人材育成における目標設定の方法を知りたい!重要性や目標例も解説
更新日: 2025.5.1
公開日: 2025.4.15
jinjer Blog 編集部
「人材育成において目標を設定する方法を知りたい」
「目標を設定する重要性は?」
上記のような疑問をお持ちではないでしょうか。
人材育成における目標設定は、従業員の成長につながり、企業の継続的な発展にも貢献する重要な要素です。企業は、職種や従業員の階層に応じて、適切な目標を設定しなければなりません。
本記事では人材育成における目標設定の重要性や手順、職種や階層ごとの目標例を紹介します。目標を設定する重要性やポイントを理解して、従業員の成長を促しましょう。
目次
人事評価制度は、従業員のモチベーションに直結するため、適切に設計・見直し・改善をおこなわなければ、最悪の場合、従業員の退職に繋がるリスクもあります。
しかし「人事評価制度に改善したいが、いまの組織に合わせてどう変えるべきか悩んでいる」「前任者が設計した評価制度が古く、見直したいけど何から始めたらいいのかわからない」という方もいらっしゃるでしょう。
当サイトではそのような企業のご担当者に向けて「人事評価の手引き」を無料配布しています。
資料では、人事評価制度の基本となる種類の解説や、導入手順、注意点まで詳しくご紹介しています。自社の人事評価に課題感をお持ちの方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご確認ください。

1. 人材育成で目標を設定する重要性
人材育成において目標設定が重要視される理由は、以下のとおりです。
- 従業員の目標と役割が明確になる
- 業務の効率化につながる
- 企業のビジョンが浸透しやすくなる
- 従業員のモチベーション向上につながる
- 人事評価の透明性が高まる
目標を設定することで、従業員一人ひとりの達成すべきことが明確になり、足りないスキルや知識がわかりやすくなります。従業員は、目指すべき方向性が具体的になるため、業務に取り組みやすくなるでしょう。
また、目標の設定は人事評価にも役立ちます。目標が設定されていると評価基準が明確になり、人事評価の透明性と信頼性を高められるためです。
客観的な評価ができるので、企業と従業員双方にとって納得感のある人事評価が実現します。従業員の満足度が高まれば組織全体のパフォーマンスが向上するため、結果的に企業の成長につながるでしょう。
2. 人材育成の目標を設定する手順
人材育成の目標を設定する手順は、以下のとおりです。
- 目標の種類を確認する
- 具体的な目標を設定する
- 目標を達成するための行動を決める
- 目標達成までの期限を設定する
2-1. 目標の種類を確認する
まず、目標の種類を確認しましょう。主に以下の2種類があり、どちらの目標を設定すべきかの検討が重要です。
種類 | 内容 | 具体例 |
発生型目標 | ・すでに発生している問題や課題を解消するために定める目標
・マイナスをゼロにする |
・赤字を黒字にする
・残業時間を削減する |
設定型目標 | ・現状をもとに個人が自発的に定める目標
・ゼロからプラスを目指す |
・6ヵ月以内に売り上げを10%向上させる |
発生型目標を設定する際は、問題や課題を洗い出し、しっかりと分析する必要があります。根本的な原因を突き止め、解決するための目標を立てましょう。
一方、設定型目標は、具体的な目標数値を決めることが難しい場合があります。そのため、目標数値に悩む従業員をサポートするための体制を整えておくとよいでしょう。
過去のデータや事例をもとに具体的な数値の提案により、目標設定を現実的かつ達成しやすくなります。
2-2. 具体的な目標を設定する
次に具体的な目標を設定します。目標を決める際は、フレームワークを活用すると効果的です。
代表的なフレームワークの一つに、SMARTの法則があります。
SMARTの法則 | 内容 |
Specific(具体的) | 明確で具体的な目標を設定する |
Measurable(測定可能) | 成果を測定できるようにする |
Achievable(達成可能) | 現実的な目標を設定する |
Relevant(関連性がある) | 業務や企業の方針と関連する目標にする |
Time-bound(期限がある) | 達成までの期限を明確にする |
目標を決める際は、一つに絞り込むことが重要です。複数設定すると、やるべきことが不明瞭になり、どの目標も達成できない結果になりかねません。
複数の目標がある場合は優先順位を決め、重要なものから取り組んでもらいましょう。
2-3. 目標を達成するための行動を決める
目標を設定したら、達成のためにどのような行動をすべきか明確にします。行動が抽象的だと意味がないため、いつ・何を・どのようにするのか、できるだけ詳細な行動計画を決めましょう。
例えば、「3ヵ月以内に社内の業務フローを改善すること」を目標に設定したとします。行動計画は、「従業員から意見を収集し業務の標準化マニュアルを作成する」など、現実的に達成できるレベルで、具体的な設定をすることが重要です。
目標達成に向けて行動しやすくするために、具体的な内容をリスト化するなどの工夫をするとよいでしょう。
2-4. 目標達成までの期限を設定する
どのような行動をすべきか明確にしたら、目標達成までの期間を設定しましょう。期限を設けることで、目標達成に向けて取り組む姿勢が強化されます。
目標達成までの期限は、目標内容によってさまざまです。数ヵ月単位の目標もあれば、年単位の長期的な目標になる場合もあるでしょう。
