複合仕訳とは?単一仕訳との違いやメリット・デメリットを紹介 - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

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複合仕訳とは?単一仕訳との違いやメリット・デメリットを紹介

電卓

複合仕訳とは、n行対n行のように、1つの取引で借方・貸方の複数の行を使って記録する仕訳方法です。帳簿上の仕訳内容は分かりやすい反面、総勘定元帳に転記すると相手勘定科目が「諸口」となる点がデメリットです。

本記事では、複合仕訳とは何か、単一仕訳との違いと、複合仕訳を使うメリット・デメリット、複合仕訳から単一仕訳に変更かる方法を解説します。

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1. 複合仕訳とは?

グラフ

複合仕訳とは、借方・貸方の片方、または双方で、複数の行を使い1つの取引を表す方法です。具体例を挙げると以下のようになります。

【例1】
商品5,000円を売り上げ、代金は商品券3,000円、現金1,000円を受け取り、残りは掛けとした。

(借方) (貸方)
受取商品券3,000円 売上5,000円
現金 1,000円
売掛金1,000円

【例2】
得意先へ商品5000円に送料1500円を加えた合計金額で販売し、代金は掛けとした。なお、送料は現金で受け取った。

(借方) (貸方)
売掛金5,000円 売上5,000円
発送費1,500円 現金1,000円

このように、複数行にわたる取引が複合仕訳です。複合仕訳では、借方と貸方の行数に応じ、以下の仕訳方法が考えられます。

  • 1行対n行
  • n行対1行
  • n行対n行
  • n行対m行(n≠m)
  • m行対n行(n≠m)

2. 複合仕訳と単一仕訳の違い

違い

複合仕訳とは異なり、1行対1行で行なう仕訳を単一仕訳(または、単独仕訳)といいます。具体例を挙げると以下のとおりです。

【例】
商品5,000円を売り上げ、代金は現金で回収した。

(借方) (貸方)
現金5,000円 売上5,000円

借方1行に対し、貸方も1行で完結しているため、分かりやすい仕訳方法です。

以上のように、複合仕訳は借方・貸方のどちらか、または双方が複数行になるのに対し、単一仕訳は借方・貸方、どちらも1行のみの仕訳方法です。

3. 複合仕訳のメリット

メリット

複合仕訳は、帳簿を見るだけで取引内容が分かり、仕訳回数も1回で済む点がメリットです。また、多くの会計ソフトは複合仕訳に対応しているため、企業で会計処理を行なう際も、複合仕訳を使うケースが多いでしょう。

3-1. 取引内容が一目で分かる

複合仕訳では、1つの取引内容を必要な勘定科目のみを用いて仕訳するため、後から見返したときも確認しやすく、間違いにも気付きやすくなります。

単一仕訳の処理方法では、勘定科目が複数必要な取引の仕訳では「諸口」を多用するため、取引内容は分かりづらくなります。

3-2. 仕訳の回数が1回で済む

複合仕訳は1行対n行のように、一度に複数の勘定科目と金額を記録できるため、仕訳回数が少ない点もメリットです。これは、手書きの帳簿だけでなく会計システムを使っても同様です。

単一仕訳では、1行対1行のためそれぞれに勘定科目と金額の入力が必要です。給与支払いのように、取引内容が複雑になればなるほど、インプットに時間がかかります。

3-3. 多くの経理・会計システムが対応している

最近の経理や会計システムの多くは複合仕訳に対応しています。振替伝票に入力した内容は自動で複合仕訳への変換が可能です。

複合仕訳の方法を理解すれば、会計システムが変わったり、転職したりしても、すぐに仕訳ができるでしょう。

3-4. 複合仕訳から単一仕訳に変更も可能

なお、会計システムの中には、単一仕訳のみに対応しているものもあります。そのような場合でも、複合仕訳から単一仕訳に変換することは可能です。

詳しいやり方は後半の「複合仕訳を単一仕訳に変更する方法」にて解説します。

4. 複合仕訳のデメリット

デメリット

複合仕訳のデメリットは、一つの取引を複数行にまとめて記載するため、仕組みを理解するまでは仕訳が難しい点です。また、総勘定元帳に転記すると、相手勘定科目が分からなくなります。

