178万円の壁引き上げで何が変わる?給与計算や扶養判定への影響を解説 - ジンジャー(jinjer)|統合型人事システム

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178万円の壁引き上げで何が変わる?給与計算や扶養判定への影響を解説 - ジンジャー(jinjer)|統合型人事システム

178万円の壁引き上げで何が変わる?給与計算や扶養判定への影響を解説

年収の壁

令和8年度税制改正により、2026年分から所得税の非課税枠が178万円へ引き上げられます。この改正は、最低賃金の上昇に伴う「年収の壁」の見直しとして、パート・アルバイト従業員の労働時間増加や手取り額の向上に寄与することが期待されています。

一方で、社会保険の扶養基準や住民税の課税ラインは異なるため、所得税の非課税枠だけを意識すると、社会保険料の負担増などでかえって手取りが減るケースもあり注意が必要です。本記事では、178万円の壁の仕組みや、企業担当者が実務上留意すべきポイントをわかりやすく解説します。

【2026年最新】最新の「年収の壁」改正、この一冊で丸わかり。 法改正の要点から、企業が今すぐ取るべき実務対応までを図解!

2026年4月から「年収の壁」が178万円へと引き上げられました。さらに、社会保険の加入対象が大幅に広がる「106万円の壁の撤廃」も可決・成立しており、企業への影響は必至です。
対象となるパート・アルバイト従業員の労働時間増加による人手不足の緩和が期待できる一方、社会保険手続きの急増など、労務担当者の実務負担は増すばかりです。この大きな制度変化を、企業の成長機会へと変えるための準備はできていますか?

▼この資料でわかること

  • 結局どう変わる?複雑な制度改正のタイムラインと企業への影響
  • 今後急増する社会保険手続きへの具体的な備え
  • 法改正対応で想定される、システム更新のコストと実務の盲点

複雑化する「年収の壁」問題について、2026年の最新動向を図表でわかりやすく解説しました。ぜひこちらから資料をダウンロードのうえ、貴社のスムーズな法改正対応にお役立てください。

※本資料は、2025年6月時点の法令・成立法案 に基づき作成されたものです。2026年度以降の最新改正(178万円へのスライド等)については、本資料で実務の「土台」を確認した上で、現行の政府ガイドラインと併せてご参照ください。

1. 178万円の壁とは

壁をよじ登る人

「178万円の壁」とは、2026年分の所得税から適用される新たな「年収の壁」です。今後、給与収入が178万円までは、所得税が課されません。「2026年度税制改正関連法」が2026年3月31日に参議院本会議で可決・成立したことにより、引き上げられました。

参考:26年度税制改正法が成立 年収の壁引き上げ・投資促進税制など|日本経済新聞

1-1. 2026年分の所得税の課税ラインは「178万円」に引き上げられた

令和7年度税制改正により、2025年分の所得税では従来の「103万円の壁」が見直され、所得税が発生しない給与収入の上限は160万円へ引き上げられました。さらに、令和8年度税制改正では、2026年分の所得税からこの基準が178万円へ引き上げられます。

178万円という金額は、給与所得控除74万円と基礎控除104万円を合計して算出されたものです。会社員やパート、アルバイトなどの給与所得者は、年収が178万円までであれば、原則として所得税は発生しません。

ただし、この178万円には令和8年分・令和9年分に限って適用される特例措置が含まれています。そのため、令和10年分以降に特例加算が終了した場合には、非課税となる年収ラインが再び引き下げられる可能性があるので注意が必要です。

内訳は次のとおりです。

項目 金額 内容
① 基礎控除(本則) 62万円 誰にでも適用される基本的な控除。従来の58万円(合計所得金額が655万円超2,350万円以下の場合)から引き上げられました。
② 基礎控除(特例加算) 42万円 令和8・9年限定の物価高対策。年収489万円以下の人が対象です。
③ 給与所得控除 69万円 会社員やパートが「経費」として認められる控除。最低保障額が引き上げられました。
④ 給与所得控除(特例加算) 5万円 令和8・9年限定の物価高対策。※所得税は令和8年分及び令和9年分に適用されますが、個人住民税は令和9年度分及び令和10年度分に適用されます。
合計(非課税枠) 178万円 ① + ② + ③ + ④ = 178万円

なお、給与所得控除は給与所得者にのみ適用されるので、フリーランスや自営業者には適用されません。そのため、これらの人は収入から必要経費を差し引いた所得金額が104万円以下であれば、原則として所得税は課税されません。

参考:令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等について|国税庁

関連記事:「年収の壁」撤廃はいつから?103万円・106万円それぞれの廃止時期を解説

1-2. なぜ178万円まで引き上げたの?

