電子サインで契約書の法的効力は担保される?電子署名との違いもあわせて解説!
更新日: 2022.12.9
公開日: 2022.6.22
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電子サインは、セキュリティ対策を施せば法的効力が認められ、業務の効率化などに役立てることができます。また、電子サインと電子署名は厳密にいうと異なる概念なので、使用する際には注意しましょう。
この記事では、電子サインの概要や法的効力や電子署名との違い、電子サインで契約するメリットなどを解説します。
目次
電子契約はコスト削減や業務効率の改善だけがメリットではありません。法的効力を持っていて、安全性が高いことをご存知でしょうか。契約締結や送信の履歴・証拠を残すという点でも、実は書面契約より使い勝手よく運用可能です。
ガイドブックでは、電子契約の仕組みや実際の業務フロー、電子契約の根拠となる法律や電子契約のサービスを導入するまでに準備すべきことまでを網羅的に解説しており、これ一冊で電子契約の仕組み理解から導入まで対応できる資料になっています。興味がある方は、ぜひ資料をダウンロードしてご活用ください。
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・書面契約との違い
・法的有用性
・電子化できる契約書の種類
・導入メリット、効果 など
1.電子サインとは電子上でおこなう署名捺印のこと
電子サインとは、書面への署名捺印をデジタル化し、本人証明や意思確認を電子上でおこなう仕組みのことです。
紙を使わずに契約書の締結や見積書・領収書の発行などができるため、業務の効率化やペーパーレス化などに役立ちます。
電子サインを活用した例としては、買い物の際にタブレット端末への署名も挙げられます。また、このほかにも指紋などを使った生体認証も電子サインに含まれます。ビジネスの場では、メール認証などを使った契約書へのサインなどが代表的です。
関連記事:電子サインとは?|メリットや法的効力について具体的に解説!
2.電子サインと電子署名の違い
電子サインと電子署名は、厳密にいうと異なる概念であり、電子サインという大きい括りのなかに電子署名が存在します。
電子サインは広い概念であるため、ハンコの画像をスキャンしただけのデータも電子サインに含みます。この電子サインの場合、書面データが改ざんされていないか、本人によって捺印されたものかが判断できないため、法的効力を持ちません。そのため、「電子サイン」というだけでは、具体的にどのように締結されたのかが分からないので、法的効力を持っているか判断できません。
一方、電子署名とは、電子署名法などの法律によって法的効力が保証されています。電子証明書の付与などにより、厳格に本人性の担保が可能で、従来の実印に相当する仕組みともいえます。
3.紙の契約書と電子契約書の違い
紙の契約書も電子契約書も、どちらも法律に則って締結すれば、証拠能力のある契約書として認められています。それぞれの違いを解説します。
3-1.紙の契約書は署名捺印で証拠能力を得る
従来の紙の契約書は、署名捺印が施されることにより、民事訴訟法第228条4項の「私文書は、本人(中略)の署名又は押印があるときは、真正に成立したものと推定する。」を満たすため、法的効力が保証されます。
法務局などに届け出る印鑑証明書によって、印鑑の本人性を担保されています。
3-2.電子契約書は電子署名とタイムスタンプで証拠能力を得る
一方、電子契約書とは、PDFなどで電子化された契約書データのことです。
紙の契約書と違い、電子データは改ざんが容易にできてしまうため、まずは電子文書自体の改ざんを防止する仕組みが必要です。
そのために利用されるものが、時刻情報やハッシュ値などを付与したタイムスタンプです。
次に、電子署名第3条が規定する「(前略)本人による電子署名(中略)が行われているときは、真正に成立したものと推定する。」を満たす仕組みとして利用されるのが、先述した電子署名です。[注1]
認証局という第3者機関により発行される電子証明書によって、電子署名の本人性が担保されています。
タイムスタンプと電子署名の仕組みをかけあわせることによって、電子契約書も紙の契約書と同等の法的効力を得ることができます。
4.電子サイン(電子署名)の種類
電子サインには、「当事者型」と「立会人型(事業者署名型)」という2つの種類があります。
ここからは2つの特徴について詳しく紹介します。
4-1.当事者型
当事者型は、電子証明書を利用して契約する当事者が自分で電子署名を発行する方法です。
