製本した契約書に捺印が必要な理由とは?契印と割印の違いや製本する方法を解説!
1つの契約書面が複数枚にわたる場合には、製本するのが一般的です。製本をおこなうことで、書面を改ざんされることを防止でき、捺印する箇所を減らすこともできます。
ただし、不正防止の観点から製本は正しい方法がおこなうことが重要です。
この記事では、契約書の製本が必要な理由や、正しく製本する方法、捺印の仕方などを解説します。
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目次
1.契約書の製本の際に捺印が必要な理由
契約書が複数枚にわたる場合、製本して取引先に送付したり、保管したりするケースが多いでしょう。製本は本来義務付けられてはいないものの、管理をしやすくするためや、捺印(契印)の手間を省くためにおこなわれます。
1-1.契約書の製本は捺印箇所を減らすためにおこなう
上述した通り、契約書を製本する義務は法律などで定められてはいません。しかし、複数枚ある契約書を製本していない場合、改ざん防止のために契約書1枚ずつに捺印しなければならなくなります。
そこで、契約書を製本することによって、1枚ずつ捺印する必要はなくなります。
製本した際には、基本的に下記3か所に1か所ずつ捺印をおこないます。
・社名もしくは代表者名の記載箇所
・表紙
・背表紙
1-2.製本した契約書への契印は本来必要ない
製本した契約書の表紙と背表紙に捺印する印鑑のことを、「契印」といいます。
しかし、製本した契約書にその「契印」を押す義務も法律では定められていません。
過去の法律では、行政に対し提出する文書の偽装防止を目的として捺印が必要であったものの、企業間の取引ではこのような処理は本来必要ありません。また、押し忘れてしまっても、契約書自体の効力がなくなることもありません。
なぜ、製本した契約書に捺印をおこなう習慣があるのかというと、過去の法律における目的と同様、契約書の偽装や改ざん、ページの差し替えなどがおこなわれるのを防ぐためです。これらの不安を取引先双方が解消する手段として、現在でも製本した契約書に捺印する文化が残っています。
2.契印と割印の違い
印鑑の種類はさまざまですが、製本した際に利用する「契印」と混同される印鑑として、「割印」が挙げられます。
上述した通り、契印とは、製本した契約書の表紙と背表紙に捺印する印鑑のことを指します。製本する際に貼り付ける紙と書類本体の境目に捺印し、両者の印影がまたがるようにします。
契印専用の印鑑ではなく、署名で使用した印鑑をそのまま契印として使用します。
一方、割印とは2枚以上の書類の関連性などを示すために押印される印鑑のことです。そのため、割印が押された2枚の書類は、別々の所有者が1枚ずつ保管するケースが一般的です。
たとえば、契約書とその控えや、領収書とその控えに押すなどして、双方の書類の関連性を明らかにします。
捺印する際は、重ねた2枚以上の書類をずらして、境目に捺印して、それぞれの書類に印影がまたがるようにします。
割印として使用する印鑑は何を使用しても問題ないとされていますが、契印と同様、署名で使用した印鑑をそのまま使用するのが一般的です。
3.契約書を製本するための方法
ここからは、実際に契約書を製本する方法について解説します。
3-1.契約書を印刷する
まずは契約書の印刷をおこないます。
印刷する書面のサイズに指定はありませんが、A3用紙に2ページ分印刷して作成するのが一般的です。この印刷方法で製本する場合、片面印刷にして、印刷面を表側にして折り込みます。
3-2.契約書をホチキスで綴じる
次に、契約書が動かないように2箇所または3箇所をホチキスで契約書を綴じます。
書類の端ぎりぎりで止めてしまうと書類が外れやすくなってしまうため、5〜10ミリ程度内側で綴じるようにしましょう。
3-3.製本テープや帯状の紙を準備する
続いて、製本テープや帯状の紙を準備しましょう。
帯状の紙を準備する場合と比べて、製本テープはのり付けをする必要がなくなるので便利です。
契約書面の縦幅より少し長めに切って、製本テープまたは紙を貼り付けるようにしましょう。
3-4.ホチキスに被せて帯を貼り付ける
製本テープもしくは帯状の紙が用意できたら、ホチキスに被せるようにして貼り付けます。事前に帯を縦に折っておくと、綺麗に真ん中で貼り付けやすくなります。
なお、自作で帯状の紙を作成する場合には、幅が足りずにホチキスで綴った場所がはみ出ることがないように気を付けましょう。
3-5.契印を押す
製本が終わったら、契約書に契印を押しましょう。
