契約書の保管でお悩みの方必見|法律と電子化の方法を合わせて解説 | jinjerBlog

契約書の保管でお悩みの方必見|法律と電子化の方法を合わせて解説

多くの企業が抱えている課題のひとつに契約書の保管があります。契約書は企業が事業活動をおこなう上でなくてはならないものです。

しかし、増え続ける契約書の管理に手が回らず、適切に保管できていない企業も珍しくありません。

この記事では契約書の保管に関する基本的な法令や、紙の契約書を適切に管理するためのポイント、そして近年注目されている契約書の電子化について解説します。

自社の電子データの保管方法が電子帳簿保存法に即しているか知りたい方へ

電子帳簿保存法

2021年5月の「電子帳簿保存法」改正案公布によって、2022年1月に電子帳簿保存法が改正されました(猶予期間あり)。

これにより、デジタル社会の実現に向けて法整備が進み、今まで電子化できなかった書面が電子化できるようになります。

ジンジャーサインでは主に電子取引のデータ保管に必要な5つの要件について、図を用いてわかりやすく資料にまとめました。是非ダウンロードしてご確認ください。

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・電子帳簿保存法の法解釈
・対象となる電子取引データの保管方法
・法改正の流れと今後の変化 など

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1.法律で決められた契約書の保管期間

まずはそれぞれの契約書の保管期限について正しく理解することが大切です。ここでは契約書の保管に関する法律について解説します。

契約書の保管期間を割定める主な法律

企業が取り扱う契約書の基本的な扱い方を定めた法律が「会社法」と「法人税法」です。

●会社法

一般的な契約書の保管期間は会社法により「契約終了後10年間」と定められています。会社法とは、会社の設立や資金調達など企業が事業活動をおこなう上での基本ルールを定めた法律です。全ての企業は会社法に従って事業をおこなわなければなりません。

契約終了後10年間という保管期間は取引の安全性を考慮しても受けられるものです。もし当事者同士で契約トラブルが発生した場合、契約書は裁判の証拠として機能します。

ただし、契約終了後10年を経過した契約については、仮に損害賠償等の訴えを起こしたとしても法的安定性が確保できないことから契約書の保管義務はありません。

●法人税法

税務処理に関わる書類(請求書、領収書、見積書など)は、法人税法により「7年間」の最低保管期間が定められています。

他にも決算書類や税務申告書類なども7年間の保管が義務付けられる書類です。

税務署による税務調査が入った場合、法令で定められた書類が保管されていないと適切な対応ができません。正しく納税していたとしても、求められた書類が提出できなければ申告内容の改ざんを疑われてしまいます。

税務調査は全ての企業が対象となり得るため、税務関連書類は適切に管理しましょう。

主要な各種契約書の保管期間

企業の事業活動に関わる主な書類・契約書の保管期限を一覧でご紹介します。書類の保管について定めた法律は会社法や法人税法だけではありません。特に建物の施工に関する書類は長期の保管期限が定められています。

健康保険・厚生年金・雇用保険に関する書類
保管期間:2年(健康保険法施行規則34)

労災保険に関する書類
保管期間:3年(労働者災害補償保険法施行規則51)

派遣元管理台帳
保管期間:3年労働者派遣事業法37

労働条件に関する重要書類
保管期間:5年(労働基準法施行規則56)

雇入れまたは退職に関する書類
保管期間:5年(労働基準法施行規則56)

産業廃棄物処理委託契約書
保管期間:5年(産業廃棄物処理法で高規則8の4の3)

有価証券届出書等の写し
保管期間:5年(金融商品取引法25)

請求書、見積書等の税務関連書類
保管期間:7年(法人税法施行規則59、67)

電子取引の取引情報
保管期間:7年(電子帳簿保存法施行規則8)

建設業の営業業務に関連する図書・資料(帳簿、完成図、打ち合わせ記録、施工体系図等)
保管期間:10年(建設業法施行規則28)

建築士事務所の業務に関する図書で国土交通省が定めるもの(配置図、各階平面図、構造計算に関する書類等)
保管期間:15年(建築士法施行規則21)

現在有効な契約書
保管期間:永久(ー)

2.契約書の保管で起こりやすい問題

契約書の保管で起こりやすい問題を紹介します。後々大きな問題とならないよう、適切な書類管理を心掛けましょう。

膨大な保管スペースが必要

まず挙げられる問題が契約書の保管スペースです。オフィスの面積が圧迫されると他の業務に支障をきたすこともあります。外部の倉庫を借りるにしてもコストが掛かり、賃料の高い都心部の企業にとっては大きな負担となります。