年収の壁が178万円まで引き上げられた背景には、まず最低賃金の上昇があります。1995年に設定された103万円の壁は、当時の賃金水準を前提としていましたが、その後の賃金や物価の変化により、現状とのズレが指摘されるようになりました。

実際、1995年頃の最低賃金は時給500円程度でしたが、現在では全国加重平均で1,000円を超える水準に達しています。このような環境の変化を踏まえると、従来の103万円という基準は実態にそぐわなくなっており、見直しの必要性が高まっていました。

また、いわゆる「働き控え」の問題も見直しの大きな要因です。一定の年収を超えることで税金や社会保険料の負担が発生するため、労働時間を意図的に抑える動きが広がり、結果として企業の人手不足を一層深刻化させていました。

さらに、税制や社会保険制度の複雑さによって、特定の年収帯で負担が急増する「段差」が生じている点も課題とされてきました。こうした制度の歪みを是正し、働き方に中立でわかりやすい仕組みに改める必要性が高まったことが、年収の壁引き上げの背景にあります。

参考:地域別最低賃金の全国一覧|厚生労働省

2. 178万円の壁への引き上げで生じる影響

指を立てる女性

ここでは、2年連続で進められている「年収の壁」の見直しによって、所得税の課税基準が178万円まで引き上げられることで想定される主な影響を解説します。

2-1. 所得税負担の軽減により従業員の手取りが増える

178万円まで所得税の非課税枠が拡大されることで、これまで給与収入が103万円(2024年以前)や160万円(2025年)を超えた時点で生じていた所得税負担がさらに軽減され、一定の収入帯にある従業員では手取り額の増加が見込まれます。

特に、パート・アルバイト従業員のなかには、所得税が発生する年収ラインを意識して勤務時間やシフトを調整していたケースも多くみられました。非課税となる上限額が178万円まで引き上げられることで、収入を抑えることなく働きやすくなり、結果として労働時間の増加や就業調整の緩和につながる可能性があります。

この変化は、企業側にとっても人材確保や人手不足への対応を進めやすくする要因のひとつといえるでしょう。これまで「年収の壁」を意識して就業時間を抑えていた人材が、より柔軟に働けるようになれば、繁忙期のシフト確保や安定した労働力の確保にもつながることが期待されます。

一方で、給与所得控除の上限額(195万円)や、合計所得金額2,350万円超の高所得者に適用される基礎控除の取り扱いには変更がありません。そのため、高所得者層においては、178万円の壁への引き上げによる手取り増加の恩恵は限定的と考えられます。

参考:No.1410 給与所得控除|国税庁
参考:No.1199 基礎控除|国税庁
参考:令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等について|国税庁

2-2. 給与計算や年末調整の実務対応が必要になる

178万円の壁への引き上げに伴い、毎月の給与計算や年末調整の実務にも新たな対応が求められます。毎月の給与計算では、所得税の源泉徴収額を改正後の税額表に沿って正確に計算する必要があります。また、年末調整では、その年に支払った給与総額をもとに所得税額の最終的な精算をおこなうため、改正後の控除基準を反映した処理が不可欠です。

毎月の給与から旧基準で源泉徴収をおこなっていた場合でも、年末調整の段階で新基準に基づいて再計算し、過不足を精算する必要があります。特に扶養控除等申告書の確認では、従業員本人の収入だけでなく、配偶者や扶養親族の年間収入見込みまで含めて判定しなければならず、従来以上に確認項目が増える可能性があります。

なお、令和8年度税制改正(所得税の基礎控除の引上げ等)の施行日は「2026年12月1日」です。年末調整は、原則としてその年の最後に給与等を支払う時点の現況に基づいておこなわれますが、従業員が年の途中で死亡または出国した場合には、その時点で年末調整を実施します。そのため、出国時期などによっては、改正前・改正後いずれの取り扱いとなるかについて、個別の確認が必要です。

参考:令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等について|国税庁
参考:No.2671 年末調整の後に扶養親族等の人数が異動したとき|国税庁

関連記事:年末調整はいつが期限?具体的なスケジュールや提出書類を解説

2-3. 【企業担当者向け】制度改正を踏まえて今後求められる対応とは?

