国際会計基準とは?導入のメリット・デメリットを徹底解説
更新日: 2024.1.16
公開日: 2023.1.31
jinjer Blog 編集部
会計は企業において重要な業務です。この業務は日本だけでなく、世界中で行われています。そして、具体的な会計方法は、世界と日本では異なる点があります。
そこで今回は、国際会計基準について導入のメリットやデメリットなどを解説します。
国際会計基準の導入を検討している場合は、メリット、デメリットをしっかりと把握しておきましょう。
目次
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1. 国際会計基準とは?
国際会計基準とは、世界共通の会計基準を指し、IFRSの名でも知られています。これまで日本の会計基準は世界と考え方や会計処理に違いがありました。それを徐々に近づけていこうとする動きが出始めています。たとえば、国際会計基準を統一基準としているEUは2009年から外国企業を対象にIFRSか同等以上の会計基準適用を義務付けています。
1-1. 日本における国際会計基準の浸透
日本では国際会計基準は2007年に国際会計基準に集約することが決まり、2009年には国際会計基準の任意適用がスタートしました。
当初は早期の適用が予定されていましたが、その後の2011年の東日本大震災によって経済が混乱の陥ってしまいます。
その後、2021年4月以降から公認会計士の会計監査を受ける会社や大企業、上場企業には適用されています。
2. 国際会計基準のメリット
国際会計基準を導入することで、海外の投資家でも財務状況が理解しやすいという特徴があります。
そのため、海外からの資金調達しやすいというメリットにつながります。国内からの資金調達だけにとどまらず海外からも資金調達可能なため、多様性が生まれるでしょう。
それ以外にも次のようなメリットがあります。
- 子会社が海外にある企業であれば会計基準を統一できる
- M&Aののれん代を均等償却する必要がなくなる
2-1. 海外にある子会社と会計基準を統一できる
子会社が海外にある場合、国際会計基準を統一することですべての会社の財務状況が比較できます。
国際会計基準を統一することによって、どこに問題があるのかが比較しやすくなるでしょう。また、企業経営を行うにあたって必要な意思決定がスムーズかつスピーディーに下せるようになります。
2-2. M&Aののれん代を均等償却する必要がなくなる
M&Aを行なった場合、買収する企業の資産だけでなくのれん代が発生するとされています。こののれん代とはブランド力やノウハウなどの無形資産を指します。
日本の従来の会計基準の場合、M&Aで発生したのれん代は20期以内に毎期均等に償却しないといけません。
一方、国際会計基準ではのれん代を均等償却する必要はありません。そのため、会計上における利益が減りづらいというメリットがあります。
3. 国際会計基準のデメリット
国際会計基準のデメリットとして挙げられるのが制度の難解さです。さらに、英語で会計制度に触れる必要があるうえに、規定がひんぱんに変更されるため、その都度対応しなければなりません。
また、説明責任を果たさなければならず、大量の注記を記す必要があります。これまでの日本の基準に慣れている場合は、国際会計基準への切り替えが難しいかもしれません。
3-1. 適応するまでに時間がかかる
上述のとおり、国際会計基準は難解というデメリットがあります。そのため、国際会計基準を導入することで、適応するまでに時間がかかってしまう恐れがあります。
また、適応するために、コンサルタントやアドバイザーへの依頼や会計システムの切り替えなど、コストが発生する可能性があります。
3-2. 範囲が拡大されることによる負担の増加
国際会計基準では、これまでの日本の基準では負債や資産として扱われなかったものが対象となるケースがあります。そのため、新たに増えてしまう負債や資産への対応に追われてしまう可能性があります。
4. 国際会計基準の導入方法
国際会計基準を導入するには、まず適用される時期を決めておきましょう。適用時期が決まったら、計画書を作成します
計画書を作成したら、同書に基づいて会計の方針の文書化やモデルとなる財務諸表の作成を進めましょう。なお、モデルとなる財務諸表を作成する際は、同表の本体の数字だけに気をとられないようにします。注記情報のもととなるデータを効率よく集めるための工夫も必要です。
最後に新システムを運用をして、問題点があればすぐに修正しましょう。
5. 国際会計基準の導入が影響を及ぼす範囲
国際系基準を導入することで、以下に影響が及ぼされると考えられます。
- 会計方針
- 業務のプロセス
- 会計システム
国際会計基準を導入するには、社内でどれくらの影響が発生するかを確認したうえで行うようにしましょう。
5-1. 会計方針
国際会計基準の導入によって、同基準に則った財務諸表を作成します。これによって会計の方針が変更されます。なかでも、売上計上基準と固定資産会計が大きな変更点となるでしょう。
たとえば、固定資産税は、これまでは法人税法で決められた減価償却計算を行なっていました。しかし、国際会計基準によって、企業が耐用年数を設定して償却計算をする必要が出てきます。
5-2. 業務のプロセス
会計方針が変更されることで、当然業務のプロセスも変更となります。たとえば、個別財務諸表は国際会計基準が適用されないため、従来の会計方法で作成する必要があり、結果業務プロセスが増えてしまいます。
5-3. 会計システム
国際会計基準を導入することで、従来の会計システムが使えなくなってしまいます。そのため、国際会計基準に対応したシステムを導入する必要があるでしょう。
6. 国際会計基準のメリット・デメリットを理解して導入しよう
国際会計基準は日本特有の会計基準と異なり、世界共通となる会計基準です。国際会計基準を導入することで、海外の投資家であっても財務状況が判断しやすく、海外からの資金調達に効果が期待できます。また、海外に子会社がある場合に財務表を統一化して状況が把握しやすくなる、M&Aによって発生したのれん代の均等償却が不要になります。
一方、適応するまでに時間がかかる、範囲が拡大されることによる負担の増加といったデメリットにもつながります。そのため、国際会計基準を導入する際は、メリット、デメリットを理解したうえで、ポイントを押さえてから導入しましょう。
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