ有効期限が設けられています。
そのため、デジタル証明書は定期的な更新が必要となります。
更新を忘れることにより、営業機会の損失などさまざまな不利益が発生しますので、日頃から有効期限を意識した上で、デジタル証明書を利用しておくことが重要です。
・電子契約の活用に伴う電子署名の管理規程の制定
・印章管理規程とは別で電子署名専門の管理規定の制定
・電子署名の制定、改廃、署名や管理に関する事項の管理 など
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6.より強固なセキュリティ対策を行うならデジタル署名の活用がおすすめ
デジタル署名は、電子署名の一種という位置づけではありますが、電子署名の本人性と非改ざん性をさらに強化した技術です。そのため、デジタル署名は機密性の高い文書に付与する必要があります。
一方、機密性の高くない文書であれば、デジタル署名以外の方法で本人証明を行ってもよいでしょう。より強固なセキュリティ対策を行うのであれば、データの改ざん防止が可能なデジタル署名の積極的な活用がおすすめです。
なお、デジタル署名を利用する際には、鍵の生成や管理はもちろん、デジタル証明書の定期的な更新を忘れずに行っておくようにしましょう。
電子署名の安全性やセキュリティの仕組みを理解したい方や公開鍵に関する用語の意味を知りたい方向けに、電子署名に使用される公開鍵暗号や公開鍵基盤についてまとめた資料です。
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