期限が長くなる場合は、中間目標を定めておくと状況が把握しやすくなります。また、中間目標を達成できれば小さな成功体験を積み重ねられるので、モチベーションを維持しやすくなるでしょう。
中間目標を定期的に見直し、状況に応じて修正することも大切です。
3. 人材育成の目標の管理方法
人材育成の目標を管理する際は、以下の点を意識しておこないましょう。
- 定期的に進捗状況を確認する
- フィードバックやフォローをおこなう
3-1. 定期的に進捗状況を確認する
目標設定後は、定期的に進捗状況の確認が欠かせません。個別に管理を任せると、目標達成に向けたアプローチがズレていたり、問題が発生したりした場合に早期にサポートできなくなるため得策ではありません。
進捗状況を把握できるように、目標管理シートなどを作成してもらうとよいでしょう。共有もスムーズになり、従業員が目標を意識するきっかけにもなります。
3-2.フィードバックやフォローをおこなう
状況に応じて、フィードバックやフォローをおこなうことも重要です。目標達成に向けてスムーズに進んでいない場合は、従業員を責めずに一緒に達成方法を考える姿勢をとりましょう。
従業員の成長の機会を逃がさないよう、すぐに答えを教えるのではなく、解決のためのヒントを与えることが大切です。自分で考え行動させることで、目標達成に対する自主性を維持しながら、問題解決能力を育てられます。
4. 職種別|人材育成の目標例
人材育成の目標は職種によって傾向が異なるため、職種に合わせた目標を設定することが重要です。ここでは、以下の職種別に目標例を紹介します。
- 営業職
- 技術職
- 事務職
4-1. 営業職
営業職の目標例は、以下のとおりです。
- 既存顧客にフォローアップを実施しリピート率を10%向上させる
- 1日の商談件数を5件増やし月間3件の成約を目指す
営業職は、具体的な数値を目標に掲げやすい職種です。過去の実績や目標達成率などを見ながら、現実的に達成できる数値を設定しましょう。
4-2. 技術職
技術職の目標例は、以下のとおりです。
- 来期までに新たな技術を3つ使えるようにする
- タスク管理ツールを活用し納期の延期をゼロにする
技術職は、技術面の向上が主な目標になります。個人作業が多くなりがちですが、チーム内での知識共有や業務改善も重要な目標になるでしょう。
4-3. 事務職
事務職の目標例は、以下のとおりです。
- データ入力ミスをゼロにするためチェックリストを作成し1ヵ月ごとに見直す
- 業務フローを見直し作業時間を20%削減する
事務職は、数値目標を設定しにくい傾向があります。業務の効率化や正確性が求められるため、改善案や新しいツールの積極的な活用などが目標に設定しやすいでしょう。
5. 階層別|人材育成の目標例
人材育成の目標例を、以下の階層別に紹介します。
- 新入社員
- 中堅社員
- 管理職
5-1. 新入社員
新入社員の目標例は、以下のとおりです。
- 入社3ヵ月以内に業務フローとシステム操作を習得する
- 半年以内に新しい企画を1本提案する
新入社員は、基礎を身につけ、自己成長のために積極的に学ぶ意識を持たせることが重要です。成功体験を増やすために実現しやすい目標を設定すると、モチベーションが上がりやすくなります。
5-2. 中堅社員
中堅社員の目標例は、以下のとおりです。
- 3ヵ月以内にチームで活用できる効率化ツールを導入する
- 1年以内に業務に関連する外部研修を3回受講し、学んだ内容を社内でシェアする
中堅社員は、次世代のリーダーとして組織に貢献できる能力を身につける重要な時期です。自身の能力を最大化するとともに、リーダーシップや課題解決、業務改善などを目指した目標を設定してもらいましょう。
5-3. 管理職
管理職の目標例は、以下のとおりです。
- 1年間でチーム全体の業績目標達成率を10%以上向上させる
- 業務フローを見直し、無駄なコストを5%削減する
管理職は自身の目標だけでなく、部下の成長やモチベーション向上、チーム全体の目標達成を重視した目標を設定することが求められます。
6. 人材育成の目標を立てる際のポイント
人材育成の目標を立てる際は、以下の3つのポイントを押さえましょう。
- 人事評価と個人の目標を連携させる
- 無理のない実現可能な目標設定をする
- 継続的なサポートとフォローをおこなう
とくに、人事評価と個人の目標を連携させることが重要です。目標を達成しても人事評価に反映されなければ、従業員は不満を抱きかねません。
人事評価と一貫性のある目標を掲げることで、従業員も納得感を持って自主的に取り組めるでしょう。
7. 人材育成の目標を設定して従業員の成長につなげよう
適切な目標設定は、従業員の役割を明確にするため、目標達成に向けた行動に取り組みやすくなります。また、目標が設定されていると評価基準が明確になるため、人事評価の透明性と信頼性を高められるでしょう。
目標設定の重要性や手順を理解し、正しく管理することで組織全体のパフォーマンスがアップします
適切な目標設定を通じて従業員の成長を促し、企業の持続的な発展を実現させましょう。
人事評価制度は、従業員のモチベーションに直結するため、適切に設計・見直し・改善をおこなわなければ、最悪の場合、従業員の退職に繋がるリスクもあります。
しかし「人事評価制度に改善したいが、いまの組織に合わせてどう変えるべきか悩んでいる」「前任者が設計した評価制度が古く、見直したいけど何から始めたらいいのかわからない」という方もいらっしゃるでしょう。
当サイトではそのような企業のご担当者に向けて「人事評価の手引き」を無料配布しています。
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