廃棄すべき期間満了の契約書がそのまま

契約書の管理ができていない企業に共通する特徴が「破棄すべき契約書までもが保管されている」という点です。
「契約書は心理的に捨てにくい」「トラブルに備えて捨てたくない」と考えてしまうかもしれません。

しかし、10年の保管期限を過ぎた契約書を巡ってトラブルが発生する可能性は限りなくゼロに等しいです。

郵送などの手間による工数過多

紙媒体の契約書を運用する場合、書類の受け渡しにも手間が掛かります。

例えば契約書を本社で一括管理しているケースでは、支社で原本が必要となる度に郵送手続きが必要です。書類1枚をやり取りするだけでも多くの手間と時間を取られてしまいます。

必要な際に探し出せない契約書

契約書の体系的な管理がなされていない企業では、必要な時にすぐ契約書を探し出せないという問題が起こりがちです。

管理ルールが定められていたとしても、契約書を出し入れする機会が多ければヒューマンエラーが起こる可能性も高まります。

3.書面の契約書を保管する方法

紙媒体の契約書を保管する際は「誰が」「何処で」「どのような方法で」実施するかルールを定めなければなりません。

また、管理を徹底するためには保管・管理のルールを全社で統一することが重要です。

保管・管理担当の決定

契約書の保管ルールを定める場合、まずは「担当者(担当部署)」と「保管場所」決めましょう。代表的な方法を4つ紹介します。

●本社の文書管理部門が一括で管理

中小企業などでよく見られる方法が本社の文書管理部門による一括管理です。契約書は企業の経理や税務にも関わることから、経理部や法務部、もしくは総務部などの関連部門が担当します。

この方法だと、必要な契約書にすぐアクセスしやすい一方、多くの書類が1ヵ所に集中するため、大量の契約書の保管場所が必要になってしまいます。

●各部門で分散管理

各部門に契約書の管理権を委譲し、各部門の担当者が契約書を管理する方法もあります。こちらは部門ごとの独立性が高い企業で見られる管理形態です。

本社一括管理よりも必要書類へのアクセスが容易になりますが、他部門の書類を参照したい場合は管理者同士の連携が重要になります。

●シェアードサービス部門を設けて管理

シェアードサービスとは、複数のグループ会社や事業部からなる大企業が人事や経理といった管理部門を1ヵ所に集約し、業務の効率化を図ることです。

契約書の管理をシェアードサービス部門に任せる企業も見られます。

●外部倉庫に保管

オフィス内での契約書保管が困難な企業ではレンタル倉庫を利用するケースが一般的です。しかし、あくまで保管を目的とした場所ですので管理者が常駐するわけにはいきません。倉庫に保管されている契約書の参照には手間が掛かるため、データ形式でも管理するなど工夫が必要となります。

分類・保管方法の決定

管理担当者と保管場所を決めたら次は契約書の「分類方法」を決めましょう。体系的に分類して保管しなければ必要な書類を探し出すことができません。ここでは4つの分類方法を紹介します。

●名称別分類

名称別分類は、その名の通り契約者の名前や契約した商品・サービスの名称を基準として契約書を分類する方法です。五十音順で契約書を保管するため該当書類の発見が容易ですが、契約書の数が増えると管理が困難になります

●テーマ別分類

テーマ別分類は契約内容に応じた大分類を作成して契約書を管理する方法です。顧客との取引契約、下請け企業との業務委託契約、オフィス施設関連の契約など、テーマごとに分けることでより該当書類へアクセスしやすくなります。ただし、分類基準が曖昧だと適切に機能しません。

●プロジェクト別分類

プロジェクト単位で契約書を分類する方法もあります。そのプロジェクトに関わる契約書のみが集約されるため、作業効率の良い分類方法と言えるでしょう。

●数字別分類

数字別分類は、契約書の締結日や有効期限など、日時によって書類を分類する方法です。正確な日時が把握できていればピンポイントで書類を見つけることができますが、逆に日付が曖昧だと非常に探しにくくなります。

契約書台帳を作成

契約書を適切に管理するためには契約書台帳の作成が欠かせません。契約書台帳とは、契約書の内容や保管場所を管理するための帳簿です。現在では電子データで作成することが一般的ですので、全ての契約書を一元管理できます。なお、契約管理台帳専用システムもありますが、エクセルでも代用可能です。

以下、契約書台帳に記録する代表的な項目を紹介します。

● 契約の種類・分類
● 契約の管理部門(事業所・部署など)
● 契約の担当者名
● 契約書番号
● 契約名
● 締結年月日
● 相手方の担当者名
● 自動更新の有無
● 有効期限
● 原本の保管場所

