税抜経理方式とは?メリット・デメリットを徹底解説 - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

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税抜経理方式とは?メリット・デメリットを徹底解説

税金税抜経理方式とは経理処理の方法の1つで、売上や仕入の代金と、消費税を分けて仕訳を行う方法です。なお、消費税を含めて仕訳する方法は税込処理方式といいます。

本記事では、税抜経理方式と税込処理方式の具体例・メリット・デメリットを解説し、どちらの制度が有利かも合わせて紹介します。

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1. 税抜経理方式とは?

はてなマーク経理処理には2つの方法があり、税抜経理方式とは、仕入れや売上時の金額と消費税を分けて仕訳する方法です。「売上」や「仕入」の勘定科目以外に「仮払消費税等」を使うため、期中であっても税額を把握しやすくなります。

1-1. 税抜経理方式の仕訳の具体例

税抜経理方式を使った具体的な仕訳方法は以下のとおりです。

1. 商品5,500円(内消費税額500円)を仕入れ代金は掛けとした。
(借方)仕入 / 5,000円    (貸方)買掛金 / 5,500円
(借方)仮払消費税 / 500円

2. 商品2,200円(内消費税額200円)を売上、代金を現金で受け取った。
(借方)現金 / 2,200円    (貸方)売上 / 2,000円
(貸方)仮受消費税 / 200円

3. 決算時
(借方)仮払消費税 / 500円  (貸方)仮受消費税 / 200円
(貸方)未払消費税 / 300円

税抜経理方式では、以上のように決算時に「仮払消費税」と「仮受消費税」の残高を相殺し、差額を適切な勘定科目で処理します。仮受消費税の方が多い場合上記のように貸方に「未払消費税」を使い処理します。

なお、仮払額の方が多いときは借方に「未収消費税」の勘定科目を使い処理します。

2. 税込経理方式とは?

計算
経理処理のもう1つの方法が税込経理方式です。文字通り仕入れ金額と支払消費税、売上金額と受取消費税を含めて計上する方法です。税額の計算は決算時に「租税公課」という勘定科目を用いて処理します。

2-1. 税込経理方式の仕訳の具体例

税込経理方式を使った具体的な仕訳方法は以下のとおりです。

1. 商品5,500円(内消費税額500円)を仕入れ代金は掛けとした。
(借方)仕入 / 5,500円    (貸方)買掛金 / 5,500円

2. 商品2,200円(内消費税額200円)を売上、代金を現金で受け取った。
(借方)現金 / 2,200円    (貸方)売上 / 2,200円

3. 決算時
(借方)租税 / 300円   (貸方)未払消費税 / 300円

決算時には「仮払消費税(500円) – 仮受消費税(200円)」により確定した費税を「租税公課」として経費計上します。なお、還付され消費税は「雑収入」で処理します。

3. 選択できる経理処理方式は事業者により異なる

ポイントを指す
消費税の納税事業者は、税抜経理方式と税込経理方式、どちらを選択しても問題ありませんが、全ての取引について同一の方式を適用しなければいけません。

ただし、一定の条件下では税抜経理方式と税込経理方式の混合経理方式の選択も可能です。

3-1. 混合経理方式の適用条件

混合経理方式では、売上を税抜経理方式で処理しているときは、以下の3科目のいずれかは、税込経理方式で処理できます。

  • 固定資産、繰延資産
  • 棚卸資産
  • 販売費、一般管理費などの経費

3-2. 免税事業者は税込経理方式しか適用できない

なお、事業者の中でも消費税の納税義務が免除されている「免税事業者」は、税込経理方式しか適用できません。[注1]

