印鑑の押印はなぜ必要?電子印鑑の種類や法的効力についても紹介 | jinjerBlog

印鑑の押印はなぜ必要?電子印鑑の種類や法的効力についても紹介

印に印鑑押す瞬間

書類への「押印」は、日本の企業文化で慣習となってきたもののひとつです。

しかし、近年リモートワークの推進が行われるなかで、その必要性についても改めて議論されるようになりました。

今回は、印鑑を押印する必要性や会社で使用する印鑑の種類、電子印鑑の種類と法的効力、印鑑を使用する上での注意事項などを解説します。

1.印鑑を押印する必要性とは?

手に浮かぶたくさんのはてなマーク

ここではまず、なぜ書類に押印を行う必要があるのか、その必要性について考えていきましょう。

1-1.印鑑を押印する役割について確認

一般的に、書類に印鑑を押印するシーンには、次の2つが挙げられます。

・社外向け文書(契約書や請求書、納品書等)への押印
・社内向け文書(各種申請書や稟議書等)への押印

社内向け文書の押印は、承認手順が適正であることの証明や、文書についての関係者による合意を示す役割を持っています。

また、社外向け文書の押印には、取引先との合意や契約の事実を示す役割を持ち、トラブル発生時に備えたり、経理を行う際の記録を行ったりという役割を持っています。

ただし、上述した役割については、印鑑を押印する必要性として明確に示されたものではありません。文書への押印は、あくまでも本人の意思により作成・同意された文書であるかどうかを確認するための意味合いとして行われています。

そのため、押印がない場合でも、本人が同意したということが確認できる自筆の署名や、同意した事実が確実に証明できるものが用意できれば、必ずしも義務化されたものではないとされています。

1-2.押印作業の形骸化から電子印鑑の導入が増加傾向にある

このように、押印作業は、長年の慣習として行われてきたという点から、近年は作業の形骸化が見られており、作業そのものを見直す動きが広まってきました。

あわせて、ここ数年推進されるリモートワークなどの働き方改革のなかで、押印のためにわざわざ出社することの必要性についても議論されるようになりました。

そのため、印鑑による押印作業に代わって、電子印鑑を導入する企業が増加傾向にあります。

2.電子印鑑の種類と法的効力

顎に手を組む男性

電子印鑑を利用することで、押印のために出社をすることなく、リモートからでも承認作業を行うことができます。

ここでは、電子印鑑の種類と法的効力について確認します。

2-1.電子印鑑の種類

一般的に、電子印鑑には次の2つの種類があります。ここでは、2つの電子印鑑の特徴について説明します。

①印影を画像データにした電子印鑑

印影を画像データにした電子印鑑には、印鑑の印影をスキャンして画像化したものや、電子印鑑を作成するアプリを利用して作成するものなどがあります。

このような電子印鑑は、印影の背面に透過処理を施したものが多く、比較的容易に作成できるものが主となっています。

ただし、複製も容易なことから、押印による効力は弱くなる傾向にあります。そのため、重要書類に使うのは不向きです。

②印影にタイムスタンプ情報を組み込んだ電子印鑑

印影にタイムスタンプ情報を組み込んだ電子印鑑では、押印した本人を識別するための情報(印鑑の使用者やタイムスタンプなど)が組み込まれています。

基本的に有料のサービスとなっているものが多く、コストがかかってしまうのは難点ですが、押印の本人性を証明したい場合には適したサービスとなっています。

2-2.電子印鑑の法的効力

2005年に施行されたe-文書法において、契約書を含む商取引に関する一部文書の電子化が認められるようになりました。

そのため、紙で作成された文書だけでなく、電子化された文書の場合でも、法的効力は認められています。

もちろん、電子文書に電子印鑑を押印することも可能です。

なお、電子印鑑が法的な効力を持つには、認証局による電子証明書が発行されている必要があります。電子証明書とは、押印された電子印鑑の本人性を示すものとして有効な証明書です。

法的効力をもつ電子印鑑を使用する場合には、本人性を証明できる、識別情報が組み込まれた電子印鑑を利用する必要があります。

3.電子印鑑を使用する上での注意事項

水色の背景とメガネかけた女性

ここでは、電子印鑑を使用する上での注意事項を4つ取り上げ、紹介します。

3-1. 電子印鑑が使用できない文書でないか確認する

文書によっては、実印や印鑑証明書を求められる書類など、電子印鑑が使用できないものもあります。

そのため、電子印鑑を使用する前には、電子印鑑が有効な書類か、事前に確認をしておかなければなりません。

3-2. 取引先が電子印鑑の使用を認めているか確認する

取引先によっては、従来の紙への捺印のみを取り扱っている場合や、セキュリティ面での不安から、電子印鑑の使用を認めていない場合もあります。

自社が導入済みの場合でも、取引先で電子印鑑の使用を拒否される場合もあるため、取引先と電子印鑑を利用したやり取りを検討しているのであれば、事前に確認をしておかなければなりません。

3-3. 電子印鑑の使い分けを意識する

上述の通り、電子印鑑には、無料の電子印鑑作成ツールを利用したものや、印影をスキャンしたもの、有料のサービスを利用してタイムスタンプ情報を組み込んだものなどがあります。

このうち、無料の作成ツールを利用したものや、印影をスキャンしたものについては、本人かどうかを確認できないため、社内向けの文書やあまり重要ではない文書などの使用に限られます。

一方、有料サービスを利用して作成された電子印鑑は、本人の識別情報まで組み込まれているので、本人性を確認することができます。そのため、取引先との契約書といった重要書類にも利用できます。

このように、押印する電子文書の重要度によって、使用する電子印鑑の使い分けを意識していく必要があります。

3-4. 複製のリスクを考慮する

印影をスキャンした電子印鑑は、簡単に複製することが可能です。そのため、このような電子印鑑を使用する場合には、セキュリティリスクがあることを考慮にいれておかなければなりません。

社外向けの重要書類など、本人性を担保できる電子印鑑を導入する場合は、本人の識別情報やタイムスタンプなどが組み込まれた有料サービスを利用して、電子印鑑を作成するのがおすすめです。

4.形骸化した押印作業を見直し電子印鑑の導入を検討する企業が増えている

4人の社員

日本の企業文化のなかで長年行われてきた印鑑による押印作業は、必ずしも義務化されたものではなく、形骸化されており、近年見直しが進められています。

多くの企業では、従来の印鑑による押印作業に代わり、電子印鑑を導入するケースも増えています。

電子印鑑の利用により、押印のための出社をする必要もなく、時間や場所を選ばず承認作業が可能となります。

印鑑に法的効力を持たせたい場合には、本人性を証明する識別情報が組み込まれた電子印鑑を利用するのがおすすめです。

電子印鑑のメリット・デメリットを理解し、社内の脱ハンコに向けた動きを加速させていきましょう。