手元流動性比率とは?計算方法や業種ごとの目安を紹介 - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

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手元流動性比率とは?計算方法や業種ごとの目安を紹介

コインの振り分け手元流動性比率とは「手元流動性 ÷ 月商」で求められる、企業の安全性を計る指標の1つです。特に、近々の支払い能力を確認するうえで重要視されています。

本記事では、手元流動性比率とは何か、計算方法や業種ごとの目安、手元流動性比率で分かることや利用時の注意点を紹介します。

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1. 手元流動性比率とは?

お金を数える

手元流動性比率とは、企業の直近の支払い能力を計る安全性分析指標の1つです。なお、手元流動性比率の計算のベースになる手元流動性とは、すぐに現金化できる資産を表しています。先に、手元流動性とは何か、対象となる資産と合わせて解説します。

1-1. 手元流動性とはすぐに現金化できる資産のこと

手元流動性とは現預金のように、とりわけ流動性の高い資産のことです。手元流動性の確認により、直近の支払い能力など、すぐに利用できる資産がどの程度手元にあるか確認できます。

1-2. 手元流動性の計算方法

手元流動性の計算方法は以下のとおりです。

手元流動性 = 現金 + 預金 + 1年以内に換金できる有価証券

貸借対照表の「資産の部」の流動資産の中でも換金性の高い以下のものが該当します。

  • 現金 + 預金(現金、普通預金、当座預金)
  • 1年以内に換金できる有価証券

なお、売掛金などが含まれない理由は、回収を他社に依存するためです。純粋に企業のみで換金できる資産を手元流動として評価します。

上記の手元流動性を元に、企業の短期的安全性を計る指標が手元流動性比率です。

2. 手元流動性比率の計算方法

計算する男性

手元流動性比率は、以下の式で計算できます。

手元流動性比率(月) = 手元流動性 ÷ 月商
手元流動性比率(日) = 手元流動性 ÷ (売上高 ÷ 365)

上記により、手元流動性(現預金など)を何カ月分、または何日分確保しているか判断できます。

3. 手元流動性比率の業種ごとの目安

たくさんの的

手元流動比率の目安は以下のように、事業規模により異なります。

大企業 :1カ月分程度
中堅企業:1.5カ月分
中小企業:1.7カ月分

必要な手元流動を確保していれば、短期的な倒産の危険度は低いと判断できます。多くの場合、2カ月分程度確保できていれば安心でしょう。

なお、手元流動性比率の目安や平均は業種によっても以下のように差があります。

卸売業:1.8カ月分
情報通信業:6.5カ月分
小売業:1.8月分
サービス業:4.5カ月分
製造業:1.1~3カ月分

また、社会情勢によっても手元流動性比率は異なり、コロナ渦においては、多くの企業が0.3~2カ月分程度、手元流動性を高めています。

4. 手元流動性比率で分かること

電子項目にチェック

手元流動性比率の確認により、企業は何カ月間売上が途絶えたとしても営業を続けられるか把握できます。そのため、資金ショートしない月数を把握できるとも言い換えられます。

5. 手元流動性比率と当座比率や流動比率との違い

両手にはてなをもつ女性

なお、短期の支払いの能力を計る他の指標を、流動性の高さで並べると以下となります。

  1. 手元流動性比率
  2. 当座比率
  3. 流動比率

このため、手元流動性比率はすぐに支払いに使えるキャッシュを確認する上で、特に重要な指標です。ここでは「当座比率」や「流動比率」との違いと合わせて解説します。

関連記事:流動比率の意味や当座比率との違いを詳しく解説

5-1. 当座比率とは

当座比率も企業の安全性分析で使われる指標であり、当座資産で流動負債をまかなえるか確認できるため、緊急時の支払い能力がわかります。計算方法は以下となり、数値は高いほどよいとされます。