なお、免税事業者とは、課税期間の課税売上高が1,000万円以下の事業者のことです。

上記に該当する場合、帳簿は税込経理方式で記録する必要があります。

[注1]No.6501 納税義務の免除|国税庁

4. 税抜経理方式のメリット

理解した女性税抜経理方式のメリットでは以下が挙げられます。

  • 期中でも納税額が把握しやすい
  • 消費税改正時も修正しやすい
  • 交際費の損金不算入時に有利
  • 固定資産の計上時も有利

消費税を分けて記載するため、期中であっても消費税額を適切に把握できます。そのため、期末時点で把握している利益と大きな違いはなく、支払い税額を事前に準備しやすい点もメリットです。
消費税を別に記載するため、税率改正時の修正もしやすくなります。

なお、交際費や固定資産の計上では、消費税を別にしていた場合、支払い金額分を損金不算入にしたり、経費にしたりできます。

例えば、事務所用品は、取得価格が10万円未満のものは「消耗品費」、10万円以上であれば「備品」と処理方法が変わります。

100,000円(内消費税9,090円)のパソコンを購入したとき、税込方式であれば10万円が取得価格となるため、備品などの固定資産で処理が必要です。しかし、税抜方式であれば90,910円が取得価格となるため、消耗品費などの経費で処理できます。

5. 税抜経理方式のデメリット

悩む男性

税抜経理方式のデメリットは以下のとおりです。

  • 経理処理に手間がかかる
  • 特別償却、特別控除では不利

紙やエクセルなどで経理処理をしているなら、税抜経理方式の方が記録の手間がかかります。しかし、最近では会計システムを導入している会社が多いため、特に問題がないケースも多いでしょう。

また、特別償却や特別控除などは、取得価格が大きいほど控除額も大きくなります。そのため、税込経理方式を使っている方が有利になります。

6. 税込経理方式のメリット

電子書類

税込経理方式のメリットは以下が挙げられます。

  • 過去の会計書類との比較がしやすい
  • 帳簿記録が簡単
  • 特別償却や特別控除で有利

法人の場合、新たに設立された原則として消費税の納税が免除されます。そのため、税込経理方式で帳簿をつけ続ければ、過去の会計書類を見返しやすくなります。
また、帳簿付けも単純なため、経理処理に不慣れでも分かりやすいでしょう。

なお、先ほど説明したとおり、特別償却や特別控除でも有利になります。

関連記事:特別損失に該当するものや計上するメリットを解説

7. 税込経理方式のデメリット

悩む女性

税込経理方式のデメリットは以下のとおりです。

  • 決算時まで正確な利益が分からない
  • 交際費の損金不算入時に有利
  • 固定資産の計上時も有利

企業経営では決算時まで正確な利益が把握できないのは大きな痛手です。特に、税額の把握ミスにより滞納に至った場合、遅延税の支払いも必要になります。なお、遅延税は経費にもできません。
交際費や固定費については、税抜経理方式で解説したとおりです。

8. 税抜経理方式と税込経理方式はどちらが有利?

両手にはてなをもつ女性

税抜経理方式と税込経理方式では支払う消費税に違いはないものの、法人税と所得税に違いが生じます。

その理由は、交際費の損金不算入のベースとなる金額の違いや、減価償却費の計上の違いによるところが大きいでしょう。そのため、一般的に税抜経理方式の方が税制上有利になるとされています。

とはいえ、交際費や減価償却費が少ない中小企業であれば、税込経理方式の方が処理は簡単です。

以上より、一般的に大企業や中堅企業では税抜経理方式が、中小零細企業では税込経理方式が採用されるケースが多くなります。

9. 税抜経理方式も会計システムを使えば簡単に処理できる!

ポイント

経理処理の方法には税込経理方式と税抜経理方式があり、それぞれ、仕訳方法もメリット・デメリットも異なります。
免税事業者でなければ、どちらの処理方法を選択しても問題ないため、自社の状況にあった方法を採用するとよいでしょう。

なお、会計システムを導入すれば、自動で仕入や売上と仮払消費税の仕訳も可能です。税制上のメリットが大きいだけでなく、業務の削減にも役立つため、税抜経理方式を導入する際は合わせて検討するのがおすすめです。

会計の基本は「勘定科目」と「仕訳」
86個の勘定科目と仕訳例をまとめて解説

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jinjer Blog 編集部

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