当事者型の場合には、電子認証局によって発行される電子証明書を、送信者と受信者のそれぞれが取得・維持する必要があります。手間がかかる分、電子認証局を挟む当事者型の方は証拠力が高いのが特徴です。
4-2.立会人型(事業者署名型)
立会人型では、電子サインのシステムを販売する会社が電子署名を付与します。
電子認証局を挟んで電子証明書を取得する必要がなく、相手がシステムを導入していなくても利用することができます。本人確認はメール認証などで済ませられるため、面倒な手間が発生しないのが特徴です。
5.電子サインで契約書を締結するメリット
電子サインで契約書を締結することで、業務の効率化やコスト削減、コンプライアンス強化など、さまざまなメリットが生まれます。ここからはそれらのメリットについて詳しく解説します。
5-1.業務を効率化できる
紙の契約書を使う場合、印刷や押印、収入印紙の添付、封筒への住所の記載など、送付するだけでも多くの工程が発生します。
また、契約締結までは取引先の契約書の返送を待たなくてはいけず、もし間違いがあれば、修正や手続きのやり直しが必要です。管理がずさんな状態だと、契約締結できていない契約書が溜まる可能性もあります。
電子サインで締結できるシステムを契約業務に導入すれば、契約書の作成から締結、保管まですべてクラウド上で管理できます。メールで送受信し、進捗状況もシステムで管理できるため、契約漏れなども起こりにくくなります。
また、ペーパーレスで管理できるため、探したい契約書をすぐに検索し見とけることが可能となります。
5-2.印紙税や郵送代が不要になる
紙の契約書では、印刷代や郵送代だけでなく、保管コストや破棄コストも発生します。また、契約金額によっては印紙税の支払いも必要です
一方、電子サインでは郵送代などの諸経費がかからず、電子的方法で作られた文書には印紙税が発生しないため、収入印紙も必要ありません。
業務効率が上がり残業を減らすことができれば、余った人的リソースを本来やらなければならない業務に集中させることもできます。
5-3.保管スペースの確保が不要になる
紙の契約書を管理する場合、書類を保管するための倉庫やキャビネットを用意する必要がありました。契約を更新する度に新しい書面を保存しなければならず、少しずつではあれども書類は無制限に増えていきます。
一方、電子サインでは、全て電子上でデータを保存するため、そのようなスペースを確保する必要がありません。また、クラウド上に保存しておくことで、在宅勤務中でもデータを参照することができます。
5-4.コンプライアンスを強化できる
電子契約書は、紙書類のように紛失や持ち出しがしづらく、契約更新漏れなど人的ミスも防ぎやすくなります。
契約書の作成から締結まですべて可視化されるため管理しやすく、機密書類には閲覧権限を設けることも可能です。
また、保管されたデータにはセキュリティ対策も施されることから、流出の防止にもつながります。
クラウド上で多重バックアップなどにより管理されるため、災害時のデータ損失対策にもなります。
5-5.柔軟な働き方にも対応できる
電子契約では、インターネットにつながる環境があれば、契約に関するすべての工程をWeb上で行えます。
そのため、契約書の処理のために出社する必要がなく、テレワークや在宅勤務も導入しやすくなります。
柔軟な働き方を取り入れることで、従業員が働きやすい環境を整えたり、優秀な人材を確保したりしやすくなる点もメリットです。
6.電子サインを導入して契約書の締結業務を効率化しよう!
電子サインを導入することで、契約書の締結業務は非常に効率化することができます。電子署名やタイムスタンプの仕組みも取り入れて、法的効力を保った状態での電子サイン導入がおすすめです。
最初から全面的に電子サインを導入するのは非常にハードルが高いものです。取引先は電子サインでの取引でも問題ないかなどを事前に確認したうえで、スモールスタートで導入に踏み込みましょう。
電子契約はコスト削減や業務効率の改善だけがメリットではありません。法的効力を持っていて、安全性が高いことをご存知でしょうか。契約締結や送信の履歴・証拠を残すという点でも、実は書面契約より使い勝手よく運用可能です。
ガイドブックでは、電子契約の仕組みや実際の業務フロー、電子契約の根拠となる法律や電子契約のサービスを導入するまでに準備すべきことまでを網羅的に解説しており、これ一冊で電子契約の仕組み理解から導入まで対応できる資料になっています。興味がある方は、ぜひ資料をダウンロードしてご活用ください。
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