178万円の壁の引き上げに伴う税制改正へ円滑に対応するには、以下の準備が必要です。

  • 年末調整のスケジュールや社内の運用フローを見直す

施行時期に合わせて給与計算ソフトの設定や更新状況を確認し、年末調整のスケジュールや社内の運用フローを見直しておくことが重要です。使っている給与計算システムや年末調整システムに、所得税の計算方法に変更が必要かどうか、事前にチェックしておきましょう。

  • 従業員に説明できるようにしておく

企業担当者には、制度改正によって従業員の働き方や手取り額にどのような影響が生じるのかをわかりやすく説明する役割が求められることもあります。

例えば「178万円まで働けるようになれば必ず手取りが増える」と誤解している従業員に対して、実際には社会保険の加入条件に該当したり、配偶者控除・扶養控除の適用範囲に影響したりする場合について説明する必要があります。所得税だけでなく、住民税や社会保険料も含めた全体像を整理して案内するとよいでしょう。

  • 年末調整前に収入状況を把握する

必要に応じて給与規程や扶養手当の判定基準の運用方法を確認し、年末調整前の段階で収入状況を把握できる体制を整えておくことで、後から税額修正や個別対応に追われる負担を軽減できます。制度改正は従業員の就業調整にも影響するので、人事・労務部門としては早い段階から情報収集を進め、計画的に社内準備を進めることが求められるでしょう。

3. 178万円の壁の落とし穴

悩む男性

178万円の壁は、所得税がかからない収入上限として注目されていますが、実際には税金や社会保険の仕組みがそれぞれ異なるので、「178万円までなら安心」と単純には判断できません。ここでは、制度上特に誤解されやすいポイントを整理します。

3-1. 配偶者控除・扶養控除の判定基準となる年収の壁は「136万円」

令和8年度税制改正により、2026年分の所得税において、配偶者控除や扶養控除の対象となる配偶者や子などの親族の所得要件は「合計所得金額62万円以下」となり、2025年分の58万円以下から引き上げられます。ここでいう合計所得金額とは、給与所得や事業所得など各種所得を合算した金額を指します。

例えば、収入が給与のみの学生やパート・アルバイトの場合、給与所得控除74万円を差し引くと、給与収入136万円以下であれば合計所得金額は62万円以下に収まり、配偶者控除や扶養控除の判定基準を満たします。

そのため、178万円まで所得税がかからないことだけを意識して収入を増やし、給与収入が136万円を超えると、扶養する側が配偶者控除や扶養控除を受けられなくなる可能性があります。結果として、扶養する側の所得控除額が減少し、世帯全体で見た税負担が増えるケースもあるので、収入調整を考える際には扶養判定の基準もあわせて確認することが重要です。

参考:専門用語集|国税庁
参考:令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等について|国税庁

3-2. 住民税がかかり始める年収の目安は「119万円」

178万円まで給与収入があっても所得税は発生しませんが、住民税は所得税とは異なる基準で判定されるため、別途課税される可能性があります。さらに住民税は、その年の所得に対して翌年度に課税される仕組みである点にも注意が必要です。例えば、2027年度の住民税は2026年1月から12月までの所得を基に算定されます。

令和8年度税制改正では、住民税についても給与所得控除の最低保障額は所得税と同様に引き上げられますが、基礎控除額は現行のまま据え置かれます。例えば、東京都23区で扶養親族のいない単身者の場合、合計所得金額45万円以下であれば住民税(所得割・均等割ともに)は非課税です。

給与収入のみの場合は、給与所得控除74万円を差し引いた後の所得で判定されるため、年収119万円以下であれば合計所得金額45万円以下となり、2027年度の住民税は非課税となります。ただし、この非課税基準は自治体ごとに異なる場合があるので注意が必要です。

そのため、「178万円までは完全に税金がかからない」と理解してしまうと、翌年度に住民税の納税通知が届いた際に想定外の負担を感じることがあります。特にパートやアルバイトでは、年内は所得税負担が発生しなくても、翌年6月以降の住民税徴収で初めて負担を実感するケースもあるので、事前に注意喚起しておくことが大切です。

参考:個人住民税|東京都
参考:令和8年度税制改正の大綱|財務省

関連記事:110万円の壁とは?住民税の壁と人事が押さえるべき実務ポイントを解説
関連記事:【2026年最新動向】年収の壁とは?所得税・住民税や社会保険の壁を徹底解説