4-1. 仕訳方法の理解が難しい

単一仕訳であれば、借方・貸方には同じ金額が記載されます。これは、複合仕訳を単一仕訳に変更した際も同じため、取引が複雑になっても、借方合計と貸方合計が合わないなどの事態は発生しづらいでしょう。

しかし、複合仕訳の場合、借方合計と貸方合計は同じであるものの、原因に対しする結果が複数あるため、慣れないうちは処理が難しく感じる可能性はあります。

4-2. 総勘定元帳に転記すると相手科目が特定できない

仕訳をした結果は総勘定元帳に転記が必要ですが、複合仕訳では、相手科目が複数になるときは「諸口」として転記します。以下に例を挙げます。

【例】

(借方) (貸方)
4/1 仕入5,000円 現金3,000円
買掛金2,000円

上記の場合、仕入の元帳には以下のように記載されます。

仕 入

摘要 借方 摘要 貸方
4月1日 諸口 5,000円

諸口は、現金3,000円と買掛金2,000円を表しているものの、上記を見ただけでは取引内容は分かりません。

そのため、複合仕訳で総勘定元帳を読み解くためには、振替伝票や帳簿などを素早く確認できる仕組みが必要です。

なお、単一仕訳の場合は取引内容を金額別に1対1で記載するため、総勘定元帳の確認はしやすくなります。

5. 複合仕訳を単一仕訳に変更する方法

チェックマーク

以上のように、複合仕訳は帳簿上では取引内容が確認しやすい反面、総勘定元帳では分かりづらくなります。また、一部の会計システムでは、資金繰り表などの作成時に正しく表示されないこともあります。

そのようなときは、複合仕訳を単一仕訳に変更して記録しましょう。2つの方法を紹介します。

5-1. 諸口を使う方法

諸口(しょくち)とは相手勘定科目が複数ある際に用いる表記です。複合仕訳を諸口により単一仕訳に変更すると以下のようになります。

【複合仕訳】

(借方) (貸方)
受取商品券3,000円 売上5,000円
現金1,000円
売掛金1,000円

【単一仕訳】

(借方) (貸方)
諸口5,000円 売上5,000円
受取商品券3,000円 諸口3,000円
現金1,000円 諸口1,000円
売掛金1,000円 諸口1,000円

上記のように4つの単一仕訳に分けて記載します。なお、勘定科目がより複雑な仕訳では、総勘定元帳の表示が勘定科目ではなく「諸口」となってしまうこともあるため注意しましょう。

5-2. 勘定科目と金額を分ける方法

諸口を使わず、一つの勘定科目にまとまっている金額を分けて記載する方法もあります。

【複合仕訳】

(借方) (貸方)
受取商品券3,000円 売上5,000円
現金1,000円
売掛金1,000円

【単一仕訳】

(借方) (貸方)
受取商品券3,000円 売上3,000円
現金1,000円 売上1,000円
売掛金1,000円 売上1,000円

上記のように3つの単一仕訳に分けて記載します。上記であれば、総勘定元帳上も相手勘定科目が確認しやすい点がメリットです。しかし、1つの取引で仕訳する量が多い場合、合計額に間違いがないか確認が必要なため、手間は増えます。

6. 複合仕訳と単一仕訳は用途により使い分けよう

働く女性

複合仕訳は1つの取引を借方と貸方、複数行で記載するため、帳簿上で取引内容が分かりやすい点がメリットです。しかし、総勘定元帳上は相手勘定科目が「諸口」と記載されるため、分かりづらくなります。

複合仕訳と単一仕訳、どちらで会計システムに記録するかは、どのような帳簿を見やすくしたいか、また、仕訳をどのような資料に使いたいかにより異なります。それぞれ、関係者の意見を確認し、適切な方法で仕訳しましょう。

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jinjer Blog 編集部

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