上記はあくまで一般例であり、必須ではありません。
自社の管理状況を踏まえ、必要な情報を記録するようにしましょう。

4.契約書をスキャンして電子化する方法

紙媒体の契約書を管理・保管に関する課題をまとめて解決する方法が契約書の電子化です。ここでは契約書をスキャンして電子化する方法を解説します。

契約書のスキャンデータでも要件を満たせば原本として扱える

電子化した契約書であっても要件を満たせば原本として扱うことが可能です。

この場合は紙媒体の書類の保管義務もありません。企業を悩ませていた書類管理のコストや工程について大幅な改善が期待できるでしょう。

契約書を電子データに変換する際はスキャン装置を使用します。

ただし電子化した契約書を原本として扱うためには、200dpi以上の解像度で読み取れること、カラー画像による読み取りができること(※一般書類の場合はグレースケール可)が要件です。

なお、令和4年1月1日以降は、契約書の電子化を始めるにあたり特別手続きは必要ありません※令和3年12月31日までは電子化開始に税務署長の承認が必要です。

ただし、以前より保管している過去分の重要書類を電子化する際は税務署への届け出が必要です。

電子帳簿保存法

契約書を電子データとして保存する場合は電子帳簿保存法のルールに従って正しく運用する必要があります。電子帳簿保存法とは、契約書を含めた国税関係帳簿書類を電子データで保存するための方法を定めた法律です。スキャナ保存の要件もこの法律で定めています。

契約書電子化の要件の中でも特に重要なものが「タイムスタンプの付与」です。電子データは編集が容易なため、技術的な仕組みによって真実性を担保しなければなりません。日時記録であるタイムスタンプの付与により、その時点で電子データが存在したことを証明できます。

また、電子データにタイムスタンプを付与する際は同時にそのデータのハッシュ値を取得します。ハッシュ値とはハッシュ関数によって算出するその電子データ固有の数値です。

データに変更が加えられるとハッシュ値も変化するため、ハッシュ値を比較することでデータ改ざんの有無が検証できます。

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5.契約書を電子化して保存するメリット

契約書を電子化して保存するメリットは以下の通りです。

● 大幅なコストカットができる
● 契約業務の効率化が実現
● 契約書の管理・検索が簡単

今後は契約書の電子化だけではなく契約行為自体の電子化(電子契約)の普及も見込まれます。競合他社に後れを取らないよう、早期に電子化の検討をすることをおすすめします。

大幅なコストカットが可能

契約書の電子化により大幅なコストカットが期待できます。物理的に保管していた契約書をすべて電子化できれば書類の保管コストは実質ゼロです。電子化した契約書であればメールでやり取りできるため、郵送コストも掛かりません。

また、電子契約システムを利用したオンライン契約であれば契約書に対する印紙税が掛かりません。これは、印紙税が「紙の契約書の作成」に対して課税される税金であるためです。

電子契約を本格的に導入することで契約の量が多いほど、大幅なコストカットが期待できるでしょう。

契約業務の効率化が実現

契約書を電子データとして扱えるようになることで、契約業務の効率化が図れます。特に遠方の相手と書類の交換をする際にその効果が顕著です。

従来は郵送で契約書を送付していたため、書類の交換には早くても3日前後は掛かっていました。しかし、電子データをメールやチャットに添付すれば実質的にタイムレスで書類の交換が可能です。従来は締結に1週間かかっていた契約も1日で済ませられるようになるでしょう。

また、保管スペースも不要となるため、契約書の管理に携わる担当者の業務自体も効率化されます。

契約書の管理・検索が簡単

電子化した契約書の管理・検索は紙の契約書に比べて圧倒的に簡単です。物理的に保管されている契約書の中から目当ての書類を探すためには、膨大な量のファイルの中から自身の目で探さねばなりません。

しかし、電子的に管理されていれば契約名や会社名、日付などから絞り込んで該当書類を検索することができます。

また、電子データの保存先をクラウドにしておくことで、出先や自宅からでも契約書の情報が確認可能です。
テレワークを始めとした新しい働き方を推進するためにも、契約書の電子化は欠かせません。

6.契約書の保管に関する悩みは電子化によって解決可能

契約書を適切に保管するためには保管場所や管理担当者を定め、全社でルールを統一して取り組むことが重要です。
書類の紛失はコンプライアンス上の問題にもなりますので、決して雑な管理をしてはなりません。

また、ビジネスのペーパーレス化が進む現在、契約書を紙で保管するという考え方が古いものとなりつつあります。
電子契約の導入を含め、契約書の電子化を進めることも検討してみましょう。

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