先述した通り、製本した契約書を綴じた帯部分と、契約書の書面を境目に捺印し、両者に印影がまたがるようにします。
4.契約書を製本する場合の注意点
ここからは、契約書を製本する場合の注意点を3つ紹介します。
4-1.捺印する場所を間違えない
先述したとおり、捺印する場所は、製本する際に貼り付ける紙と書類本体の境目で、両者に印影がまたがるようにします。
捺印する場所は、表紙と背表紙のどちらか一方でも、両方でも問題ありませんが、相手方の対応や社内方針とあわせるのがよいでしょう。
4-2.製本テープや帯を契約書の文章に被せない
製本のコツがあまりつかめていないと、どうしても帯が表裏で不均衡になってしまうこともあるでしょう。
しかし、帯が契約書の端に記載されている文章に被さっているのは、あまり良いとはいえません。
製本した契約書を送付する取引先から、良くないイメージを持たれることのないよう、書面の文章に被せることなく、帯を綺麗に貼り付けるようにしましょう。
4-3.印刷ミスを発生させない
契約書の製本にあまり慣れていない場合、いつもの印刷形式と異なるため、印刷ミスが発生する可能性もあるでしょう。また、製本をするということは複数枚印刷をおこなうため、紙代やインク代が相当余分にかかってしまいます。
製本作業に慣れている人から事前にやり方を教えてもらうなどして、印刷ミスが発生しないようにしましょう。
社内全体でミスを発生させないようにする場合は、製本のマニュアルなどを作成してもよいでしょう。
5.契約書を製本する手間が無くなる電子契約のメリット
契約書を製本することで捺印箇所を減らすことができる反面、製本自体に手間がかかる点がデメリットとして挙げられます。そのため、製本の手間を減らして契約業務を効率化したいのであれば、電子契約の導入がおすすめです。
電子契約では通常、電子契約システムを利用します。契約書の作成から締結、保管まで、すべてデジタル化することが可能です。
ここからは、電子契約のメリットを4つ紹介します。
5-1.ページが複数ある契約書も差し替えの心配なく送付できる
電子契約では、複数枚にわたる契約書も電子上で1つのファイルにできるため、製本をおこなう必要がありません。
また、データの改ざんを防止する仕組みとして、電子署名やタイムスタンプを利用するため、ページの差し替えはもちろん、文書自体の変更を防ぐことができます。
以上のように、電子契約には強固なセキュリティ対策が施されており、法的効力も保証されています。
5-2.製本テープや収入印紙などのコスト削減
紙の契約書を製本すると、製本テープ代だけでなく、印刷代や郵送代などの細かな費用が発生します。
また、紙の書類の場合は印紙税も発生するため、収入印紙の購入も必要となります。
電子契約はインタ―ネットを利用して契約締結をおこなうため、上記に挙げたようなコストの節約が可能です。
また、電子データは印紙税の支払いにおける文書に該当しないため、収入印紙の購入も不要となります。
5-3.契約締結までの時間を短縮できる
電子契約では、契約書の送付をEメールなどでおこなうため、契約書が完成し次第、すぐに相手方(取引先)に送付することができます。また、相手方も電子上で簡単に電子署名を付与することができるので、手間がかかりません。
このように、郵送にかかる日数を考慮する必要がなく、業務の可視化もしやすくなるため、スピーディーな契約締結が実現可能です。
5-4.電子保存で保管場所が不要
紙の契約書の場合、書類の量に応じた保管場所の確保が必要となります。
新しい契約書を締結するたびに、整理整頓をおこなわなければならず、確認や保存期間の過ぎた文書の破棄に大きな労力がかかります。
一方、電子契約では、e-文書法などを根拠として、契約書を電子上で保管することが認められています。
このように、場所を取らず大量の書類をデータベースで保存できるだけでなく、検索をすれば必要な書類をすぐに見つけることができるのが、電子契約の魅力といえるでしょう。
6.契約書の製本や捺印の手間を省きたいなら電子契約を導入がおすすめ!
契約書の製本は、改ざんやページの差し替えを防止でき、契印を押す箇所の削減ができるためにおこないます。
ただし、正しい方法で製本しない場合、ページの差し替えなどのリスクもあるため注意しましょう。
また、現在では法改正によって、Web上での契約締結や保管が可能となりました。
契約書の製本や捺印対応に手間を省きたい場合には、電子契約を導入して業務を効率化するのがおすすめです。
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