3-3. 毎月の給与から天引きされる源泉所得税への影響は2027年1月以降に反映

178万円の壁は2026年分の所得税から適用されますが、毎月の給与計算に直接反映されるのは、改正後の源泉徴収税額表が運用開始されてからです。通常、新しい税額表は翌年1月支給分の給与から適用されるので、給与から差し引かれる源泉所得税に変化がはっきり表れるのは2027年1月以降となります。

そのため、2026年中に支払われる給与については、いったん従来の税額表に基づいて源泉徴収がおこなわれ、年末調整の段階で1年間の給与総額に対する正しい所得税額を再計算し、差額を精算する流れになります。

なお、年末調整の対象外の人であっても、令和8年度税制改正により、新たに扶養親族等の要件を満たす親族が生じる可能性があります。この場合、2026年12月に支払う給与等については、引き続き令和8年分の源泉徴収税額表を使用しますが、扶養控除等申告書の内容に変更が反映されると、扶養親族等の人数の増減に応じて源泉所得税額が変動する可能性がある点には留意が必要です。

参考:令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等について|国税庁

関連記事:給与計算における所得税の計算方法とは?源泉徴収の仕組みも解説

3-4. 社会保険の扶養判定では「130万円」の壁に注意

178万円の壁へ引き上げられても、健康保険や厚生年金保険といった社会保険の扶養判定基準そのものは原則として変更されません。社会保険上の扶養に入るためには、引き続き年間収入130万円未満であることが基本要件となります。

そのため、所得税については178万円まで非課税となる場合でも、年収が130万円を超えると扶養から外れ、自ら保険料を負担する可能性があります。社会保険料の負担額は年間で数十万円に及ぶこともあり、所得税の軽減による手取り増加よりも負担増の影響が大きくなるケースも少なくないでしょう。

また、税制上の収入判定と社会保険上の収入判定では、算入対象となる金額に違いがあります。例えば、通勤手当は税法上は一定額まで非課税として扱われますが、社会保険では収入に含めて判定する必要があります。

さらに、2026年4月からは130万円基準の判断方法にも運用変更があり、労働契約の内容から合理的に見込まれる年間収入を基準に判定する取り扱いが原則となっています。就業者の働き方を調整する際は、所得税の非課税ラインだけでなく、社会保険の加入条件や保険料負担まで含めて総合的に確認しておくことが重要です。

参考:従業員(健康保険・厚生年金保険の被保険者)が家族を被扶養者にするとき、被扶養者に異動があったときの手続き|日本年金機構
参考:労働契約内容による年間収入が基準額未満である場合の被扶養者の認定における年間収入の取扱いについて|厚生労働省

関連記事:130万円の壁とは?2026年4月から労働契約ベースに計算方法が変更に!

4. 178万円の壁引き上げの影響を理解して正確に対応しよう

ポジティブにとらえる人

2026年分から適用される「178万円の壁」は、所得税がかからない給与収入の上限を引き上げることで、従業員の手取り増加や就業調整の緩和につながる制度改正です。一方で、住民税が課税される基準や、配偶者控除・扶養控除の判定基準、さらに社会保険上の扶養認定基準はそれぞれ別に定められており、所得税の非課税枠だけを見て判断すると誤解が生じやすい点に注意が必要です。

企業担当者は、単なる税額計算の変更にとどまらず、こうした複雑な仕組みを従業員へ丁寧に周知し、働き方の相談に乗ることが重要です。制度の全体像を正しく把握し、給与計算ソフトの更新や運用フローの見直しを計画的に進めることで、円滑な法改正対応を目指しましょう。

【2026年最新】最新の「年収の壁」改正、この一冊で丸わかり。 法改正の要点から、企業が今すぐ取るべき実務対応までを図解!

2026年4月から「年収の壁」が178万円へと引き上げられました。さらに、社会保険の加入対象が大幅に広がる「106万円の壁の撤廃」も可決・成立しており、企業への影響は必至です。
対象となるパート・アルバイト従業員の労働時間増加による人手不足の緩和が期待できる一方、社会保険手続きの急増など、労務担当者の実務負担は増すばかりです。この大きな制度変化を、企業の成長機会へと変えるための準備はできていますか?

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  • 結局どう変わる?複雑な制度改正のタイムラインと企業への影響
  • 今後急増する社会保険手続きへの具体的な備え
  • 法改正対応で想定される、システム更新のコストと実務の盲点

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※本資料は、2025年6月時点の法令・成立法案 に基づき作成されたものです。2026年度以降の最新改正(178万円へのスライド等)については、本資料で実務の「土台」を確認した上で、現行の政府ガイドラインと併せてご参照ください。

jinjer Blog 編集部

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