当座比率(%) = 当座資産 ÷ 流動負債 × 100

なお、当座資産には以下が含まれます。

  • 現金・預金
  • 受取手形
  • 売掛金
  • 未収入金
  • 短期貸付金
  • 1年以内に換金できる有価証券
  • 1年以内に満期を迎え債権

手元流動性とは異なり、売掛金や短期貸付金などが含まれます。これらはすぐに現金化できる分けではないものの、換金性は高いため、緊急時の支払い能力と考えることができます。

なお、当座比率は100%以上を理想とし、90%が目安、80%以下は注意が必要です。

5-2. 流動比率とは

流動比率では、流動資産で流動負債を支払う能力はあるか確認できる、安全性分析指標の1つです。なお、計算方法は以下となります。

流動比率(%)= 流動資産 ÷ 流動負債 × 100

流動資産は当座資産と棚卸資産を合わせたもので、一般的には、貸借対照表の「資産の部」の「流動資産」に計上するもの全てを指します。なお、1年を超えて現金化や費用化をする資産は「固定資産」といいます。

棚卸資産などは現預金などと比べると換金性が低いため、近々の支払い能力を計る指標としては、手元流動性比率の方が適しています。

5-3. 流動負債とは

なお、流動負債とは1年以内を目途に支払い期限が到来する債権や、使用される短期負債性引当金などを指し、以下が代表的です。

  • 支払手形
  • 買掛金
  • 短期借入金
  • 賞与引当金
  • 未払法人税等

通常、貸借対照表の「負債の部」の流動負債に計上されている科目を指します。支払い期限が1年以上先に到来する負債は「固定負債」に分類されます。

6. 手元流動性比率の改善方法

コインを蓄える

手元流動性比率を改善するためには、キャッシュを蓄える必要があります。

一般的な方法としては、不要なコストの削減です。例えば、家賃の低い地域に事務所を移転する、ITツールを導入し業務を効率化する、広告宣伝費の効果を測定し不要なものはカットするなどです。

特に、固定費の削減は効果が大きいものの、必要な部分まで削減することのないように見極めが重要です。

6-1. 借入金も活用しよう

なお、手元流動性比率は借入金でも改善が可能です。通常であれば借入金に依存する経営は対処が必要ですが、緊急時であれば、企業の資金調達能力の方が重要となります。

資金ショート寸前の状態であれば、銀行借入を増やしてでも手元流動性を厚くしなければいけません。そのためにも、緊急時に融資を受けられる体制を整えることも、いざというときの手元流動性比率の改善に役立ちます。

7. 手元流動性比率の注意点

注意 虫眼鏡

手元流動性比率は高すぎると資産を効率よく活用できていないとも判断できます。また実際の企業の耐久力を確認するためには数値の確認だけでなく固定費との対比も必要です。

7-1. 手元流動性比率は高ければよい分けではない

手元流動性比率は高い方が安全ではあるものの、高すぎるなら効率的に資金を活かせていない可能性があります。

数年分の蓄えがあるなら、寝かせたままにせず、再投資をするなどして売上の向上につなげることも大切です。
まずは、業界別や社会情勢に応じた目安分の手元流動性を蓄えるとよいでしょう。

7-2. 固定費との比較も大切

売上がゼロになっても、固定費は継続して払う必要があります。そのため、手元流動性で固定費を何カ月支払えるかが、実際の企業の耐久力を表します。

言い換えると、固定費が少ない企業であれば、同じ手元流動性比率であったとしても、より長く持ちこたえられます。

手元流動性比率が月商の何カ月分か確認するだけでなく、月商に占める固定費の割合の確認も大切です。

8. 手元流動性比率を確認し直近の支払い能力を高めよう!

指をさす女性

手元流動性比率とは手元流動性が月商の何カ月分にあたるかを確認する指標で、企業の近々の支払い能力の確認が可能です。現金や預金など、すぐに使えるキャッシュを手元にあるか否かは、緊急時の企業の存続を左右します。

なお、手元流動性比率は借入金やコスト削減により改善が可能です。取り入れやすいものとしては、経費清算システムや会計システムなどの導入も人件費などのコスト削減に役立つでしょう。

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jinjer Blog 編集部

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